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<タンチョウ100年・冬>姿を消し再発見 続く地道な保護活動 生息脅かす新たな危機も

2024-01-27 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年1月27日 5:00

 道内の大空を優雅に舞うタンチョウは、かつて絶滅したと考えられていた。乱獲や湿地開発で生息地を追われ、明治末期には姿を消し、再び発見されたのは100年前の1924年(大正13年)。舌辛村(現釧路管内鶴居村)で十数羽が確認された。人が容易に踏み入れない釧路湿原の深部で命をつないでいた。(写真映像部 富田茂樹)

純白の雪原で群れをなし、澄んだ青空に羽を広げる-。タンチョウの写真特集はこちら

■進んだ保護 広がる生息地

 保護は進んだ。1925年に国が生息地を禁猟区に設定。52年には国の特別天然記念物になる。地元農家らが始めた給餌は続き、生息数は回復した。道東に集中していた生息地は、道北や道央に広がる。

幌呂小の給餌場

https://www.youtube.com/watch?v=u-oAFBjv0Q0

■世代つなぎ 続く給餌

 牧草地に囲まれた鶴居村の幌呂小は1952年から給餌を続けている。児童が弱ったタンチョウを見つけ、餌を与えたのが始まりだ。現在は児童らが餌となるデントコーンの種まきから収穫までを行う。冬期間、当番制で校庭の餌場にまく。

 氷点下9度近くまで冷え込んだ朝、校庭では同小児童ら4人が白い息を吐いた。餌場の周りをゆっくり歩き、餌となるデントコーンをまいた。同小4年の大滝健太郎君(10)は「タンチョウがいっぱい来てくれる村になってほしい」と話す。餌をまくと、校庭に4羽が舞い降り、ついばんでいた。

■タンチョウ表現 各地で古式舞踊伝承

 かつてタンチョウは道内各地に生息していた。アイヌ民族にはタンチョウを表現した古式舞踊が各地域で伝承されている。

 胆振管内白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」。1月上旬、体験交流ホールでタンチョウが舞う様子を表現したアイヌ古式舞踊「サルルンカムイリㇺセ」が披露された。歌い手が手拍子をしながら、「トゥルルル」とタンチョウの鳴き声を出す。2人の踊り手が着物を翼のように大きく広げ、袖を振った。まばゆいライトが照らす中、弧を描くようにステージをゆっくりと歩き、舞い踊った。踊り手を務めた源島(げじま)美咲さん(23)は「ツルの力強い羽ばたきを表現しています」と話す。

サルルンカムイリㇺセを披露する源島美咲さん(手前)と桐田晴華さん。幼鳥に飛び方を教える親鳥の様子を表現した=1月4日、白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」

https://www.youtube.com/watch?v=Dao5gcld81w&embeds_referring_euri=https%3A%2F%2Fwww.hokkaido-np.co.jp%2F&source_ve_path=OTY3MTQ&feature=emb_imp_woyt

■交通事故や鳥インフル 新たな脅威

 近年、タンチョウの生息地は道央や道北に広がり始めた。生息数も回復する一方、車や電線への衝突事故など1世紀前にはなかった新たな脅威にさらされている。

 釧路市動物園では事故で負傷し、義足を着けたタンチョウを公開している。オスの「松千代」は右脚が義足だ。2018年、鶴居村内の畑で鹿よけフェンスにからまり逃れようと暴れ、右脚が折れた状態で見つかった。同園で保護し、獣医師の飯間裕子さん(43)が手作りした義足を装着した。

 1975年の開園以来、保護活動に取り組む。環境省によると、2013年度から22年度までの10年間に死骸を含めて収容されたタンチョウは374羽。交通事故による生体と死骸の収容は110羽と最多の29%で、年々増加しているという。飯間さんは09年から、車や列車との衝突などで負傷したタンチョウの治療を続ける。飯間さんは「義足でも元気に生きている。タンチョウの現状を考えてもらうきっかけにしてほしい」と話す。

 ・・・・・・・・

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/967988/


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士幌の語源 装うブランドに アイヌ語由来「シュウウォロー」 Tシャツやバッグ 2月試験販売 大阪から移住の村上さん

2024-01-27 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年1月26日 19:20(1月26日 19:27更新)

「shuworo」のロゴを印刷した試作品のTシャツとサコッシュを紹介する村上さん

 【士幌】町内の道の駅ピア21しほろを運営する「at LOCAL(アットローカル)」の社員、村上亜弥(あみ)さん(25)が来月、ファッションブランド「shuworo(シュウウォロー)」を立ち上げる。町名の由来とされる、「広大な土地」を意味するアイヌ語だ。ローマ字表記を四角で囲んだロゴマークをデザインし、無地の長袖Tシャツなどに印字。大学で歴史学を専攻し、自他共に認める歴史好きの村上さんは「町民が士幌の歴史に思いをはせるきっかけになれば」と話す。

 道の駅に2月10日から特設ブースを設け、数量限定でロングTシャツや缶バッジ、サコッシュ(バッグ)、スウェットなど7商品を試験販売する。ロゴはシルクスクリーンで布に印字する。帯広市の「アトリエ するべや」と連携し、道の駅で布への印字体験の場も設ける。12日までの午前10時~午後3時。

 長袖や若者が好む小さめの大きさに仕上げたトートバッグなど、道の駅で販売する「シホロTシャツ」との違いを出した。試験販売で売れ行きのよい数点を選び、道の駅やウェブで販売する。

 村上さんは大阪府高槻市出身。・・・・・・

(関山大樹)

※「shuworo」の表記はuと二つ目のoの上に横棒

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/967997/


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文化財保護へ消防訓練 白老・国立アイヌ民族博物館

2024-01-27 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年1月26日 18:36

国立アイヌ民族博物館で保管するチプ(丸木舟)とみられる舟の前で消火器の使い方を学ぶ職員

 【白老】「文化財防火デー」の26日、白老町消防本部は「民族共生象徴空間(ウポポイ)」内の国立アイヌ民族博物館で消防訓練を行った。

 文化財防火デーに伴う同館での訓練は今年で3回目。職員駐車場の車から出火したと想定し、消火器を持った職員7人が初期消火に当たった。その後、館内で職員約30人が消火器や消火栓の使い方を確認した。

