日本裁判官ネットワークブログ
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1 私は長年「野菜を山ほど食べる健康法」を夢見てきた。かつてキャベツダイエットに挑戦したこともあるが,見事に失敗した。大量の美味しそうに見える見事な千切りキャベツ製造法を研究し,マスターしたが(やや大げさか),なかなか食べ切ることはできなかった。ソースやマヨネーズ,各種のドレッシングも試みたが,結局ほんの少ししか食べることができず,いつも大量に残して廃棄した。自分で作ることは諦めて,最近売り出して簡単に入手できる袋入り105円の千切りキャベツを頻繁に買って来ては,少し食べただけで大半を捨てることも繰り返した。妻はジっと我慢して,黙って見ていた気配ではあったが,時に呆れて苦情を述べたこともある。
2 失敗の原因は,千切りキャベツが余り美味しくないことに尽きる。キャベツダイエットに成功したという話も聞いた記憶がない。この方法には無理があるということであろう。私も諦め切れず,心の深部で悶々としながら,数年が経過したような気がする。
3 ところが不思議なことに,この数か月で「野菜を山ほど食べる健康法」問題が解決した。それは偶然の結果に過ぎない。私と妻がそれぞれキャベツを1個買って来て鉢合わせし,わが家の冷蔵庫に収容できないという出来事が発生した。どうやら妻は怖い顔をしている雰囲気である。私の往生際の悪さに呆れたということなのであろう。もっとも私のこのしぶとさも見上げたものだという評価もできないわけでもあるまい。しかし危険を察知した私は素早く対処した。大きな鍋に大量の水を入れてガスを点火し,キャベツ2分の1個をザク切りにしてぶっ込んだ。冷蔵庫からブタコマを探し出し,ダシの素と両方を入れて,いうなれば大量の茹でキャベツを作ったのである。暫くしてお椀に味ポンを原液のまま入れ,一味トウガラシを添加して,おそるおそる茹でキャベツを食べてみた。「うまい!」。予期に反した美味しさであり,私は感動した。人により好みに違いもあるだろうが,私の大好きな味だったのである。「これは使えるかも知れない。」。
4 その日 夜作って夕食に食べ,翌朝も食べた。そして直径約10センチ,高さ約8センチの円筒形の入れ物2個に詰めて,弁当のおかずとして事務所に持参した。かくしてキャベツ2分の1個を1日で食べ終えた。そしてとても満足した。その後まもなく私が買ったキャベツ1個は見事に消滅した。
5 私は,昼は業者の弁当を食べ,夕食は自作の弁当を食べることが多い。その後私は,茹でキャベツにはまってしまった。そして工夫を加えた。キャベツ4分の1個にもやし1袋を入れ,2回で食べる。調理する2回に1回の割合で,小さ目の絹豆腐1丁を入れる。ポン酢の他に土佐酢も使う。なお模索中なので,「具」にも「付け汁」にも進展があるだろう。現状では「キャベツともやしを山ほど食べている」ということになる。その後約3か月が経過した。「野菜を山ほど食べる健康法」は一応完成したように思える。しかも最近は自分で料理することに意欲が湧いてきており,新たに展開する気配である。
6 千切りキャベツも毎回少しだけ作ることにした。キャベツともやしをメインとする美味しい野菜炒めの研究にも着手した。ゴーヤも入れる。豚コマを常時買い置きしておいて,「豚コマタレ焼き」と,もやし1袋だけによる「もやし焼き肉用タレ炒め」も美味しい。今や夜零時過ぎに帰宅して,翌日用に電光石火の早業でセッセと「野菜山ほど料理」を作る料理人という「変なおじさん」に変身してしまった私である。きっとダイエットにも成功し,ますます健康になるだろうという予感もある。(ムサシ)



