日本裁判官ネットワークブログ
日本裁判官ネットワークのブログです。
ホームページhttp://www.j-j-n.com/も御覧下さい。
 



 なかなかいい意見が出ている,若者も捨てたものではないなあと,ついおじさんは思ってしまいました。
 NHK教育で,本日放送された「青春リアル」という番組(土曜日午後10時35分から放送)を見ての感想です。NHKのHP(http://www.nhk.or.jp/ss-real/index.html)では,2月27日放送分について,こんな紹介をしています。
 「大工のオレのカンナ、さびたままでもいいですか?」
 番組ウェブサイトを通して、10代20代が悩みや疑問を語り合い、自分や社会と向き合う日々を描く「青春リアル」。大工になって10年になる"げんぞう" だが、現場では大手メーカーが作った部材を組み立てるだけの「プラモデル作り」のような仕事が多く、カンナやノミの出番はほとんどない。不況の世の中、安くて早い商品が人気なのは分かる。だが、このままだと、職人の技が消えてしまうと、メンバーたちに危機感を訴える。

 この番組を,また見たくなってしました。それと共に,通信機器の発達で,顔も知らない人と,こんな形で意見交換ができるのは,考え方によっては素敵な時代になったものだと思います。私たちのように,司法の世界に身を置いていると,犯罪などに通信機器を使う濫用事例に数多く出くわし,嫌になることも多いのですが・・・。

なお,日本裁判官ネットワークも,裁判官の世界で,「青春リアル」のような存在でありたいとずっと思っています。HP(http://www.j-j-n.com/)の「ご挨拶」では,日本裁判官ネットワークを,公の窓口とはひと味違った「もう一つの窓口」と位置づけ,「この窓口から,私たちなりの情報発信を行っています。それと共に,現職裁判官全体にとっても,この窓口が,公のルートでは吸収や解消が難しい悩みや意見等を交換できる「もう一つの窓口」でありたいと思っています。」と述べています。裁判官の皆さん,是非意見交換しましょう。


コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )




 最近気になることがある。
 裁判所は予算を取るのが決してうまい役所ではなく,業務処理のための人的物的条件に恵まれているとは言えず,出入り業者である弁護士としては,「もう少し何とかならんのかいな」と思うことが度々ある。したがって,裁判員制度によって,裁判所の重要性が国民に広く認識されるようになれば,それが追い風となって裁判所予算が増加され,人的物的条件が強化されるのではないかと心密かに期待している。
 しかし,過渡期の一時的現象と見るべきなのかもしれないが,裁判員制度の本格実施を迎え,やや気になる状況が見受けられる。裁判所の人的条件が刑事に異常にシフトしてはいないかという点である。
 もちろん,裁判員制度を失敗させるわけにはいかない,裁判員やその候補者に対する接遇に問題があってはいけないという当局の問題意識は分かるのだが,優秀な職員が刑事部に偏り,民事部の,それも通常の訴訟事件を担当する人材がいささか手薄になっている気がしてならない。例えばこれまでは,部総括クラスの単独係には若い書記官をあて,特例がつきたての判事補の単独係にはベテラン書記官を配するといったことが「人事の常識」であったように思うのだが,いつの間にか通常事件担当書記官が若手ばかりになっていたりする。裁判所のOJTとしてはこれでよいのかしらといささか不安になるときがないでもない。
 これが,田舎弁護士の単なる思い過ごしであればいいのだが。
(くまちん)