 訓練後の講評で同本部予防課の飯島保仁主幹は「貴重な文化財が多いので、火災には気をつけてほしい」と話した。

 ・・・・・・

(斎藤雅史)

※「チプ」の「プ」は小さい字

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/967939/


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文化財防火デー 白老町の国立アイヌ民族博物館で訓練

2024-01-27 | アイヌ民族関連

NHK01月26日 18時48分

26日は「文化財防火デー」です。胆振の白老町にある国立アイヌ民族博物館では火災を想定した訓練が行われました。
「文化財防火デー」は75年前(1949年)の1月26日に奈良県の法隆寺で起きた火災をきっかけに定められました。
これにあわせて、26日、白老町の国立アイヌ民族博物館で訓練が行われ、職員などおよそ30人が参加しました。
訓練は駐車場に止めてあった車から火が出たという想定で始まり、現場に駆けつけた職員が消火器を手に取り、火の元に見立てたライトに向けてホースを伸ばすなどして、消火器の使い方を確認しました。
続いて、博物館のバックヤードに移動し、▼日頃から消火器の場所を把握しておくことや▼火の手が目の高さまで上がった場合は消火器ではなく、屋内消火栓を使うことなど消防隊員からアドバイスを受けました。
訓練の最後には、屋内消火栓を実際に手に取りながら、使い方を学び、いざというときの手順を確認しました。
白老町消防本部予防課の本間等課長は、「火災は初期に対応すると被害を最小限に抑えられます。地域のみなさんもいまは乾燥し火災が多い時期なので、火の元に十分注意してほしいです」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20240126/7000064413.html


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アイヌ料理を現代風にアレンジする料理教室

2024-01-27 | アイヌ民族関連

NHK01月26日 20時41分

アイヌの料理を身近に感じてもらおうと、アイヌの伝統料理を現代風にアレンジして作る料理教室が帯広市で開かれました。
この教室は道が主催し、15人が参加しました。24日は、札幌市在住の料理研究家、青山則靖さんがスープや炊き込みピラフなどアイヌの伝統料理をアレンジした4品を紹介しました。
このうち、骨付きのエゾシカ肉を使った「ポネオハウ」というスープは、トマトジュースを加えることで色鮮やかなスープに仕上げました。
また「ムーシ」いう料理は、主に樺太アイヌの人たちが魚の皮から抽出したゼラチンで作ったゼリー状の食べ物で、教室ではゼラチンとハスカップやクルミを混ぜて作った3色のゼリーを層状に重ねて華やかさを演出しました。
参加者たちは講師から地域によって異なるアイヌの食文化などを学びながら調理を進め、出来上がった4品を味わっていました。
帯広市の50代女性は「いろいろな食材を使っていてぜいたくでありながらヘルシーで、とてもおいしいです。一品でも家で作って『アイヌの人たちはこういうのを食べていたんだよ』と夫と話したいです」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20240126/7000064405.html


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「阿寒湖アイヌシアター<イコロ>」新演目「満月のリムセ」の特別プレ公演を開催!

2024-01-27 | アイヌ民族関連

北海道釧路市・阿寒湖アイヌコタンにて2024年4月公演開始

釧路市2024/1/26 12:00

 北海道・釧路市(市長:蝦名大也)は、令和3~5年度の国のアイヌ政策推進交付金を活用し、釧路市阿寒町阿寒湖温泉に所在する「阿寒湖アイヌシアター<イコロ>」において上演する新演目「満月のリムセ」を制作しました。

 新演目の制作は3年前からスタートし、令和3年度には準備として音楽や衣装製作などの文化面からのワークショップを実施し、関係者や演者の感覚の磨き上げに取り組んできました。令和4年度には、より実践に近い会議やワークショップを通じ、脚本の検討や舞踊、演技や音楽への感性を養い、今回の新演目制作を具体的に進めました。

 スタートしてから3か年目の今年度、舞台映像や音楽などの演出制作に着手し、アイヌ文化の「ウレシパモシリ」の精神を表現する新しい演目が完成しました。

 阿寒湖温泉に訪れるお客様が、この地で伝統の歌や楽器、踊りを通じてアイヌ文化の「優しさ」に触れ、多様性を受け入れる態度を重んじるアイヌ文化への理解や興味を深めていただけることを願い、その思いをこの新しい演目に込めました。

 舞台、音楽や映像は、阿寒湖アイヌコタンのアイヌ民族の方々と親交が深く、アイヌ文化の舞踊や音楽に造詣の深いクリエーター陣に制作を依頼し、阿寒アイヌ工芸協同組合関係者や踊り手とのコミュニケーションを経て、新演目の舞台が完成しました。

 今回は、新演目のナレーション・アドバイザーをご担当いただいた俳優の宇梶剛士氏をお招きし、完成をご披露する特別プレ公演を記載の要領で開催させていただきます。初めての公演をぜひご観覧、ご取材いただきたく、お願い申し上げます。

●新演目「満月のリムセ」について

テーマは「ウレシパモシリ」。優しさ溢れる多様性と調和の世界。

 アイヌ文化に伝承された森羅万象との調和、「ウレシパモシリ(育てあう大地)」を物語のテーマとし、カムイ(神)もアイヌ(人)も手を取り合って融和することをメッセージ。

