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知里幸恵の功績たどる 旭川で催し 初日はゲスト対談上映

2024-01-15 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年1月14日 21:53

対談映像の上映会で知里幸恵について学ぶ参加者

 大正期のアイヌ文化伝承者、知里幸恵の歩みをたどる「知里幸恵が歩いた道のりの20年」が14日、2日間の日程で始まった。初日はまちなかぶんか小屋で、過去に招いたゲストの二つの対談映像の上映会を行い、約20人が参加した。

 「旭川に公立夜間中学をつくる会」の主催。最初の映像は知里のめい、知里むつみさんと小説家三浦綾子の夫で歌人の三浦光世さんが対談したもの。続いて知里に神謡を文字に残すべきだと助言した言語学者金田一京助の孫で国語学者の金田一秀穂さんと、知里の文学碑設立の中心となった荒井和子さんがアイヌ民族への差別などについて語り合った映像を上映した。

 ・・・・・・

 15日は午後2時に旧市立北都中(7の16)に集合し、知里の通学路を歩く。現地集合で参加無料。(佐藤愛未)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/963058/


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<風・論説委員室から>街と大学 政策磨き合う 磯田佳孝

2024-01-15 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年1月14日 11:15

 国家的プロジェクトで次世代半導体を製造するラピダス(東京)の拠点が千歳に昨年9月着工した。先端産業が道内にどう影響を及ぼすのか関心は高い。

 「ラピダスのスピード感に恵庭市はついていけるのか」「外国人技術者と地域をどうつなぐ」。先月20日に恵庭で開かれたフォーラムでは、経済人や市民らが原田裕市長やラピダス幹部に疑問や注文をぶつけた。

 同様のセミナーは千歳以外でも道主催で旭川、釧路などで開かれている。恵庭の特色は市と地元北海道文教大の地域創造研究センターが主催した点だ。

 道文教大は主に外国語や医療福祉を学ぶ私立大だが、本年度に市と連携し政策課題を解決する場としてセンターを作った。

 センター長は小磯修二北大大学院客員教授。25年前にも釧路公立大の地域経済研究センターを立ち上げた経験を持つ。

 道央圏ではラピダスを核にIT産業拠点をつくる「北海道バレー」構想が浮上する。米西海岸シリコンバレーがモデルだ。

 フォーラムで小磯氏は「具体的に恵庭市に何ができるか考えたい」と述べ、市長は新たな市街地開発の可能性に言及した。

 ラピダスが進出したのは千歳であり恵庭は隣町にすぎない。原田市長が目指すのは「集まったソフトウエア技術者が住みやすい環境をつくる」ことだ。

 米シリコンバレーは半導体素材のシリコンを冠した産業拠点の総称。元々はサンタクララバレーという農業地帯である。

 米社会学者アナリー・サクセニアンは30年前の著書「現代の二都物語」で、東部工業都市ボストンの衰退と対比する形でその発展要因を分析している。

 閉鎖的な大企業が多いボストンに対し、1970年代のシリコンバレーは起業家たちが地域のあちこちのバーに「アイデアを交換したりうわさ話を楽しんだりするたまり場」を作った。

 それが製品開発や分業生産などの相乗効果を生み、インテルは最大手メーカーに成長。アップル、グーグルといったソフトウエア関連の勃興につながる。

 今や情報交換はネットでできるが実際に住めば起業や転職の人脈づくりは広がる。ラピダスから10キロ超の距離に位置し、田園都市の環境を備える恵庭が交流の場となる可能性はある。

 ただし新産業による人口増は逆に街づくりを難しくする面も否定できない。自動車関連が立地し市内東部が発展した苫小牧では中心部の空洞化が目立つ。

 街の一体感を保つよりどころが必要だろう。道文教大センターが重視するのは文化政策だ。

 かつては文化財保存のイメージが強かった文化政策だが、7年前の文化芸術基本法施行前後に大きく様変わりした。

 ・・・・・・

 

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/962910/


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アイヌ民族など差別なくす集会

2024-01-15 | アイヌ民族関連

NHK01月14日 08時08分

アイヌ民族などを誹謗中傷するネットなどへの投稿が相次いでいることを受け、札幌市では市民らが抗議集会を開きました。
抗議集会にはアイヌの人たちや差別をなくそうと取り組む人たちなど、約180人が参加しました。
集会には、自民党の杉田水脈衆議院議員のアイヌ民族に対する差別的な投稿で、人権救済を申し立てた多原良子さんも出席しました。
多原さんは集会で、「差別をなくそうと声を上げることで辛く苦しいこともあるが、それでも頑張らなければならない。安心安全に暮らせるまっとうな社会にしていきたい」と呼びかけました。
また、在日コリアンの女性や沖縄にルーツを持つ男性なども登壇し、マイノリティーへの理解を広げ、差別のない社会を作っていこうと訴えました。
参加者たちは、差別をなくしていくために今後、どう働きかけていくのかなどについて、意見を交わしていました。
参加した札幌市の女性は、「今後は、差別をなくすために具体的にどう制度を変えていくのか、実践的な話をしていく機運が高まれば良いなと思います」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20240114/7000063956.html


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「差別的投稿 声上げねば」 札幌 アイヌ関係者ら抗議集会 /北海道

