日本裁判官ネットワークブログ
日本裁判官ネットワークのブログです。
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憲法記念日特集で「違憲判決 その心は」という記事が出ています。元裁判官3人へのインタビューです。ネットの記事はこちら

http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201305020506.html

森野俊彦さん(日本裁判官ネットワークメンバー)は、2010年3月の福岡高裁判決(一票の格差訴訟)について語っています。30年前にも大阪高裁で同様の判決をしようとしたが、日の目を見なかったとか。

他の二人は、福島重雄さん(長沼ナイキ基地訴訟)、小中信幸(朝日訴訟)さんです。

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土曜ワイド劇場(テレビ朝日系列で夜9時から)
法医学教室の事件ファイル「判決の報酬!!誘拐された裁判長」

http://mobi.tv-asahi.co.jp/pr/i/20120211_21522_02.html

サスペンスドラマには珍しく、重要人物としてに裁判官が登場しますが、判決を逆恨みされて誘拐される役みたいです。(チェックメイト)



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今日、記念切手が発行されたので、さっそく買い求めて来ました。
デザインは「裁判員制度のシンボルマーク」と「天秤と9羽の鳥」の2種。
写真のような互い違いの連刷で1シート10枚800円です。
日本切手カタログを見ると、裁判関係の記念切手の発行は、今から10年前の、
1999年6月16日「家庭裁判所50周年記念」
以来のようです。
これまで他には、
1971年10月1日「調停制度創設50年記念」
1974年5月23日「最高裁判所庁舎落成記念」
1990年11月1日「裁判所制度100周年記念」
1997年5月2日「最高裁判所50周年記念」
といった例がありますが、新しい裁判制度の発足時の記念切手は初めてのようです。
何周年という記念切手が出るような成果を上げたいものです。
(チェックメイト)




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この問題の解決策は、実はかねがね私もこういう方法があるというアイディアを思いつき、同僚裁判官や調査官と話題にしていました。今月5日の「認知訴訟が急増の予感」での私のコメント「偽装認知をどう見破るか」でも言及しました。
しかるべき事案が来れば、その旨の判断をしようと待っていたのですが……。
本来は、下級審から審判例を積み上げるのが好ましかったと思うのですが、問題が大きくなり、最高裁からアイディアを周知するという、やや異例の形になったようです。
一見すると、合意があれば任意認知でも済みそうなのに、認知が23条審判(合意に相当する審判)の適用対象に列挙されていること(家事審判法23条2項)にも、新たな意味づけが可能ではないでしょうか。
先日の国籍法違憲判決もありますので、今後は、認知の調停と23条審判の運用に英知を絞りたいと思います。
例えば、偽装認知を排除するために事実をどの程度確認する必要があるか、DNA鑑定を要求すべきかどうか、等々。(チェックメイト)
(NHKニュースから抜粋)
 民法の300日規定が原因で、戸籍がない子どもについて、最高裁判所は、実の父親の子として戸籍を得る手段として、これまでは一般的でなかった「認知調停」という方法が活用できることを全国の家庭裁判所に周知しました。これを受けて、各地の戸籍がない子どもたちが家庭裁判所に一斉に調停を申し立てることを決めました。
 離婚後300日以内に生まれた子どもは、前の夫の子どもと推定するという民法の規定が原因で、実の父親の子として出生届が受理されず、戸籍がない子どもたちは少なくありません。戸籍を得るためには、これまでは前の夫を相手に家庭裁判所に調停を申し立て、親子でないことを確認する方法が一般的で、裁判官もこの方法を利用するよう促していました。しかし、暴力が原因で別れるなど、前の夫の協力を得にくいケースが多く、改善を求める声が出ていました。