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1 秋も深まり,食べ物が美味しい。わが事務所は月1回を目標に,概ね年7~8回程度外食の昼食会をしている。今年も9月末ころお気に入りの「飯屋」に松茸ご飯を食べに行った。毎年期間限定で千円程度で美味しい松茸ご飯を食べさせてくれる店である。
2 松茸ご飯がメニューになっていることを確認しただけで,少し早めの時間なら予約しなくても大丈夫だろうと判断して,11時半ころ6人で自転車で事務所を出た。11時40分ころにはその店に着いたが,何と既に行列ができていた。やむなく別の店に行って,ごく普通の食事をした。「世の中には何と暇人が多いことか?」などとボヤキながら,今年の松茸ご飯は諦めることになったのである。
3 ところが,先日来客者が「これをどうぞ。」と言って,ビニール袋を置いて帰った。暫くしてその袋を開けて見ると,何と笠の大きさが15センチ余り,高さ20センチという巨大松茸が1本入っていた。生まれて初めて見るような大きさである。しかも松茸の強い香りが漂っている。
4 さてどうしたものか。私は早速事務所で調理して食べることを提案した。「半分は焼いて食べよう。残りの半分は吸い物にしよう。」と言うと,「焼き松茸って美味しいんですかね。」などと,あまり芳しい反応ではない。そこで結局先頃食べ損ねた松茸ご飯を作ることになった。何しろ誰もそんな料理を作った経験がない。早速私がパソコンで,「美味しい松茸ご飯の作り方」を探して,何種類かの調理法を印刷した。
5 どうやら松茸の他に,油揚げがあればよいらしい。醤油と日本酒,塩とかつお出し汁などを家で準備し,電気釜なども一緒に事務所に持参した。事務所まで家から約1キロを車で運ぶだけなので,何ということはない。
6 料理のベテラン女性陣3人は,何やら忙しそうに,留守にしたり飛び回っており,結局独身女性の事務員と私とで相談しながら,,印刷したレシピを覗き込んで,事務員が本の通りに調理した。その事務員は新婚早々の新妻はかくの如しかという風情で,「美味しくできるかなー。」と不安げである。彼女が刻んだ松茸をみると,大きなドンブリに一杯となっており,量が多く4合の米に一度に使うには多すぎる感じで,半分だけ使うことになった。炊飯器のスイッチを入れてから完成までに約1時間を要したが,40分くらい経過すると,松茸ご飯の美味しそうな強い香りが事務所中に漂った。その間仕事での来客者や郵便配達の人や,多くの客が出入りし,少しヤキモキした。
7 「ピッピッ」と炊飯器の音がして,炊きあがったことが告げられた。早速かき混ぜようとして,シャモジがないことに気がついて,大きめのスプーンで対処した。おかずやインスタント味噌汁も用意してやや遅めの昼食会が始まった。不安は無用で,絶妙な味の松茸ご飯ができており,「美味しい!」と皆さんの絶賛を博した。その女性事務員はニコニコととても嬉しそうにしていた。また来年も作ろうかという雰囲気になった。
8 午後4時ころ,私は自宅に帰り,4合の米と大量に作っていた残りのかつお出し汁などを事務所に持参し,残り半分の松茸でもう一度松茸ご飯を作った。そして松茸ご飯をラップに包み,家族のお土産として,皆さんいそいそと持ち帰ったのである。とにかく感動の1日であった。美味しい松茸ご飯が甚だ簡単にできることを知って,味を占めることになった。来年もまた誰かが松茸を呉れるよう期待しつつも,呉れる人がいなければ,自分で買って,また松茸ご飯の昼食会をしようと思っている。(ムサシ)



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11月12日の長崎地裁決定を題材に。
元々、農林水産省が利益相反的立場にあるとはいえ、前代未聞の事態だ。



