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新、時事散歩 第3回

2024年04月07日 | ブログ
静岡県知事辞意表明

 先日の静岡県庁職員の入庁式で、職業差別発言があったと批判が殺到した川勝静岡県知事が、6月で辞めますと辞意を表明した。本人は入庁式でのその発言よりは、リニア新幹線反対問題でのモニタリング会議が意に添わなかったことで辞めることにしたとの意向で、職業を差別する意識は持っていないとのこと(この件、その後撤回して謝罪)。先般JR東海がリニアの大幅な開業遅延を認めたことで、自身の役割の区切りがついたための辞任であると強調していたようだ。

 そこで今度は早速、リニア開業を遅らせるためだけの反対であったのか、との声が挙がり、彼が手にするのであろう退職金の1億円についても批判が出ていた。

 国が認めたプロジェクトを知事が拒絶できる。普天間基地代替の辺野古への基地移設工事も、沖縄県知事の抵抗で遅延した。確かに地元の意向は無視できないが、そのための負のコストは誰が払うことになるのかと言えば、国民全体の負担となることは自明である。リニアの問題でも開業遅延は、静岡県民だけの負担になる訳ではない。

 ただ、国家プロジェクトにも疑問があれば、誰か反対を表明して、プロジェクトの功罪をしっかりさせる事は大切なことではある。リニアではトンネル工事によって生じる地下水への影響(地下水の流れが変化し、周辺河川や地域の生活用井戸水の枯渇)という話は聞いた。不具合が深刻なら工期遅延だけで済む問題ではない。工期を遅らせることで、その間に科学的に是非の結論に行き着いたのかどうか。さらにリニアには採算性の問題もある。人口減少傾向もあり、東海道新幹線ほどの需要はなく、投資が回収できないのではないかという懸念もある。しかし、ここまで投資して今更止めるという選択肢はないだろう。もっともリニアにせずに、地下トンネルは首都圏の核ショルターとしての活用はある。

 東京での豊洲市場の件では、小池知事の良く分からない横やりで、開業が遅れ、オリンピック向けの道路建設は間に合わなかった。本人はシャーシャーとしているが、選挙で再選されればなかったことになるようだ。前任者への批判で、自分を目立たせる手法は、「自民党をぶっつぶす総理」に学んだ手法にも思える。要は目立てば良かったのである。

 一方大阪万博(EXPO2025)は、当該知事は推進派であるようだが、建設費用は高騰し、工期が間に合いそうになく、出展辞退する国も出る始末。過去のドイツでの万博(2000年)も予定の半分程度の入場者数であったなどもあり、「中止したら」の意見もある。

 昔、青島氏が東京都知事に就くと、公約通り前任知事が進めていた都市博を中止した。この時は推進派の知事候補が選挙で、都市博反対の青島氏に敗れたことで、民意として推進派は涙を飲んだ。それで結果の収支はどうだったかは知らない。

 一長一短、リニアも万博も将来への夢へのチャレンジであり、やり遂げてみないと実施後の功罪は分からない。




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