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昨日の国籍法違憲の最高裁大法廷判決を受けて、人事訴訟を担当する裁判官としては、今度は認知訴訟が激増することを覚悟しておかなければならないと思います。
なぜならば、これまでは外国人母・子側から日本人父に生後認知を求める訴訟を起こして勝訴しても、せいぜい養育費の請求が可能になるくらいでしたが、今後は強制認知の確定判決に基づいて届出さえすれば、父母の婚姻を要せずに日本国籍を取得することができるからです。いずれ法改正がされて、父母の婚姻以外の何らかの要件が新たに課される可能性はありますが、現時点では確実に日本国籍を取得することができる状態です。
それは良いことだと思いますし、DNA鑑定の飛躍的な発達によって、被告がこれに応じさえすれば、生物学的に父子である確率は「0%」か「99.9999…%」のいずれかで結果が出ますから、判断は極めて容易です(判決理由をたった1行で書くことさえ可能です)。
しかし、認知訴訟で被告が出頭しないとか、DNA鑑定に応じないなどという事例が頻発することが予想され、これをどうするかという問題がクローズアップされてきそうです。法改正の際には、この点の立法的手当も是非検討してほしいと思います。
(チェックメイト)

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2週間前の出題に、予想外に多くの反響が寄せられました。
元々、「TVタックル」で「裁判官は満員電車には乗らないでしょうから」とコメントされたのを小耳にはさんで、何でそんなことを知っているのだろう?と疑問に感じたことから、出題させていただきました。

もちろん、他の裁判官にアンケートを取ったわけではないので、唯一の正解があるわけではありませんが、私は幸せなことに、
②満員ではない電車で通勤している。
が最も当てはまります。
おそらく、同様の裁判官も少なくないと思われます。
都会では現実的には難しいのではと思われたようですが、それが可能な理由は、
第1に、午前中の開廷時刻が概ね10時前後に設定されているため、出勤については一般より遅めの「時差通勤」が可能であること(その代わり、遅くまで居残るか、持ち帰りで「残業」をしています。)、
第2に、都市部であっても、比較的都心に近い住居(自宅・官舎)から近郊都市の裁判所支部等へという、一般と「逆方向通勤」になるパターンが多くなることです。

ちなみに、
③黒塗りの専用車は、各裁判所の所長・支部長のほか、東京高裁の裁判長クラスのうちの希望者くらいに限られると思われます。そもそも、専用車はそんなに台数はありません。昔は法廷の撮影ができなかったので、裁判長が黒塗りの専用車から降りて来るシーンが必須でしたが、そんな舞台装置も不要になりました。
④送迎バスは、大きな官舎に入っていて便があれば可能ですが、最近は乗る人が極めて減っているのが実情です。
⑤バイク・自転車は、少なくとも都市部ではほとんどないと思われます。東京地裁にはこれを予定した駐輪場さえありません。
⑥ジョギング・徒歩も、よほど近くに住んでいないと無理ですね。
⑦裁判所(敷地内の官舎)に住み込みというのも存在しないでしょう。所長・支部長はともかく、一般の裁判官の官舎はそんなに近隣にはありません。
⑧その他では、御指摘のとおり、致命的な出題ミスを犯しました。
自家用車を選択肢に入れなかったことです。出題者自身が、自家用車通勤は想定外という先入観をさらけだしてしまっていました。実際にも、自家用車で通勤している裁判官は見たことがありません。そもそも、運転免許自体を持たない人の比率も、一般より相当高いのではないかと推測されます。それがなぜなのかは、また一つの問題です。
(チェックメイト)



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1か月くらい前の「TVタックル」で、痴漢冤罪事件で「通勤電車では女性から離れて立つのがマナーです」と言ったとの裁判官の発言が「裁判官は満員電車には乗らないでしょうから」と批判されているのを見ました。(チェックメイト)

そこで、問題です。
多くの都会の裁判官は、いったい何で通勤しているのでしょうか?
①やはり満員電車で通勤している。
②満員ではない電車で通勤している。
③黒塗りの専用車で通勤している。
④送迎バスで通勤している。
⑤バイク・自転車で通勤している。
⑥ジョギング・徒歩で通勤している。
⑦裁判所(敷地内の官舎)に住み込んでいる。
⑧その他(空を飛んで来る、等)


