日本裁判官ネットワークブログ
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1 これは前回の続きである。先月のテニス大会で下位クラスながら,この1年余りの全敗街道から一転して全勝するという異変を生じたが,その後初めて月1回の定例の眼科医の検査の日がやってきた。そして少しだけではあるが,視力がよくなっていた。矯正視力が1・0と0・8である。この日は視野検査を受けることにはなっていなかった。「今日は視力がいいですね。」と医師に言われた。テニスのことは何も言わなかった。眼圧は11ないし12で,大体褒められている。
2 どうやらこのブログをお読み頂いている方からお叱りを受けているが,私は自分で行なっている通電治療が有害とはとても思えないので,年末まで継続して様子をみることにした。私の関心は近視治療に関する通電治療の現状にあるが,正常眼圧緑内障の原因が血行障害ということであれば,完治などしなくても通電治療は正常眼圧緑内障の症状改善の効果があるのではないかということである。但し眼科医による治療が行われるためには,治療効果があることや弊害がないことの医学的な証明が必要であろうから,現状ではそれは困難であり,自己の責任において対処するしかないのであろう。
3 正常眼圧緑内障がよくなると思っているわけではないが,多少なりとも改善するかも知れないという,何となく希望を感じていることは間違いない。最近は自分で行なっている視力回復トレーニングに,もう少し熱心に取り組もうと思うようになっている。決して大きな効果があると期待するわけではないが,健康遊びは私の特技である。このような意欲を強めることで,兼ねて研究中の脳の活性化にも役立つかも知れない。
4 かねて健康雑誌などを参考にして私が作成していた目のトレーニング項目は7項目ある。効果があるかどうかはともかくとして,有害かも知れないのは1項目だけであり,とにかく遊びとして頑張ることにした。確か以前にも同じようなことを考えた気がして,資料を探してみると,3年余り前にこのブログに同じようなことを書いているのを見つけ出した。確か半年位は熱心に頑張っていたような気がするが,その後中断していた。努力の成果に自信がなく,意欲を失っていたということである。しかしこのたび新たな工夫と新たな意欲で再挑戦してみようということである。今度は続きそうな気がする。
5 いずれも簡単な作業ではあるが,続けるには工夫と決意が必要である。絶対続けることとして,遠近トレーニングをすることにした。その方法は,目の前約30センチの所に手の親指をセットして,眼鏡のままで親指の爪を約1秒凝視し,転じて遠くを約1秒見る。これを30回,約1分繰り返す。これを1日3セット繰り返すのである。これはパイロットの人が実行している方法だという記事を読んだことによる。これを若いころから続けていると老眼にならないというのである。
6 これを1日3セット実行するのはこれまで案外困難であった。そこである工夫をした。事務所の中央の応接机の椅子に座った時に,事務所内の最も遠い距離の所に縦横各7センチの大型付箋にひらかなを1字マジックで書いて,壁に貼り付けた。凝視すると何とか読める距離と文字の大きさである。外の景色を見るのは労を要する。この工夫の結果1日3回が案外容易となり,一覧表に○を3回書き込むことができるようになって嬉しい。それ以外にもいろいろとやるが,今は書かない。目のトレーニングの方法は,この間の実験でほぼ定着してきた。次第に目がよくなったりすると甚だ愉快なことではあるが,余り期待はしないことにしている。(ムサシ)



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 裁判所予算が大幅に減っている。三権の一翼と良いながら、その予算規模は国家予算の1%を超えたことが無く、平成20年の0.394%からついに0.323%にまで低下し、額としても3000億円の大台を切ってしまった。弁護士会などは、せめて国家予算の1%程度を確保して、裁判官や職員の増員をするなど、人的物的設備の増強を求めているのだが、財務省の扉は固いようである。

 減った原因は主としては人件費削減(今次震災等を受けた俸給削減)であり、元々裁判所予算において人件費が大きな割合を占める以上、納得はしがたいものの、やむを得ない面があろう。だが、その他では「情報処理業務庁費」というものが大幅に減っている。それも「裁判所の事務処理に必要な経費」と言うくくりの中のその費目は減っていないが、「裁判運営の充実に必要な経費」と言うくくりの中のその費目が大幅に減っている。これって何?と思って概算要求の中身などをチェックしてみたら、昨年度に行っていたIT関係の投資が終わったので、その分がさっくりゼロになっているようである。

 日本裁判官ネットワークでは、先日、シンポジウム「地域司法とIT裁判所」を開催し、日本の裁判所のIT対応が他国に比べて絶望的に遅れていること、それが過疎地の支部等の弁護士業務に多大な負担をかけていることを明らかにした。裁判所としても、ひとつのプロジェクトが終わったからと言って、IT関係予算がガタッと減るというようなことでは、ますますIT化の遅れは絶望的になってしまう。

