先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

杉田水脈議員の差別的言動を批判 アイヌ民族団体など、札幌で集会

2024-02-29 | アイヌ民族関連

共同通信2024/02/28

札幌市で開かれた集会で話す、アイヌ女性団体「メノコモシモシ」の多原良子代表=28日午後

 自民党の杉田水脈衆院議員によるアイヌ民族などへの差別的言動を巡って、北海道の当事者らが28日、札幌市で集会を開いた。アイヌ女性団体「メノコモシモシ」の多原良子代表は「特権を持った議員がどうしてこんなことをやっているのか」と批判した。

 集会には約40人が参加。多原代表は自身の体験を振り返りながら「一つの差別が他の差別を強化、補強する。これでは駄目だと違和感を持っていた」と強調。アイヌ民族差別を禁止する実効性のある法律が必要だと訴えた。

 杉田氏は昨年、「チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさん」などの投稿が札幌、大阪両法務局から人権侵犯と認定された。

https://nordot.app/1135542840305582146


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杉田水脈議員のアイヌ民族差別「実効性ある禁止法必要」 札幌で「考える集会」

2024-02-29 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年2月28日 21:55

杉田水脈衆院議員によるアイヌ民族への差別的な発言への抗議の思いを語る多原良子さん

 自民党の杉田水脈衆院議員=比例中国ブロック=によるアイヌ民族への差別発言について考える集会が28日、札幌市北区の札幌エルプラザで開かれた。杉田氏にブログなどで中傷されたアイヌ民族の多原良子さん=札幌市=は、杉田氏がアイヌ民族への侮辱を続けていることから「実効性のある差別禁止法が必要だ。一人一人がなんらかの形で声を出してほしい」と訴えた。

 実行委の主催で、約50人が参加した。・・・・・・

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/980981/


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〈ゴールデンカムイ〉なぜアシㇼパの服は真っ白なのか…? 衣装に隠された“キャラクター設計”の秘密に迫る

2024-02-29 | アイヌ民族関連

『ゴールデンカムイ 絵から学ぶアイヌ文化』より #1

文春オンライン2024年2月28日 中川 裕

 累計2700万部を突破し、1月に公開された実写映画も大ヒットを記録する「ゴールデンカムイ」。アイヌの伝統的文化を扱った同作は、そのエンターテイメント性の高さはもちろん、緻密な取材によって裏打ちされたリアリティも各方面から評価を受けている。

 ここでは、「ゴールデンカムイ」でアイヌ語監修を務めた中川裕氏の著書『ゴールデンカムイ 絵から学ぶアイヌ文化』(集英社)の一部を抜粋。衣装デザインに隠されたキャラクター設計の秘密に迫る。(全2回の1回目/後編を読む)

アシㇼパの衣装

 アシㇼパは初登場時以来、最後までほとんど同じ格好をしていました。一番上にはレタㇻの母親の毛皮からウイルクが作ったという外套をはおっていましたが、その下に着ている上衣は、最初のうちはアットゥㇱということになっていました。コミックスのカバーを外すと、毎回アシㇼパがいろいろなアイヌ衣装を着てファッションショーをしていますが、その記念すべき第1巻で、自分の着物を着て立っている脇に、「アットゥㇱ(樹皮衣)オヒョウという木の繊維で織られた衣服」と説明されています(31刷以降は下線部分は消えています)。

1巻本体表紙 ©野田サトル/集英社

 5巻47話で、アシㇼパ自身「私の着物はオヒョウの樹皮を編んだものだ」と言っていますので、少なくとも彼女はそう思っていたのでしょう。

 ところが、第2巻のカバーでこの服の色がはっきりわかった時点で、いやに真っ白な色合いなのが気になりました。

 オヒョウで織られた布は、もっと赤茶けた色になるはずです。そして19巻181話で、アシㇼパと邂逅したソフィア・ゴールデンハンドが、それがウイルクが子供の時に着ていたテタラペと呼ばれるものであることを彼女に伝えます。

 テタラペというのは、イラクサという植物の繊維で織られた布で作られた服で、樺太独特のものです。テタラペはテタラ「白い」ペ「もの」という意味で、イラクサで織った繊維はオヒョウニレなどと違って真っ白になるので、こう呼ばれていました。

