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アラスカの油田開発、環境保護を優先

2010-07-30 | 先住民族関連
(National Geographic July 29, 2010)
 
 エネルギー開発か、それとも環境保護か。アメリカのアラスカ国家石油開発保留地(NPR-A)を巡って長らく続いてきたこの議論に、今年7月一定の決着がついた。アメリカ内務省の土地管理局(BLM)は2010年8月11日をもって、NPR-Aの北東部およそ73万ヘクタールの区域における石油・天然ガス開発を解禁する。ただし、アメリカ最北端のテシェクプク湖の南側に設けられた緩衝地帯のうち、絶滅の危機にある野生生物が多く生息する約7万ヘクタールは開発対象区域から除外されることになった。
 この知らせを聞いた野生生物保護協会(WCS)のスティーブ・ザック氏は、「われわれの願いが叶った」と喜びを隠せない。テシェクプク湖の南側はここ数十年に渡ってエネルギー開発の対象区域と目されてきたからだ。
 930万ヘクタールにおよぶNPR-Aは1923年、当時の大統領ウォレン・ハーディングによりアメリカ海軍の緊急用石油備蓄基地として設けられた。その一方で、テシェクプク湖やその周辺に生息する多様な生物種の保護を求める声も長年に渡り絶えることがなかった。そして1976年、アメリカ連邦議会はエネルギー開発と環境保護を両立すべく、その政策立案をBLMに委ねることを決定する。BLMはこれを受けてテシェクプク湖を「特別保護区域」に指定、エネルギー開発が解禁された1999年以降も対象区域から除外されていた。
 だがジョージ・W・ブッシュ政権下の2006年、BLMは湖とその周辺を含む区域での石油・天然ガス開発を解禁する。湖底と湖に浮かぶ島はその対象から除外されたものの、ザック氏をはじめ環境保護活動家や渡り鳥研究者の危機感が駆り立てられることになった。
 アラスカ州の町バローの東に位置するNPR-Aの北東区域は、世界中から飛来する渡り鳥の重要な繁殖営巣地である。テシェクプク湖周辺には、永久凍土が融解してできた湖やツンドラ湿地など渡り鳥にとって格好の生息環境が多く存在する。ザック氏は、「世界的にも重要な生育地だ」と話す。
 また、この地域には、毎年何万羽というクロネズミガンやカナダガン、マガンが換羽(羽の生え変り)のために飛来する。この一帯はエサが豊富で、飛べない換羽期の鳥が深い開放湖(河川の流出入がある湖)で外敵から身を守ることもできる。1985年にBLMがまとめた生息環境調査報告書によれば、北極海沿岸平野では唯一の環境だという。
 さらにテシェクプク湖周辺は7万頭にも上るカリブー(トナカイ)の繁殖地であり、現地の先住民イヌピアトが代々受け継いできた猟場でもある。もちろんカリブー狩りは娯楽ではなく、重要な食料源として利用している。特にこの一帯で捕獲されるカリブーは年間捕獲量の95%を占めている。
 ザック氏はこう話す。「BLMはNPR-Aの資源を調整、管理する権限を与えられている。だが、石油だけが“資源”ではないはずだ」。
 2006年に決定されたエネルギー開発の解禁は、環境への影響分析が不十分だとする環境保護グループの提訴により一時中止された。その後、裁判所が命じた追加調査の結果を受け、BLMはブッシュ政権最後の年に環境保護を強化する方針を打ち出し、テシェクプク湖の北側から東側に広がる約17万ヘクタールのエネルギー開発を向こう10年間凍結すると表明した。そして結論が先送りされていたテシェクプク湖の南側についても、2010年7月9日になってようやく開発対象区域から除外する決定が下された。ただし、この決定は今回のNPR-Aの開発に限定されている。今後の動向にも注目が集まりそうだ。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100729001&expand&source=gnews