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




 オリンピックたけなわである。オリンピックで思い出したのが,昨年秋に読んだ奥田英朗の「オリンピックの身代金」。読み終わったときには,これは素晴らしいと感動し,その勢いで最新刊の「無理」にも手を伸ばした。「このミステリーがすごい」などの年末恒例の番付でも上位ランクを期待していたのだが,「このミス」はベストテン圏外,「週刊文春」でも8位どまり(「無理」が6位)だったのが残念。
 確かにミステリーという点からすれば,この主人公が何故に「身代金」に固執するかが今ひとつ説得力に欠けるという欠陥は抱えているのだが,しかし,昭和39年のオリンピック目前の東京という「舞台」での群像劇を見事に描ききっている(著者は私より2歳年長の昭和34年生なのだが)。この「舞台」に目が慣れていくうちに,私たちには北京オリンピックの狂騒がフラッシュバックする。あの狂騒を特異なものとして眺めている国の過去にそっくりな情景があったことを思い起こさせられる。
 小林良子という若い女性の登場人物が「ついでに丸井の本店で月賦の支払をする。欲しい物も物色する。若い良子たちに10回もの割賦販売してくれる店は,丸井しかない。」(23頁)という記述に,ハッとさせられる。そうか,「与信」という観念が健全に生きていた時代はこういうものだったのだ。「キャッシング」という「新しい日本語」が知らない間に消費者の感覚を恐ろしくねじ曲げていることに気づかされる。
 「東京と秋田が同じ国とは思えねえべ」(55頁)という絶望的述懐が,集団就職・出稼ぎ・人身売買というこの国につい四十年前まで普通にあった現実とともに突きつけられる。
 そして四十年後に形を変えた地方と東京の絶望的な格差の「現実」を見事な群像劇として描いているのが,最新刊の「無理」である。平成大合併で誕生した「ゆめの市」という名ばかりで実は夢のない東北の町を舞台に,生活保護行政・産業廃棄物行政・悪徳商法・新興宗教などの問題が,生々しいリアリティで描かれている。国道沿いの量販店・ファミレス・パチンコ店ばかりが目立ち,商店街が軒並みシャッターを下ろしているという東北・北海道に限らず全国各地に普遍的となってしまった情景の中,暮らす町に誇りも夢も持てない人々が,とりあえず東京か県庁所在地に出なければ人生は終わり,とにかく手段を選ばず金をつかまないと人生は終わり,さもなくば虚無的刹那的に生きたいと考えてしまうことを,我々はどれほど強く非難できるのだろうか。作品としてはやや尻すぼみで,ラストは凡庸という気がしないでもないが(だから文春で「無理」の方が上位なのはどうかと思う),これは現代日本社会が崩壊への坂を不可避に転がり始めてしまっていることのメタファーと善解しておくことにしよう。
 奥田英朗が直木賞に輝いたのは,楽しい読後感の伊良部ドクターシリーズだが,それとは趣の違うこれらの作品を読む限り,今後目の離せない作家になりそうである。

PS 「地方と東京の格差」というと,日弁連会長選挙が想起されるが,こちらも3月10日の再投票でどういう結果になるのか目が離せない。
(くまちん)


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




1 私は,弁護士になって刑事控訴事件を何件か担当した。そしてその審理のあり方として,これでいいのだろうかと深刻な疑問を抱いている。

2 刑事控訴審は事後審であると解されているが,事後審は,本来原判決の当否を審査する審級であり,原判決の時を基準として,その時に存在し,原審に現れた資料に基づいて判断するのが原則であるとされており,若干の例外も規定されている。例外は,第一審判決までに取調べの請求ができなかった一定の証拠の取調べ(刑訴法382の2のⅠ,Ⅱ,393Ⅰただし書),再審の請求をすることができる事由がある場合(法383①),原判決後の量刑に影響を及ぼすべき情状の職権による取調べ(法393Ⅱ)などである。

3 一審で被告人が有罪であることを認めているような場合には,基本的にそれでもよいのであろうが,一審で無罪を主張していたり,量刑に関する種々の主張がなされている場合で,被告人の主張が退けられている場合にも,刑事控訴審が事後審であることを強調すると,刑事控訴審が誤判救済の機能を十分に果たし得ないことになるおそれがある。

4  刑事控訴審において,弁護人から一審判決の事実認定や量刑の前提となっている事実に疑問が指摘され,それが無視できないだけの重要性を有する可能性がある場合には,控訴審裁判所においても,充実した事実の取調べが行われる必要があると言える。

5 私が担当した刑事控訴審の最初の事件では,私が一審から弁護人となり,被告人は無罪を主張したが,一審は有罪判決であった。刑事控訴審では,裁判長が弁護人の意見に熱心に耳を傾けるという姿勢で,被告人質問も制限されず,丁寧な事実審理がなされたため,被告人は,控訴審においても有罪であったという結論には不満であったものの,やむを得ないこととして,結論を受け入れた。私はこの経験から,事後審とはいいながら,刑事控訴審はこのような審理が行われるものと考えていたところ,現実は全く違っていたのである。(ムサシ)

コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )




 先日,長野に出張してきた。少年事件に関する全国付添人経験交流集会に参加するためである。
 遠路長野まで赴いたのには理由が二つあり,前年度開催地の実行委員長として昨年2月の極北の地に300人以上参加していただいたことについて感謝の意を伝えたかったことと,多田元弁護士(元判事)の講演「付添人活動-子どものパートナーとして-変容していく少年司法の中で」を直に聴きたかったからである。
 多田さんは,裁判官として20年,退官後名古屋で弁護士として20年,少年事件をライフワークとして通算40年活動してこられた著名な方である。20回目を迎えた交流集会の第1回の講演者でもある。私は初対面で,勝手なイメージを作っていたのだが,実際は,「変容していく少年司法」と題したけれど「このごろ少し変よう」というダジャレはすぐに思い浮かぶが,話す中身がなかなか浮かんでこないと笑いを取る気さくな人だった。懇親会でも名古屋の若い弁護士達に囲まれて,「多田さんは少年には優しいが,僕たち若い弁護士にはものすごく厳しい」などと言われながら,微笑んでおられた。
 講演の中で多田さんは,一人の少年からもらった手紙をいつも持ち歩いていて,時々元気を失ったときにはそれを読むと言って内容を紹介した。少年院送致の決定に対し付添人の多田弁護士が書いた抗告(不服)申立書の内容について,「申立書を読んでとてもうれしかった。僕の気持ちがそのまま書いてあったからです。僕の気持ちを分かってくれるのは,多田さんと彼女と家族だけです。僕は人の優しさを求めていましたが,少年院で人の優しさに出会えました。多田さん,一日で良いから体を休めてください。」と書かれていた。その後成人した彼は,20歳の年賀状に「僕も子どもを守る大人になるよ」と書いてきたそうだ。
 多田さんは,ある精神科医から聞いた「下医は病を医する。中医は人を医する。上医は世を医する。」というドイツの格言を引き,「下医は現象にとらわれ病気しか診ない。法曹も同じだ。少年非行も,事件から少年を見るのではなく,少年を人として理解する中で非行の意味を考えることが必要なのだ。せめて中医のような法曹でありたいと思う。」とエッセイに書かれている。
 全体会での講演の他にも,6つの分科会が開かれ,私は「離婚における子どもの最善の利益」,「少年逆送事件裁判員裁判の実例から学ぶ」に出席したが,その内容も大変興味深かったので後日ここに紹介したい。
 最近,多田さんをはじめ,少年事件に熱心に取り組んでいる弁護士4名と児童精神科医高岡健さんとの対談本「少年事件-心は裁判でどう扱われるか」(明石書店)が刊行されており,一般の方にも分かりやすい内容になっているので一読をお勧めする。
(くまちん)


コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )




もう10日前頃から風邪でぐずぐずしております。

裁判官当時は,法廷以外はなんとか予定変更で休養の時間が取れたのですが,一人弁護士の場合は,変更できるものもありますが,どうしてもこなさなければならない仕事もあり,結局こじらせてしまい,これまでになく長引いている次第です。

そんなときに限って,至急会いに来て欲しい,被疑者国選があたりました,なんとかの書類を早く出してくださいなどの電話が重なり,また熱が上がるという生活が続いています。

なんとか早くこの悪循環を断ち切ろうと苦労しているところです。

                      近況を書くのがやっとの「花」

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )




 地味で旧聞に属するニュースなのですが,国立公文書館法に基づいて,昨年8月,内閣総理大臣と最高裁判所長官との間で,裁判所の保管する歴史公文書を内閣府を経て国立公文書館に移管することを定める申し合わせがなされたようであり,昨年度から(1)判決書等の裁判文書、今年度から(2)司法行政に係る重要な政策等裁判所の運営上の重要事項に係る司法行政文書について、保存期間を満了したものの移管を開始することになっているようです。
 裁判員裁判の実施により,司法に対する関心は高まっていますので,こうした制度で移管された文書の開示を求めることにより,過去の重要文書を使う人が増えるのではないでしょうか。とりあえず,有用に思われるのは学者など研究者の方ですかね。個人的には,最近NHKの記者の方が書いてドラマ化もされた「気骨の判決」(2009年6月29日欄参照)のような埋もれた話が発掘され,司法に対する理解がより進むとよいと願っています。移管についての詳細は,以下のHPをご覧下さい。本文も,下記HPを参考にしています。
http://www.archives.go.jp/news/090805_01.html

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




6 実は私は,私の友人などから,私の健康論が参考になったとか,日常生活で実践することにしたなどという話をついぞ聞いたことはない。ふざけ気味に書いている「わがB級グルメ道」や健康論以外の雑文については,結構面白いという反応がある。おそらく健康論を読む側も辟易して,余り熱心に読んでいないのだろうと思っている。書いている私も,多分にウンザリしながら書いている。それなら健康論を書くことなど止めればよさそうなものであるが,そうは行かないのである。ごく最近も私の知人がガンで死亡したとの連絡があり,ショックを受けた。先ごろ別の友人が胃ガンで死亡した時には,悲しみだけではなく,激しい憤りの感情に苦しんだ。今どき胃ガンで死んではいけないと思ったのである。胃カメラによる定期検診を怠らなければ,早期の胃ガンの発見は容易である。また胃に何か異状を感じたとき放置してはいけない。ある裁判官が胃ガンで死亡したとき,胃に異常を感じながら,仕事の多忙のために精密検査を受けることができず,手遅れになったという遺族の痛恨の思いを聞いた。胃ガンといえども,検査さえすれば手遅れになることはないなどというつもりはさらさらない。そう単純なことではないだろう。ただある程度の医学的知識を持ち,可能な努力をした上での結果であれば,諦めもつくというものであろう。