 今から色んなプロジェクトを始動して、将来に向けて着実に予算を確保していかなければ、いざというときに裁判所に必要な予算が確保されないのでは困る。浅見裁判官は、昔のシンポジウムで、裁判官は霞ヶ関のキャリア官僚に比べてしたたかさが足りない、と指摘しておられた。せっかく有能な判事補を他省庁に出向させているのだから、そうしたノウハウも着実に前進させて欲しいと願わずには居られない。

                                                 くまちん



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1 これもほんの少しだけ不思議な話ということになる。その男は硬式テニスを続けてきた。テニス歴は30年を超えているが,健康テニスなので,腕の方は大したことはない。その男は15年ほど前に,少しずつ視野が狭くなる正常眼圧緑内障という目の病気になり,今も視野が少しずつ狭くなっている。現代眼科医学では,この病気は治癒することはなく,眼圧を下げる目薬で進行を防止するだけで,いずれ失明する時が来るとされている。IPS細胞医学の画期的な発展以外には希望は見い出せず,失明と医学の進歩と死亡との時間の競争という関係になる。
2 その男の視野も年々除々に狭くなり,仕事や車の運転やテニスなどに,少しずつ不便を生じている気配である。
3 その男は年10回程度開催されている当地の法曹テニス大会に,これまで熱心に参加してきたが,その戦績も除々に悪化し,この1年余り下位のクラスで出場しても,殆ど勝てなくなっていた。我々のテニス会はダブルス試合が多いので,ペアーの人の足を引っ張ることになるので,お荷物になっているのではないかと,そろそろ引退の潮時かと思い,引退の時期を模索していたというのである。
4 ところが先日のテニス大会で突然4戦全勝してしまった。40人が参加し,5チームずつの4ランクに分けたCランクではあったが,最近1年間のその男のテニス大会の戦績と現代眼科医学の理論からすると,これは不思議な話ということになる。
5 心を込めて練習を頑張ると心眼で球が見えるようになるのか。これは漫画か映画の世界の物語であろう。練習量でカバーして,見えにくくてもテニスボールを打てるようになるのではないか。これは未解決の宿題であり,いずれ挑戦してみるつもりであるが,今は余り練習を頑張ることのできる環境にはない。
6 少し前に目の通電治療の本を入手した。当地にはその治療を実施している眼科医がおられないことや,偶然入手していたマッサージの健康器具で目の通電治療を自分で行なって,一時それなりの効果が出たこともあった。しかしなぜかその後また視力が低下したことから,その後暫く放置していたのである。
7 しかしそのまま手をこまねいて,失明を待つというのもいささか耐え難く,その男は,その後改めてその本を精読し直した。するとどうやら以前は治療を熱心に頑張りすぎて,目のレンズを調節する毛様体がマッサージ疲れしたのではないかという結論に達した。そこで新たな工夫をして,本に記載されているとおり,3日に1回,片目につき5分ずつと決めて,トレーニング計画表に予定日を鉛筆で記載して,最優先課題として必ず実行することになった。それから2か月が経過したころ,いわくのテニス大会があり,前記の不思議な出来事が発生したというのである。
8 正常眼圧緑内障の原因として,血行障害による栄養不足説が通説であり,認知症の原因とされるベータアミロイドという蛋白質が視神経に詰まるという説もある。前者であれば,正常眼圧緑内障も近眼と似たメカニズムということになり,通電マッサージが効果を有する可能性があるように思える。IPS細胞の活用できる時代は先のことであろうから,その時を待ってもいられない。そこで結果はともかくとして,気長に実験することになった。視力回復は錯覚かも知れないが,どうせ遊びのつもりなので,気楽な話である。この年末ころにはどうなっていることやら,いささか楽しみではある。(ムサシ)



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 朝ドラ「あまちゃん」にはまっている。7時30分にBSで見て、8時に地上波で見て、家で昼食をとる時には12時45分に地上波再放送を見て、家で夕食をとるときには少し前の回を録画で復習する。これで7時15分のBS再放送の枠で予定通り「カーネーション」が再放送されていたら、仕事に多大な影響を受けたに違いない、と安堵している。その「カーネーション」以来のドはまりである。

 「カーネーション」は細かい演出の妙で、見直す度に発見と深みが出るドラマだったが、「あまちゃん」にはそこまでの深みはないものの、クドカンテイストのベタベタな笑いと我々の年代が喜ぶ仕掛けが随所にあって、十分に楽しめる。何と言ってもとても実年齢19歳とは思えない能年玲奈さん(ちなみに友人役の橋本愛さんは設定通りの実年齢17歳)の「今どきこんな透明感のある子をどこで探してきたのか」と思わせる魅力と、時折見せる女優としての非凡さの片鱗がすごい(夫婦ともに能年さんを応援していますので、ご心配なく。笑)。そしてヤサグレ感満載の母親役小泉今日子さん。舞台出身の個性派俳優を集めた脇役陣のスパイシーな豪華さ。

