日本裁判官ネットワークブログ
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日本では戦後廃止された姦通罪が、韓国では妻と夫双方を罰する形で存続しており、このように現実に適用されています。
今回の有罪判決に先立って、被告人は憲法裁判所に同罪の違憲を訴えていましたが、10月30日、4回目の合憲判断が出ていたそうです。
ただし、今回は「違憲」との見解を述べた裁判官が9人中5人(違憲派の4人は法の趣旨自体を不当とし、1人は罪が重すぎるとした。)と初めて過半数を占めたが、違憲決定には6人以上の同意が必要なため従来の判断が踏襲されたとのこと。いずれ違憲判断が出るのかも知れません。
日本で姦通罪の復活は考えられないでしょうが、もし仮にあったら、離婚訴訟の有力な武器にもなってしまいそうですね。(チェックメイト)

(スポニチから抜粋)
 韓国の裁判所は17日、不倫をして姦通(かんつう)罪に問われた人気女性タレントのオク・ソリ被告(39)に対し、懲役8月、執行猶予2年の有罪判決を言い渡した。聯合ニュースによると、ともに起訴された不倫相手の声楽家チョン被告(38)にも、懲役6月、執行猶予2年が言い渡された。執行猶予付きの判決を出した理由について、裁判長は「2人とも姦通罪を認めている」などとしている。
 オク被告は06年5月から7月にかけ、チョン被告と3回肉体関係を持った。夫でタレントのパク・チョル(40)が昨年10月に姦通罪で告訴。検察が2人を起訴していた。夫妻は07年から離婚に向けて協議中。2人の間には子供がいる。


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NHK衛星第1放送「BS世界のドキュメンタリー」で、「将軍を追いつめた判事~チリ軍事政権の闇~」が放送されている。
民主的に成立した社会主義のアジェンデ政権を、1973年のクーデターで倒して大統領の座についたピノチェト将軍。
その失脚後の裁判を担当したグスマン判事の物語。
今日の前編では、1998年に告訴を受けて、世間知らずの保守的な判事がたまたま担当することになり、全国を踏破して虐殺事件の証拠を収集するところまでだった。
それにしても、控訴院の判事が捜査から担当するというのは、司法制度としてはかなり違和感があるけれど。
明日の後編(夜9時10分から)では、いよいよ起訴から裁判の場面になりそうである。必見。
(チェックメイト)


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アメリカ大統領選と同時に行われたカリフォルニア州の住民投票で、同性婚を禁止する憲法修正案に52・5%が賛成し、採択されたそうです。
同州では今年5月の州最高裁判決で同性婚が容認されたばかりで、これまでに著名人も含め約1万8000組の同性婚カップルが誕生したといいます。
しかし、今回の住民投票で、僅差ながら民意によって最高裁判決が覆された形になります。州最高裁に住民投票の無効を申し立てたグループもあると報じられましたから、今度の判断はどうなるのか、注目されます。
同日の住民投票では、他にアリゾナ州とフロリダ州でも、同性婚禁止の州憲法改正案が採択されたそうです。
日本ではまだそこまで進んでいないので、このような反動もないのですが、憲法24条に「両性の」と書いてあるので、憲法訴訟にはなりにくいと思われます。
(チェックメイト)



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国際ニュースになっていた事案で「表現の自由とユーモアの範囲内」と認めたそうです。さすがはユーモアを解するお国柄。
もちろん誰にも裁判を受ける権利はありますが、国家の最高権力者が裁判に訴えるというのはあまり美しくない感じもします。ロワイヤルさんは笑って許したそうですし。
もしも日本で「××ソーリの藁人形」が発売されて同様の裁判が起きたら、どんな判断になるのでしょうか。
(チェックメイト)

(朝日から抜粋)
フランスでサルコジ大統領の人形に針を刺す「呪いのサルコジ人形」が売り出され、大統領が発売元に回収を求めた緊急審理があり、パリ大審裁判所(地裁)は29日、大統領の請求を棄却する判断を下した。現職大統領が裁判で敗れるのは仏第5共和制で初めて。


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ロシア最高裁は、今月1日、革命政権によって1918年7月17日に銃殺されたロマノフ朝最後の皇帝ニコライ2世とその家族6人が政治弾圧の犠牲者だったとし、90年ぶりに名誉回復を認める判決を下したそうです。
昨年11月、同裁判所は名誉回復を求めた皇族末裔らの訴えを退けたものの、最上級審である同裁判所幹部会が上告を受けてその判決を破棄したといいます。これまで下級審は「国家権力が殺害を命じた証拠はない」などとする検察側の主張に沿った判断を下していました。
それにしても、名誉回復が裁判の対象となり、裁判所の「幹部会」が判決を破棄するといったあたりが、日本の裁判所のイメージからはかなり距離があります。制度面ではソビエト時代の名残もあるのでしょうか。
(チェックメイト)

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最近、タイ憲法裁判所は全員一致でサマック首相の辞任を命じたそうです。
政治的背景や、どんな番組かがよく分からないのですが、テレビに出てもいけないとは厳しい憲法ですね。(チェックメイト)

(タイ大使館HPから)
憲法裁判所は2008年9月9日、サマック首相がテレビ番組「シムパイボンパイ」と「ヨッカヨーン・ホックモーンチャーオ」に出演したことに対し、閣僚の民間企業での就業を禁止した憲法に違反すると判断し、判事全員一致でサマック首相辞任の判断を下しました。それを受け、閣僚が総辞職することになります。


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 先週、韓国最高裁長官が国民に謝罪したというニュースがあった。

 李容勲長官は26日、韓国の司法制度が確立されて60周年を迎えた式典で、過去の政権が体制維持のために民主化運動家や一般市民を拷問するなどして多数の事件をでっち上げたことに裁判所が加担した責任を認め、司法機関トップとして初めて国民に謝罪した。李長官は、過去に裁判官が「正しい姿勢を保てず憲法の価値に反する判決を出した」と認めた。

 日本では戦後もこのような例は無いので、とても新鮮に感じられた。
 日本の裁判員制度施行に先立って、韓国では既に国民参加裁判制度がスタートしている。
 そこで、日本裁判官ネットワークでも、裁判員制度が施行される来春にでも、韓国の司法民主化をテーマに例会を開きたいと相談している。私は、韓国に視察旅行団を組んでもいいのではないかと思っている。
(チェックメイト)




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 このところ、日本で最も注目されている海外の裁判。
 9月23日、サイパンからロサンゼルスへの移送が認められた。
 日本の裁判所では、妻に対する、元女優との共謀による「殴打事件」は有罪、寿司店員との共謀による「銃撃事件」は無罪、という結論が既に確定している事案だが、こんな形で蒸し返される巡り合わせになるとは。
・日本の刑法にはない妻に対する殺人「共謀罪」の成否
・同罪につき「国際的一事不再理」の該当性
・外国判決に対する「一事不再理」適用を排除した法改正は遡及処罰禁止に反しないか
・そもそも移送の可否の決定の中でそれらの論点を判断できるのか
といった超難問の論点が噴出し、サイパンの裁判官たちも頭を悩ませているようだ。
 それはさておき、法廷の撮影も可能で、裁判所の売店では録音テープも販売されているという開放的な裁判所には、驚かされた。今回の報道で、最大の収穫かも知れない。
(チェックメイト)
 
(読売から抜粋)
 1981年11月のロス疑惑「一美さん銃撃事件」を巡り、米自治領北マリアナ・サイパン島で逮捕された元輸入雑貨会社社長、三浦和義容疑者(61)(日本で無罪確定)のロサンゼルスへの移送の可否を決める審問が23日、北マリアナ最高裁判所で開かれた。
 同最高裁は、三浦元社長の移送を認めた北マリアナ上級裁判所の決定を支持し、元社長側の上訴を退けた。

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