7 医学も進歩し,健康論が盛んな今の時代に,私の友人達は案外健康論に関心がないし,悪く言えば無知である。この数年で考えてみると,残念ながら私の友人,知人のガンによる訃報は絶えないと言ってよい。まだ60歳ないし70歳という若さである。今でも平然と煙草を吸っている友人は多い。煙草によるガンの危険を承知の上でということなのであろうか。いささか理解に苦しむところである。もっと健康に対しては敏感でなければならない。病気になってから慌てたり,後悔したりするのではなく,病気にならないように,もっと努力をしようではないかと言いたいのである。現代医学は結構進歩しており,ガンは運命だという時代ではなくなっている。私は,完全ではないにせよ,ガンは防止できると思っている。その「妙手」はあると思うのである。少なくも,もう少し医学的知識があれば,人生に別の展開があり得たという人もいるに違いない。だから仕方がないのである。辟易されても,性懲りもなく書くのである。中にはヒョッとして,私の健康論を参考にしてくれる人がいるかも知れないと思うのである。。

8 そこでウンザリせずに,元気を出して続きを書くことにしよう。どうせ努力をすると言っても,できる努力は限られているし,努力をしても効果があるかどうかもよく分からないのである。努力が成功しても,晩年の10年程度を長生きするかどうかという話に過ぎず,大したことではない。ただ漫然と余りにも無防備にガンになったり,サッサと老化してゆくというのも,いささかもったいない気がする。せっかく進歩している現代医学の最前線の知識を活用して,颯爽と,かくしゃくと長寿に挑戦してみませんかというだけの話である。その努力をしても,あっさりとガンになることもあるだろう。人生はそう思うようにはなりはしない。その場合には,「やはりダメであったか。」と苦笑しながら,クヨクヨせず,従容として結果を受け入れるだけのことである。(ムサシ)

コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )




 先日このブログに書いた「メディア・アンビシャス」に入会し,そのメーリングリスト上で色んな情報を提供されることもあって,ドキュメンタリー番組を視聴する機会が増えた。中でも日曜日夜10時からNHK教育テレビで放送されている「ETV特集」は極めて良質な番組を作り続けている。
 今月7日に放送された「あるダムの履歴書」は,北海道のアイヌ民族の聖地に作られた二風谷ダム問題を長年追い続けた作品で,深い感銘を受けた。大量の土砂を堆積させるダムの根源的な問題,ダム建設に関して小自治体が国や北海道開発局に依存せざるを得ない実態,行政の審議会の実態,アイヌ民族差別の実態,森林の荒廃の問題,色んな問題が重奏的に決して告発調に過ぎることも,晦渋になることもなく描かれている点が素晴らしいと思った。ダム用地収用に対して現地で抗議が行われる91年は,私が判事補として北海道に赴任した年であり,ダムを違法とする札幌地裁判決は,私が裁判官を辞めて北海道で弁護士をはじめる直前のタイミングだった。私の同時代史と重なったところに,流れる時間軸の重さをそうした意味で実感し得たところに,重い感銘が残った。
 今週14日の夜は同じ枠で「裁判員へ 元死刑囚・免田栄の旅」が放送される。
 http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2010/0214.html
 免田さんに関しては,ご紹介するまでもない。80歳を超えられた今も精力的な講演活動を続けておられ,上記ホームページを見る限りでは,足利事件の菅家さんとの対話もされているようだ。最近も熊本日日新聞社編「検証・免田事件」の新版が,現代人文社から刊行されており,そこではまさに「メディアリテラシー」の問題にも触れられている。熊本・人吉市民の中には未だに免田さんを犯人視する意識が残っていることを示したアンケート結果も収録されている。
 免田さんから,将来の裁判員候補の皆さんにどのようなメッセージが発せられるのか,注視したい。
(くまちん)


