衆議院解散
今回の解散は大義も何も要らない。衆議院議員4年の任期満了である。恒例の万歳三唱は与野党を問わずほぼ全員が唱和していたように見えた。ただ、今回岸田総理は予定の解散日より1週間程度解散を早めたため、ポスター掲示板や選挙カーの準備など従事者には通常より忙しいようだ。
一部に、解散を少しでも早めたのは小池都知事の「ファーストの会」の国政進出の準備を少しでも阻害する意図があったのではないか、などとも言われたりしていたが、今の与党には小池都知事など眼中にはなかったと思う。岸田総理の二階前幹事長切りは見事で、二階氏に寄り添って国政復帰を目指しているように見えていた小池氏の芽は摘まれたように思う。野田氏は大臣として踏みとどまったが、いずれにせよ年老いた男性権力者にすり寄る女性議員ほどみっともないものはない。女性の社会進出、国会進出を言うなら、女性議員同士がもっと連携して力を付けるべきだし、見習う権力者を選ぶべきだ。高市氏なども安倍氏からは距離を取った方が将来にとっていいように思ってしまう。
国会の衆議院議員は「常在戦場」だから、任期切れを間近にして1週間早まったことをどうこういう資格は野党にもなかろうと思う。コロナの感染が一服感のあるこの時期、タイミングとしては良かったのではないか。
それにしても岸田総理の公約の柱を野党がパクったとは言わないが、与野党とも富の配分について似たようなものとなった。もっとも立憲民主党などは減税に重きをおいており、実現性には疑問符が付く。時限的に消費税を半分にする、年収1000万程度までの所得税免除、低所得者に年間12万円給付など。昔から野党の公約は毛鉤と言われ、仮に政権交代が起きたとしても実現は難しいと思われるものが多い。もっとも法人税の累進課税化は良いと思う。現状大企業はいろいろな減税策を講じて実質あまり税金を支払っていないそうだ。それにしても野党は未だに辺野古基地反対を唱えているが、それがこの国に得るところがあるのだろうか。単なる感情論では国家の存続さえ危うくさせるだけのように思う。
今回の選挙では自由民主党は議席を減らすだろうと言われている。前総理でさえ、横浜市長選の結果からも危ないのではと言われたりした。小選挙区制で野党が連携して小選挙区の候補を一本化できれば、自民党の多くの議員は過去の数字の上では結構危ういようだ。しかも今回の総選挙は、モリカケサクラが大きく問題化して初めてのことになるようで、岸田総理へも再調査などの意思の確認が野党からは要求される。総理は代わっても自民党への不信感となっている。
本来、公明党と自民党は組むべきではない。公明党と組むことで、自民党議員の自力集票力の大きな低下にもつながっていると思う。何もしなくて一定の支持票を得られることで、浮動票層への政策のアピールとその実行に緩みが出ると感じる。
いずれにしても、与野党共に国会議員は現実を直視し、国家存続と国民の生命財産維持を最優先に考えるべきである。国民有権者は投票に行くべきである。