日本裁判官ネットワークブログ
日本裁判官ネットワークのブログです。
ホームページhttp://www.j-j-n.com/も御覧下さい。
 



 安原浩さん(松山家裁所長)が定年退官した。
 わが裁判官ネットワークの要の人であり,まことに惜しまれる。寂しい限りだ。
裁判員裁判の施行を前に,議論の高まっている折,ベテランの刑事裁判官であり,有力な推進論者の1人を送り出すことは,裁判所全体にとっても大きな損失である。

 私にとって,安原さんは,共に手を携えてきた裁判官の自主的運動の中で,一番頼りにしてきた先輩友人である。阪神の金本のように,「アニキ」と呼ぶのがぴったりくる。
 裁判官ネットワーク創設の頃,仲間内での激しく一途な議論を思い出す。いささか狭量の私は,遠慮のない短気をぶつけて,安原さんを困惑させた。でも,彼の意見は,いつもぶれがなく落ち着いていた。そして,どんなときにも,楽観的で明るかった。そう,彼の持ち前の明るさが,ともすると落ち込みムードになりがちなこの会を,根底からしっかりと支え,希望を与え続けてくれたような気がする。

 こんな風に書き連ねていると,なんだか弔辞を書いているような気分になってきたナ。
 (まだ死んでないのに,モウ!・・・安原氏の声)

 安原さんは,今後は在野法曹として活躍すると聞く。もちろん,わがネットワークを,サポーターとして応援してくれると思う。
 会に対するこれまでの献身,私どもに対する友情に感謝したい。
 そして,何よりも,長い間のお勤め,ご苦労様!(蕪勢)


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 今週は,株主総会のシーズンでした。金曜日がピークだったようです。この週に民事裁判の審理の期日を入れようとすると,「あ,その日はだめです。株主総会の日です。」と答える弁護士さんがおられます。それを聞くと,裁判官としては毎年このシーズンが来たなと感じさせられます。昨年は,特定の企業の買収防衛策をめぐって,株主総会やそれに係わった弁護士がかなり話題になりましたが,今年はそれほどでもなかったようです。
 おそらく,弁護士さんのなかで,株主総会に出席しなければならず,そのために裁判の期日が入らない人は,大きな企業の顧問弁護士で,弁護士さんの世界でも羨ましがられる存在ではないでしょうか。
 ただ,残念なのは,中小企業の顧問弁護士として,株主総会に出なければならないと耳にすることはとても少ないことです。少し古いですが,債権回収や雇用問題、クレーム対策、契約書のリーガルチェック、事業承継・相続対策などで,中小企業の法的需要は多いのに,弁護士の利用は少ないという報道(産経)がありました
(http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080226/trl0802262137016-n1.htm)。おそらく,実際に中小企業の株主総会に出席している弁護士は少ないのでしょう。株式が公開されていないから不要なのだと言われるかもしれません。
 しかしながら,上記報道でもあるように,中小企業は色々な法的課題を抱えているようです。日本弁護士連合会も,無料相談会・シンポジウムを全国で実施し,「敷居が高い」「怖い」といったイメージを払拭することで、中小企業市場の開拓を進めるとしています。
 法曹人口が増えるなか,中小企業の法的需要の開拓をすることはとても大切なことであり,最終的には,法的サービスをこの国の隅々にまで行き渡らせるという「平成司法改革」の方向性に沿うものです。中小企業の法的需要の開拓が進めば,中小企業の株主総会に出席する弁護士さんも増えるのではないでしょうか。また,中小企業は,オーナーの経営が多いですから,中小企業の顧問が増えることは,個人の顧問弁護士,すなわちホームローヤーが増えることにもつながるでしょうね。(瑞祥)