 テタラは樺太方言の言い方で、実はレタㇻと同じ「白い」という意味です。アシㇼパを何度も救ってくれた狼のレタㇻも、珍しい白オオカミということで名づけられたものです。アシㇼパがなぜ自分の服がオヒョウで織ったものではないことに気がつかなかったのかというと、やはりフチの言うように「女の仕事」に興味がなくて、織物などしたことがなかったからということになるでしょうか。

テタラペは樺太ではなく小樽で作られていた

 このアシㇼパのテタラペのモデルになったのが、小樽市総合博物館に所蔵されていた服で、それを野田先生がアレンジした上で、わざと背中の文様を上下逆にして、他には例のないような服を創作したことは、前著『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』で触れたとおりなのですが、実はその後、意外なことがわかりました。

 2022年4月に東京ドームシティで「ゴールデンカムイ展」が開かれた時、この小樽市総合博物館のテタラペも展示されたのですが、その時博物館からこれは樺太ではなく、江戸後期に小樽で作られたものだという指摘を受けました。北海道で作られたテタラペなどというのは私はそれまで聞いたことがなく、そもそもテタラペという言葉自体樺太のアイヌ語ですので、当時そう呼ばれていたということには疑問なしとはしませんが、そのように記録されているということですので、前著で書いたことは一部訂正です。

 まあそれにしても、小樽の西に位置する余市が、樺太と交易などを通じて同じ文化圏内に属していたことは昔から知られていましたが、小樽でテタラペが作られていたとしたら、小樽と樺太の間にも強い結びつきがあったことになります。樺太から脱出したウイルクがなぜ小樽で家庭を持ったのかという、物語の中では描かれていない経緯について、何かいろいろと想像力を刺激するような事実ですね。

女の被り物

 アシㇼパがいつも頭に締めている刺繍をほどこした鉢巻状のものは、アイヌ語でマタンプㇱといいます。これは、現在でも女性がアイヌ衣装を身につけた時に必ず締めていると言ってよいもので、白老町のウポポイ(民族共生象徴空間)の写真などでもおなじみだと思います。

 一方、インカㇻマッが頭につけているものはちょっと違って、刺繍はほどこされておらず、無地で紺色の、マタンプㇱよりは長い布を巻きつけて、前の方で結んでいます。

 これはチエパヌㇷ゚あるいはチパヌㇷ゚というもので、インカㇻマッは二重廻しにして額の前で結んでいますが、後ろから前に回したり、布の端を顔の両側に下げたりするなど、結び方にはいろいろなやり方があります。彼女が締めているチエパヌㇷ゚が紺色だというのは12巻のカバーでわかりますが、実際には黒い布が使われることが多かったようです。

 さて、このふたつの被り物にはどういう違いがあるのでしょうか?

マタンプㇱは必ずしも女性専用だったわけではない

 実は、マタンプㇱはもともと男性が狩りなどで山に入る時に締めたものだと言われています。つまり、マタンプㇱは男が締めるもの、チエパヌㇷ゚は女の締めるものだったわけです。古い写真などを見ると、確かに女性はチエパヌㇷ゚姿で写っているものが多いようです。とはいえ、古い写真でも女性がマタンプㇱをつけているものもあり、必ずしも男性専用だったわけでもありません。

『アイヌ民族誌』には、「女の間にこの文様つきのマタンプㇱシが流行し始めたのは明治の終わりごろと思われる」(283頁)と書かれています。「ゴールデンカムイ」の物語の始まりは日露戦争終了後、1907年の冬あたりに設定されているようです。1907年というのは明治40年で、まさに明治の終わりと言ってもよい時期です。

被り物の違いは、史実と物語に即した設定

 ということは、アシㇼパは当時の流行の最先端を行っていたということになりますし、アシㇼパより10歳くらい年上だと思われるインカㇻマッがチエパヌㇷ゚を締めているのも当然ということになりますね。考えてみれば、アシㇼパは父親のウイルクに、小さい頃からまるで男の子のように狩りの技術を仕込まれたのですから、男が狩りの時に締めるマタンプㇱをつけていてもおかしくはありません。

 このように考えていくと、このふたりの被り物の違いは、史実と物語の展開の両方に即した、とてもよくできた設定に思われます……が、実はフチもマタンプㇱを締めて登場しているんですね。これはまあ、アシㇼパが締めているのを見て、フチも真似をしたということにしておきましょうか。2巻11話でアシㇼパが言うようにアイヌは「新し物好き」だからということで。

https://bunshun.jp/articles/-/69067


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「熊に始まり熊に終わる展開だと言っても過言ではありません」ゴールデンカムイのアイヌ語監修担当者が明かす、作中で描かれる“動物”に込められた“大きな意味”