自然とともに発展したアイヌ文化の要素(歌や踊り、演奏)がストーリーの最高潮を彩ります。

●「満月のリムセ」特別プレ公演 実施概要

日時    2024年2月11日(日・祝)13:00受付開始/13:30公演開始

会場    阿寒湖アイヌシアター<イコロ>

      〒085-0467 北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4丁目7-84

       https://maps.app.goo.gl/BxZGr7kxA4vK5jdT7

主催    釧路市

内容    

●開会

●主催者ご挨拶 釧路市副市長 吉田英樹

●来賓ご挨拶

●満月のリムセ プレ公演

 ●トークセッション

秋辺デボ氏        … 監修を担当

 宇梶剛士氏(俳優)    … ナレーション・アドバイザーを担当

 藤間信乃輔氏(舞踊家)  … 舞台監督・脚本・演出を担当

渡辺かよ氏        … アイヌ舞踊踊り手

 ●フォトセッション

秋辺氏・宇梶氏・藤間氏・渡辺氏および新演目「満月のリムセ」出演者

 ●閉会

申込    下記フォームまたはからアクセスし、お申込者様の情報をご送信ください。

       https://form.run/@rimusepre

      【申込期限 2024年2月2日(金)17:00】

備考●当日の登壇者への個別取材ご希望の場合は、イベント事務局にメールでお問合せください。

 ●同日、阿寒湖アイヌシアター<イコロ>および、伝統・創造「オンネチセ」において、

様々な視点でアイヌ文化を発信するお祭り「ウタリタリ」を開催いたします。(入場無料) 

    <2月11日(日・祝)全体スケジュール>

09:30  カムイノミ              @伝統・創造「オンネチセ」

          ※関係者のみの実施により一般の方の見学はできません。

10:00  ネイチャーガイド           @屋外

12:00  振る舞いオハウ            @伝統・創造「オンネチセ」

13:30  新演目「満月のリムセ」特別プレ公演  @阿寒湖アイヌシアター「イコロ」

15:00  朗読 知里幸恵最後の手紙       @伝統・創造「オンネチセ」

16:30  ウタリタリ              @阿寒湖アイヌシアター「イコロ」

●「満月のリムセ」あらすじ

満月のリムセ 〜月明かりにつながるやさしさを知った〜

天地が創造された頃から、アイヌにとってこの世界はウレシパモシリ(育て合う大地)であった。

つまり、人(アイヌ)も動植物もカムイ(神)も万物は育て合い、調和し、手を取り合うものだった。

ある日、好奇心旺盛で少しやんちゃなキタキツネのカムイは「イレンカ」と名乗り、

いつものように地上の世界(アイヌモシリ)へ旅に出た。

四季の変化に彩られ、アイヌたちは自然の糧に恵まれて暮らしている。

今宵はアイヌたちの踊り比べ。イレンカも踊りに興味津々。

アイヌたちはイレンカを優しく招き入れ、時を忘れるような踊りが繰り広げられた。

踊ることだけが楽しいのではない。命の躍動が、つながり合うことが、幸せなのだ。

ウレシパモシリの心を確かめたイレンカは、後ろ髪をひかれつつもカムイモシリへと帰っていく。

空に浮かんだ大きな満月にアイヌたちはキタキツネのカムイをみとめ、オンカミ(感謝)するのであった。

●「満月のリムセ」見どころ

阿寒湖アイヌコタンの素材・技術 × 現代舞踊 × 映像・音楽制作陣 それぞれの交錯

Made in 阿寒湖アイヌコタン

 出演者のアイヌ伝統衣装や、演目中に登場するサラニプ(かご)などは、

阿寒湖アイヌコタンの方々により一手一手魂を込めて製作されたもの。

 また、演目中に使用されている樹々、水、風、結氷の音は、阿寒湖温泉で聞こえる音を実際に収録しています。楽曲に使われているトンコリ、ムックリ、イオンカの民族楽器の演奏も阿寒湖アイヌ民族による演奏です。

舞台音楽・映像

 気鋭の映像クリエーターが阿寒湖アイヌコタンに何度も足を運び、阿寒湖アイヌコタンでのアイヌの人々への取材を重ね、迫力ある映像を制作。

 また、音楽も阿寒湖アイヌコタンの人々や音の環境に魅了された川上ミネ氏が制作。地域の素材を大事にした映像と音楽が舞台を彩ります。

阿寒湖アイヌの伝統舞踊×現代舞踊

 やんちゃで好奇心旺盛なキタキツネのカムイ「イレンカ」が地上に降り、

アイヌ民族との親交を通じ、「ウレシパモシリ」の心を感じるストーリー。

 阿寒湖アイヌコタンに伝わるアイヌ古式舞踊と、ダンサーが演じる「イレンカ」の現代舞踊の交わりの様子が物語を展開させていきます。

●「満月のリムセ」公演予定

公演開始  2024年4月27日(土)予定

公演予定  毎日 15:00~15:30  ※2024年10月31日までのスケジュール

公演会場  阿寒湖アイヌシアター<イコロ>

料  金  おひとり様 大人(中学生以上)2,200円/小学生700円

運  営  阿寒アイヌ工芸協同組合

●「満月のリムセ」制作スタッフ

出演             阿寒湖アイヌシアター<イコロ> 

                 アイヌ舞踊踊り手

                 現代舞踊ダンサー

監修             秋辺 デボ

脚本             澁江 俊一

舞台監督/脚本/演出     藤間 信乃輔

音楽             川上 ミネ

ナレーション・アドバイザー  宇梶 剛士

映像ディレクター       鈴木 陵生

アニメーションディレクター  水井 翔

サウンドデザイナー      清川 進也

伝統衣装・道具製作      阿寒湖アイヌコタンの皆さま

統括             森尾 俊昭

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

https://kyodonewsprwire.jp/release/202401255782


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ユーカラ、ムックリにも挑戦 19歳の俳優、吉田美月喜が 等身大の“アイヌの女性”を感じた瞬間

2024-01-27 | アイヌ民族関連

CREA2024.1.26

吉田美月喜さんインタビュー #2

実在の人物・知里幸惠を演じた吉田美月喜さん。

すべての写真を見る

 アイヌの叙事詩ユーカラ(※ラは小文字)を初めて美しい日本語に訳し、今なお高く評価されている実在の人物・知里幸惠をモデルに、アイヌ民族の苦しみや哀しみを描いた映画『カムイのうた』。知里をモデルにした主人公テルを演じた吉田美月喜さんに、映画の見どころや、吉田さんご自身のことについてお聞きしました。

──映画『カムイのうた』は、北海道で撮影されたのですか?

