日本裁判官ネットワークブログ
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1 昨年7月に,西日本法曹テニス大会に参加し,翌週友人ら数人で私的なテニス会を行なったところ,私の右膝が痛みだした。早速整形外科医院で診察と治療を受けたところ,右膝に水が溜まっているという。どうやら膝が炎症を起こしているらしい。
2 その後2週間に1回程度の割合で通院し,その都度膝の水を抜いて貰い,ヒアルロン酸の注射を受けてきたが,9か月が経過しても治癒の見通しは明確ではなかった。
3 私のテニスはドクターストップとなり,中止している。日常の移動手段としては主としてマイカーを利用し,自転車と徒歩を併用している。医師からはテニスをやりたいなら痩せるようにと言われて,80キロを少し超えていた体重を5キロ落としたが,膝の具合が好転せず,困っていた。何かよい方法はないものか。
4 そこで色々と考えたのである。そして私の勝手な判断で,できるだけ膝に負担をかけない工夫として,歩行する際は「小股ゆっくり歩き」をすることに決めた。
5 一般論としては,歩行による運動量の確保のためには「大股歩き」がよいとされており,私も以前は大股歩きを心がけてきた。しかし膝の負担になるようで,膝の具合が好転しない。そこで膝への負担軽減の工夫として小股歩きに限定してみた。そして1か月の実験後に治療に出かけたところ,担当医師は膝の水の溜まり具合を超音波装置で検査されたうえで,怪訝な表情をされた。これまで2週間で水の量が約50CC近く溜まっていたのに,今回「15CCよりも少ないので,抜く必要がない」ということであった。そしてヒアルロン酸の注射だけを受けた。私は医師に,「この1か月間は,大股歩きはしないで小股歩きをしていました。」と説明したが,医師は不思議そうな表情であった。
6 間もなく更に1か月が経過するので,近く膝の治療に出かける予定であるが,最近は膝の痛みも殆どなく具合はよい。そこで,膝に異常のない人は大股歩きをし,膝に異常や痛みを生じた人は「小股ゆっくり歩き」をするのがよいのではないかと思う。
7 また運動量確保のために,当面の日常生活上不可欠な歩行の際には小股歩行を心がけ,その他に週2回程度の水泳を復活させたいと考えている。
8 次に「転倒して足の骨折をしないこと」の重要性についてである。最近私の周辺やあちこちで,転倒して足を骨折したという話を甚だ多く聞く。少なくとも5人は超えている。ごく最近テレビでもある老タレントが足を骨折したと話していた。足を骨折すると長期間入院して寝込むことになる。人間は1週間寝込んでいるだけで,足の筋力が極端に低下し,歩行困難になるという。そして歩行不可能な状態が継続すると,脳が活力を失って,急速に認知症が進行するおそれがあるというのである。「歩行中に絶対に転倒しないこと」の重要性をよく認識して,絶対に転倒しない決心をすべきである。
9 老齢化すると,道路や廊下や畳などの平坦な所で,まさかと驚く程容易につまづいて転倒し,甚だあっさりと骨折するそうである。自転車で転倒して骨折することも多い。絶対に老いた自分を過信してはならない。「ついうっかり転倒」はどんなことがあっても絶対に避けなければならない。不注意で転倒しないように,一歩一歩注意して歩くべしということであろう。私はまたお節介人間になって,うるさくあちこちでこの話をすことにした。健康を維持したり転倒を避けたりすることは,ほんのささやかな日常の努力と自覚に負うところが大きい。そのちょっとした自覚の有無が,場合によっては自分の人生を大きく左右することになるかも知れないのである。(ムサシ)