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1 ところで大山山荘計画預金は密かに,予定を遙かに超えるペースで増えていることは,「因業じいさん」もどきの本人しか知らないことになっている。
 「悪魔は密かに微笑んでいる。」という言葉があるそうである。人生においては予期せぬ不幸が襲ってくることがあるので,油断なく真面目に頑張るようにという戒めなのであろう。そういえば私の人生においても種々思い当たることがないわけではない。
 しかし逆に「密かに微笑んでいる」のが「悪魔」だけではなく,「幸福の女神」であっても不都合ではあるまい。霞ヶ関の埋蔵金だけでなく,密かに「大山山荘計画埋蔵金」が増えているという話であれば,「女神も密かに微笑んでいる。」という類の話と言えようか。但し大山山荘も今はまだかすかな現実の可能性を秘めた程度の夢の世界の物語に過ぎない。とにかく資金を貯めてからどうするか考えることにしたのである。
2 もしも今友人がわがやに泊まりがけで遊びに来たら,私が満足している私のざるそば(手打ちでないもの)の味をどのように評価するか試してみたい。
 最近私は「日本そばに関する一考察」なるレジュメを作成し,身近な人達に押しつけて喜んでいるところである。
 レジュメを押しつけた人達の反応も見て,更に改良を重ねたうえで,希望者が多いようであれば,いずれ何らかの方法でレジュメを公表することにしようか知らん。
3 日本そばには,「ルチン」というポリフェノールが含まれており,血管を強化するなど,健康によいとされている。不老長寿にも役立つだろう。
 カロリーは1人前の標準がそば80グラムで約280キロカロリーである。100グラム食べると大盛りとなり,とても満足する。減量には60グラムがよさそうで,これで試してみたところ,結構満足できた。今後も60グラムを食べることにしたい。
 私の食べ物に関する道楽の目標は,「美味しい料理を少し食べる。」という,いささかハイレベルな「食の達人」の境地に到達することであるが,ざるそば60グラム説は,この目標に効果を発揮するに違いない。
4 そばは今,白い花が美しく咲き乱れているそうである。そばの俳句にこんなのがある。「そばはいま 花でもてなす 山路かな」(芭蕉)。もっともこの俳句は本稿にはあまり関係なかったようではある。
 裁判官のブログだというのに,このような他愛ない話ばかりを書いていてよいものかという反省を込めて。(ムサシ)


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 司法サミットともいうべき全国の長官,所長の会同が,今年も6月18日,19日に行われました。会同は,正式には,平成20年度高等裁判所長官,地方裁判所長及び家庭裁判所長会同というようです。会同の意義や,その際の最高裁長官の挨拶が注目されることは,当ネットのホームページ(http://www.j-j-n.com/)中の,オピニオン「● judgeの目その2  長官所長会同」に詳しく述べていますので,参照して下さい。

 今年の最高裁判所長官あいさつは,最高裁のホームページ(http://www.courts.go.jp/about/topics/aisatu.html)に掲載されています。取り上げられているのは,やはり,裁判員制度の準備に取り組む必要性とその具体策の内容が多いようです。そのほかにも,新修習を終えた人たちが新たに法曹になったことから,今後法科大学院での教育の成果を確認しながら,より効果的な実務教育の実現に努めていかなければならないこと,裁判所の自由かっ達な雰囲気が,若い裁判官たちの成長を育む豊かな土壌であること,民事裁判の在り方について,長期的な視点に立った幅広い検討を始める必要があることなどがあります。

 新聞報道によると,協議の中では,裁判員を経験した市民に記者会見で感想を述べてもらうことの是非が話し合われ、評議の秘密などが守られる方策などを今後検討していくことになったとのことです(日経)。実際に,裁判員が記者会見などをすることになれば,日本の裁判にとっては,画期的なことになるはずですが,いろいろとまどいも生じるでしょうね。「最高裁は議論を踏まえ、メディア側と協議を進める。」との報道(毎日)もありました。

 今後,裁判員制度の下での報道がどうなるのかについては,目が離せませんね。新しい制度下での新たなルール作りが求められていることは,この問題に限らないようです。

 なお,司法のサミットも以前よりはマスコミに取り上げられるようになりました。裁判員制度の実施に伴い,司法への関心はますます高まっていくものと思われますので,毎年この時期(6月)のサミットで何が取り上げられるかは今後も目が離せません。(瑞祥)