 作品全体としては、北海道が多いですね。東川町やその近郊、石狩市など広域で撮影されています。私は夏場に北海道に1ヵ月くらい滞在して撮影しました。

 大変ながらも楽しい撮影だったのですが、冬の場面の撮影だけはつらかったです。冬場のシーンのために、夏の撮影とは別に私は2日間、冬の北海道に滞在したのですが、本当に、本当に寒くて……。今思い出しても大変でした。

──作品のなかで、とくに印象に残っているシーンはありますか?

 正直、どのシーンも大切なので、選ぶのが難しいですね……。今作は、アイヌ民族の方に実際に起きたことや史実をベースに映画化されたものなので、どのシーンも本当に魂を込めて、大切に演じました。

 でもあえて選ぶなら、亡くなったテルを悼んで、兼田教授の奥さんの静さんが我が子を失ったかのように哀しみ、泣いてくださる場面です。作品の中で「テル」として生きた私から見れば、「これまでアイヌというだけで苛酷でつらい人生を送ってきたけれど、こんなにもたくさんの人に愛されていたのだなあ」と感じられるひとときで、すごく私の胸の中に残っています。

──吉田さんはこれまで、等身大の女性を多く演じてきました。今作も、撮影当時の吉田さんの年齢は同じ19歳でしたが、どこかご自分に共通する部分や似ているところはありましたか?

 実は、最初は共通点がゼロでした。ゼロっていうと言い過ぎかもしれませんけど、あまりにもテルが偉大すぎるので、ただすごいなと思うばかりで、自分とはまるで違う、遠い存在のように感じていたんです。

 実在の知里さんもそうですが、映画の中でテルは苛酷な運命を背負います。それでも、「ユーカラを文字で残す」ことを自分の使命ととらえ、受け入れる。そんな潔く強い生き方を選ぶテルは、同じ19歳とは思えない芯の強い大人の女性だと思っていました。

 でも、知里さんの生まれ故郷である登別で「知里幸恵 銀のしずく記念館」を訪れた時に、知里さんが婚約者に宛てた手紙を読んで、「ちゃんと19歳の女性だったんだ」と、すごく親近感を抱いたんです。そうしたら、それまで遠かったテルが急に生身の人間として身近に思えて、共感できる部分が見えてきました。

民族楽器ムックリにも挑戦

──記念館には、手紙のほか日記も保管されていますよね。

 そうなんです。それまでは知里さんについて研究資料やデータでしか読んだことがなかったので、とにかくすごい人、としか思っていなかったのですが、資料館で館長さんのお話を聞きながら彼女の書いた手紙や日記を読ませてもらったことで、等身大の彼女を感じられて、「テル」の中に落とし込むことができました。あれだけの貴重な資料を残してくださったご遺族の方にも感謝です。

──テルや知里さんのように、吉田さんも何かに挑戦したいお気持ちはありますか?

 そうですね。今はいろんな役を経験してみたいというのが一番の大きな目標です。今回のテル役では、自分が知らなかったアイヌ民族の史実に触れるという貴重な経験をさせていただいたんですけど、実在した人物を演じるのも初めての経験だったので、そういう意味でも非常に大きなステップになりました。

 もっといろんな役をやらせていただく中で自分の可能性を探りながら、役者として成長していければと思っています。

──今作では、ユーカラやアイヌの民族楽器であるムックリにも挑戦されました。歌やダンスをもっと本格的にやりたいという野望なども芽生えましたか?

 野望なんてそんな大層なものではありませんが、最近は、歌とダンスと楽器を披露する盛りだくさんな舞台にも挑戦しました。残念ながらユーカラではなく、日本語の歌とダンスでしたが、歌で人に伝える楽しさはユーカラでも感じていたことなので、「これは極めたらきっと楽しいぞ」と思いました。だから、もしかしたら、もしかするかも(笑)。

「今思ったことを音に出して」

──ちなみに、ムックリは簡単に演奏できるものなのでしょうか。

 いや〜……、自分で言うのも何ですけど、結構難しいです。北海道のお土産屋さんなどで売ってますが、誰にでも簡単にできる楽器ではないと思います。

 私の場合は独学では無理なので、一三四(ひさし)役の望月歩さんと一緒に、新大久保のアイヌ料理店の店主でムックリの演奏者でもある宇佐照代さんに習いに行きました。

 ムックリって、竹に紐がついている楽器で、その紐を振動させて音を鳴らすんです。でも、はじめは紐を引っ張っても全然音が鳴らなくて、下手をすると竹がパキッと折れちゃう。そして文字や楽譜を持たないユーカラと同様に、楽譜がないので、音で聴いて覚えるしかありません。

 アイヌの方は当時、動物の鳴き声や風や谷に響く音など自然の音を、自分の自由な感覚で表現されていたそうで、それを完全に感覚で再現することになるので、すごく難しかったですね。「今思ったことを音に出して」と言われても、いろんな音は出せないし……みたいな感じになってました(笑)。

 望月さんとお互いに「まだまだだな」と言い合いながら、まずは様々な音が出せるように、休憩時間にも練習していました。

──そんなに難しい楽器とは知りませんでした。もうプロフィール欄に「特技:ユーカラとムックリ」と書けますね。

 書いていいですか〜(笑)! でも本当に、ムックリはやればやるほどいろんな音が出せるようになるので、ハマります。基本的には口元で弦を揺らすだけなんですけど、口の開き方とか息の吸い方、喉の奥の開き方など、ちょっとしたことで音が変わっていくので楽しいです。自由度がすごく高くて、本当に面白い楽器なので、みなさんもぜひ挑戦してみてください。