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【厚真】縄文期の3戸の竪穴住居 ヲチャラセナイ遺跡

2010-07-30 | アイヌ民族関連
(苫小牧民報 2010年 7/29)
 厚真町幌内のヲチャラセナイ遺跡で、貴重な発見が相次いでいる。5000年以上前の縄文時代の地層から、大型の竪穴式住居跡3戸分のほか、付近の捨て場からエゾシカの歯約300個も出土している。調査している町教委は「とても珍しい事例」としている。
 ヲチャラセナイ遺跡は、厚幌ダム建設に向け、町教委が2008年から調査している。厚真川上流沿いの小高い丘1万3300平方メートルを発掘。08年にアイヌ文化期のチャシ跡を全面発掘し、研究者から注目を集めた。10年度調査(6~11月)は、チャシ跡から北西50メートルの約4200平方メートルが対象。縄文時代の貴重な発見が相次いだため、饂日に報道向けに公開した。
 大型の竪穴式住居跡は、3戸が隣接していた。同じ時代の住居跡群は、道南でも見つかっているが、町教委の乾哲也学芸員は「内陸部では珍しい」という。住居跡は長方形の四隅がまるまった「隅丸方形状」。2戸の発掘を終え、もう1戸を作業中だ。2戸は長軸が12.5メートルと10.8メートル、短軸はどちらも8.5メートルだった。
 また、住居は同時期に住んでいたのではなく、1戸は廃屋として使われたよう。土器や石器が捨てられたように出土した。富良野盆地で出土するシュブノツナイ式土器、道南で出土する円筒下層式土器も見つかり、「交易ルートだった可能性が高い」と分析する。
 さらに住居のすぐ近くから、エゾシカの歯のほか、焼けた骨片も見つかり、量の多さから、「アイヌ文化のような『送り』の儀式の事例かもしれない」と町教委。縄文時代では珍しくとても貴重な発見、としている。
http://www.tomamin.co.jp/2010s/s10072901.html

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【新ひだか】シカ肉を薫製に ユッカムジャーキー

2010-07-30 | アイヌ民族関連
(苫小牧民報 2010年 7/29)
 新ひだか町の農事組合法人ウタリ共同養鹿加工組合(大川勝代表)は、シカ肉の薫製「ユッカムジャーキー」(1袋500円)を、町内でも販売を始めた。二十間道路桜並木で枯れて倒れた枝をチップ材にし、3割ほど薫製材に混ぜて使用している。
 同組合は、捕獲したシカの飼養に取り組み、一昨年春からは缶詰や味付けジンギスカン、ステーキ用肉などを加工販売している。
 ユッカムはアイヌ語で、シカのこと。乾燥させたシカ肉のジャーキーは、大川勝也工場長(38)が、加工施設稼働当初から試作してきた。6月から札幌市の美郷舎(みさとふぁーむ)を販売元に、札幌や東京のデパートで「チェルボジャーキー」(チェルボはイタリア語のシカ)の名で販売している。
 ただ、地元で販売していないため、「地元の人にもシカ肉製品のおいしさを知ってもらいたい」と、組合独自のパッケージを作った。JR静内駅舎内の町観光情報センターぽっぽを皮切りに、ホテルやAコープ店舗などで順次販売の予定。
 しょうゆやコショウ、ワインなどで味付けしていて、酒のつまみにぴったり。大川工場長は「贈答用としても利用してもらい、シカ肉の味わいの良さを知ってもらえたら」と話している。
http://www.tomamin.co.jp/2010s/s10072905.html

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登別洞爺の魅力 中国に売り込め 7首長、年内の訪問検討

2010-07-30 | アイヌ民族関連
(北海道新聞 07/29 15:08)
 【室蘭】西胆振6市町と白老町、各観光協会などでつくる登別洞爺広域観光圏協議会は、7月から観光ビザ発給要件が緩和された中国で観光PRを行うため、年内に7市町長によるトップセールスを行う方向で検討を始めた。首長が海外で個別に誘致活動を行う例はあったが、7首長が訪問団を組んでPR活動するのは初めて。(井上雄一)
 同協議会事務局の登別市が、他の6市町に打診しており、8月に開く臨時総会で参加メンバーを決定する。
 事務局によると、訪問は10月以降を想定。スケジュールの都合で7人全員が一度に参加するのは難しいことも予想され、その場合は2班に分かれることを検討している。訪問都市は、広州市や日照市など、登別市や室蘭市の友好都市のほか、上海などの大都市を予定している。
 各観光協会会長らも参加し、現地の行政関係者や旅行会社を訪問して、温泉やアイヌ文化、世界ジオパーク(地質遺産)に認定された洞爺湖有珠山地域などを紹介する。
 登別市観光経済部は「各市町のトップが一体となって行うPRの効果は非常に大きい」としている。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/243796.html

