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今の世の中を見てみれば その9

2020年09月25日 | ブログ
続、菅(スガ)政権

 一般的には好感を持って迎えられ、支持率も高いようだが、突っ込みどころ満載である。「国民のために働く内閣」「我々が目指す社会像は“自助・共助・公助、そして絆”」いずれも間違ったことを言っているわけではないが、新総理の弁としては違和感がある。

 自身が官房長官をやっていた前政権では、いかにも国民のために働いていなかったと言いたいのかと思わせる。いや前政権の継承です。なら敢えて言う必要などない。国民のため以外に誰のために働くというのか。確かに前政権後半は、安倍氏個人の長期政権維持のための政治であった。野党の持ち出した政策で、財政的裏付けがあろうがなかろうか取り入れようとして、「鵺(ヌエ)のような」政権とまで言われた。

 「自助・共助・・・」も、当然のことであり、総理自身が自分で努力して今の地位を築いたことは素晴らしいが、一国のトップは、いかに多くの国民が、それぞれの夢を実現できる社会システムをどのように構築するかが問われる立場で、「みなさんも私を見習って頑張ってください」では困るのである。国民の立場と国家を運営する総責任者との立場は全く異なるのである。

 二階幹事長、麻生副総理兼財務大臣の留任はまさに安倍政治の継承を具現化したもので、当面仕方がなかったと国民の多くも納得しているようだけれど、「役所の縦割り、既得権益、悪しき前例踏襲を打破して、規制緩和を 進める」という所信に全く反しているのではないか。二階氏にとっての既得権益は、首相候補を取り込んで自分を幹事長に据え置かせることだったことは見え見えだったし、麻生氏も森友学園問題に始まる公文書改ざんなど、本来大臣が責任を取らねばならないところ逃げ切りを図り、安倍氏と共に「証拠は隠滅すること」という政治家にあるまじき悪しき前例を作り上げた張本人である。その後の桜を見る会の参加者名簿の破棄などその前例を踏襲したもの。

 加藤厚労大臣の官房長官登用も大きな疑問符が付く。安倍政権のコロナ対応の不手際の多くの責任は、所轄大臣である加藤氏にあった。外国客船の横浜港での対応は確かに大変な作業であったろうが、そのマスコミ対応での姿が、何か他人事の風情に見えてしまったことから政権へのコロナ対応の不信感が始まったように思う。止めは発熱37.5℃、4日間連続のPCR検査受診の条件への後付けの言い訳が、国民への責任転嫁に聞こえたこと。これから毎日の彼の記者会見が、国民の信頼感を得られるであろうか。

 日銀の黒田総裁も当面留任のようで、ここでも安倍政権のアベノミクスを継承する意志を見せたつもりだろうが、すでにアベノミクスは崩壊している。株価は日銀や国民の厚生年金基金で買い支えていると聞く。総理になるくらいの意欲があるなら、新しい経済理論を持った気鋭の経済ブレーンを自身で持つべきである。黒田氏は現在75歳。後期高齢者である。任期に拘らず、新しい発想を持った若返りが必要ではないか。

 東国原さんが新政権の組閣を見て、「鉄筋コンクリート平屋建て内閣」と評していたが、平屋建ては水害で水没する。時の内閣には、高邁な理念と愛国心が必要である。



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