『カムイのうた』

『カムイのうた』(c)シネボイス

2024年1月26日(金曜)よりヒューマントラストシネマ渋谷他にて公開
配給:トリプルアップ
©シネボイス

出演:吉田美月喜、望月歩、島田歌穂、清水美砂、加藤雅也
監督・脚本 菅原浩志 
プロデューサー:作間清子 
主題歌:島田歌穂
製作:シネボイス  
製作賛助:写真文化首都「写真の町」北海道東川町
上映時間:135分
https://kamuinouta.jp/

https://crea.bunshun.jp/articles/-/44907#goog_rewarded


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『ゴールデンカムイ』久保茂昭監督が作った「杉元ノート」「二〇三高地ノート」…できることを“最大限”の撮影に

2024-01-27 | アイヌ民族関連

マイナビニュース2024/01/26 11:30著者:佐々木なつみ

久保茂昭監督 (C)野田サトル/集英社 (C)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

野田サトル氏による人気コミックを実写化し、現在公開中の映画『ゴールデンカムイ』。明治末期の北海道を舞台に、主人公の元陸軍兵・杉元佐一(山崎賢人 ※崎はたつさき)が、アイヌの少女・アシリパ(山田杏奈 ※「リ」は小文字が正式表記)と共に、アイヌの莫大な埋蔵金の在りかが描かれた「刺青人皮(いれずみにんぴ)」を求めて北海道を旅するサバイバル・バトルアクションとなる。

公開3日間で観客動員数35万人、興行収入5.3億円を突破しヒットスタートを切った同作について、メガホンを取った久保茂昭監督にインタビュー。有名アーティストのミュージック・ビデオを数多く手がけ受賞作も多数の久保監督は、映画『HiGH&LOW』シリーズの監督としても知られている。もともと『ゴールデンカムイ』のファンだったという監督が、どのように同作に取り組んだのか、話を聞いた。

※編集部注:本記事は一部ネタバレを含んでいます。知らない状態で映画をご覧になりたい方はご注意下さい。

映画『ゴールデンカムイ』監督に決まった時は「本気で泣きました」

――映画『ゴールデンカムイ』のお話が来た時は監督も驚かれたそうですね。

候補として残っているとは聞いていたんですけど、まさか僕になるとは思っていませんでした。僕は原作の大ファンだったので、監督に決まった瞬間は本気で泣きました。

――「『HiGH&LOW』シリーズの久保監督が!」という驚きもありましたが、どういう部分が求められていたのですか?

壮大な舞台を大胆に繊細に描き、さらに邦画っぽくないアプローチも……という形でご期待いただいていました。それから、松橋(真三)プロデューサーとは映画『小説の神様』も一緒にやらせていただいていたので、そこで信頼いただけていたのだったら嬉しいです。

――制作を進められる際には、どういう部分を重要視していたのでしょうか?

僕は原作の大ファンでもあったので、自分の持ち味は一度置いておいて「この世界観を描けるのか」と頭を真っ白にさせたところが始まりでした。とにかく一つひとつのアプローチを丁寧にしていかないとダメだと思ったんです。

撮影スタッフとの準備が始まる半年以上前から自分で北海道に行って、原作のもととなる場所での取材を重ね、北海道、明治、アイヌ文化へ自分なりにアプローチをして、ちょっとずつ準備をしていきました。僕の中では準備期間が2年くらいあって、直近の1年くらいでスタッフが増えて一緒に制作が始まったという感覚です。

シーンごとに“伝えるアクション”を意識

――冒頭は日露戦争の二〇三高地の戦闘がしっかりと描かれていて、導入としてずっしりとくるものがありました。

今回、主要キャストと共有するために、原作での各キャラの心情と動きを追った「杉元ノート」「アシリパノート」「白石ノート」「鶴見ノート」「土方ノート」などを作っていたんですが、僕の中ではさらに「二〇三高地ノート」も作っていたんです。原作で二〇三高地のシーンがどれだけ出てくるんだろうと思ってまとめたら、実は2~3巻分くらい出てくるので、それくらい大事なシーンなのだと思いました。そこの描写が軽いと、その後の説得力が全部なくなってしまうと思ったので、しっかり撮らせてもらいました。

あのシーン、よく観ると軍人たちは全員いるんです。尾形(眞栄田郷敦)と谷垣(大谷亮平)はわかりやすいですが、実は月島(工藤阿須加)や、他の第七師団のみんなも参加しています。尺上ではカットした場面もありましたが、二〇三高地のシーンをみんなに体験してほしかったので、大事に撮りました。この作品に命を懸ける……と言ったら、プロデューサーに「それはやめてくれ」と言われたんですが(笑)。原作を実写化するにあたり、様々なアプローチで、自分でできることを最大限に探りながら挑んだ感覚です。

――今後も観たくなるような映像もあり、気になりました。

エンドロールにまで映像が入っているのは『ハイロー』の時と同じで、詰め込みすぎて尺に収まらなくて(笑)。エンターテインメントとして、この先にもさらに物語の続きが待っていることは感じてほしいです。

――今作でどこまで描くんだろうと思っていたんですが、1つの作品としての盛り上がりが、杉元とアシリパの再会のアクションにあったところが印象的でした。

クライマックスをどこに持っていくかというところで、アイディアを出しました。馬ぞりをクライマックスにして、アシリパと杉元の気持ちが戦いの中で結ばれる。杉元がアシリパに対して「この子は本気だ」とわかるというところを描きたかったのと、「この先どこまでもついてくる」という第七師団のしつこさを表したかったので、馬車に乗ってる月島の姿だったり、二階堂が追っかけてきたり、原作よりも長く描かせてもらいました。

――最近は日本映画もアクションに力を入れている作品が増えてきましたが、『ゴールデンカムイ』ではどのようなアクションを目指されていたのでしょうか?

