日本裁判官ネットワークブログ
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1 昨日小椋佳の公演会が当地であり、ひとりで聴きに行った。妻は体調不良で同伴は無理であった。
2 小椋佳は、軽妙なおしゃべりで聴衆の心を掴む不思議な才能の持ち主であり、70歳も過ぎたので、疲れるなどとおどけて笑わせた。かなり前に胃ガンの手術をしたが、食事の量が減り、痩せたとのことではあるが、声量も豊かで元気そうであったので、安心した。
3 今回は歌談「闌(たけなわ)の会」と称しており、難しい名で当初私は読めないでいた。今回最終CD{闌」としての曲を沢山作ったそうである。彼は「溢れるような感性」の持ち主なのであろう。
4 今回は「宴も闌ではありますが、この辺りで会をお開きにさせていただきます」というお定まりの言葉から、「闌」と命名したそうで、「これで本当におしまいです。皆さん、さようなら。」と笑わせた。
5 終演後楽屋を訪ねた。彼と私は大学の法律相談所の友人であり、私が郷里の裁判所に赴任した平成11年から、もう5回は全国公演で来岡しており、その都度彼の公演を聴きに行った。わが事務所の事務員を含めた5人と、彼の一座20人位とで公演後の夕食を共にしたことがあり、そのお礼として、色紙を5枚書いて貰ったことがあるが、それぞれの家の家宝となっている筈である。
6 今回の公演もとても素晴らしかった。彼の創作による素敵で悲しい恋のお伽話のミュージカルには涙が止まらなかった。楽屋に彼を訪ねた時に、「あれを見て泣いてしまったよ。おかしいかなあ。まだ涙もろくなっているとは思っていないんだけど。」と言うと、彼は嬉しそうに笑っていた。
7 今回楽屋で初めて奥さんに会った。彼が公演をしなくなり、奥さんと全国旅行するような時がくれば、我が家を宿として泊まって欲しいと伝えた。因みに奥さんは小学校の同級生であることも初めて知った。他にもいろいろと小さな約束をしたが、今は書かない。
8 彼に会った時は、私から握手を求め、さよならの時には、彼から握手を求めてきた。
9 先頃「月1カラオケ健康法」の実践として、半年振りにカラオケに行った。妻と先輩弁護士の3人である。私は小椋佳の「さらば青春」も歌ったが、彼の歌を10曲位手持歌に用意することに決めた。
10 彼とは風貌も似ているような気がするが、「ウマ」も合っているようで、親しみの思いが強い。どうか無理をせず、できるだけ頑張って欲しいと思っている。時々上京する機会に彼にも会うことにしようと、今回思った次第である。(ムサシ)



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 8 その後,私は残してあるコピーを綴じたファイルをパラパラとめくってみると,「初回だけ手数料が必要です」とか,「納金証明が完了すればお金をお渡しできます」とか,「手数料は返還するものです」などと記載されていることが分かった。とりあえず,一定の金額を振り込むことが要求され、それが返却されず、詐取されるという仕組みなのであろう。また私の「銀行口座の銀行名,支店名,口座番号,名義人を教えてくれれば,その余の手続きは全て代行します」などと記載されているのが見つかった。これは私の預金口座が危険になるということであろう。彼らの詐欺の手法も概ね推測できたということであろうか。
9 それにしても,「今回はあなたの勝ちですよ。」という記載は,正直に,「目的は詐欺であり,目的に失敗したことを犯人が認めた」ということなのであろう。
10 その後,パソコン業者にいろいろと質問する機会があったが,私がメールの添付ファイルを開封すると,ウイルスに感染して,私のパソコンが外部から遠隔操作ができるようになった可能性があるとのことであった。例のパソコン遠隔操作事件と同じ状態が生じるというのである。
11 最近,125万件という大量の年金情報が流出したという事件が報道されている。日本年金機構の複数の職員が,ウイルスに感染したメールの添付ファイルを開封したことが原因だということのようである。しかし,添付ファイルを絶対に開封しないようにと指示でもされていない限り,開封しないことは不可能であったろう。
12 情報が流出した被害者には文書で通知するということであるが,誰かが本人になりすまして年金を受け取るという恐れが発生したということになる。ウイルスへの感染防止の有効な対策はないものなのであろうか。
13 わが国でも,来年1月に「マイナンバー制度」がスタートするそうである。国民1人ひとりに12桁の番号を割り振り,納税,年金,健康保険などの情報を一元管理するというのである。国は安全対策はできていると言っているそうであるが、今回の年金情報流出事件をみていると、甚だ不安である。
14 最近ウイルス添付メールで特定組織を狙う「標的型メール攻撃」が急増しているそうである。新聞報道では,アメリカでは既に「マイナンバー制度」が実施されているが,情報が流出して,「なりすまし事件」が横行しているのだそうである。それも困ったことである。わが国でも,安全対策が不充分なままに実践を急ぐことのないように,慎重な対策の検討が望まれるということであろう。(ムサシ)
                             