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厚真・ヲチャラセナイ遺跡 縄文期の住居跡3戸発見

2010-07-30 | アイヌ民族関連
(北海道新聞 07/29 14:48)
 【厚真】厚真町幌内地区のヲチャラセナイ遺跡で、縄文時代前期にあたる約5200年前の竪穴式の大型住居跡が3戸分見つかった。町教委の乾哲也学芸員は「複数の大型住居跡が同時に発掘されることは道内では珍しい」と話している。
 見つかった住居跡は「隅丸(すみまる)方形状」といわれる楕円(だえん)形に近いもの。大きさはいずれも大型住居跡とされる最も長い部分が10メートル以上のもので、一番大きいものは12・5メートルあり、面積は約100平方メートル。深さは50~60センチほどある。
 床部分からは道北の富良野盆地で出土した土器と同様の破片もみつかった。これまでに同地区の上幌内モイ遺跡でも、道北や道東のみで出土した別の土器の破片がみつかっており、乾学芸員は「交易があった可能性が高い」と説明する。
 このほか縄文時代のごみ捨て場跡も見つかり、エゾシカの歯300個や焼けた骨などが多数あった。
 乾学芸員は「こちらも珍しい事例。儀式が行われていたことも推測される」とし、今後、さらに詳しく分析するという。
 同遺跡の発掘調査は、厚幌ダム建設準備に伴う埋蔵文化財調査の一つで2008年に開始。町市街地から北西に15キロほど離れた厚真川上流域の河岸段丘にあり、今年は6月から作業を始め、1万3千平方メートルのうち、約4千平方メートルの範囲で発掘を進めている。(大井一平)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/243788.html

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【白老】ご当地リキュール31日デビュー

2010-07-30 | アイヌ民族関連
(苫小牧民報 2010年 7/28)
 白老町商工会が開発した白老産山野草リキュールが、31日の「わいわい広場ビアガーデン」で初めて販売される。
 アイヌ民族が薬草とした山野草を、2カ月間焼酎に漬け込んで造った。やや甘めの柔らかい口当たり。女性でも飲みやすい。田中酒造(小樽市)との共作で、7月完成したばかりの新しいご当地商品だ。販売するのはツルニンジンが原料の「倶多楽呑めや」、ナギナタコウジュの「森野」、カキドオシの「飛生」の3種類。500ミリリットル瓶1200円程度、各種100本限定だ。
 ビアガーデンは、白老商業振興会(久保田修一理事長)が企画し、しらおい経済センターを会場に31日正午から。生ビール、白老地ビール、チューハイ、ジュースと、焼き鳥、ザンギ、焼きそば、ホッケ焼きなどのつまみ類も販売。抽選会や生バンドの演奏などのイベントも企画している。午後9時まで。
http://www.tomamin.co.jp/2010s/s10072803.html

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歴史・迷宮解:日本語は環日本海諸語 米大陸先住民言語とも系統近く