まず雪山を舞台にしているところが大変で、新しいアプローチをしていますし、アイディアを出し合って、大自然サバイバルの面白さもお伝えできたと思います。戦争のシーンも、日露戦争の際に日本兵がこういう戦いをしていたという臨場感を、「邦画としてここまでできるんだぞ」という肉弾戦として伝えられればと思っていました。

とはいえ『ゴールデンカムイ』はどこかしらエンターテインメントが入っているからこそ愛されていると思っています。だからギリギリの命のやりとりを、エンターテインメントとして表現したいということは意識しました。二〇三高地は壮絶な戦い、杉元VS尾形は腕の試し合い、白石VS牛山はコメディ、月島や二階堂は命の削り合い……と、一つひとつテーマを決めて、アクションや殴り合いの羅列ではなく、変化を楽しんでもらいたいな、と。それぞれのキャラが立っているので、キャラに合った手も考えなければいけないですし、シーンごとに“伝えるアクション”を意識したアプローチをしています。

■久保茂昭監督

1973年生まれ。これまで、EXILE、安室奈美恵、DREAMS COME TUREなど数々の有名アーティストのミュージック・ビデオを500作品以上監督し、「VMAJ年間最優秀ビデオ賞」を5年連続受賞。ドラマ『HiGH&LOW~THE STORY OF S.W.O.R.D.~』(15)を皮切りに、同シリーズの映画公開作品を監督。その他の監督作品に、高橋ヒロシ氏による不良漫画の金字塔『クローズ』『WORST』のコラボ映画『HiGH&LOW THE WORST』(19)や『小説の神様 君としか描けない物語』(20)などがある。

(C)野田サトル/集英社 (C)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

https://news.mynavi.jp/article/20240126-goldenkamuy/


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カナダ・アルバータ州で低コスト3Dプリント住宅建設プロジェクトが始動

2024-01-27 | 先住民族関連

セカプリ2024.01.26

カナダ・アルバータ州で低コスト3Dプリント住宅建設プロジェクトが始動し、話題になっている。現地メディアの報道によると、プロジェクトを立上げたのは、世界最大のセメントメーカーのフランスのラファージュのカナダ現地子会社のラファージ・カナダ・ウェスト。カナダの3Dプリント住宅メーカーのnidus3Dと共同で、デンマークの建設3DプリンターメーカーのCOBODインターナショナルが開発した「COBOD2」を使い、アルバータ州南部の郊外に複数の3Dプリント住宅を建設する。

nidus3Dは、これまでにアルバータ州の先住民族居住地域のシクシカネーションに16棟の3Dプリント住宅を建設した実績を持つ。シクシカネーションに建設した3Dプリント住宅には、ドメスティックバイオレンスの被害を受けた先住民族などが入居するという。

ラファージ・カナダ・ウェストの社長兼CEOのブラッド・コール氏は、「nidus3Dと我々の共同の目標は単なるイノベーションを超えたものです。このプロジェクトは、カナダが直面している手頃な住宅不足と言う社会問題に対応し、サステナブルなコンストラクションを通じてレジリエントでインクルーシブ未来を作り上げることを目指しています」とコメントしている。

カナダでは、トロント、モントリオール、バンクーバーなどの都市部を中心に住宅不足と住宅価格高騰が深刻な社会問題になっている。戸建て住宅の価格高騰に合わせて賃貸物件の家賃も高騰し、カナダ市民の生活コストを押し上げている。

https://sekapri.com/建設/20240126-17140/


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400年前の台湾と世界のつながりを紹介 日本やオランダから文物集結 台南で特別展

2024-01-27 | 先住民族関連

中央フォーカス台湾1/26(金) 17:42配信

オランダ統治時代にオランダ人宣教師が原住民(先住民)族シラヤ族の人々に洗礼を施す光景を題材にした大型油絵(Zebregs_Röellさん提供)

(台南中央社)400年前の台湾と世界のつながりを振り返る特別展「跨・1624:世界の島台湾」が来月、南部・台南市の国立台湾歴史博物館で開幕する。日本やオランダなどから100点を超える文物が集結し、当時の東アジア貿易の盛況を紹介する。

同館によれば、日本の国立歴史民俗博物館からは17世紀に日本に来航したポルトガル人と東南アジアの船員を描いた「南蛮人来朝図屏風」など20点、神戸市立博物館からは約300年前の時代に中国船が日本の港に停泊する様子や中国の商人が暮らした唐館の生活風景を描いた「長崎唐館交易図巻」など8点がそれぞれ貸し出される。日本からやって来る文物には、貿易や外国とのやりとりに関連する古絵図や陶器、漆器などが含まれる。

オランダからは、オランダ統治時代にオランダ人宣教師が原住民(先住民)族シラヤ族の人々に洗礼を施す光景を題材にした大型油絵も貸し出される。同作が台湾で展示されるのは初めて。同館は、当時のオランダ人と先住民族の交流を伝える数少ない記録だとしている。

特別展は来月1日から6月30日まで開かれる。

(張栄祥/編集:名切千絵

https://news.yahoo.co.jp/articles/23966fcf5ad52ff81af959fb3d39bf6d7aa68c93


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オーストラリア・デイめぐり変わる歴史認識 今年も主要都市で「侵略の日」に抗議

2024-01-27 | 先住民族関連

日豪プレス2024.01.26

81の自治体が別の日に式典開く

126日は愛国心の高揚と国威発揚の日から「侵略の日」へと認識が変わりつつある(Photo: engin akyurt on Unsplash

 英国の第一船団(ファースト・フリート)が1788年1月26日にポート・ジャクソン(シドニー湾)で入植を開始した記念日で、国民の祝日「オーストラリア・デイ」を祝う式典が26日、全国各地で開催された。一方、先住民に対する「侵略の日」だとして、オーストラリア・デイに反対する抗議集会が今年も主要都市で開かれた。

 公共放送ABC(電子版)によると、最大都市の東部シドニーでは夜明けとともにオペラ・ハウスの壁面が先住民をデザインしたアートでライトアップされ、東郊のボンダイ・ビーチなどでは先住民の伝統的なセレモニーと踊りが披露された。

 首都キャンベラではこの日にオーストラリア国籍を取得した人を祝福する式典が催された。出席したアンソニー・アルバニージー首相は「今日、世界中からやって来た多様な信条と背景を持つ1万5,000人以上の人々がオーストラリア人となり、民主主義、私たちの法律、私たちの価値観、国民に忠誠を誓った」と述べた。

