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2023年 第26回

2023年03月25日 | ブログ
世界一

 WBCで日本チームが優勝した。野球の世界で三度目の世界一になったのだ。久しぶりに野球を観て感動した。それにしても今回も含め5大会で3度の優勝は、野球王国「ニッポン」と言える。

 わたくしなどが子供の頃には、日本でプロスポーツと言えば大相撲と野球くらいで、どちらも人気があった。仲間で集まれば相撲をとり、少しの空き地があればソフトボールに興じたものだった。いつの頃からか、プロ野球にも大相撲にも興味は薄れ、ナイター中継も観なくなった。そのうちテレビで野球中継が縮小された。WBCも王さんや原さんが監督で優勝した時も、今回ほどは観なかったように思う。

 今回は何かが違った。個人的にだけでなく、日本全体が違いを感じていたのではないか。テレビのWBC中継の視聴率は、日本のゲームすべて40%を超えた。瞬間視聴率では50%近くまで跳ね上がった。

 3年間もコロナで多くのイベントが縮小や中止されることが相次ぎ、東京オリンピックも無観客だったこともあり、国民の多くが皆で一緒に騒ぎたい衝動があったこともあろう。大谷選手はじめ、ダルビッシュ投手にラーズ・ヌートバー選手に吉田外野手(カブスの鈴木選手は負傷で欠場)とメジャーで活躍しているメンバーが増え、役者が揃っていたこと。特に大谷翔平選手の二刀流は、ベーブルースの成績を凌ぎ、ルックスや言動の爽やかさでも人気沸騰中である。日本球界からも完全試合のロッテ佐々木朗希選手に、最年少三冠王で日本人年間本塁打記録を塗り替えたヤクルトの村上選手と大物がいる。

 近年、多くの分野でグローバル化が浸透する中、同調圧力が強く、画一的で、とどちらかと言えば負のイメージで語られる日本人が、サッカー観戦でサポーターが、試合終了後スタジアムのゴミを拾って帰るなどの公衆道徳の高さが評価されるようになって来た。今回のWBC東京開催でも、食べ物がおいしいトイレが清潔。日本チームのベンチにはゴミが散らかっていない。選手の相手チームへの気遣いやリスペクトなどなど、海外の記者の目に留まり、印象に強く、記事として拡散して日本への好評価に繋がった。

 野球というスポーツはチーム9名で戦う、いわば団体試合で、一人一人にずば抜けた選手を9人集めれば勝てるようで、場合によってはそうはゆかない。今回の日本チームは選手の技量は勿論、そのチームワークが際立った。まさに全員野球。

 世界の中で、日本企業が一時期の隆盛さを欠いてきたのは、グローバル化という言葉に幻惑され、自国の良さを忘れていたことにある。新自由主義などを掲げる一時期国会議員でもあった経済学者が、「日本企業も賃上げすべきだなどというけれど、働かない従業員にも画一的に賃上げを行うのは問題だ」のような意見を吐く。働いていない従業員などわが国には居ない。「5S」に「見える化」、「小集団活動」に「改善提案活動」、われわれはチームで世界と戦って来たのだ。変な経済思想に溺れてこの国を数十年に渡り、低迷させたのはあなた方だったのだ。

 この度のWBCで、チームの、組織の、企業のあるべき姿を見た気がしたのは私だけだろうか。



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