2024-01-15 | アイヌ民族関連

毎日新聞 2024/1/15 地方版 有料記事 411文字

 自民党の杉田水脈衆院議員がブログなどでアイヌ民族や在日コリアンへの差別的投稿をしたとして、札幌と大阪の法務局から人権侵犯と認定された問題に抗議する集会が13日、札幌市内で開かれ、マイノリティーの人権尊重に向けた連帯を確認した。

 アイヌ民族や研究者らでつくるアイヌ政策検討市民会議などによる実行委員会の主催。木村二三夫共同代表はあいさつで「人への想像力を欠き、命と心を壊す侮辱的な言動はあってはならない」と語気を強めた。

 続いて、杉田議員の投稿に対して札幌法務局に人権救済を申し立てた多原良子さんが「国民の代表である国会議員が差別を繰り返す社会はいったい何だろう。黙っていては社会が壊れてしまうからこそ、声を上げてまっとうな社会をつくっていきましょう」と呼びかけた。

 ・・・・・・

【真貝恒平】

https://mainichi.jp/articles/20240115/ddl/k01/040/034000c


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[反ヘイト]「傍観 次の差別生む」 札幌で杉田氏抗議集会

2024-01-15 | アイヌ民族関連

沖縄タイムス2024年1月15日 4:58

アイヌ民族などへの差別発言を重ねる自民党の杉田水脈衆院議員と、杉田氏を擁護する政府与党に抗議する集会が13日、札幌市で開かれた。アイヌ民族、在日コリアン、沖縄人らが発言。

この記事は有料会員限定です。

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1290930


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「アイヌの文化に親しみを感じた」 古式舞踊や口承文芸を上演 沖縄で13年ぶりの文化フェス

2024-01-15 | アイヌ民族関連

沖縄タイムス2024年1月14日 12:12

 アイヌ民族の文化への理解を深める「アイヌ文化フェスティバル」(主催・アイヌ民族文化財団)が13日、那覇文化芸術劇場なはーとであった。約800人が来場し、アイヌの古式舞踊などを堪能した。

 沖縄開催は約13年ぶり3回目。ステージでは帯広カムイトウウポポ保存会によるアイヌの古式舞踊や、口頭で伝承されてきた口承文芸が披露された。

沖縄からも琉球芸能奉納団などが出演し、交流を深めた。

 財団の福井宏行専務理事は「日本列島の南と北が手をつないだステージ」と表現。アイヌの歴史・文化を学び伝える北海道白老町の民族共生象徴空間「ウポポイ」をPRし「北海道にお越しの際には立ち寄って」と呼びかけた。

 会場では、独特な文様の木彫や織物の実演もあり、来場者の目を引いていた。浦添市から訪れた70代女性は「アイヌの文化に親しみを感じた。機会をつくって訪ねてみたい」と話した。(社会部・島袋晋作)

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1290511


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『ゴールデンカムイ』山田杏奈、アシリパの変顔は自撮りで猛特訓

2024-01-15 | アイヌ民族関連

シネマトゥデイ2024年1月15日 7時15分

 野田サトルの累計発行部数2,700万部を突破する大ヒットコミックを実写化する『ゴールデンカムイ』(1月19日全国公開)で、人気キャラクターのアイヌの少女・アシリパ(※「リ」は小文字)に抜てきされた山田杏奈(23)。未来を見つめるようなまっすぐな瞳も役にピタリとハマり、アシリパの純粋さと意志の強さをすばらしく表現している。山崎賢人(※「崎」はたつさき)演じる主人公・杉元とのコンビネーションも心地よく、彼らのコミカルなやり取りがしっかりと再現されていることも原作ファンにはうれしいポイント。自宅でも自主練に励んだというアシリパの豊かな表情をはじめ、山田が本作で果たした新たな挑戦について語った。

【画像】初主演映画では血まみれの熱演披露!

 本作は、明治末期の北海道を舞台に、莫大なアイヌの埋蔵金をめぐる争奪戦を描いたサバイバルアクション。日露戦争での闘いぶりから“不死身の杉元”と呼ばれる元軍人の杉元佐一と、アイヌの少女・アシリパが、埋蔵金の在りかを記した「刺青人皮(いれずみにんぴ)」を求めて一癖も二癖もある軍人や囚人たちと渡り合う。

 アシリパは、原作ファンの間で絶大な人気を誇るキャラクターだ。決定の報せを受けた瞬間について山田は、「マネージャーと“やりましたね!”と声を掛け合いました。すごくうれしかったです」と回想。「以前、実写版のアシリパのキャスト予想を見たことがあったんですが、そこに私の名前を挙げてくれている方もいらっしゃって。それを見た時もすごくうれしくて。当時は、すでにどなたかに決まっているんだろうなと思っていたんです」と喜びを噛み締める。

 もともと多くのファンに愛されている漫画であることも認識しつつ、山田自身も原作を読みふけり「めちゃくちゃ面白い」と惚れ込んだそう。だからこそ年齢や身長など、原作のアシリパと自身の異なる部分にプレッシャーを感じたとも。とはいえ「製作陣の方々の中でもいろいろな検討があった上で、私に決めていただいた。だからこそ、責任を持って演じようと思いました。信じてくれる人がいるということが何よりもうれしいこと」としみじみ。「その思いを裏切らないようにしようと覚悟しました」と意を決して飛び込んだ。「心配していてもしょうがない。“やるしかない! なるようになる!”と考えるタイプで、思い切りはいい方かもしれません」と微笑む。