2010-07-30 | アイヌ民族関連
(毎日新聞 2010年7月28日 東京朝刊)
 袋小路に入ってしまったと言われている日本語の起源・系統論について、言語学者の松本克己さん(金沢大・静岡県立大名誉教授)が「言語類型地理論」という新しい方法で得た結論を本にまとめ、最近、相次いで刊行した。日本語など日本海の周りの4言語が同じグループに属し、アメリカ大陸先住民の言語ともつながっているという。
 松本さんは1929年生まれ。金沢大、筑波大、静岡県立大で教授を務めた。印欧比較言語学や、世界の言語の特徴を調べる言語類型論を専門としてきた。日本語系統論に本格的に取り組んだのは91~93年度に日本言語学会の会長を務めた後で、その成果を『世界言語のなかの日本語-日本語系統論の新たな地平』として07年末に刊行した。
 松本説の特徴は、明治時代から100年以上にわたって提起されてきた日本語系統論の諸説とは全く別の方法を用いた点にある。これまでの説が手本にしたのは、印欧語の系統を明らかにすることに成功した比較言語学の手法だった。同系の言語の同源語(語源が同じ語)を比べて、規則的な対応があることを見いだし、元の形を復元する。
 しかし、この比較手法では、日本語のように世界のどの言語とも共通する語がほとんどない言語の系統を調べることはできない。適用できるのは、分岐後の年数が5000~6000年までの言語に限られる。
 言語年代学によると、一つの祖語から二つの言語が分かれると、共有される語の割合は次第に減少し、6000年で10%を割り、1万年でほぼゼロになる。一方、英語の「woman(女)」と日本語の「をみな」のように、偶然、意味と音が似ている単語は、系統を異にする言語を比べても5%程度はあると言われている。似た単語が数%あるというだけなら、偶然の一致の可能性が大きい。
 表面的な文法構造も時代によって変化する。S(主語)、V(動詞)、O(目的語)の配列は、現在の世界の言語のうち、日本語のようなSOV型がほぼ半分、英語や中国語などのSVO型が35%、ポリネシア語などのVSO型が10%余りを占める。ところが、英語が今の語順に変わったのは、たかだか1000年前以降のことだ。語順では系統は決められない。
 そこで、松本さんは、遺伝子の型のように、年月を経ても変わらずに受け継がれている言語の特徴を探した。
 一つは、日本語のラ行子音に当たる流音のタイプ。日本語では流音は1種類だけだが、英語などヨーロッパの言語ではl(エル)とr(アール)の2種類がある。流音が全くない言語もある。
 また、日本語の「人々」「思い思い」のように、語の全体または一部を繰り返す「重複(畳語)」も指標になる。朝鮮語(言語学の韓国・朝鮮語の呼称)、中国語、アイヌ語にもあるが、印欧語族やユーラシア大陸北方のウラル語族、アルタイ諸語にはない。
 これら言語の系統を反映しているとみられる8項目の特徴について、20年以上前からパソコンで作っている世界の約6000の言語のデータベースで、地理的分布を調べた。
 その結果、ユーラシア大陸の諸言語は、ヨーロッパから中央アジア、シベリア北部にかけてのユーラシア内陸言語圏と、中国からインドシナ半島、オセアニアにかけての太平洋沿岸言語圏の二つに大別された。
 太平洋沿岸言語圏はさらに南方群と北方群に分かれ、日本語は朝鮮語、アイヌ語、ギリヤーク語(ロシア沿海州のアムール川下流域からサハリン島にかけて分布)とともに、北方群(環日本海諸語)に入った。
 太平洋沿岸言語圏の特徴はベーリング海峡を超えてアメリカ大陸まで広がっている。松本さんはこれを「環太平洋言語圏」と名付けた。アフリカを出た現生人類がユーラシア大陸を移動して太平洋沿岸に到達し、一部が約3万年前に日本列島に、一部が1万数千年前にアメリカ大陸に移住したという、近年の人類学や考古学の成果とも一致する初めての言語学説だ。【佐々木泰造】
http://mainichi.jp/enta/art/news/20100728ddm014040186000c.html

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公益法人派遣職員への手当 道、補助金計上見送り

2010-07-30 | アイヌ民族関連
(北海道新聞 07/27 08:12)
 道は26日、公益法人3団体に派遣している職員8人の通勤手当などについて、来年度予算案では手当相当額の補助金を計上せず、団体側に負担させる方針を固めた。神戸市を相手取った住民訴訟で、最高裁が昨年12月にこうした支出を違法と判断したことを受け、これまでの慣行を改めることにした。
 3団体は「アイヌ文化振興・研究推進機構」「新千歳空港周辺環境整備財団」「北海道軽種馬振興公社」。道は2009年度、3団体8人の給与総額約6400万円のうち、通勤、時間外、管理職手当の計約2600万円を補助金で負担した。本年度も約1500万円を計上したが、最高裁判断を受け執行を凍結していた。
 法律上、自治体の委託業務などを行う団体の派遣職員については、自治体が条例を定めれば給与の直接支給が認められている。ただ、その場合、実績に基づいて支給されるべき通勤、時間外、管理職の各手当は団体が負担しなければならない。
 09年度に道が出資、もしくは職員を派遣した関与団体は計121団体で、このうち12団体が27人の派遣を受けていた。この中で通勤手当などを道の補助金で負担していたのが3団体だった。
 道は関与団体に対し、09年度だけで補助金や交付金など、総額約275億円を支出しており、現在、関与団体の統廃合や補助金の縮減などを進めている。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/243395.html