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1 先日のテレビで,面白い日本そばの番組を見た。その中で,「ざるそば」と「もりそば」の違いは何かという問題があった。「ざるそば」は細切り海苔が載っているものを言うのだそうである。またそば屋で注文したざるそばが出されてきたとき,通の客が最初にすることは何かというのもあった。つけつゆの味を見るというのが正解とあった。その味具合で,そばをそばつゆにタップリつけるかどうかという,つけ具合を決めるというのである。
2 ところで,いずれは自分でそばを打ちたいという気持ちがあるが,そば打ちを研究し精進した場合に,自分で打った手打ちそばは一体どの程度おいしく打てるようになるものなのだろうか。今とても満足している生のそば粉で打った乾燥そばよりもずっとおいしいものなのか,それとも大して違わないものなのだろうか。一体手打ちそばを自分で打つように研究し,手間をかけて手打ちそばを打つ意味があるのだろうか。これは将来の宿題であるが,難問ではあるだろう。
3 手打ちそば用の参考書は何冊も買ってあるし,本格的なものではないが,そば打ちの道具も一応揃ってはいる。ただし今のところ,そこまでやるだけの気持ちの余裕がないので,本格的な実験は暫く先のことになりそうである。以前ろくに研究もしないまま,手打ちそばを作って家族に食べさせたところ,「お父さん,とてもまずい。まるで粘土のようよ。」と不評であったことがトラウマになっている。
4 今や風前の灯となっているかの如きわが大山山荘計画が実現した場合には,本格的に手打ちそばに挑戦するつもりではある。そしてわが友人達においしい私の手打ちそばを振る舞って,「こんなにおいしいそばは食べたことがない。」と絶賛されることを夢見ているのである。
 以前松江市に住み,米子の裁判所に勤務していたころ,JR米子駅の近くにとてもおいしいそば屋があり,行きつけの店にしていた。たまに友人が泊まりがけで遊びに来ると,必ずその店に連れて行ったものである。ざるそばも美味しかったが,暖かい天ぷらそばが絶妙な味で,タマネギとイカのリングのそれぞれ小さな天ぷらが載っており,いつもざるそばと天ぷらそばをダブルで注文したものである。その味が忘れられず,先頃米子市の近くに行く機会があったので,足を伸ばしてその店に行ってみた。しかし時の流れには勝てず,店はすでに存在しなかった。
5 私は最近,5年振りに別居が解消し,月に1回程度妻が作ってくれるアツアツの野菜の天ぷらを食べるのを無上の楽しみにしているが,当面は絶妙の「野菜天ざるそば」を追求したい。そしていずれは暖かいそばにも挑戦したいと思っている。熱くて美味しい野菜天そばは案外難しいのである。(ムサシ)


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この問題の解決策は、実はかねがね私もこういう方法があるというアイディアを思いつき、同僚裁判官や調査官と話題にしていました。今月5日の「認知訴訟が急増の予感」での私のコメント「偽装認知をどう見破るか」でも言及しました。
しかるべき事案が来れば、その旨の判断をしようと待っていたのですが……。
本来は、下級審から審判例を積み上げるのが好ましかったと思うのですが、問題が大きくなり、最高裁からアイディアを周知するという、やや異例の形になったようです。
一見すると、合意があれば任意認知でも済みそうなのに、認知が23条審判(合意に相当する審判)の適用対象に列挙されていること(家事審判法23条2項)にも、新たな意味づけが可能ではないでしょうか。
先日の国籍法違憲判決もありますので、今後は、認知の調停と23条審判の運用に英知を絞りたいと思います。
例えば、偽装認知を排除するために事実をどの程度確認する必要があるか、DNA鑑定を要求すべきかどうか、等々。(チェックメイト)
(NHKニュースから抜粋)
 民法の300日規定が原因で、戸籍がない子どもについて、最高裁判所は、実の父親の子として戸籍を得る手段として、これまでは一般的でなかった「認知調停」という方法が活用できることを全国の家庭裁判所に周知しました。これを受けて、各地の戸籍がない子どもたちが家庭裁判所に一斉に調停を申し立てることを決めました。
 離婚後300日以内に生まれた子どもは、前の夫の子どもと推定するという民法の規定が原因で、実の父親の子として出生届が受理されず、戸籍がない子どもたちは少なくありません。戸籍を得るためには、これまでは前の夫を相手に家庭裁判所に調停を申し立て、親子でないことを確認する方法が一般的で、裁判官もこの方法を利用するよう促していました。しかし、暴力が原因で別れるなど、前の夫の協力を得にくいケースが多く、改善を求める声が出ていました。