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先週の「兄弟喧嘩をなくすには」の投稿に批判のコメントを複数いただいた。
確かに「知恵がない」という表現は良くなかったと感じられる。
ただ、この投稿の主眼は、結びの一文「しかし、いっそのこと、兄弟姉妹に4分の1の法定相続分を認めた民法の規定は廃止してもよいのではないだろうか。」にあった。
つまり、民法900条3号「配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。」という規定は(関連して兄弟姉妹の相続権について規定する民法889条の規定も)、そろそろ改正を考えてはどうか、ということである。
このような規定を合理的と考えて、法教育などで周知すべきという方向の意見ではない(一般論としては、法の周知が大切なことには、もちろん異論がない)。
被相続人に、兄弟姉妹しかいない場合であればともかく、配偶者もいる場合に、兄弟姉妹にも4分の1の法定相続分があるということは、現代では相当な違和感を生じつつあるのではないだろうか。「配偶者に全部相続させる」との遺言書を残す(兄弟姉妹には遺留分までは無いので、これだけで対策としては必要十分である。)ことによって紛争を予防しなかった被相続人の中には、想定外だった人が多いだろうと推察している。そうであったとしても、無理もないのではないか。
皆さんは、この点についてはどのように感じられているだろうか。
(チェックメイト)

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浅見判事の説によると、最も激しい紛争は、兄弟喧嘩だそうである。
確かに、私もそういう事例に接したことが少なくない。
その類型は二種類。
一つは、親の遺産相続を兄弟姉妹で激しく争うという、よくあるケース。
もう一つは、被相続人の配偶者×兄弟姉妹で遺産分割を争うケースである。
実は、後者の類型は、遺言で予防することができるのだが、裁判所に来るのは、遺憾ながら被相続人にその知恵がなかったケースである。
しかし、いっそのこと、兄弟姉妹に4分の1の法定相続分を認めた民法の規定は廃止してもよいのではないだろうか。
(チェックメイト)

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今日の朝刊一面トップに「正義のかたち 裁判官の告白」が掲載されています。
刑事裁判官の言葉を通じて「人を裁く」意味を考える連載だそうです。
第1回は、最高裁で無期懲役3人、死刑2人と意見が割れた先月の判決などを取り上げています。
才口裁判官の反対意見は「死刑の量刑基準を、裁判員制度を目前に明確にする必要がある」と付言したそうです。しかし、これに対しては、それは裁判員の意見で決めていくべきだという異論もありそうです。
(チェックメイト)

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 超党派の国会議員でつくる「死刑廃止議員連盟」(会長・亀井静香衆院議員)が、市民の裁判員と裁判官計9人が多数決で決める量刑について、死刑判決の場合に限っては全員一致を条件とすることを柱とする裁判員法改正案を提出する方針を決めた。

 賛否は保留するが、果たして全員一致を要求するのが良いことなのか、色々と考えさせられた。
 確かに昔から、死刑判決には裁判官の全員一致を要求すべきという議論がある。実際にも、最高裁判決で反対意見付きの死刑判決というのは見たことがない。下級審判決でも同様に全員一致を追求する運用がされている可能性もあるが、少数意見が表示される制度になっていないので外からは分からない。唯一、例の袴田事件の1審判決のみ、元裁判官の告白が真実だとすれば、2対1の多数決で死刑判決がされたと公になった例ということになる。
 よく考えてみると、裁判員にとっては、全員一致を要求された方が、悩みは確実に深くなると思う。もし自分1人だけでも反対していたら死刑にならなかったことになるが、本当に自分の判断はあれで正しかったのだろうかと後で深刻に思い悩む人が出て来るかも知れない。多数決であれば、そういう形の悩みにはならないだろう。
 何よりも、全員一致制は、評議の秘密と両立しない部分が大きい。この例でいえば、死刑判決が出た瞬間に全員の意見が判明してしまう。評議の秘密の最も重要な部分が空文化することになる。評議の秘密には、結論は合議体の全体のものとして提示すれば足りるとすることによって、個々の構成員に対する無用の攻撃等を回避するという意味もあると思う。

 このような難問が次々に派生して来るのは、元々、死刑という刑罰自体が、殺人を罰するための殺人という究極の矛盾をはらんでいるからなのだろう。全員一致制の提案の背景にも、そういった問題提起があるのではないか。
(チェックメイト)


 