アクション、乗馬、弓…初尽くしのチャレンジ

 北の大地を生き抜く知恵と優れた狩猟技術を持つ少女役とあって、クランクイン前にあらゆる準備に励んだという。

 山田は「(2023年公開の主演作)『山女』の福永壮志監督が『アイヌモシリ』(※リは小文字)というアイヌの映画を撮られていたので、『ゴールデンカムイ』の出演が決まる前にその作品も観ていたり。不思議なご縁だなと思いました」と感じながら、アイヌ語や文化、風習について学んだ。さらに、ほとんど経験がなかったというアクションにもトライ。「クランクインの3か月ほど前から練習を始め、走り方や立ち止まり方、振り返り方など、基本的なことから教えていただきました。完成した映画を観ると、そういった基本的な動作が緊迫感を生む要素にもなっているなと感じたので、時間をかけてやらせてもらってよかったなと思っています。今日は馬に乗る練習、今日は弓、といろいろな新しいことに挑戦させていただきました」とアシリパとしての動きを身に染み込ませた。

 原作の完全再現を目指した衣装にも大いに助けられたそう。アシリパの衣装はすべて手作りで、1年かけて制作されたという。着物の刺繍やマタンプシ(鉢巻※シは小文字)やテクンペ(手甲)は、アイヌ工芸家の関根真紀がすべて手縫いで刺繍を施した一点ものだ。

 「説得力のある衣装にとても助けられました」と切り出した山田は、「アシリパがはいているももひきのようなものも、ボタンで留めたりするのではなく、紐でキュッと縛る構造になっていたりと細かいところまですごくよくできていて。“これは毎日彼女がやっていることなんだな”と思いながら衣装や小道具を身につけていくと、アシリパになれるような感覚がありました」と感謝しきり。「仕上がった衣装が、原作からイメージしていたそのまま。マキリ(小刀)など腰にいろいろなものを付けているのも、なんだかたくさんマルチツールが付いたかのような気分になってきて。すごく楽しかったです」と笑顔を見せる。

感覚がマヒする現場

 アシリパを演じる上で大切にしたのは、「原作に、アシリパの『わたしは新しい時代のアイヌの女なんだ』という言葉があって。自分が生きていくことと自然との関わりに対して、すごくしっかりとした考えを持っている。無邪気さと、そういった芯の強さとの絶妙なバランスがすごく魅力的だなと。アシリパのそういったところは丁寧に表現したいと思っていました」と山田。

 芯の強さが宿るアシリパを表現しつつ、埋蔵金を巡る旅を共にする杉元や白石(矢本悠馬)とのコミカルなやり取りまでを演じ切った。調理した鍋に杉元が持っている味噌を入れようとすると、アシリパが「杉元それ…オソマ(うんこ)じゃないか!」「私にうんこ食わせる気か!」と猛抗議する、原作ファンにはお馴染みの場面もスクリーンで楽しむことができる。

 山田は「キャストやスタッフさんの中でも、“うんこ”というのをためらわなくなるような現場でした。みんなだんだん感覚が麻痺してきちゃって!」と楽しそうににっこり。自身にとってはオソマにしか見えない味噌への拒絶反応をはじめとするアシリパの表情は、思わずクスリとしてしまうほど豊かなものになっており、「台本には”変顔をする”とは書かれていないんですが“漫画では、この時のアシリパはこういう表情をしていたよな”ということは毎回見逃さないように気をつけていました。白目の表情を試してみようとすると、鏡で自分の顔を見ることはできないので、スマホで自撮りして確認したりして(笑)。“この筋肉の動かし方をするのがいいのかな”と試行錯誤していました」と振り返りつつ、「杉元と白石、アシリパで桜鍋を食べる時の顔は、すごくいい顔をしていると思います。杉元と白石がアシリパを見守っている感じも、とても好きです」と3人の関係性について愛おしそうに語る。

 山田は2018年公開の『ミスミソウ』で映画初主演を務め、2023年には『山女』で第15回TAMA映画賞最優秀新進女優賞を受賞するなど、実力派の若手として成長を遂げてきた。「本作のような規模の大きな作品は、それだけ多くの人の目に触れることになります。これまで積み重ねてきたものをきっかけに、こういった作品に呼んでいただけたこともすごくうれしくて。役者としては、“あなたにやってほしい”と思っていただける役があることが一番ありがたいことで、力にもなる。そう思ってもらえる役者でいられるよう、これからも頑張ります」と清々しい表情で話していた。(取材・撮影・文:成田おり枝)

https://www.cinematoday.jp/news/N0140898


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女将修業、担い手育てる<湯をつなぐ 青森の温泉再生(下)奮起>

2024-01-15 | アイヌ民族関連

河北新報2024年1月15日 5:00  [有料]

 旅館の窓から津軽海峡の先に北海道が遠望できる。眼下に小型船が並ぶ漁港が広がる。辺りは静けさと、硫黄の匂いが漂う。

 青森県風間浦村の下風呂(しもぶろ)温泉。室町時代から歴史があり、多くの湯治客を集めた名湯だ。温泉名はアイヌ語の「シュマフラ」(臭い岩)に由来する。

●宿泊施設 激減

 作家の井上靖(190…

このページは有料記事です。

https://kahoku.news/articles/20240114khn000031.html


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ナミビア、ガザ対応で旧植民地支配国ドイツを非難

2024-01-15 | 先住民族関連

アラブニュース14 Jan 2024 10:01:30 GMT9

  • ナミビアは、ドイツの植民地支配による歴史的遺恨を理由に、大量虐殺的意図と言われるイスラエルへのドイツの支持を非難

ウィンドホーク:ナミビアは、かつての植民地支配国であるドイツが今週、国際司法裁判所(ICJ)で南アフリカによるイスラエルに対する「ジェノサイド(大量虐殺)」の非難を拒否する決定を下したことを非難した。