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1 秋も深まり,食べ物が美味しい。そして柿のシーズンでもある。私はかなり柿が好きである。「柿喰えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」(正岡子規)という有名な句もあるが,私はその俳句が何を詠ったものかよく知らない。ただ子規も柿が好きだったそうである。「柿の実が赤くなると,青くなるものなーんだ」というクイズもある。答は「お医者さん」である。柿を食べるとみんな病気にならないので,お医者さんが青くなるというのである。
2 柿にはビタミンCとカロチンが多く含まれ,風邪を引きにくくなったり,免疫力が高まると言われている。また柿に多く含まれるタンニンは血圧を下げるそうである。私が子供のころ,わが家には柿や栗,桃やぶどうなどの結構広い果樹園があり,私が父母と同居していた小中学生のころは,果物を主食のように食べて成長した。特に小学生のころは,秋になるとまるで山猿の如く柿の木に登って柿を食べて暮らしていた。今私がそこそこ健康であるのは,柿を沢山食べて大きくなったお陰であると固く信じている。
3 関ヶ原の戦いに敗れて徳川軍に捕縛され,斬首される直前に石田三成が,喉が乾いたので水を所望したところ,「水はないが柿がある」と言われて,「柿は痰の毒であるからいらない。」と断ったという有名な逸話がある。「すぐに命を失う者が毒を絶って何になる」と嘲笑されたのに対して三成は,「大志を持つ者は,最後の時まで命を惜しむものだ」と泰然としていたそうで,三成は逆境の中でも志を失わなかった人物とされている。
4 ところで漢方では,柿は痰の毒ではなく,痰の薬だとされているようなので,三成が間違えたのであろうか。もっとも柿は体を冷やしたり,利尿作用があるので夜食べると夜中にトイレに行きたくなったり,タンニンを多く含むので便秘になったり,鉄分の吸収を妨げるそうで,貧血の人は食べ過ぎないようにとも言われているそうである。そうしてみると,柿の食べ過ぎは体に良くないかも知れないが,私にはその実感はない。
5 私は「健康オタク」であるが,最近は「健康オタク家」と自称している。その健康法のひとつに「果物健康法」がある。バナナとトマトとリンゴとミカンは年中できるだけ多く食べる。秋には柿を毎日1個,シーズンにはイチゴ,モモ,ブドウ,スイカなどもセッセと食べる。その程良い分散の仕方に工夫が必要となる。
6 私は果物の入れ物として直径約10センチ,高さ約8センチの円筒形の入れ物を100円ショップで買ってきた。その中に日替わりで適度に分散して果物を入れて,毎日事務所に持参し,昼食時の他にも密かに食べる。車での出張時にも携帯する。もう5年以上は続いており,素晴らしい健康法だと自負している。
7 最近リンゴは皮ごと食べている。それでも結構美味しいし,皮に栄養分が多いように思うのである。そこで柿も皮をむかずに水洗いして,へただけ取って,皮ごと6等分して暫く食べてみたが,皮付きの柿は皮付きリンゴのようには美味しくない。柿の皮の栄養分はどうなっているの調査未了であるが,柿を皮ごと食べるという名案は頓挫しそうな形勢である。皮をむいて,皮だけ別に食べるという実験も継続は困難かも知れない。
8 ティッシュを折って,水道の水を含ませてへたに貼り付けると,熟して柔らかくなり易い柿が1週間以上は堅さを保持できる。柿のシーズンにはわが家の台所は,私が衝動買いした柿が,広げたタオルの上に沢山逆さになって並べられている。秋には夜帰宅後,柿のへたのティッシュに水を補給するのが,私の日課となっている。(ムサシ)
  



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日本裁判官ネットワーク・平成25年秋の企画のご案内
 
日時:平成25年11月9日(土)13時から17時まで
会場:「大阪市立大学文化交流センター」ホール(定員120人)
   大阪駅前第2ビル6階 tel 06-6344-5425
 
  JR大阪駅の中央コンコースを南へ進み,地下に下り,大丸デパートを右に見て,阪神デパートを左に見て,ディアモールを過ぎると第二ビルです。
 
企画内容
 
1 記念講演(13時から1時間余り)
  当ネットワークの元メンバーである金馬健二(元高松高裁部総括・27期)による退官記念講演
 
2 パネルディスカッション(14時半ころから17時まで)
  家事事件経験の豊富な金馬元裁判官の基調報告を受け,パネラー(裁判官,弁護士,家庭裁判所調査官)によるディスカッションを行います。
  ア 家事事件手続法施行後において,離婚・婚費・親権・養育費といった一般的な家事調停の運用はどのように変わったか
  イ 子の親権・面会交流・引渡し事件の調停・審判のあり方について
 
3 懇親会(参加希望者のみ・会費制)
  17時30分から約2時間,第1ビル地下2階西側の居酒屋「百番・梅田店」(tel06-6341-7839)にて
 
4 参加費用
    懇親会に参加しない方は,会場費として1000円のカンパをお願いします。懇親会参加者は,会場費カンパを含めて,ベテラン法曹1万円,若手法曹6000円,一般・学生3000円です。  
 
問い合わせ先 小林克美(25期・奈良簡裁)
 携帯 090-6061-0830
 E-mail JA9AEV@nifty.com
 モバイル・メール ja9aev5117@i.softbank.jp
 
 
 
 


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  観劇記録も半年に一回だと大部に過ぎるので、これからは4か月ごとにする。上記期間の観劇記録をまとめると、以下の通り。

   ○は大満足、△まあ満足

  <>内の出演者はあえて一般的な知名度のある方に絞っています。あしからず

  7月△こまつ座「頭痛肩こり樋口一葉」(紀伊國屋サザンシアター)<小泉今日子、熊谷真実、若村麻由美>

     △パルコ「非常の人何ぞ非常に-奇譚 平賀源内と杉田玄白」(パルコ劇場)<佐々木蔵之介、岡本健一、篠井英介>

     △新国立劇場「象」(新国立劇場小劇場)<大杉漣、神野三鈴、山西惇>

      キャラメルボックス「雨と夢のあとに」(サンシャイン劇場)

  8月 劇団民藝「どろんどろん」(旭川市公会堂)

      角角ストロガのフ「ディストピア」(吉祥寺シアター)<いしだ壱成>

    △二兎社「兄帰る」(東京芸術劇場シアターウエスト)<鶴見辰吾、草刈民代>

  9月 M&Oプレイズプロデュース「悪霊-下女の恋」(本多劇場)<平岩紙>

    △ライズ・プロデュース「SENPO」(新国立劇場中劇場)<吉川晃司>

    ○風琴工房「hedge」(ザ・スズナリ)

    △シス・カンパニー「かもめ」(シアターコクーン)<大竹しのぶ、蒼井優、野村萬斎>(オペラグラスを忘れたのが大失態!)