 

 

 


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1 先頃,危うく私がインターネットの詐欺被害に遭いそうな事件が発生したが,どうやら無事に被害を受けることなく終了した気配である。何だか変な,危うい世の中になってきているということなのであろうか。
2 少し前に,インターネットで加入しているプロバイダーから,私のパソコンから大量の文書が流出しているとして,それをストップさせたという通知が文書で送られてきた。驚いて早速,掛かり付けのパソコン業者に連絡して修理して貰い,パスワードを変更したが,メールアドレスを変更すると何かと面倒なので,そのままにしてある。おそらくウイルスに感染したのであろう。また私のパソコンには大した秘密情報は入っておらず,大切な文書は全てパソコンには残さず,フロッピーに入れてあるので,そう大した被害はないと考えている。
3 それから暫くした頃,私のパソコンに突然変なメールが大量に送られて来るようになった。その内容は,私のインターネットバンクを誰かが設置したこと(おそらく嘘であろう。),そこに私を経済的に支援するために多くの支援者から数千万円の預金が入金されていること,早急に受け取って欲しいことなどというもので,預金額も順次増えて最終的には10億円を超える金額を受け取ることができることになったというのである。
4 その具体的な手続きは,メールの添付ファイルを開封すれば読むことができることとされていた。そして,その預金を利用できる有効期限が,数日後の夜12時であり,それを過ぎると失効するので,急いで預金を受け取るようにと,心理的に急がせようとするものであった。
5 私は,およそ見知らぬ人達から金銭を,しかも大金を贈与されるようなことが,この世知辛い世の中である筈がなく,これはある種の詐欺手段としての策謀に違いないと直感的に確信し,その思いに全く迷いはなかったし,添付ファイルをクリックすることは甚だ危険であるに違いないと判断し,決してクリックしないことに決めた。
6 添付ファイルをクリックすれば一体如何なる事態が発生したのかは分からない。ウイルス感染もさることながら,大金を取得する前提条件として,相当高額の(100万円単位ではあるまいか)手数料的な金額を振り込ませて詐取するか,パソコンにより,虚偽のインターネットバンクから,現に私が有している普通預金口座へ大金を移動できるとして,私の口座番号等を知ることにより,私の口座の預金全額を引き出すというようなことなのかも知れない。
7 同グループと思われる複数の人から,毎日50通余りのメールが送付された。私は,私を加害者とする被害者なる者が名乗り出ることを想定して,私が無実であることを証明できる程度のメールを印刷して残し,毎日50通余りものメールを全て削除した。そして約2か月が経過したころ,彼らも諦めたようで,「とうとう終わりましたね。」とか,「今回はあなたの勝ちですよ。おめでとうございます。」などというメールが来た。「あなたもやられましたか?」という被害者らしい人からのメールもあった。そして2か月後のある日から,メールは全く来なくなったのである。そして私は,これは新手の詐欺事件に違いないと確信したのである。(ムサシ)



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日本裁判官ネットワーク・6月の企画のご案内(最終)

日時 2015年(平成27年)6月20日(土曜日)午後3時から8時まで
場所 「大阪弥生会館」2階の摩耶・生駒の間 TEL 06-6373-1841

JR大阪駅北のヨドバシカメラの右側を北上して、左へ二つ目の小路を北上、又はヨドバシカメラの左側を北上して右へ一つ目の小路を北上、約50m先左側に「大阪弥生会館」があります。

第1部  元神戸地裁部総括裁判官工藤涼二さんの退官記念講演(午後3時から約1時間)

  工藤涼二さんは、平成14年4月に弁護士から裁判官に任官され、今年3月に定年退官されました。弁護士から13年間裁判官として活躍された工藤さんより、貴重な経験や教訓をお聞きできると思います。

第2部 パネルディスカッション「弁護士任官について語る」(午後4時過ぎから約2時間)

  裁判官の給源を多様化するについて,現状では,弁護士任官が必須で不可欠のものであることから,当ネットワークは弁護士任官者に対し強い期待を抱いてきました。これまでの弁護士任官の実績と今後への期待を込めて,弁護士任官された裁判官4名及び弁護士任官に関与されてきた弁護士(元裁判官)らに,パネルディスカッションをしてもらい,フロアーからも意見を求めます(発言内容は発言者の了解なしには公表しないこととして,本音を語って貰う予定です)。

第3部 懇親会(午後6時過ぎから約2時間) 2階の伊吹・愛宕の間

 当ネットワークのファンクラブを立ち上げ,その会長としてファンクラブ通信を第1号から第56号まで発行し続けて下さった石渡照代さんが,本年2月に逝去されました。石渡さんのご功績に感謝し,懇親会では「石渡さんを偲ぶ会」として開催します。

会費 懇親会に参加しない方は,会場費の支援として1000円のカンパをお願いします.

懇親会参加者は,会場費を含めて,ベテラン法曹1万円,それ以外の法曹6000円,一般の方3000円です。

 問い合わせ先

  小林克美 ja9aev@nifty.com   ja9aev5117@i.softbank.jp

                   090-6061-0830    fax 077-574-0506



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14 私は簡易裁判所に勾留理由開示請求書を提出し,その期日が指定されたため,期日に間に合うように,「求釈明書」に多数の疑問点を記載して提出した。その内容は,「第1 犯罪の嫌疑の存否について」,「第2 罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由の有無について」,「第3 逃亡すると疑うに足りる相当な理由の有無について」,「第4 勾留につき必要性及び相当性の有無について」というもので,質問事項は13項目であり,全文の長さは4ページであった。
15 また期日当日に,「本件勾留は違法かつ不法な勾留であり,本件勾留請求は却下されるべきである。」とする,長さ5ページに及ぶ弁護人の意見書を提出した。
16 期日当日,担当簡裁判事は,「一件記録によれば,以下のとおりの被疑事実が認められる。」と述べて,被疑事実を読み上げたうえで,「一件記録によれば勾留の要件が認められる。」と述べたうえで,私が求めた求釈明事項については,「いずれも具体的な証拠の内容に関することであるので,一切お答えできない。」と述べて,説明を拒否した。
17 そこで私が立ち上がり,「裁判官が今述べられたことは,一件記録によれば被疑事実が認められること,勾留の要件が認められるということだけであり,裁判官がそのように判断されていることは既にこれまでの手続きで判っていた事であります。今のような裁判官の説明では,勾留理由は全く開示されておらず,勾留理由開示制度はおよそ何の意味もないことになります。この手続きは,『勾留理由を開示する』という手続きでありますので,証拠について具体的にお話されなくても結構ですが,被疑者は犯行をしていないと述べているのですから,被疑者と弁護人が一応納得できる程度に,なぜ被疑者が犯人であると判断されのか,どういう理由で勾留の要件があると判断されたのか,証拠については抽象的な表現で構いませんので,説明して頂きたい。」という趣旨の発言をしたが,裁判官は「これ以上述べることはできません。」と述べた。
18 最後に被疑者が発言した。被疑者は,「私は,私が行なったとされている犯罪は絶対にやっておりませんので,私が犯人だと疑われている理由が理解できません。ぜひその理由を判りやすく説明して頂きたいと思います。」,「私は,私が述べていることを,裁判官に理解して頂けなくてとても残念です。」という趣旨の発言をしたが,勾留理由開示請求事件の手続きは,そこで終了したのである。
19 この手続きは,公開の法廷で,裁判官,書記官,被疑者(出席につき例外がある),弁護人が出席して行なわれるが,検察官の出席は要件とされておらず,本件手続きにおいても検察官は出席しなかった。またわが事務所の若い弁護士と事務員のひとりが,学習の一環として手続きを傍聴したが,何かと驚いたとのことであった。
20 「勾留理由開示請求」の手続きとして,一般にこのような内容で行なわれているのであれば,この手続きには何の意義もあるまい。今回行われたこの方式は本来刑事訴訟法が予定している制度の趣旨を逸脱し,無視した甚だお粗末な内容になっていることは間違いない。本件では被疑者は犯行を否認しており,「自分は犯人ではありませんので,自分が犯人であるとする理由を説明して下さい。」と求めたのに対し,裁判官は,「記録によればあなたが犯人であると認められます。」と述べたに過ぎない。被疑者が犯人であるとする根拠として目撃者がいるというのか,2年3か月も逮捕しないでおいた被疑者を突然逮捕した根拠は何なのか,何らの説明もなされなかったのである。(ムサシ)



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