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 バカにされたと感じると,すぐに手が出る少年がいた。今回も,同級生に殴りかかり,少しの怪我を負わせた。
 「コケにされると悔しい,誰でもそうだよ,だけど,負けるが勝ち,という言葉もあるじゃないか。」と語りかけた。が,
 「それ,どういう意味ですか?」という顔。
 「それはネ,えーとネ・・・,喧嘩で負けた方が勝っているんだよ・・・」なんだかよく分からない説明をしてしまう。
 ことわざが通じない。
 職場で長続きしない少年に,「石の上にも3年」なんて,いい言葉だと思うのだが。
 少し前,スピードを出し過ぎて事故を起こした少年に,慎重な運転を諭そうとして,「石橋を叩いて渡る,というではないか」と喋ったら,どうもピンと来てない様子。
 後で書記官に聞くと,「暴走族風の単車の二人乗りが,木刀で,石橋の欄干をコーン,コーンと叩きながら走っている,そんなイメージを持ったんじゃないですか」という。アチャー。

 そこで,老ジャッジは,現代の少年たちにも,分かりやすいことわざを考えた。
「どんな職場にも3年」
    (分かりやすいが,インパクトに乏しい)
「男は黙って負けるがいい」
    (ビールの宣伝じゃない!)
「石橋を渡るときでも,先日の地震でひびが入ってるかもしんないから,スピードを落として走ろうね」
    (長すぎる!!)
               (蕪勢)

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 私の任地である伊丹市の酒蔵通り地区が,平成20年度都市景観大賞「美しいまちなみ賞」(美しいまちなみ優秀賞)受賞地区となりました。この賞については,国土交通省のウエブサイト(http://www.mlit.go.jp/report/press/city07_hh_000003.html)を参照して下さい。また,伊丹市の酒蔵通り地区の概要については,写真付きの紹介(http://www.mlit.go.jp/common/000015511.pdf)もありますので,ご覧下さい。

 前回は,川西市の「菊炭」を紹介しましたが,今回またまた「地元」のことを紹介するようで恐縮です。もっとも,本年4月,伊丹に赴任して,町の美しさに感激した私は,遠くから知り合いが関西に来るときには,是非伊丹に泊まるように薦めているほどの「地元」ファンなので,お許し下さい。伊丹市は,阪神大震災で大打撃を受けた町の一つですが,江戸時代から,酒造りの町として有名で,阪神大震災以前から条例を制定し,酒造り等の歴史を生かした景観づくりをしてきたようです。受賞は,阪神大震災の被害にも負けずに,町並みづくりを推進した伊丹市の官民協力の賜といえるでしょう。心から祝福したいと思います。自分のことのように嬉しいです。

 景観といえば,日本の裁判所の建物も,以前は,全国的に画一的な建物が多かったように思いますが,最近は,周囲の景観との調和を考えるものが多くなった気がします。喜ばしいことです。まだまだ批判は多いのですが・・・。なお,事件としても,最近,景観について争われることがあり,最高裁では,東京都国立市の事件で,平成18年3月30日に判決が出ています。景観の法的性質に興味ある方は,是非参照して下さい。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=32819&hanreiKbn=01 (瑞祥)

(追伸)
 今日,地震にも関係するこの原稿をブログに載せたのですが,その当日に,東北地方で大きな地震があり,3人の方が亡くなられ,数多くの方々が被災されたようです。震度は最大6強だったそうです。亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると共に,被災者の方々のご無事を心からお祈りいたします。



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6月14日(土)夜、NHK衛星第2放送で「裁判長のお弁当」が放送されます。
メンバーの元裁判官、下澤悦夫さんが主役の1人となっているドキュメンタリーです。
名古屋の東海テレビ放送が制作し、先日、ギャラクシー賞の大賞を受賞しました。
今夜の番組
「ザ・ベストテレビ“全部”見せます グランプリ作品 -第1部-(前半)」
(放送時間:午後7:45~午後9:02(77分))
では、午後7時45分から、まずギャラクシー賞入賞13作品のダイジェスト紹介をした後に、8時から「裁判長のお弁当」をまるごと放送するとのことです(第2部は引き続き11時15分まで放送)。
なお、6月21日(土)午後1時30分からも再放送されるようです。

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1 私は日本そばが好きである。裁判官や弁護士など法曹関係者にはそば好きが多いようにも思えるが,私の観察の対象者の年齢が高いせいかも知れない。私は何を食べても美味しい人間なので,味覚が余り発達しているとは思えない。その割には,日本そばやうどん,ラーメンなどについて,どこの店が安くて美味しいなどという情報には敏感に反応している。
2 私が住んでいる市内の日本そば屋を本で調べて,これまで20軒くらい食べ歩いた。美味しい店は大体値段が高いので,リピーターにはなりにくい。そして半年ほど前についに念願の安くて美味しい店を見つけたので,そこを日本そばの行きつけの店にすることに決めた。そして他の店を探すことはやめ,その店で十数回ざるそばを食べてみた。安くて美味しく満足した。
 私はスイミングクラブの会員で,週1回を目標にプールに通うことになっているが,プールのすぐ近くにその店があるので,夕方事務所の営業時間終了後,車でプールに行き,泳ぐ前に580円のざるそばを食べることを大いなる楽しみにしてきた。その日の夕食はそれで済ましてしまうのである。プールでは5分間サウナに入るので,翌朝50グラム単位で測定できる精密体重計で計る体重は大幅に減っている。プールがサービス券をくれるので,駐車料金は無料となる。
3 ところが,最近偶然に見つけた本で,そばつゆの作り方を試してみたところ,とても気に入ってしまった。本の記載よりも砂糖を多少多くして,やや甘くしてみたところ,すっかり気に入ったのである。
 また乾燥そばの茹で方についても,大きな鍋に水を入れ,水からそばを入れて茹でるとそばの香りが強く,美味しく茹でられるという話をテレビで見たので試してみた。なるほど沸騰したころには茹で頃となっており,とても美味しい。
4 さらに最近コンビニで,生のそば粉で打った乾燥そばを見つけて食べてみた。とても美味しい。これは材料が生なので,多少長く茹でる必要があり,水からではなく,沸騰した湯で6分茹でるのである。
 これを水から多少時間をかけて茹でるともっと美味しくなるという理屈になるのだろうが,実験してみたところ,私の舌では到底判別できないレベルの問題であることが判ったので,できるだけ手軽に茹でるという意味で,沸騰した状態で茹でることにした。
 100グラムのそばが3束入って300円を少し超える。多少高いかも知れないが,できれば今後もこのそばを食べようと思っている。
5 そばつゆの他に,だし汁も一応本で調べて自分で作ってみた。こんぶや削りかつおの量は,本よりもかなり減らしても十分美味しい。そばつゆとだし汁を混ぜるのであるが,お気に入りのそば店で食べるのに比べて遜色なく,大いに気に入ってしまった。
 そばの上に細切り海苔を載せる。まただし汁を作る際に使ったコンブと削りかつおで,細切り乾燥椎茸を煮付けて,ざるそばに添えてみた。なかなかいける。だし汁を作るとき,細切りこんぶを使うと一層便利である。
6 さらに100円ショップで,ざるそばを盛るざるを買ってきた。いっぱしのそば通の気分である。わさびとネギも当然入れる。このようにして1か月以上の期間,2日に1回の割合で朝食にざるそばを食べてみて,すっかり満足した。これならそば屋を開店しても繁盛するのではあるまいかとさえ思える位である。
 何よりも,安くて手軽にしばしば「ざるそば」を食べることができ,なかなか美味しいのが嬉しい。今後そば屋に行こうという気持ちは余り起きないような気がする。自宅でのざるそば調理がほぼ合格点に到達し,気持ちも治まったので,今後はペースを落として,ジックリそばを味わい,更に改良を重ねて「ほんまもん」の「そば通」を目指してみようと思っている。(ムサシ)


