裁判員裁判もどうやら日常的な出来事になりつつあり,日本の国の形の一つになったようです。
とりわけ,若い裁判官,検察官,弁護士諸兄が,先輩の経験や古い判例を参考にできない分野だけに,自分たちの活躍分野だと自覚して,いろいろ創意工夫を加えるなど積極的に取り組んでいる姿には本当に頭が下がります。
裁判員裁判はこれまでの刑事裁判の欠陥を根本的に改めるエネルギーを持っています。
供述調書の氾濫,取調の可視化,人質司法,検察官手持ち証拠の開示,漂流裁判などの諸問題について,改革の動きが出ていますが,いずれも市民にわかりやすい司法を目指す裁判員裁判の運用をにらんでのことと考えられます。
今後の刑事司法は若い法曹の夢が生かせる舞台となるでしょう。
ただ,最近争点以外の部分について供述調書の朗読時間が増えているとの声が聞かれますが,大変懸念される事態です。
供述調書の長い時間の朗読は裁判官でも眠たくなるのですから,ましてや裁判員に真剣に聞いて心証を形成して欲しいと願うことは無理なことです。
争いが無い部分についても,簡潔な被告人質問等で立証するように直接主義を徹底する工夫することか求められているのではないでしょうか。
裁判員裁判に期待する「花」