新総裁誕生
珍しく、私推しの人が自民党総裁選で勝利した。もっとも候補者4名の方々をみて、政治は分からなくても普通の方なら岸田さんがいいと思うに違いない。
野田さんは論外として、河野さんも高市さんも今回善戦したけれど、終わってみれば当然の結果だ。兎角自民党の派閥は評判が悪いが、それでも政治家だけではないけれど、見所のある人には自然と人が寄って来て、同士集団が出来てくるのは自然なことで、政治家として自然にその中心に居るような人でないと、一国の総理を務める資格はないのではないか。
その意味で、安倍氏も菅氏も有資格者ではなかった。小泉さんも派閥の領袖でなかったし、その後継者選びのいい加減さと、その後の国民が選んだ幼稚な政権交代が、足音もなくこの国を凋落させていった。
何度も言うけれど、私は本稿において、2009年の政権交代は駄目だと言い続けた。過去にも小沢氏主導の政権交代がどのような結果を辿ったか。物忘れの激しい日本人ならではで、鳩山氏や菅(かん)氏にすれば、総理に成れる又とないチャンスだから、毒饅頭でも覚悟だったかどうか。もっとも三者三様ながら似た者同士ではある。
民主党政権のトラウマが安倍長期政権を産み、中共をさらに増長させた。政権奪還までは威勢の良かった安倍総理は、靖国参拝は1度きり。尖閣に公務員常駐など検討もしなかったのではないか。竹島返還の国家行事への格上げさえ実行しなかった。北海道が中国人に買い漁られていると産経新聞の記者がレポートしても、何の対策も講じようとせず、中国のNo.2の李克強首相が来日の時は、安倍首相は北海道まで付き添った。アベノミクス成長戦略には外国からの投資が必要という単純な発想が、中共からの国土買い取りでも推奨しそうな勢いだった。媚中派の頭目二階幹事長の訪中に親書を持たせ、中共の一帯一路にまで協力する姿勢を見せた。極めつけが習近平主席への国賓招聘である。コロナで実行されなかったが、すべて自身の政権の延命のためでしかない。
今回、高市氏の総裁選立候補に際して、安倍氏は全面的に支援していたそうだが、当初は2,3位連合で河野政権阻止の目論見は、途中から高市政権樹立を目論んでいるように見えた。流石に自民党国会議員もそこまで馬鹿ではないので、踏ん張ったが、この度岸田さんが1票差とはいえ1位通過で決選投票に進んだのは大いに喜ぶべき結果だった。安倍氏の目論見を、恩着せを最小限に食い止めることができた。
自民党執行部や大臣ポストで、目論見が外れた議員さんも多く出るだろうが、ポストには限りがある。「なぜあの人が」もあるだろうが、岸田政権への交代は安倍・菅政権の1強傲慢・私物化政治からの脱却、そして貧困層の増大に歯止めを掛けようするもので、その意味において期待している。
対、中共に関しては、高市新政調会長にも期待している。まずは私有財産権の法整備を再構築して、長期に日本に住んでいること、日本人であることなどの条件付きでなければ、国内不動産の取得を認めない法案の早期成立を切に希望している。