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いよいよ私の裁判官としての13回目かつ最後(まもなく定年退官のため)の引っ越し準備が大詰めにきました。来週から2・3週間はブログの書き込みもできなくなりそうです。

 瑞祥さんも書かれていたように,いろいろな土地の風土や歴史に触れられることは転勤のひとつの大きな魅力ですし,仕事の内容や一緒に仕事をする職員が変わることは一種の緊張感を伴うとはいえ,新たな意欲を生み出すものでもあります。

 また裁判官が同じ裁判所で長く仕事をすることは,その土地特有の事件や人物像に迫ることができるという長所がありますが,やはり土地の人や弁護士との交際が深まるにつれ,癒着を疑われかねない事情も増えるという悩みがつきまといます。
 私もある支部に4年勤務した際の最終年は,道を歩いていて事件当事者から突然挨拶されたり,飲み屋で元刑事被告人と遭遇したりすることが多くなった気がしました。

そのため,裁判官が3年から5年の周期で全国を転勤するのはやむを得ないと考えていましたが,だんだん引っ越しが苦痛となってきたのも事実です。
 引っ越し作業そのものが肉体的に苦痛ということや,転勤費用が引っ越しの実費に達しないことがほとんどであることなどの目先のマイナス面のほか,せっかく親しくなった地元の人との別れを繰り返すことは,裁判官の生活者としての姿を薄くしますし,特に子供が転校することをいやがるなどした場合には,やはりひるんでしまいます。

 単身赴任者が増加しているのもそのような事情からと思います。
 しかし単身赴任中に健康を害した裁判官も少ないとはいえません。

ドイツの裁判所では希望しない限り,転居をともなう転勤はなく,その代わり数年ごとに民事・刑事・家庭と仕事を代わり,または近隣の裁判所に転勤し,特に転居してでも大裁判所や上級審で働きたい人はそのようなポストが空いたときに応募し,複数の応募には選考委員会が適任者を選抜する,という制度という風に聞いたことがあります。

 日本も癒着を防ぎ,かつ無理な引越を避ける裁判官の転勤制度はないのかを真剣に考える時期に来ているのではないかと考えるのですが,いかがでしょうか。「花」

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 日本裁判官ネットワークのHP http://www.j-j-n.com/ の最新6月号に,ある死刑囚に関する随想「花と鳥と雲」を掲載させていただいた。
 筆者の平田友三先生に転載のお礼の葉書を送ったところ,先生から早速に封書で丁重な返事が届き,恐縮した。
「心の平安を得て,澄み切った心で天国に行ったH君をご理解下さったた」お礼が述べられ,私の拙い葉書をH君の霊前に供えていただいたとのこと。「H君が感謝し,嬉しがっている言葉が聞こえてくるようでした」とあった。私には過ぎたお言葉である。
 先生は,ご自分のことは一切触れず,H君のことだけ,H君に成り代わって書いておられる。
 私の葉書が届いた6月2日は,33年前にH君が大阪拘置所で刑の執行を受けた日でしたと,さらりと書き添えてあった。(伊東武是)