南アフリカは、イスラエルがホロコーストを契機に1948年に署名された国連ジェノサイド条約に違反していると主張し、ICJに緊急提訴を開始した。そして、10月7日のハマスの攻撃後に開始されたガザでの軍事行動を「直ちに」停止するよう求めている。

ナミビアは、ドイツの植民地支配下で20世紀最初の大量虐殺が行われたアフリカ南部の国であり、「人種差別主義者のイスラエル国家による大量虐殺の意図をドイツが支持することを拒否する」と、大統領府は土曜日遅くに声明で述べた。

ナミビアのハゲ・ゲインゴブ大統領は、「ドイツがその恐ろしい歴史から教訓を引き出せていない」ことを嘆き、ドイツ政府が金曜日に「南アフリカが提出した道徳的に真っ当な告発を拒否する」という決定を下したことに「深い懸念」を表明した。

ゲインゴブ大統領は、ベルリンが「ガザでの23,000人以上のパレスチナ人の死」を「無視」し、ICJの前で「イスラエル政府の大量虐殺的で陰惨な行為」を擁護していると非難した。

ドイツ政府は金曜日、イスラエルに対する南アフリカの非難を “決定的かつ明確に “拒否し、国連ジェノサイド条約の “政治的道具化 “であり、”事実無根 “であるとした。

ドイツは1904年から1908年にかけてナミビアで7万人以上の先住民族ヘレロ族とナマ族を虐殺した責任があり、歴史家はこれを20世紀最初のジェノサイドと広くみなしている。

ナミビア大統領府は土曜日に、「ドイツ政府は、自らが犯した大虐殺を完全に償うには至っていない」と述べた。

5年以上にわたる交渉の末、2021年5月、ドイツは1884年から1915年にかけて植民地化した地域で「大虐殺」を行ったことを認め、2つの部族の子孫のために30年間で11億ユーロ(約12億円)以上の開発援助を行った。

AFP

https://www.arabnews.jp/article/middle-east/article_109453/


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物議を醸した司会に歴史的受賞も 第81回ゴールデングローブ賞の問題点とゴシップを解説

2024-01-15 | 先住民族関連

リアルサウンド2024.01.14 12:00

文=アナイス(ANAIS)、写真=リリー・グラッドストーン(写真:REX/アフロ)

 1月7日(現地時間)に行われた第81回ゴールデングローブ賞の話題がまだネット上を賑わせている。『オッペンハイマー』が最多5部門を受賞し、続く2部門受賞作が『落下の解剖学』、『バービー』、『The Holdovers(原題)』、そして1月26日に日本公開が迫る『哀れなるものたち』である。同時にテレビ部門でも『メディア王〜華麗なる一族〜』や『一流シェフのファミリーレストラン』、『BEEF/ビーフ』など人気作の受賞が相次いだ。

 ハリウッド外国人映画記者協会(以下、HFPA)の投票結果を受け、作品を讃えるGG賞はアカデミー賞の前哨戦とも言われている。しかし、近年はそのHFPA会員に“一人も”黒人がいないことが発覚したり、会員の非道を協会が黙認するような状態だったり(ハーヴェイ・ワインスタインの性暴力黙認や、HFPA元会長がブレンダン・フレイザーをセクハラした疑惑と告発した彼への冷遇など)問題をあまりにも抱えすぎていた。

 もちろん改善を求められたアワードは、“多様性を重視”するために様々な国籍の会員を追加、運営権利をHFPAからテレビ制作会社エルドリッジ・インダストリーズと投資会社ディック・クラーク・プロダクションズに譲渡するなど改革を行った。その改革の結果が望まれた今回のゴールデングローブ賞は果たしてどうだったのか。感動シーンと頭を抱えてしまった場面、そして世間を騒がせている授賞式内のゴシップの一部をそれぞれ解説していこう。

司会者ジョー・コイ、“史上最悪”レベルで批判の的に

 さて、まずは明らかに問題があった今年のオープニングモノローグと、それを担当した司会者ジョー・コイについて触れたい。ゴールデングローブ賞の司会はアワードが始まった1943年から1981年まで不在だったものの、1982年から1994年までは著名の俳優がタッグを組んで務めてきた。しかし、再び2008年までホスト不在の放送が重なり、2009年のリッキー・ジャーヴェイスを皮切りに再び司会がいるアワードに戻った。そしてジャーヴェイスはこれまでに5回も司会を務めており、視聴者や会場に集まった参加者のお気に入りでもある。

 司会者にはジャーヴェイスの他にもやはりセス・マイヤーズやジェロッド・カーマイケルなどコメディアンの起用が多く、今年のジョー・コイも例に漏れずスタンドアップコメディアンとして知られている。しかし、オープニングスピーチにおける彼のジョークはあまりにも杜撰で、会場から笑いはほとんど起きなかった。海外メディアやX(旧Twitter)では彼のジョークが「Cringe(イタい)」と表現されるほど。彼の何がそこまでまずかったのか。

 コイは主に会場にいる人の名前を挙げて、その人を面白おかしく話していた。それ自体は「Roast(ロースト)」と呼ばれる人をからかうジョークで、特に海外ではよく親しまれているジャンルの笑いだ。日本で言うところの「いじり芸」だろう。しかし「Roast」は絶妙な匙加減が求められる。相手が本気で怒らずに「悔しいけど確かに言えている」と笑えるくらいのネタと物言いをしなければいけないのだが、コイの冗談は内容だけでなく伝え方も相まってうまくいっていなかった。

 特に批判の対象となった発言は『バービー』とテイラー・スウィフトに対するもの。コイは『オッペンハイマー』を「721ページに及ぶピュリッツァー賞を受賞した原作から作られた、マンハッタンプロジェクトを描く作品」と紹介すると、「一方『バービー』はboobies(おっぱい)の大きなプラスチック人形のお話!」と笑ったのだ。もちろん、会場からの笑いは少ない。ちなみに「boobies」という単語チョイスもまた、小学生の作ったジョークのような幼稚な雰囲気を際立たせている。その後、彼は続けて「気持ち悪いって思ってほしくないけど(『バービー』を観ていて)プラスチック人形に惹かれた。あ、ケンの方ね。マーゴ(マーゴット・ロビー)、いつも君が話題の中心じゃないんだよ!」とまで言うと全くウケなかったことを誤魔化すかのように、「ほら見て! ロバート・デ・ニーロが会場に来ている!」とデ・ニーロ頼り。そしてスウィフトに関しては「ゴールデングローブ賞とNFLの大きな違いは、ゴールデングローブ賞はテイラー・スウィフトがカメラに映る回数が少ないことだ。誓うよ」と発言。これは最近、彼女がNFL選手のトラヴィス・ケルシーと交際中であり、試合に行くたびにカメラが応援席の彼女をしょっちゅう映すことを笑っているのだが、これに対してスウィフトは不快感を隠さず、ジョークにも笑わず、真顔で飲み物を飲んだ。

 ジョークがウケないのは、ある意味仕方のないことだ。しかし、コイのあまり感心しないところは、『バービー』のギャグが笑いを取れなかった際に「おい! この仕事は10日前に引き受けたんだぞ! それで完璧なモノローグが書けるかって。黙っとけよ」と言い訳したり、「このジョークを書いたのは俺ではない」とライターに責任を丸投げしたりする瞬間があった点だ。こういったモノローグ、スピーチにはライターがつく場合があるが、コイだって事前に原稿を確認している立場だからそれ以前に思うことがあれば何か言えたはずなのだ。即席で、その場を自分なりに面白くする努力もできたはず。つまり彼の態度はある意味、コメディアンとしての仕事を放棄しているとも言える。

 一方で、司会者が彼に決まったのが放送直前であったことも確かだ。なかなか司会が決まらなかった背景として囁かれている噂は、問題がありすぎて炎上しやすいゴールデングローブ賞のホストを誰も務めたくなかった、ということらしい。そのため、コイがそれを引き受けたことは勇気のある行動であったし、彼自身もゴールデングローブ賞で司会を務めることを喜んでいた。だからこそ一層、誰も幸せになれなかった今回のオープニングの悲惨さが増してしまうのであった。彼のオープニングの直後にジャレッド・レトが披露した自身のメソッド演技の自虐ネタの方がよほど面白かったことも、名状し難いものがある。

リリー・グラッドストーンの歴史的な受賞モーメント

 批判されている部分もあるが、受賞結果はまずまずの印象だ。テレビ部門のリミテッドシリーズ部門において『BEEF/ビーフ』からアリ・ウォンとスティーヴン・ユァンの両者が初受賞したり、映画部門の助演女優賞を『The Holdovers(原題)』のダヴァイン・ジョイ・ランドルフが初受賞するなど、受賞者のルーツにばらつきが感じられる。何よりも、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のリリー・グラッドストーンの受賞は、先住民女性として初の主演女優賞受賞という歴史的な快挙となった。

 グラッドストーンが受賞の際にステージに上がると、会場はその日一番の喝采とスタンディングオベーションで盛り上がる。グラッドストーンはまず、自身が血をひくブラックフィート族の言葉で「私の友よ、こんにちは。私の名は“イーグル・ウーマン”。ブラックフィート・ネーションからやってきました」と挨拶した後、「この会場にいるみんなが大好き」と茶目っ気のある笑顔を見せた。

「今、私は少しブラックフィートの言葉を話しました。美しいコミュニティであり、私を育ててくれた場所です。私がやりたいことをやれるように、応援し続けてくれました。母も会場に来ています。彼女はブラックフィートではありませんが、私が言葉を学べるために努力をしてくれたおかげで、子供の頃ブラックフィートの言葉を教えてくれる先生がいました」

 そう語るグラッドストーンの受賞を誰よりも喜ぶオセージ族の人々の様子が、オサージ・ネーションによるYouTubeにて窺える。何を隠そう、オセージ族はまさに『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の物語に登場した先住民族だ。グラッドストーンは自身のコミュニティの代表としての誇りと名誉をスピーチの中で述べ、「歴史的な受賞だ」と歓喜した。故郷の言葉を話せたことは、過去の映画業界が先住民の言葉を表現する際に彼らが話した英語をサウンドミキサーで“逆再生”していた時期があったことを考えると、いかに重要なことであるか説明するグラッドストーン。そして結びに「この受賞は居留地にいる子供たち、都会で暮らす先住民の子供たち、そして全てのネイティブの子供たちに捧げます。夢を持つ彼らは、自身のレプレゼンテーションを通して物語が私たちの言葉で語られたこと、それを実現させるために素晴らしい仲間がいたことを目撃したはず」と語った。間違いなく、本アワードにおいて最も力強い受賞スピーチだったと言える。

ドラマはアワードの外で起きている

 ゴールデングローブ賞は歌曲賞のパフォーマンスがあるアカデミー賞と違い、今年のウィル・フェレルとクリステン・ウィグのようにプレゼンターが趣味趣向を凝らさない限り、淡々と受賞結果が発表されていくスタイルだ。しかし、カメラのアウトフォーカスになっている部分で面白いことが起きていたりする。例えば、マーク・ハミルがプレゼンターとして話している後ろで、ジャレッド・レトとホアキン・フェニックス、そしてニコラス・ケイジが同じテーブルに座っているとか。

 何を話しているのか気になってしまうのは、カメラマンが引き抜いたスウィフトと親友のセレーナ・ゴメスの“噂話”も同じ。当初、SNS上ではゴメスがティモシー・シャラメと写真を撮ろうとしたのを、現在の彼のガールフレンドであるカイリー・ジェンナーに阻止され、2人の噂話をスウィフトにしていると言われていた。しかし、その後それは全くの嘘で、シャラメはゴメスが彼と写真を撮ろうと言った事実がないこと、2人の関係が良好であることを説明。ゴメスもスウィフトに話した内容が「お互いの知り合いが付き合っている」という趣旨のものだとPeople誌に説明していた。ちなみに、シャラメとジェンナーがカップルとして公共の場に登場したのは、今回が初めて。カメラマンは彼らが熱い視線を交わしながら何度もキスをする瞬間を見逃さずに撮っている。

 これらゴシップやコイのジョークなど、今回のゴールデングローブ賞における話題の中心人物は間違いなくスウィフトだったが、最後にレッドカーペット上で起きたブリー・ラーソンとジェニファー・ロペスの素敵な出会いにも触れておきたい。ラーソンはインタビュー中にロペスが近くにやってきたことに気づくと慌てふためく。どうやらロペスの大ファンのようで、「私、J.loは本当にヤバいの」と焦っていた。そして遂にロペスが彼女の隣を通ると、ラーソンは「ハロー」と挨拶する前に、「あなたは私にとって大切な人なんです」と伝えた。そんな彼女にハグをするロペスに「『セレナ』を観て役者になろうと思いました」と泣きながら話すラーソンと、感動してもらい泣きするロペス。本当のドラマがそこにあった。

 ゴールデングローブ賞をはじめ、アワード番組は視聴率の低下が物語るように多くの人に飽きられてきている。しかし、このような普段は決して見ることができない、役ではなく限りなく素でいる俳優の姿や彼らの交友関係、そして毎度心に残るスピーチの言葉など、やはり見どころはあるのだ。そしてその見どころやドラマチックな瞬間とは、受賞結果というよりもそこにいる“人”によってもたらされるものであることを、改めて実感させられる第81回ゴールデングローブ賞であった。

https://realsound.jp/movie/2024/01/post-1544705.html


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『モアナと伝説の海』実写版、モアナ役が続投しない理由 ─ 「次世代にバトンを渡すことが重要」

2024-01-15 | 先住民族関連

ザ・リバー2024.1.14 11:30 

現在、米ディズニーからは2016年の長編アニメーション映画『モアナと伝説の海』の実写映画化企画が進行中。アニメ版でマウイ役の声優を務めたドウェイン・ジョンソンが続投する一方、モアナ役のアウリイ・クラヴァーリョは復帰しないことがわかっている。

現在23歳のクラヴァーリョは、『モアナと伝説の海』出演後も俳優として精力的に活動している売れっ子のひとり。このたび米The Wrapに取材に応じ、モアナ役を続投しないことに決めた明確な理由を明かしている。

「『モアナ』ユニバースは今も拡大中で、アニメシリーズや実写版が動いています。私にとって、太平洋諸島の次世代の女性にバトンを渡すことがとても重要だと思うんです。心からの願いです。私自身、アジア・太平洋諸島系アメリカ人を意味するAAPIに受け入れられ、その領域で存在してきた1人です。数少ない太平洋諸島の住民なんです。」

ハワイの先住民の血を引くクラヴァーリョは、モアナを通して太平洋諸島の文化を代表する存在となった。「もう一度言いますが、私は数少ない太平洋諸島の住民の1人です。私たちの物語はとても重要で、語り継がれる必要があります」と語り、文化継承への思いを伝えた。

モアナ役は次世代に譲る意向のクラヴァーリョだが、実写版には製作総指揮として就任している。出演、製作を務めるドウェイン・ジョンソンと共に物語を繋いでいく。

また、クラヴァーリョは『モアナと伝説の海』以外の作品でのリプレゼンテーションにも前向き。マオリ族の血を引くタイカ・ワイティティ監督の言葉を引用しながら、「先住民族の方がショーランナーを務めて自分たちの物語を伝える姿を見てみたいです」と語っている。「もしそれが、23歳の私から始めなければいけないことなら、そうします。その扉を私が大きく開けて、次のモアナにも会えるのを楽しみにしています」。

https://theriver.jp/moana-aulii-pass-button/


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4000年前の巨大なオアシス要塞がサウジアラビアで発見される。