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ブラジル先住民ら人質を解放 アマゾン川ダム交渉実現で

2010-07-30 | 先住民族関連
【共同通信 2010/07/27 11:13】

【リオデジャネイロ共同】ブラジル中部マトグロソ州のアマゾン川支流でのダム建設工事に反対した先住民ら約400人が建設作業員ら約100人を人質に取った事件で、先住民側は26日、人質全員を解放した。建設に伴う被害への補償問題で政府当局との交渉が実現したためとしている。AP通信などが報じた。
 けが人などは出ていない。先住民側は25日、ダム建設工事で「聖なる」場所がダイナマイトで爆破されたなどと主張して人質を取った。
http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010072701000304.html

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アマゾン先住民、ダム建設で補償求め100人を人質に 弓矢で武装

2010-07-27 | 先住民族関連
(MSNニュース 2010.7.26 11:08)
 ブラジル中部マトグロソ州のアマゾン支流付近で25日、支流でのダム建設工事に反対し弓矢などで武装した先住民約400人が建設作業員ら約100人を人質に取り、被害を補償するよう要求した。けが人などは出ていない。地元民放テレビ・グロボなどが報じた。
 建設場所近くの保護区に暮らすという10部族以上の先住民。先住民の権利保護に当たる国立先住民基金によると、建設に伴い「聖なる」場所がダイナマイトで爆破されるなどして被害を受けたと主張している。
 電力の安定供給を目指すルラ政権はアマゾン地域の約10カ所でダム建設を計画。今年4月にはパラ州シングー川で世界第3位の発電量を擁する巨大ダムの建設の事業入札が行われた。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100726/amr1007261109005-n1.htm

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釧路湿原ラムサール条約登録30周年記念事業 第2弾(標茶町)開催

2010-07-27 | アイヌ民族関連
(EICネット 2010.07.21)
 環境省釧路自然環境事務所は、釧路湿原流域自然体験イベント「みんなをつなぐ湿原 発見隊」第2弾(標茶町)を開催すると発表。
 このイベントは、釧路湿原ラムサール条約登録30周年記念事業の一環として開催するもの。第1弾は平成22年7月4日に弟子屈町屈斜路湖周辺において既に開催済み。
 第2弾は、平成22年8月8日に標茶町塘路湖・シラルトロ湖周辺において「人の暮らしと湿原」をテーマに湿原・湖と暮らした先人たちの住居跡等の足跡探しやアイヌ民族伝統の楽器づくりを行う。
 同事務所では、釧路湿原流域5市町村(釧路市・釧路町・標茶町・弟子屈町・鶴居村)在住の「子ども1名(小学3年生~高校3年生)・保護者1名」を対象に先着順で20組の参加者を募集。参加希望者は8月1日までに申し込むことが必要。

○問い合せ先
標茶町郷土館
TEL:015-487-2332
FAX:015-487-2364
E-mail:kyodokan@sip.or.jp

【環境省】
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&word=&category=&serial=23516

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のんびり丸木舟で川下り

2010-07-27 | アイヌ民族関連
(苫小牧民報社 2010年 7/26)
 苫小牧市東部を流れる勇払川で25日、アイヌの人たちが伝統の丸木舟川下りを行った。かつて石狩南部方面との交通に使われた丸木舟。体験を通じて先人の生活に思いをはせ、川の安全に祈った。
 今年が14回目。北海道アイヌ協会苫小牧支部(澤田一憲支部長)が主催し、白老、むかわ、千歳支部の協力も得て、40人ほどが参加した。
 集った人々は民族衣装に身を包み、川岸で安全祈願した後、丸木舟で川を下った。舟はカツラ、センなどの丸太を削って作られる。4そう用意し、約3キロの川の旅。
 途中の国道234号の沼ノ端橋を見上げ、長いさおを巧みに操ってゆっくり進む。晴天にも恵まれ、昔の交通の風景が再現された。
 川下りを終えて、参加者は市生活館に移り、到着報告したほか、先祖の供養の儀式やアイヌ伝統料理で会食、古式舞踊を楽しんだ。
http://www.tomamin.co.jp/2010t/t10072602.html