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菊炭  


 裁判官の人生にとって転勤はつきものです。3~4年に一度,全国各地の任地に赴きます。これについては,ブログでも,メンバーが度々触れてきたことですが,この転勤の「副産物」の一つに,各地の歴史や産物等に触れることがあります。そして,それに触れていると,自分の管轄地域のことがよく理解できたりすることがあります。
 私は,先日,縁があって,所属の神戸地裁伊丹支部の管轄区域にある川西市の名物に,「菊炭」があるという話を聞きました。これは,クヌギの木を使った木炭の切り口に,菊の花のように美しい割れ目があるものです。興味があって,仕事が終わった後,生産農家の今西農園(http://andalpha.com/imanisi/index.htm)というところに,現物を買いに行ってきたのですが,その現物を手に取ると実に美しいものでした。観賞用にも使われるのでしょう。これは,お茶炭として有名なもののようで,私には,単なる産物ではなく,芸術品の一つのような気がしました。そして,その歴史を調べていると,北摂地域と木炭の関係がかなり古いものであることがよくわかり,また,この地域の他の産業(銀銅の精錬業)と深い結びつきがあったこともよく理解できました。そして,川西市には,木炭と関係する地名が,今でも残っているのです(今西農園は「黒川」というところにあります。)。ちょっとしたご縁で,管轄地域のことが理解できるのはとても嬉しいものです。
 ただ,歴史や産物等に興味を持って地図をながめていると,「あれ,この地名は,例の交通事故の件の現場付近の地名だなあ」などと気づくことがあり,悲しい裁判官の性(さが)と思うこともよくあります。(瑞祥) 

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1 6月5日に新司法試験(短答式試験)の結果発表があった。受験者6261人のうち4654人が合格した。合格率は74パーセントであるから,4人に3人が合格したことになる。私が関係している大学も,この合格率どおりで合格している。ホッと一安心というところであろう。
2 新司法試験は受験者6261人の全員が短答式試験と論文式試験の両方を受験し終えており,短答式試験の合格者だけについて論文式試験の採点が行われ,最終合格者が決まるのである。その定員は数年単位で変化しているので,私は今年の定員を正確には知らないのであるが,約2500人程度ではないかと思っている。そうすると短答式試験合格者のうちの約54パーセントが最終合格することになり,受験者全員との関係では合格率は約40パーセントということになる。
3 短答式試験の合格者の平均年齢は30・36歳となっている。正確ではないが旧司法試験では合格者の平均年齢が28歳前後になっていたような気がするので,多少合格年齢が高くなっているように思われる。これは合格の自信が強まるまで受験を控えているためかも知れない。何といっても5年間で3回の受験という制限が,受験生の重圧になっていることは間違いないところであろう。
4 最終合格発表は9月11日(木)である。その結果が待たれるところであるが,何人かの受験生については,ぜひ合格してほしいと強く願っている。私は学生への授業で,必死に頑張ることと,勉強方法を工夫をすることにより,夢は必ず実現できることを強調してきたが,是非そうなってほしいと切に願っているのである。(ムサシ)


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昨日の国籍法違憲の最高裁大法廷判決を受けて、人事訴訟を担当する裁判官としては、今度は認知訴訟が激増することを覚悟しておかなければならないと思います。
なぜならば、これまでは外国人母・子側から日本人父に生後認知を求める訴訟を起こして勝訴しても、せいぜい養育費の請求が可能になるくらいでしたが、今後は強制認知の確定判決に基づいて届出さえすれば、父母の婚姻を要せずに日本国籍を取得することができるからです。いずれ法改正がされて、父母の婚姻以外の何らかの要件が新たに課される可能性はありますが、現時点では確実に日本国籍を取得することができる状態です。
それは良いことだと思いますし、DNA鑑定の飛躍的な発達によって、被告がこれに応じさえすれば、生物学的に父子である確率は「0%」か「99.9999…%」のいずれかで結果が出ますから、判断は極めて容易です(判決理由をたった1行で書くことさえ可能です)。
しかし、認知訴訟で被告が出頭しないとか、DNA鑑定に応じないなどという事例が頻発することが予想され、これをどうするかという問題がクローズアップされてきそうです。法改正の際には、この点の立法的手当も是非検討してほしいと思います。
(チェックメイト)

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