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昨日の投稿を読んで、とても嬉しくなりました。
何を隠そう、私も大の将棋ファンだからです。
「将棋界の一番長い日」には将棋会館の大盤解説会に駆けつけ、帰宅後も深夜まで衛星放送を見ました。
ペンネームの「チェックメイト」も西洋将棋であるチェスの用語(詰み)です。
法曹界に入って、寂しく感じていたのが、囲碁ファンに比べて将棋ファンが目立たないことです。永世名人のご子息が裁判官になっているとか、県大会優勝の実力者がいるという話はあるのですが、裁判所で将棋ファンの集まりというのは聞いたことがありません。会員が5人集まれば日本将棋連盟の支部を結成することができるのですが、現時点で裁判所の支部は存在しないようです。弁護士会も含め、囲碁の同好会の方が明らかに目立ちます。
しかし、こんなに身近なところに私と同様の熱烈なファンがいることを認識していなかったことからすると、お互いに趣味のカミングアウトが不足していたのかも知れません。
(チェックメイト)

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今週末の3月1日(土)夜9時から11時40分まで、フジテレビ系列で放送。公開からまだ1年ちょっとですが、最近は早いですね。
周防正行監督には、昨年の例会に飛び入り参加で議論に参加していただきました。
その模様は、上記アドレスのホームページの「オピニオン」の中の
例会報告・映画「それでもボクはやってない」を巡って
をご覧下さい。
映画は、キネマ旬報、毎日映画コンクール、東京スポーツ映画大賞、などなどの賞を総なめ。日本アカデミー賞の最優秀映画賞こそ逃しましたが、このシリアスな映画で数々の受賞はさすがです。
私たちとの懇親会で、監督は「映画賞を取れば、また多くの人に見てもらえるから嬉しい」旨おっしゃっていたのが印象的でした。
いよいよ満を持してテレビ初放送。どれだけの人が見てくれるのでしょうか。放映前後の解説等にも注目です。
(チェックメイト)

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 最初にあの発言を聞いた時は、「冤罪」とは他に真犯人がいる場合をいうのであって、あの事件はそもそも真犯人も何も存在しない空中楼閣の捏造(でっち上げ)だったとの見識を示されたのかと思った。どうも、そうではなかったようだ。
 特定の事件を「冤罪」と呼ぶかどうかは「冤罪」の定義しだいだから、「他に真犯人が現れた場合に限る」とか「いったんは誤って有罪の確定判決を受けた場合に限る」などと極端に狭義に定義すれば、これに該当しないと言い張ることはいくらでも可能である。ただ、あの事件は、普通に使われる語義からすれば、紛れも無い「冤罪」だったというべきだろう。言葉遊びは慎み、猛省しなければならない。
 それとともに、この議論を聞いていて不安に思ったのは、逆に「冤罪」をあまりにも広義に定義し過ぎてしまう傾向がないだろうか、ということだ。
 もし「無罪」イコール「冤罪」と呼んでしまうと、かえって「無罪」のハードルを不当に釣り上げてしまうことにもなりかねない。あくまで、有罪認定をするのに合理的な疑いが残れば「無罪」と判断しなければならないのである。その場面で「冤罪」(無実の罪)かどうかを議論しだしたら、ミスリードになりかねない。
(チェックメイト)

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日本裁判官ネットワークのブログは、昨年12月初めの総会で曜日ごとに投稿の当番を決めて以来、とても活性化した。
メンバーの私が読んでも、「いい話」が多いと思う。読んで裁判官のファンが増えたり、志望が増えたりすればサイコーなのだが。

私はこの間、毎週木曜日の当番として、専ら長嶺超輝さんの新刊「サイコーですか?最高裁!」の書評を続けてきた。
実は当ネットワークの長年の懸案の一つも出版である。
設立した1999年の「裁判官は訴える!」(講談社)
2周年の2001年の「裁判官だって、しゃべりたい!」(日本評論社)
に続く出版が、未だ果たせていないのである。

最近の新書ブームや、裁判傍聴関連本の隆盛などを見るにつけ、こういったブログの内容を充実させて、厳選したものを一冊の本にできないものかと思うようになった。
世にブログ本は数々あれど、裁判官のブログをまとめた本は前例がないように思う。

市民の皆さん、出版界の方々、いかがでしょうか?
(チェックメイト)

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