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北京から初チャーター便 アイヌ舞踊で歓迎 帯広空港

2010-07-27 | アイヌ民族関連
(北海道新聞 07/26 14:40、07/26 16:32 更新)
 【帯広】とかち帯広空港に25日午前、中国・北京からの初のチャーター便が観光客152人を乗せ到着した。ロビーなどでは、歓迎のアイヌ舞踊披露などが行われ、「北海道の玄関口」としての帯広空港をアピールした。(川原田浩康)
 チャーター機は中国東方航空が運航するエアバスA320(157人乗り)。空港では、とかち帯広空港利用促進協議会のメンバーが、地元の牛乳やチョコレートを無料配布するなどして出迎えた。帯広カムイトウ・ウポポ保存会(酒井奈々子会長)も、アイヌ民族の衣装に身を包んだ8人が到着ロビーで歌と踊りを披露した。
 一行は6班に分かれ、池田ワイン城や牧場など十勝管内を観光した後、宿泊地の十勝川温泉や阿寒湖温泉、札幌市などに向かった。4泊5日で道内を巡り、29日に旭川空港から帰途に就く予定。また、チャーター機は25日午後、道内観光を終えた中国人客を乗せ、北京に向かった。
 とかち帯広空港には8月2日も北京からチャーター機が乗り入れるほか、9月2日には上海からの初チャーター機が入る予定。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/243299.html

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今週の本棚:池澤夏樹・評 『メイスン&ディクスン 上・下』=トマス・ピンチョン著