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




 今回は,司法に関してではありますが,ブログ上で行っている10大ニュースをまとめて掲載してみました。激変の時代に,何かお役に立てることがあればという趣旨です。ロースークールの現状については,読者の方の関心が高いですから,今月号でも一文を掲載しています。裁判長の誘導は,裁判員裁判に関してのものです。
 なお,読者の方から,調停委員選考手続について,貴重な投稿をいただきました。Jネットとの対話を,「調停委員選考手続等に関する読者とのメール交換」として掲載しています。これを「法曹&市民の声」という新しいコーナーの中で紹介しています。今後も,このコーナーを充実させたいとおもいます。

2月号の新記事

ロースクールの現場から日本の将来を憂う オピニオン
司法10大ニュース(平成18年~21年) オピニオン・司法10大ニュース
裁判長の誘導 刑事裁判について・裁判員裁判も発足して
私の「家庭裁判(隔)月報」(5) コメンタリィ
弁護士任官どどいつ(35) コーヒーブレイク・弁護士任官どどいつ
悪魔の法典(16) コーヒーブレイク・悪魔の法典
調停委員選考手続等に関する読者とのメール交換 法曹&市民の声
わがB級グルメ道(その4) Su&Fa からの声




コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




1 先日の朝,NHKの「生活ホットモーニング」で,偶然医師の日野原重明さんが,長寿の秘訣を話しているのを見た。現在98歳で現役の医師であるという。髪はやや薄いが,なお黒く,かくしゃくとしておられた。

2 長寿の秘訣はオリーブのバージンオイルだと言う。毎朝100パーセントの天然のリンゴジュースコップ1杯に大匙1杯のオリーブオイル(約15CC)を入れて飲むというのである。長寿の秘訣と言ってもただそれだけのことで,もう40年も続けているとのことであった。カロリーとしては1CCが9キロカロリーなので,135キロカロリーということになる。夜ではなく,朝がよいという。

3 このような飲み方で,全く油を飲んでいるという違和感はなく,飲み安い。含まれているオレイン酸が悪玉コレステロールを減少させるので,動脈硬化を防ぐことができ,これが長寿の秘訣であるという。法曹のような多忙でストレスの激しい職業の人には,甚だ手軽で利用価値が大きいのではあるまいか。

4 実は5年ほど前にも,NHKのテレビで日野原さんが同じような話をされたことがある。健康に関する限り,私のアンテナは甚だ敏感であるし,お金も余りかからず,労力も不要である。その気になりさえすれば簡単に続けることができる。アンチエイジング論者の私としては,こんな手軽な方法を活用しない手はない。当時早速この方法を採用することにし,私もこの5年余り毎朝熱心にバージンオイルを飲んできた。

5 私も年齢よりは10歳位は若く見られることが多いが,多分にこのオリーブオイルのお陰ではないかと思っている。ただこのたび日野原さんを見たときには,31年後の私が,日野原さんのように若々しくかくしゃくとしていることができるとはどうしても思えなかった。その歳まで無事生存しているかも自信がない。そこで潔く「恐れ入りました。」と完敗を認めることにした。但しまだ完全に諦めたというわけではない。

6 最近あるテニス大会で,90歳でかくしゃくとしてテニスを楽しんでいる人を知って感動し,わが「師」と仰ぐことにした。同様にこのたび日野原さんにも感動した。この人もわが「師」の1人に加えて,こういう人もいるのだと,目標にして後に続こうと思ったのである。
 という次第で,皆さんにも是非「オリーブオイル長寿法」をお勧めする次第である。(ムサシ)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




 先月のニュースになりますが,法務省と有識者らでつくる「児童虐待防止のための親権制度研究会」(座長・大村敦志東大大学院教授)は,1月22日,虐待で児童養護施設に入った子どもを親が無理に連れ戻そうとする事例が後を絶たないことを踏まえ、施設長の権限を民法上の親権よりも「優越」させる規定を児童福祉法に設ける方針を明記しました。祖父母らが保護している場合などを想定し、親権を一時停止できるようにする民法改正の必要性も指摘したようです。(共同通信)
 詳しくは,法務省のHP(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji191.html)をご覧いただきたいのですが,私のように家裁も担当している立場からすると,この改正は,必要不可欠であり,できるだけ早めに実現したほうが望ましいように思います。現在でも,親権喪失の制度がありますが,より実情にあった制度が望まれていました。このような研究会報告が出される前には,いくつかの悲劇的な事例もあり,やりきれない思いを抱かれた読者の方も多いのではないでしょうか。健やかな子どもの成長のためには,「親権」という聖域にもメスが入らざるを得ないということなのでしょうね。家族法及びその周辺領域も,どんどん変わっていく感じがします。


コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )