日本裁判官ネットワークブログ
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遅くなりましたが、HP4月号(http://www.j-j-n.com/)がアップしました。

ご紹介します(簡裁判事さんによる「ある勾留却下」は前号に続き秀逸です。)。

j-j-nニュースは以下のとおりです。

4月号
 東日本大地震で被災された方々には、心からお見舞い申し上げます。お亡くなりにな
られた方々には、ご冥福をお祈り申し上げますと共に、ご遺族の皆様に対し、お悔やみ
申し上げます。
 日本が大変な時期を迎えています。この時期をどう乗り越えていけるか、いろいろな
分野で議論がなされています。司法関係者も、この時期に何ができるか考えなければな
りませんね。微力ながら、そんな努力も、このホームページやブログで紹介していけた
らと思っています。司法関係者の皆さんのご投稿をお待ちしております。

4月号の新記事

ある勾留却下 コーヒーブレイク
弁護士任官どどいつ(42) コーヒーブレイク・弁護士任官どどいつ
悪魔の法典(23) コーヒーブレイク・悪魔の法典
私の地震体験記 Su&Fa からの声
わが不老長寿法(続々)その1 Su&Fa からの声 




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震災における法律問題について、Q&A関係の本が早くも出版されると共に、HP上でもいくつか公開されています。復興に向けて法律家の活躍が期待されるだけに、こうした動きがもっと大きくなって欲しいですね。

http://www.yglpc.com/qa_earthquake/

http://www.sn-hoki.co.jp/shop/zmsrc/qa50593/mokuji.htm

http://www.nichibenren.or.jp/ja/special_theme/data/soudanQ&A.pdf

http://www.shojihomu.co.jp/0708qa/0708qa.html

また、東北以外の地区の弁護士が、震災対応で東北に出向く話も耳にします。職務上、自分には同じようなことはできないのですが、「がんばれー」と心の中でエールを送っています。



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昨日の関西の新聞各紙に「被災地ボランティアに温情判決」というような記事がでていました。

大阪高裁(上垣猛裁判長)が、大麻取締法違反の被告が一審判決(懲役1年6月の実刑)後に、友人らと協力して、東日本大震災の被災者のため募金や物資を集め日本赤十字社に送ると共に、宮城県で9日間ほどがれき撤去の作業に従事たことを原判決後の事情として考慮して、執行猶予の判決をした、というものです。

実は私が現職当時に、同じような発想で阪神淡路大震災のボランティアをした被告人に再度の執行猶予を付した判決をしたことがありましたが、大阪高裁で破棄されました。

犯行に直接関係しない事実を量刑に考慮するのは適当ではない、との理由でした。その後水戸地裁でボランティア判決がありましたが,これも東京高裁で破棄され、その後同様の判決は出ていない状況でした。

未曾有の大震災に再びボランティア活動を量刑に反映する判決があらわれたことに、深い感慨を覚えています。

                      震災法律相談の研修を受け、現地入り準備中の[花」



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7 東日本巨大地震に関するマスコミの報道を見ていると,政府やマスコミは国民が知りたいことや知るべき情報を正確に知らせていないのではないかという疑問が強い。もっと迅速で的確な報道が必要であるし,マスコミの責任も大きいという気がする。

8 先日「ニュースの深層」という番組を見ていたところ,ある国会議員の話を聞いて驚いてしまった。それは福島原発は5メートルの津波を想定していたのに,14メートルの津波が襲ってきたため,想定外であったという弁解に関するものである。
 ところでその5メートルの津波を誰がどのようにして想定したのかであるが,万一の原発事故の危険性からすると,常識的には地震や津波の専門家の意見を聞いて,十分な科学的な根拠のもとに想定されたに違いないと思うだろう。ところで,関東,東北,北海道の東方では太平洋プレートが日本の岩盤の下に潜り込んでいるため,これまでマグニチュード7以上の巨大地震が頻発してきた。それ故,それらの事実を踏まえると,到底5メートルの津波の想定で十分である筈がない。調べてみると1896年(明治28年)には,明治三陸地震でマグニチュード8・25,津波の高さは38メートル,死者約2万5000人という巨大地震があったということである。このような過去の地震のデータは当然に重視されているべきであろう。原発は一旦破壊されると人間の力では制御不能な悪魔と化し,何万人単位の犠牲者が出る恐れさえあるから,今回の前述のような,想定を超えた津波であったとする弁解は,滑稽であるのみならず,余りのお粗末さに激しい怒りを禁じ得ない。