2010-07-27 | 先住民族関連
(毎日新聞 2010年7月25日 東京朝刊)
 (新潮社・各3780円)
 ◇南北の境界線上に建つ物語の迷宮
 さらっと短い淡彩の小説がある一方、重厚長大な小説もある。これは後者の典型というか極致というか。
 上下二巻で千ページを超える本を前にすれば誰しもひるむ。ちょっと中を覗(のぞ)けば文体は錯綜(さくそう)して、話題はどうやら見知らぬ土地と時代のことばかりのようだ。しかし……
 地面に境界線を引く話。測量の話である。時代は十八世紀の半ば、場所は独立以前のアメリカ東部。
 この地域にはイギリス国王の勅許で開かれた植民地がいくつもあった。そのうちのペンシルヴァニア植民地とメリーランド植民地の間で境界線争いが起こり、いっそ真(ま)っ直(す)ぐな線でこれを確定しようということになって、イギリスから二人の測量士が呼ばれた。すなわちチャールズ・メイスンとジェレマイア・ディクスン。なぜわざわざイギリスからかと言えば、彼の地では「囲込(エンクロージャー)の御陰で、一介の測量屋(カタツムリ)が一人ならず御大尽となっております」という事態だったから。
 数百キロに渡る測量だからその基礎は天測。従って彼らは半ばは天文学者である。巨大な天頂儀を行く先々に運んで観測をする。実際、東西に伸びる境界線はほぼ北緯三九度四三分二〇秒の緯線に沿って確定された。この線は後に「メイスン・ディクスン線」と呼ばれた。
 これは歴史的事実である。ピンチョンは事実を土台にしてその上に何層もの階を重ね、無数の広間や小部屋や物置を構築して、通路と階段と配管と抜け道でつなぎ、とんでもなく複雑な建物を造った。この小説を読むことは、この建物の中を限りなく彷徨(ほうこう)することである。
 歴史小説だから名のある人物が何人も登場する。ジョージ・ワシントンもジェファーソンもフランクリンも出てくる。しかし作者は彼らをほんの点景としてしか扱わない。歴史に主導権を渡さず、ひたすら細部が増殖するに任せる。
 メイスンとディクスンはアメリカに来る前、イギリスから南アフリカに渡って金星の日面通過という天体現象を観測し、さらに聖ヘレナを経て、一度イギリスに戻っていた(ピンチョンはこの部分に全体の四分の一のページを割いている)。南アフリカで彼らはオランダ系の植民者が先住民を虐(しいた)げるさまを目撃する。
 アメリカに来て彼らは費府(フィラデルフィア)でパクストン団(ボーイズ)と名乗る白人の組織が米蕃(インディアン)を虐殺したとの報(しら)せに接する。この連中は更なる殺戮(さつりく)のために百四十人の米蕃が避難しているこの町に向かっている。
 二人は、「やれやれ。亜米利加(アメリカ)がこんな(丶丶丶)風だと知ってたら……」と嘆き、更に「白人の蛮行なら、喜望岬で散々見てきた。だが今になっても、あの頃(ころ)同様、さっぱり訳が判(わか)らない。自分たちは何かを理解し損ねているのだ。喜望岬でも費府でも、白人こそ、彼等の最悪の悪夢に現れる野蛮人に対し、受けた挑発に凡(およ)そ釣合わぬ暴力を揮(ふる)う悪鬼に成果てている」と考える。
 この問題はそのままアメリカの奴隷制に繋(つな)がっている。たかが東部の二つ三つの州の境界を決めたにすぎないメイスン・ディクスン線という名が歴史に残ったのは、これがやがてアメリカを南部と北部に分ける線とされ、南北戦争の象徴となり、その影響は今にまで残っているからだ。ピンチョンはもちろんそれを承知でいささか凡庸なメイスンとディクスンという人物をこの大作の主人公に選んだ。いわば彼らは多くの主題を囲い込む牧場の柵(さく)にすぎない。
 もう一つの主題として科学を挙げようか。十八世紀のヨーロッパは啓蒙(けいもう)主義の時代だった。天測の技術を持った測量士は科学の申し子である。それでもピンチョンの語る科学は生成の途中にあってしばしば不思議な道に迷い込む。
 一例を挙げれば、一七五二年九月二日、イギリスはそれまでのユリウス暦からグレゴリオ暦に切り替えた。十一日の空白が生じ、二日の翌日は九月十四日となった。後に人々は十一日間を盗まれたと言った。
 その時、メイスンは独り空白の時間に残ったと同僚に話す--「いいかディクスン、物質世界に只(ただ)一人私は居たのだ、十一日を独り占めして」。ずっと満月が子午線にかかるその世界でメイスンはゴシック・ロマンスのような冒険をする。
 こういうエピソードがこの小説には何百も詰まっている。読者はそれを一つ一つ賞味しながら先へ進む。自分がどこにいるか不明になることも多いが、やがて見知ったところに出る。
 言い忘れたが、メイスンとディクスンの物語は、その旅に同行したウイックス・チェリコークという牧師がずっと後になって甥(おい)や姪(めい)たちに語るという枠の中に入っている。というよりこの枠が時おり参照のために引き出される。
 引用したわずかな範囲でもわかるとおり、翻訳は元の擬古文を巧妙に日本語に移し、更にカタカナ語を漢語に置き換えてふりがなを振るという工夫で時代色を演出している。
 読み始めたらしばらくは現世に戻れないと覚悟した方がいいが、それに値する名作である。(柴田元幸訳)
http://mainichi.jp/enta/book/news/20100725ddm015070015000c.html

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■ 蝦夷地の風俗描く―白老で絵図が伝えた漁場の営み展

2010-07-27 | アイヌ民族関連
【室蘭民報 2010年7月25日(日)朝刊】
 近世から明治初期におけるアイヌ民族の生活ぶりを伝える「絵図が伝えた漁場の営み展」が24日から、白老町の仙台藩白老元陣屋資料館で始まった。8月15日まで。
 蝦夷地調査の記録として公の命を受けて描かれた絵図19点が並ぶ。同資料館の武永真館長は「和人が欲した蝦夷地の姿を探る資料として、あるいは和人が認識していた蝦夷地の風俗を探る手段、和人が蝦夷地に注いだ関心の例示として有効な資料」と同展の多面的意義を強調する。
 1・8×3・6メートルの「江戸屏風」(北海道開拓記念館所蔵)は、江差におけるニシン漁、弁財船の往来、河口付近で行われている造船の様子、交易に赴いたアイヌ民族などが描かれている。ニシン漁のかつての漁具も展示している。
(富士雄志)
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2010/07/25/20100725m_08.html

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