 東京から母親の故郷に連れてこられた主人公は、海女として地域に溶け込み、ご当地アイドルとして人気を博したばかりか、「海女cafe」を企画立案するほど、地域にとって不可欠の存在となる。私自身が、東京地裁の判事補を辞めて弱小弁護士会の23人目の会員になった頃、そして入会4,5年目には当番弁護拡大やひまわり基金法律事務所誘致の取り組み、民暴大会や道弁連大会等の企画立案等で「この会を支えている」という充実感を味わっていたことが思い出されて、グッときてしまう(その私も、今や会員70人を超えた当地の弁護士会では「早く顧問先を置いて死んで欲しい爺リスト」に名前を連ねているわけだが)。

 さて、ドラマはこれからが正念場。まず、ここまで地域に定着し生き生きと活動している主人公が北三陸を離れて上京する理由にあと2週間でどうやって説得力を持たせるかが、クドカンにとっては最初のハードルになるだろう。そして7月からの、アイドルグループGMT47が舞台となる東京編。アイドルオタクドラマに堕することなく、どうやってここまで付いてきた中高年層を引きつけられる展開にしていくのか。鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)がキーパーソンになりそうだ。最後は震災をどう描くのか。ここでは、随所に登場した鉄拳のアニメーションが軸になりそうな予感がする。

 あと三ヶ月ちょっと、ワクワクする朝が続きそうである。                          (くまちん)

 



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1 ある女性が乳がんになり,手術を受けた。手術は無事成功したが,転移していないかという問題は残っているようである。今後3年から5年の経過観察を要することになるらしい。
2 その女性は病気が発見される1年前に乳がんの精密検査を受けており,異常は発見されなかったという。その半年後,健康のためにと事務所のエレベーターに乗らないで,歩いて階段を下りる際に,バランスを崩して壁で右腕の肘を強打し,肘の骨がポロッと小さく欠けた。肘の手術を受けて全治したが,その手術から数か月後に,右の乳房が少し大きくなったというのである。どうしたことかと不思議には思ったが,夫婦ともうかつにも,早期の検査の必要には格別思い及ばなかったというのである。まさかそのようなことが原因かきっかけとなって,乳がんになるという認識が全くなかったためである。
3 それから数か月後に検査を受けたときには,右胸に乳がんができ,異常に大きくなっていた。数回の抗がん剤治療の後手術を受けた。乳がんに詳しい担当医は,1年前に精密検査で異常がなかったという説明を素直には納得していないようである。そしてこのような症例は余り経験したことがないと言った。「不思議な話」ということなのである。
4 その患者の夫は,「自分はがんにはならないだろう。」と固く信じている男である。がんの有力な原因とされているストレスの強い仕事をしているし,さしたる根拠もあるわけでもないようで,単なる思い込みに過ぎないのであろうが,その男はあれこれがんや健康に関する本を読むことを趣味としているようで,がんを防止する方法としては,適度な運動や蛋白質と野菜の摂取なども必要であるが,明確にガン防止を意識した簡単な方法としてはビタミン剤の摂取しかないと考えているようである。そしてマルチビタミンの錠剤が入った大きな瓶を購入して,「これを1日2回,1粒ずつ飲むように」と勧めたが,その男の妻は,その気にならなかったという。過去数年間に数回,そのような経過が繰り返され,ついにその夫は立腹して,その勧誘を中止してしまった。
5 世にも不思議な症例であるとのことであるし,ビタミン剤にどの程度のがん防止作用があるかは定かではない。その夫が言うとおりビタミン剤を飲んでいたとしてもがんになったかも知れない。
6 その男は,がん防止対策として単にビタミン剤を飲むという程度に留まらず,いろいろと手を打っているようではあるが,それでもがんの原因は単純ではないし,完全にがんを防止することは容易ではないだろう。ただその男は,「結果がどうであるにせよ,可能な限りの努力をすることが大切なのであり,ビタミン剤を飲むように粘り強く妻を説得しなかった自分を未熟であったと悔やんでいる。」ということである。もしも夫の意見を受け容れて,ビタミン剤を飲んだのに,なお妻ががんになったというのであれば,なすべき努力をなした上でやはり駄目だったかと,もう少し心が安らかでいられるのではないかと述べていた。まさかそのような不思議なことがあるものかとも思うが,教訓としては,「先手必勝!,健康に関する不安は漫然と放置するな。」ということであろう。
7 その男は生まれて初めて神に祈ったそうである。「神様,どうか妻を助けて下さい。」と。祈りながらひとりで泣いたという。確か彼は「無神論者」だった筈であるが,これも不思議な話ということになるのだろうか。(ムサシ)



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