9 ところが原発に関する行政は原発を積極的に推進してきた経済産業省が全面的に管轄しており,国民の健康に責任を負うべき厚生労働省や環境省は,全く関与しておらず,権限外として全く口を挟めないというのである。そして5メートルの津波を想定したのは,経済産業省内のある委員会であり,半数以上の委員は電力会社から選任されているというのである。その委員会が,科学的な根拠に基づくのではなく,営業政策的見地から,「まあ津波は5メートルを想定することにしましょうか。」という具合に決めたというのである。このような驚くべき報道はこれまで全くされていないのではあるまいか。私は全く知らなかった。マスコミは一体何をしているのだろうとさえ思う。

10 また数年前に,国会で「チリ地震並みの巨大地震が発生した場合には,原発は危ないのではないか」という議論がなされた際にも,「大丈夫です。心配ありません。」という回答のままで終わったというのである。
 どうやらこの国は,何かが起これば必死に弁解はするが,何かが起こる前は甚だ無責任で杜撰であり,いざ事が起こっても,不都合な情報はできるだけ国民に知らせないで済まそうとしているように思われる。なぜかマスコミも的確で必要な鋭い報道をしないようである。こんなことでよいのだろうか。ひょっとするとこの国はとても情けない国になってしまっているのかも知れない。国民はバカにされていないだろうか。それなら国民はシッカリと目を見開いて,もっと激しく怒らねばなるまい。(ムサシ)



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今日の新聞の片隅に「最高裁長官ら4200万円寄付」という記事がありました。

東日本大震災の想像を絶する被害の状況に日本中が心を痛めているときに、「ほう-」と思った記事した。

かなりの高給とはいえ、お一人あたりの負担額は相当なもので大変な決断であったと推測されることもさることながら、現職の最高裁判事のこのような行動が公表されたのは、歴史上初ではないでしょうか。

将来的にはいろいろな訴訟が提起されることも考えると、消極意見も予想されるなかで、それを乗り越えての勇気ある決断と評価したいと思います。

裁判所あるいは裁判官も社会的存在であり、一般の人たちと思いを共通にしています,というメッセージが伝わってきました。

このような側面でも奇岩城は動いているのかも知れません。

                             自らの寄付額を言えない「花」



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7 NHKの連続テレビ小説「てっぱん」が終了した。最後まで意表を突くドタバタした展開があり,いろいろと驚かされたが,全体としては面白く,考えさせられる点も多かった。時に見ながら涙する場面もあった。

8 結局最後まで,父は父であると名乗らなかった。甚だ不自然な話であり,なぜ作者がそのような展開のままで小説を終了させたのかは不可解である。子の気持ちとして,父を恋しいと思い,父と名乗って欲しいと思うのは,余りにも当然のことである。父と名乗らなかったのは,人の心を踏みにじることであり,許されないと私は思う。ただ現実の話であれば,この小説のような父と子の状況において,父と名乗らないままに生涯を終えることはあり得ないことであろうから,余計なお節介ということであろうか。

9 恋人が,主人公を20歳の誕生日に迎えに来ることになっていたのに,結局恋人よりも,「てっぱん」を選んで,結婚することを拒否した。これにも驚いた。しかし主人公はまだ20歳であり,結婚するには早すぎるだろう。あと5年位は,祖母と一緒にお好み焼きを焼いたり,料理の幅を広げた飲食店で腕を磨き,いずれ店を継続できる状態で,その彼と結婚できる時も来るのではあるまいか。こんなことを考えながら見るのであるから,結構私も「お節介人間」なのであろう。

10 「子供が幸せになるのに,親に遠慮することはないんよ。」という場面があった。私も全く同意見ではあるが,実は現実にはそう簡単ではないことも多いと思われる。私自身もこの点に関して痛切な体験の持ち主であり,その結果親を悲しませたので,いずれ,その点について考察してみたいような思いもある。(ムサシ)



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