 10月○こまつ座・ホリプロ「それからのブンとフン」(天王洲銀河劇場)<市村正親、小池栄子、山西惇>

    ○ホリプロ・こまつ座「ムサシ」(彩の国さいたま芸術劇場)<藤原竜也、白石加代子、六平直政>

    △こまつ座「イーハトーボの劇列車」(紀伊國屋サザンシアター)<井上芳雄、辻萬長、木野花>

     可児市文化芸術振興財団「秋の蛍」(吉祥寺シアター)<渡辺哲、小林綾子>

    ○文学座「殿様と私」(旭川市公会堂)<たかお鷹、加藤武>

     青年座「夜明けに消えた」(青年座劇場)

以上、17本にもなる。

この中から、印象に残った三本に絞って感想を(7月の「象」の感想は、別途ブログに書いている)。

  「hedge」―毎回、東京で芝居を見ると、イヤと言うほどの数の他の芝居等のフライヤー(いわゆるチラシ)をいただく。その中から、全く名前を聞いたことのない劇団であっても、題材やチラシの雰囲気から何となく惹かれるものがあって、予約することがある。これもその1つで、なおかつ大当たりだった。良い作品というものは舞台セットを見たときからピンとくる時があるが、これはまさにそれで、小さなドアを縦横にいくつも配列した舞台装置がすばらしい。そこにおよそ経済的なこととは縁の薄そうな(失礼!)素の男優たちが10人登場。いきなり経済学教室のようなことが始まり、そのうち1人、2人と劇中の登場人物に扮していき、いつの間にかエクイティファンドをめぐる群像劇が展開されていく(劇の題名はヘッジだが、ヘッジファンドについては説明されるだけで劇の本筋では無い)。社会問題を取り上げながら、それを「演劇」としてキチンと見せることに成功することは非常に難しいと感じているが、この舞台はそれに成功している。「風琴工房」は、社会問題を積極的に創作劇として上演されているそうなので、今後もチャンスがあれば観劇したい。

  「それからのブンとフン」―現在新潮文庫に入っている井上ひさしの「ブンとフン」は、ナンセンス小説の元祖とも言うべき作品であり、この作品も「それからの」とは言いながら、冒頭から三分の二あたりまでは小説そのままの内容のナンセンスさで展開される。しかし、後半三分の一の劇化に当たって加筆された部分から、一気に井上ひさしの天才劇作家としての手腕が炸裂する。問題はそのつなぎ目の刑務所及びそれをめぐる騒動の場面とその後のゴビ砂漠の場面があまりつながっていないことだが(ブンはどうやって出獄したんだ?)、そんなことはどうだって良いと思わせる。75年に書かれたとは思われない表現の自由に対する危機感にあふれた展開は、昨年末に鑑賞した遺作「組曲虐殺」につながるものを感じさせ、フン先生が小林多喜二に見えてくる。井上ひさしの昭和の作品を鑑賞する度に、「これ、本当に昭和に書かれたのか」「良い作品は古びない」という思いにとらわれる私である。

  「殿様と私」―マキノノゾミ作品は、旭川で見た他の二作品(「赤シャツ」「東京原子核クラブ」)がいずれも印象的であったので期待していたが、前評判に違わない作品だった。たかお鷹さんの殿様像には、色々異論もあるようだが、私には「適役」に思えた。殿様は実は自分の「古さ」を分かっているのだ。でも立場も意地もあり、それを素直に認められないのだ。その「心」が伝わって来て、後半の私は殆ど泣きっぱなし。この作品は、市販の単行本「赤シャツ/殿様と私」で脚本を読んでから鑑賞したのだが、脚本を読んだときはハッキリ言ってそんなにピンとこなかったものが、実際に鑑賞して「ああ、なんてこの脚本には無駄がないんだ」と感激した。和洋折衷の座敷で繰り広げられる和洋の登場人物のすれ違いと交流を、うまく描いた演出と舞台装置にも感銘した。

11月以降も、多くの舞台と感動に出会えることを心の糧に、仕事に励みたい。                   (くまちん)

 

                                                      



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