2024-01-15 | 先住民族関連

カラパイア2024年1月14日(日)22時10分 

 サウジアラビアにあるアラビア砂漠の北部で、オアシスを壁で取り囲んだ青銅器時代の巨大な要塞が発見された。

 このオアシスの壁の長さはかつて14.5kmもあったとされ、サウジアラビアでこれまでに発掘されている、巨大オアシスのうちのひとつになる。

 この広大な城壁遺跡は、紀元前2250年から紀元前1950年の間に建造されたものだという。当時のこの地域ではよく見られるオアシスで、人々がここに定住していたという。

・砂漠の地形によりこれまで発見されなかった巨大要塞

 この要塞は、サウジアラビアのメディナ県にあるハイバルオアシスで発見された。

 こういった要塞の存在は古くから知られていたが、大きなワジ(砂漠の中の窪地、オアシス)の中心にある有名なイスラム時代の要塞を除けば、カイバルでこのような壁は確認されていない。

 壁に囲まれたこのオアシスがこれまで発見されなかったのは、過去4000年以上にわたる砂漠の景観の極端な改変のせいだと専門家は考えている。

 それがついに発見されたことは重大な科学的課題だとして、研究チームは要塞のもともとの寸法を推定することができた。

 その結果、壁の長さは14.5km、厚さ1.7~2.4m、高さ5mだったらしいことはわかったが、現存しているのはその長さの半分弱だ。

 全盛期には、この巨大な壁は1100ヘクタールもの範囲を取り囲んでいたという。

 規模という点でハイバルに匹敵するのは、長さ19kmの壁をもつアラビア北西部、タイマの町の要塞だけだ。ハイバルもタイマも、この地域最大の壁に囲まれたオアシスなのだ。

 ハイバルが、アラビア半島北西部の要塞集落ネットワークに属する、巨大な壁をもつオアシスだと特定することで、この地域の人の居住に光を当て、イスラム以前の時代の社会の複雑さの理解がさらに深まることになった。

紀元前3000年後半にさかのぼるハイバルオアシスは、おそらく先住民が定住し、オアシスの境界線をこれ見よがしに区切るために壁を作ったものだろう。

この壁は解体されるか、より新しいものに置き換えられるまで、数世紀にわたって使われ続けたものと思われる

 と研究チームは書いている。

 特異で頑丈な古代の建造物が発見されただけでなく、ハイバルの城壁オアシスが、アラビア半島北部の建築・社会遺産において、極めて重要なランドマークであることが認識されたことになる。

 4000年の歴史をもつハイバルの城壁オアシスは、まぎれもなく要塞集落の長(ルビ・おさ)といえる。しかし、東シベリアには、驚くなかれ8000年前という世界最古の要塞がある。

 本研究は『Archaeological Science: Reports』に掲載されている。

References:Huge 4,000-year-old fortification discovered in Saudi Arabia/ Massive 4,000-Year-Old "Walled Oasis" Discovered In Saudi Arabia/ written by konohazuku / edited by / parumo

https://news.biglobe.ne.jp/trend/0114/kpa_240114_3492140094.html


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アメリカ ナショナルパークへの旅【ビッグベンド国立公園】どこまでも広がる乾燥した砂漠。 多様な生命があふれる大地の最果てにある奇跡の世界

2024-01-15 | 先住民族関連

サファリ1/15(月) 8:00配信

大きなテキサスのその端に広大な砂漠の国立公園がある。メキシコとの国境、リオグランデ川、古代生物も闊歩した生命の源、恐ろしいほどに広がる満天の星。見どころの多い、知られざる大地だ。

逆三角形の窓が開くバランスドロック。ありえない巨岩の造形は、まさに自然の驚異だ。パンサー・ジャンクション近くのグレープヴァインヒルズ・トレイルを進むと現れる

テキサスは広い。行っても、行ってもテキサス……。今も昔も旅人は同じ思いを抱く。そのテキサスの最果てに、広大なビッグベンド国立公園がある。

ビッグベンドとは、「大きく曲がっている」という意味。曲がっているのは、西部劇でお馴染みの深い渓谷を流れるリオグランデ川だ。濁った流れはメキシコとの国境を成している。

このあたりはアメリカに4つある砂漠地帯のひとつ、チワワ砂漠にあたる。この北アメリカ最大の砂漠は、夏は乾燥して気温が43度まで上がる灼熱の大地だ。

それでも驚くことに、パーク内には120種もの植物が生きている。これは世界でも最大級の多様さで、このエリアにしか存在しない希少種も確認されている。色とりどりの花が咲き誇る早春は、まさに奇跡の絶景となる。また、国立公園で最多の450種の鳥類が生息するうえ、マウンテンライオン、シカ、クマなどの大型動物も生きている。

このすさまじい生命力の源となっているのが、2385mのエモリー山を中心とするチソス山脈。パンサー・ジャンクション・ビジターセンターから丘を上っていくと、次第に草原が現れ、低木の松とジュニパーの森となる。平地との気温差は8度以上。この植生の変化が多様な生き物を育んでいる。

世界中を埋めつくした街の光は、人類から星空を奪い去った。人工的な光から離れたビッグベンド国立公園には、星が降るような美しい空が残されている

アクティビティは、バランスロックなどの奇岩、先住民族のピクトグラムや遺跡が見られるハイキング、カヌーやラフティングなどのリバートリップが人気。さらに、忘れてはいけないのが星空。パーク周辺は人工の灯りを抑えて、夜空を暗く維持する活動を行っている。それだけに恐ろしいほどの星が眼前に現れる。

ネイティブ・アメリカン、鉱夫、テキサスレンジャー、メキシコの革命家。いろいろな人々が通り過ぎた大地で、満天の星を見上げるのもいい。

Point 1 野鳥の数が米国の国立公園で最多!