 一方、シドニーやメルボルン、ブリスベンなど全豪の主要都市では、オーストラリア・デイの廃止や日付の変更を求める市民の抗議集会が開かれた。この日は日本の建国記念日や米国の独立記念日に相当し、愛国心が高揚する祝日となっているが、近年では欧州人によるオーストラリア大陸の侵略と先住民への迫害が始まった日との認識が浸透しており、リベラル勢力を中心に反対論が広がっている。

 こうした歴史認識の変化を背景に、中道左派の連邦労働党政権は昨年、オーストラリア国籍取得者を祝福するオーストラリア・デイの式典の日付を前後3日以内に変更できるよう法改正した。ABCによると、今年は少なくとも81の自治体が別の日に式典を開催するという。

■ソース

Australia Day: Prime Minister Anthony Albanese celebrates those becoming citizens in citizenship ceremony(ABC News)

Thousands gather at Invasion Day rallies, calling for rethink of Australia Day(ABC News)

Local councils move Australia Day ceremonies from January 26 as attendance declines(ABC News)

https://nichigopress.jp/news-item/98192/


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天地人 2024年1月26日

2024-01-27 | 先住民族関連

東奥日報2024年1月26日

 サンタフェ。17世紀につくられた米最古の都市の一つで、ニューメキシコ州の州都として知られる。歴史の重みを感じさせるスペイン風のたたずまいから「アメリカの宝石」と呼ばれ、先住民を含む多様な文化が多くの芸術家を引きつける。アートの街でもあるのだ。

 とはいえ人口8万人の地方都市。州の表玄関であるアルバカーキ空港から、100キロの道のりを地図片手にレンタカーで走った記憶がある。米国務省の研修で1週間の滞在を義務づけられていたからだ。米国の成り立ちを学ぶには絶好の場所とみなされていたのだろう。

 サンタフェに行ったことがあると言うと同世代の男性は決まってニヤリとする。俳優の宮沢りえさんを一躍時の人にした同名の写真集が頭に浮かぶせいだろう。バブル末期の1991年に出版。累計で165万部を売り上げ社会現象にまでなった。撮影は「激写」シリーズで人気を集めた写真家篠山紀信さん。

 男女を問わず裸体を通して美を追求し、表現の自由を問い続けた篠山さん。公然わいせつ罪に問われたこともあるがめげなかった。「いつも面白いと思うものだけを撮ってきた」と。

 その反骨の巨匠が先日亡くなった。83歳。追悼代わりに-と、代名詞ともいえる「激写」シリーズの作品集を開いたら切なくなった。時代が彼にシャッターを切らせていたことを改めて知ったからか。

https://www.toonippo.co.jp/articles/-/1713940


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マチュピチュ観光列車、デモ隊が線路封鎖 入場券販売方法変更に抗議

2024-01-27 | 先住民族関連

AFPBBNews2024年1月26日 12:26 発信地:ペルー [ ペルー 中南米 ]

ペルー・マチュピチュプエブロ近くの線路を封鎖した、オンラインでのチケット販売に反対するデモ隊(2024年1月25日撮影)。(c)Carolina Paucar / AFP

【1月26日 AFP】ペルーにあるインカ帝国時代の城塞(じょうさい)都市遺跡マチュピチュ(Machu Picchu)で25日、入場券販売の民営・オンライン化に抗議するストライキやデモが行われた。

 ツアー業者や土産物店は抗議のために休業。観光列車の線路を住民らが封鎖したため、観光客は遺跡の入り口までの残り3キロを歩くことを余儀なくされた。

 警察は夕方、催涙弾を使って線路をふさいでいたデモ隊を解散させた。逮捕者はない。

 観光客は抗議デモによって旅程を乱されたが、文化省のSNSはマチュピチュへの訪問は「完全に平常通り」だとしていた。

 地元団体は、入場券販売を請け負う企業は年間320万ドル(約4億7000万円)もの手数料を稼ぐことになるとして非難している。

 国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産のマチュピチュ遺跡は、人気の観光地となっており、劣化が激しい。政府は昨年9月、遺跡内の3か所を一時閉鎖した。

 一方、1日当たりの入場券の発行数は今月、それまでの最大3800枚から4500枚に増やされた。(c)AFP

https://www.afpbb.com/articles/-/3502175


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アルゼンチン、ボリビア、チリ…南米大陸の南部ってどんな地域?【2分で学ぶ国際社会】

2024-01-27 | 先住民族関連

ダイヤモンド2024.1.27 3:35

井田仁康

ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。そういった中で「世界の国々をざっと理解できる」「聞いたことない国でもイメージできる」と支持されている本がある。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)だ。
本書は世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。本稿では、本書から一部を抜粋して世界の国を紹介する。

広大な草原地帯と世界最長の山脈

 本書での南アメリカ南部とは、赤道から南の南米大陸の国々を指しています。

 西部にはアンデス山脈が走り、ペルーボリビアチリアルゼンチンをまたいでいます。

 それに対して中央部から東部にかけては、グランチャコといわれる平原・湿原がボリビアパラグアイアルゼンチンにまたがって広がります。アルゼンチンを中心としてパンパと呼ばれる草原地帯も広がります。

 アンデス山脈が走る西部では、ツンドラ気候や高山気候が南北に広がりますが、海岸部では乾燥した砂漠気候が南北に帯状に広がっています。チリの南部は温帯気候ですが、南米大陸南端は南極に近く、寒帯に区分されます。

 他方、内陸部は北から南へ温帯から乾燥帯へ、さらに南端に向かって温帯から寒帯となります。東部は温帯で過ごしやすく、都市が集中しています。

先住民とヨーロッパ移民が混在

 アンデス山脈が走るペルーボリビアでは先住民の割合が高く、平原のウルグアイアルゼンチンではヨーロッパ系の割合が高くなります。

 これは、スペインが南米を攻略した際に、高地まで進軍できなかったことや、平原は乾燥や湿地でもともと先住民が少なく、そこへヨーロッパ系の移民が入り開拓したことによると考えられています。

 チリパラグアイは、ヨーロッパ系と先住民との混血の割合が高いことが特徴的です。

 南アメリカ南部の国々は中南米の国々との関係を重視し、自由貿易市場を目指したメルコスール(南米南部共同市場)の中心的な役割を担う国が多いです。

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)

「世界各国の特徴」「国どうしの関係」がこの1冊で丸わかり!