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          つれづれなるままに   
 ブログ掲載を再開するように言われながら、約束を果たせないままに,1年が過ぎてしまった。文をものするに当たっては、心中から沸き上がってくる想いがないと、空しさが伴う。ここのところ、世の中の動きに気になることが多く、心の中から沸き上がってくる思いは激越になる一方である。これをそのまま文章にしてしまうと、政治的な論考であると捉えられてしまいかねず、Jネットのブログにはふさわしくないことになる。これがブログ掲載の再開が遅くなってしまった弁解である。
 このGW中の2,3日は忙中閑ありで、久しぶりにのんびりした。
 朝、縁側に座って庭の花木を眺めていると、花木に熊ん蜂やすずめばちや足長蜂が数匹飛んできていた。刺されたら危険であると思い、「蜂、アブ、ジェット」という蜂駆除用の噴霧器を家内から取ってきて、再び庭に出ると、ブンブンと騒がしい音が聞こえてきた。
 朝っぱらから,暴走族がうるさいなあ、まだ今時、暴走族が走っているのかなあと思い、音のする方向に行ってみると、庭の3メートル程に成長した樹木の幹の中程辺りに、ミツバチが次から次へと飛んできているのに遭遇した。そこには、厚さ7,8センチ、縦20センチ、横15センチほどの楕円状の塊の表面を無数のニホンミツバチが囲うようにして蠢いていた。
 セイヨウミツバチの蜂群が、世界的に激減しつつあり、地球温暖化が原因であると指摘されている中で、ニホンミツバチは健在であったことに感動するとともに、我が家に巣を作ってくれたことを感謝するような気持ちになった。ミツバチが次から次へと飛んできては、塊の中に潜り込んだり、表面で羽を振るわせている姿は、見ていて飽きず、子供の頃に戻ったような清々しい感じがした。ファーブルが齢を経て後、昆虫を観察するときの気持ちはこのような気持ちだったのかと思ったりした。
 ところが、翌朝、廃品回収のトラックのスピーカが鳴り響くや、塊のところに集まっていたミツバチの大群は、渦を巻くように舞い上がり、空の彼方に消えてしまった。そして、塊があった樹木の幹には、その跡形もなかった。ミツバチについて調べてみて初めて知ったのだが、この塊は、分封蜂球というものであり、新たな女王蜂が誕生すると、蜂の群の分割が起こり、女王蜂は働き蜂を引き連れて新しい巣を探す旅に出、女王蜂を守って働き蜂が塊のようになるそうである。また新たな旅に出たのであろう。我が家が終の棲家にならなかったのにはちょっと寂しい気がした。専門家にとっては常識的なミツバチの生態であろうけれども、門外漢の私にとっては初めての経験であり、珍客の訪問に、一時、俗界から離れて、自己が自然の中の一部であると感じる時間を持てたことに感謝した。
                                    (田丸一心)



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7 器物損壊罪は公訴時効期間が3年であるが,被疑者が逮捕された時点で,既に事件から2年3か月が経過していたので,警察は多少焦っていたのであろう。また本件発覚当時の深夜,被疑者の当時の勤務先のごみ捨て場が燃えて,建物の壁が焦げたという現住建造物放火未遂事件が発生しており,当時被疑者は放火事件についても,警察の任意の調べを受けて犯行を否認していた。その後放火事件は刑事事件とはされていなかったようである。
8 警察は,その時点で逮捕した理由を一切説明せず,新たに逮捕の根拠となった証拠を入手したという説明もしていない。
9 この事件における被疑者逮捕の経過については,私は所轄警察に対して甚だ強い不信感を抱いた。被疑者は新たに勤務している会社を解雇される恐れも強かった。
10 そこで私は,地方検察庁の担当検事に対し,本件被疑者を勾留請求せず,在宅での捜査をなすように求める趣旨の「申入書」を作成し,担当検事に電話して,「申入書」を持参して手渡し,口頭で詳細に説明した。「申入書」には詳細な理由を記載してあった。検事は好意的で丁寧な対応をしてくれたように感じられた。
11 また万一勾留請求がなされた場合には,勾留の要件が認められないので,勾留請求を却下するように求める「申入書」を作成し,担当簡易裁判所裁判官に提出すべく,簡裁に持参して担当書記官に手渡した。勿論詳細な理由を記載してあった。
12 その結果,検察官は当然の如く勾留請求し,簡裁判事は当然の如く勾留した。勾留する理由として刑事訴訟法60条1項2号の「被疑者が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある」ことと,3号の「被疑者が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由がある」ことに当たるとされ,その該当欄の「2」と「3」の番号に○印が付されていた。ところで,私は勾留請求があった場合には,担当簡裁判事に面会を希望することを申し入れることを忘れていたのは失敗であったと反省した。
13 私は直ちに5ページに及ぶ詳細な理由を付して準抗告の申立てをしたが,地方裁判所の合議体は,「当裁判所の判断」として,「一件記録によれば」,
(1)被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由が認められる。
(2)被疑者には,関係者に働き掛けるなどして罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある。
(3)被疑者の逃亡のおそれは否定できない。
として,結論のみを記載しただけの内容で,準抗告は棄却されたのである。
14 私は,その結果に驚いたわけではないが,この準抗告棄却の決定文は,実質2分の1ページという短いもので,書かなくても判ることしか書かれておらず,合議体の裁判官が具体的にどの点をどのように判断したのか全く不明であることに驚いてしまった。この段階では弁護人は捜査記録の閲覧も謄写も許されず,裁判官が勾留した勾留状に記載された被疑事実と,被疑者から聞いた説明しか資料はないのである。被疑者を犯人と認める証拠として,目撃者がいたのかどうかさえも不明なのである。この準抗告棄却の決定は余りにも杜撰過ぎるのではあるまいか。
15 私は簡易裁判所に対し,「勾留理由開示請求書」を提出し,そしてまたもやわが刑事司法に対して,驚きと失望と怒りの感情を味わうことになったのである。(ムサシ)



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日本裁判官ネットワーク主催・平成27年6月の企画のご案内(予告版)

日時 2015年(平成27年)6月20日(土曜日)午後3時から同8時ころまで
場所 JR大阪駅北側のヨドバシカメラから北へ徒歩約3分「大阪弥生会館」2階(部屋は未確定です。) TEL 06-6373-1841

 第1部  元神戸地裁部総括裁判官工藤涼二さんの退官記念講演(午後3時から約1時間)

         工藤涼二さんは、平成14年4月に弁護士から裁判官に任官され、今年3月に定年退官されました。弁護士から13年間裁判官として活躍された工藤さんが、貴重な経験や教訓を語って下さると思います。

第2部 パネルディスカッション「弁護士任官について語る」(午後4時過ぎから約2時間)

           裁判官の給源を多様化するについて,現状では,弁護士任官が必須で不可欠のものであることから,当ネットワークは弁護士任官者に対し強い期待を抱いてきました。これまでの弁護士任官の実績と今後への期待を込めて,弁護士任官された裁判官4名及び弁護士任官に関与されてきた弁護士(元裁判官)らに,パネルディスカッションをしてもらい,フロアーからも意見を求めます(発言内容は発言者の了解なしには公表しなこととして,本音を語って貰う予定です)。

第3部 懇親会(午後6時過ぎから約2時間)

    当ネットワークのファンクラブを立ち上げ,その会長としてファンクラブ通信を第1号から第56号まで発行し続けて下さった石渡照代さんが,本年2月に逝去されました。石渡さんのご功績に感謝し,懇親会は「石渡さんを偲ぶ会」として開催します。

会費 懇親会に参加しない方は,会場費の支援として1000円のカンパをお願いします.

懇親会参加者は,会場費を含めて,ベテラン法曹1万円,それ以外の法曹6000円,一般の方3000円です。

 

問い合わせ先

  小林克美 ja9aev@nifty.com   ja9aev5117@i.softbank.jp    090-6061-0830    fax 077-574-0506

 



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