オオミチバシリ Point 1 野鳥の数が米国の国立公園で最多!

灼熱の砂漠に鳥たちのサンクチュアリがあるとは信じられないが、450種類もの鳥類が生息する。その命を支えるのは、標高2000mの高原を形成するチソス山脈、そしてリオグランデ川が作る渓谷だ。ドライブ中に別名“ロードランナー”のオオミチバシリが、道路沿いを走る姿を目撃することも。

セグロムクドリモドキ Point 1 野鳥の数が米国の国立公園で最多!

バードウォッチングに最適なのはパーク東部のリオグランデ・ヴィレッジから延びるナチュラルトレイル。1㎞強の短いトレイルだが、たくさんの野鳥が見られる。

Point 2 川沿いの露天風呂ボキラス温泉

Point 2 川沿いの露天風呂ボキラス温泉

リオグランデ・ヴィレッジに近いホットスプリングス・ヒストリック・トレイルを行くと、リオグランデ川の岸辺に作られたボキラス温泉が現れる。これはミシシッピ州出身の実業家がマラリアの湯治に効くとして開発したリゾート跡地。ゴーストタウン化したモーテルなどが放置されているが、お湯は41℃を保ち、今でも入浴できる。川の流れを見ながら旅の疲れを癒すのもいい。トレイルの途中には、岩に描かれたピクトグラムを見ることもできる。

Point 3 国境を旅するリオグランデの川下り

Point 3 国境を旅するリオグランデの川下り

数多くの西部劇の舞台となったリオグランデは雄大なイメージがあるが、実際の川幅はとても狭く、濁った流れの先の対岸メキシコは驚くほど近い。それでも、パークの東部に位置するボキラス・キャニオンからのリバートリップは、切り立った赤土の崖に囲まれた異次元の世界。静寂の中に水の音と鳥の声が混じり合う。一方、パークの西側にはサンタエレナ・キャニオンがあり、大きな岩の間をカヤックで下るロック・スライドが楽しめる。

Point 4 巨大翼竜も生息した化石の宝庫!

Point 4 巨大翼竜も生息した化石の宝庫!

現在は広大な砂漠だが、地質学的には複雑な構造をしている。数億年前は海の底だったと考えられ、7500万年前のロッキー山脈の隆起によって多くが形成された。多種多様な生物の化石が発掘されていることでも知られるが、なかでも貴重なのは翼の長さが12mもある翼竜の化石。こんな巨大な古代生物が空を飛んでいたかと思うと驚きだ。そのほかに多くの化石が北部のパーシモン・ギャップ・ビジターセンター近くに展示されている。

Point 5 ドライブも楽しいチワワ砂漠

Point 5 ドライブも楽しいチワワ砂漠

ビッグベンド国立公園はとにかく広大で、スケール感が違う。その広さはヨセミテの約2倍。その中を176㎞の舗装路と240㎞の未舗装路が走っている。オールド・マーヴェリック・ロード、ロス・マックスウェル・シーニックドライブなど、クルマを走らせるだけで美しい砂漠の景色を堪能できる。忘れてはいけないのが、パーク外の見どころ。最寄りの街、エルパソでは美味しいメキシコ料理がおすすめ。フォートデービスの観測所で、極上の星空を楽しむのもいい。

Big Bend National Park

本部:1 Panther Junction, Big Bend NP, TX 79834

電話:+1-432-477-2251

開園:年中無休

入場料:自動車$ 30、オートバイ$ 25、自転車・徒歩$ 15 ※7日間有効

国立公園指定:1944年6月12日

面積:約324.7㎢

行き方

旅の準備

アメリカの国立公園の中でも、最もアクセスが不便。ニューメキシコ州からエルパソ経由で行ったり、サンアントニオから回ったりするルートがあるので計画を。

旅のヒント

パーク内にキャンプ場はあるが、ホテルはない。近隣のホテルやモーテルの予約を。近隣の街はメキシカンフードの本場。グルメ情報も入手しておこう。

注意点

夏は40度を超える暑さとなる。ハイキングのときは熱中症対策を十分に。また、ヘビやサソリがいる。靴を履くときは、中にサソリが入っていないか要確認。

ベストシーズン

滞在しやすいのは、気温が下がる10 ~ 3月。もし、雨量が十分にあれば3月と9月に砂漠一面に咲く花が見頃となる。バードウォッチングは3~5月がベスト。

行き方

公共の交通機関がないのでレンタカーでのアクセスとなる。空港がある最寄りの街は、テキサス州エルパソ。ここからでも320㎞、約4時間のドライブに。

文=牧野森太郎

https://news.yahoo.co.jp/articles/d704450f0325da1fe16d105492470442ef4229a1


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