 ニュースを見ていると、世界のさまざまな国の情報が入ってきます。また、オリンピックやW杯など、スポーツの国際大会を観戦すると、いろいろな国の名前を見聞きします。

 インターネットを通じて、海外の情報に触れる機会も多いでしょう。SNSですぐに海外の人とつながることもできます。

 しかしながら、名前を知っている国であっても、

「どんな場所に、どんな人々が住んでいるのか?」
「どんな歴史や文化があるのか?」
「どんな問題が起こっているのか?」

 とイメージすることは、意外と難しいのではないでしょうか。

「どんな国なんだろう?」――この本はそんな疑問が湧いたときに、すぐに気になった国のことを知ることができるようにつくられた本です。

大人の教養として知っておきたい世界の国々

 世界地図を約30のエリアに分け、地図を眺めながら各エリアの特徴を解説します。

 さらに、世界212の国と地域を取り上げ、それぞれの国の特徴国どうしの関係を、わかりやすくイメージできるようにまとめました。

 気になった国のページを読んだ後には、隣の国、そのまた隣の国、さらには周辺のエリアへと、ページをパラパラとめくってみてください。

 共通点や相違点、近隣の国どうしの関係性が見えてくることで、頭の中にくっきりとした世界地図が広がっていきます。

 また、世界各国・各地域の重要なテーマを押さえることで、複雑な世界情勢を伝えるニュースもグッと深く理解できるようになるでしょう。

話題沸騰!読者から絶賛の声続々!

聞いたことがない国でもイメージしやすく、読み進めることに苦労しませんでした」(20代女性)

世界212の国と地域がざっと理解できて、買って読んで良かったと思いました。紛争の原因が分かりやすく理解できた」(50代女性)

価格もこの網羅性とわかりやすさではとてもお得だと感じました。語り口調は地政学に詳しくない読者のことも考えて、わかりやすく丁寧でとても好感が持てました」(20代女性)

読むだけで世界地図が頭に入る本

井田仁康 著

<内容紹介>

世界212の国と地域の“今”をこの1冊に凝縮! 一度読んだら忘れない! パラパラ読むだけで位置関係がスッと入る。国とエリアの特徴が面白いほどわかる。経済、エネルギー、人口、紛争、敵対国、同盟国、環境問題――複雑な世界の重要問題がスッキリわかる!

https://diamond.jp/articles/-/337776


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約1万5700年前。ものすごく古い尖頭器が発掘されてわかったこと

2024-01-27 | 先住民族関連

GIZMODO2024.01.26 16:3513,034

Isaac Schultz - Gizmodo US [原文] ( たもり )

クーパーズ・フェリーのエリアBで発見された尖頭器

2023年1月9日の記事を編集して再掲載しています。

米アイダホ州にある有名な遺跡で発掘された有茎尖頭器が、これまでに同遺跡で見つかった石器類より数千年も古く、1万5785年前のものであると判明しました。

今回の発見によって、アメリカ大陸最古の石器があったとされる時期はもっと昔にさかのぼり、氷河時代のアジアと北米との人々の間で技術(とひょっとすると遺伝的類縁性)がどのように共有されていたという点の解明に役立つかもしれません。同研究の成果は科学ジャーナルScience Advancesに発表されています。

当時どんな人々が住んでいたのかがわかる

同研究の筆頭著者でオレゴン州立大学の考古学者Loren Davis氏は、「科学的な観点から、こういった発見はアメリカ大陸の最古の人々が残した考古資料をさらに詳細なものにします」と、同大学のリリースにコメント。「単に『1万6000年前、ここアメリカ大陸に人類は存在していたと思う』と言うのは簡単ですが、それを彼らが残した遺物から観測していくことができるとなれば話は変わっててきますから。」

アイダホ州にあるクーパーズ・フェリー遺跡は昔からネズ・パース(ネ・ペルセ)族の土地で、アメリカ先住民の間ではニペヘという名で知られています。この遺跡は20世紀中頃に初めて発掘されて以降、石細工や動物の骨などが数多く見つかっています。

今回の尖頭器は2012年から2017年までの数年の間に発見されていますが、今になってようやくそれら遺物の年代が測定されて、チームの成果が発表されるに至ったのでした。

北海道の当時の人々とも繋がりが?

この遺跡に人類が居住していたと示唆する剥片石器や骨の一部(Davis氏が別のチームとともに以前発掘したもの)はおよそ同時期のものですが、完全な形の尖頭器はそれらから描写できる状況に更なるディテールを加え、初期のアメリカ人が熟練した狩猟民だったと認識させるものです。

Davis氏いわく「投げ矢につけられる小さな尖頭器は深く貫入し、とてつもない内部損傷を引き起こす」そうで、「私たちが知るどんな動物もこういった武器で傷つけることが可能」なんだとか。

この尖頭器が1万6000年~2万年前の日本の北海道から出土したものと類似しているとも、同氏は指摘。どう繋がっていたのかは不明ではあるものの、北東アジアと北アメリカの古代の人々との間に文化交流があった可能性を示唆しています。

クーパーズ・フェリー遺跡からは、これまでのところ6万5000点の品々が発掘され、地図にまとめられています。発掘が進むとともに、初期の人類の活動について少しずつ明らかになっていくでしょう。

Source: Science Advances, Oregon State University,

https://www.gizmodo.jp/2024/01/archaeologists-dig-idaho-stone-projectiles-america-asia-1849933898-1.html


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