日本裁判官ネットワークブログ
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今回は,人証調べ・最終口頭弁論期日・判決言渡しのIT化です。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/saiban/dai6/siryou.html

提案としては,① テレビ会議やウェブ会議(音声・映像のみでなく、文字やファイル等を用いたリアルタイムのコミュニケーションが可能な会議)による人証調べの利用,②その結果の効率的な記録化,③人証調べの予定や結果等の情報についても、当事者(当事者本人と代理人の双方)が容易かつ随時にオンラインで確認することができる仕組み,④判決書についても、電子情報である判決情報に原本性を持たせるための枠組み,⑤判決書の当事者への送達について、ITツールを活用した電子的な送達方法(例えば、ⅰ法廷での言渡し後速やかに、裁判所の専用システムへの判決情報のアップロード、ⅱその旨の当事者に対する通知、ⅲ各当事者によるシステムからのダウンロード等の方策)を用いることなどです。

今回の提案は,人証調べの公正な実施の担保(当事者の尋問権や裁判所による訴訟指揮権の適切な行使),裁判の公開原則との関係、人証調べ段階で必要とされる情報セキュリティ対策(漏洩防止等当事者双方への送達(到達・覚知が原則)など憲法や民事訴訟法の原理原則との関係を中心にして,検討点が多いと思います。

そのためもあってか,例えば「ウェブ会議等による人証調べの実施には、利用者目線から見た審理の効率化や審理の充実度といった観点に加え、人証調べの公正な実施が担保されるか、当事者の尋問権や裁判所による訴訟指揮権の適切な行使が確保されるか等の実務的検討や検証(模擬裁判等)が不可欠ではないか。」「将来的に訴訟記録が電子化されることを見据えれば、人証調べにおいても、電子情報として交換・共有された主張・証拠や争点整理の結果をもとに、ITツールを活用することにより、よりメリハリの付いた、効率的・効果的な尋問を行い、その結果の記録化も効率的に行うといった新しいプラクティスを検討していくことが考えられるのではないか。」といった指摘にあるように,司法研修所や裁判現場で,模擬裁判やプラクティスの研究等が始まるかもしれませんね。ウエブ会議は,この4月からとはいかないでしょうが,意見書(3月末まで?)がまとまって,検討期間をおけば,どこかの裁判所で始まるかもしれません。ただ,人証調べや判決言渡しよりも,まず弁論準備手続でしょうね。やってみたいですね。



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フェイスブックで,裁判所職員採用のための広報動画ができたようです。https://www.facebook.com/saibansho.saiyo/videos/1594429684008192/

学生の人に特に見てほしいですね。ぎこちない面もあるのですが,結構一生懸命つくっています。裁判所は,いろいろご意見はあるでしょうが,結構やりがいのあるいい職場です。息子さん,娘さんなどにもご紹介ください。

 

 



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