2024-02-29 | アイヌ民族関連

『ゴールデンカムイ 絵から学ぶアイヌ文化』より #2

文春オンライン2024年2月28日 中川 裕

 マンガ大賞を受賞し、アニメ、実写映画も好評を博している『ゴールデンカムイ』。同作には、ストーリー展開などの都合で詳しく説明されていないものの、細部までこだわって描かれた「絵」が多数存在する。

 そんな同作の絵を切り口に、アイヌ文化の基本的知識、作品の裏側の設定を紹介したのが、アイヌ語監修を務めた中川裕氏による『ゴールデンカムイ 絵から学ぶアイヌ文化』(集英社)だ。ここでは同書の一部を抜粋し、作中に登場する動物たちがどのように描かれているのかに迫っていく。(全2回の2回目/前編を読む)

熊はいわばカムイ中のカムイ

 北海道アイヌにとって、ただカムイとだけ言えば熊を指すほど、熊はいわばカムイ中のカムイというべき存在でした。「ゴールデンカムイ」も熊に始まり熊に終わる展開だと言っても過言ではありません。第1話でアシㇼパと杉元が最初に出会ったのも、杉元を襲ってきた熊をアシㇼパが矢でしとめたことによるものでした。

 最終巻では杉元と尾形、そして鶴見中尉が最後の死闘を繰り広げた函館行きの列車にも熊が乱入してきて、アシㇼパの矢でとどめを刺されます。この最後のいわばオールスター決戦とも言うべき列車の戦いで、なぜ熊が出てくる必要があるのか、連載当初は疑問に思っていましたが、考えてみたら熊もまたこの漫画の中の重要キャストであり、最終決戦でラインナップされるべき存在だったのだと思い当たりました。

13巻122話より ©野田サトル/集英社

物語の軸となる3つの動物

「ゴールデンカムイ」では随所に熊が登場します。7巻の「親分と姫」編でも熊が重要な役割を果たしますし、11~12巻の姉畑編も、22巻の松田平太編も、熊をめぐるエピソードと言ってよいでしょう。そして13巻122話で、舟がひっくり返って湖に沈んでいくインカㇻマッの薄れゆく意識の中で、彼女の周りを大勢の熊が取り囲む場面があります。インカㇻマッならキツネが取り囲みそうなものですが、なぜ熊なのかというのは今後の考察の対象ということにしておいて、ここは彼女がウイルクの思い出と決別して、谷垣への愛に生きることを決意する重要な場面でした。

 このように熊は要所要所に登場し、この物語を印象強く彩っています。あえて言えば、「ゴールデンカムイ」という物語は、狼(ウイルク)と虎(キロランケ)、そして熊という、三つの強大な力を持った動物(=カムイ)を軸にして展開していった物語だとも言えるかもしれません。

 熊はキムンカムイ「山のカムイ」、ヌプリコㇿカムイ「山を司るカムイ」などと呼ばれ、その年齢や形状、雄か雌かなどでもいろいろな名前で区別されていたものでした。呼び名が多いということは、その文化における重要性を表しているということができます。

鹿をカムイ扱いしない理由

 3巻22話でアシㇼパは「私たちの生活で鹿は無くてはならない存在だ」と杉元に語っています。

 一方「キムンカムイ(熊)やホㇿケウカムイ(狼)みたいに名前にカムイをいれず、『獲物』という意味で鹿をユㇰと呼んだのも簡単に獲れたからではないかと思う」とも言っています。アシㇼパの説明のように、ユㇰ「鹿」はかつてのアイヌの主食であり、生きていく上での重要な存在であったのに、なぜかカムイ扱いされていません。11巻109話でアシㇼパが鹿について言った「私たちが住む西の方は鹿をカムイ扱いしない」理由について、ここであらためて考えてみましょう。

 更科源蔵さんは『コタン生物記』で、「この動物のことを、鹿神と呼ぶのは、私の調査では鹿の少い宗谷地方だけ」(276頁)と言っていますし、カムイが自分のことを物語る「神謡」でも、鹿が主人公の話はついぞ聞いたことがありません。そのわけについて更科さんは「鹿とサケは空気や太陽のように当然あるものとされていた」と書いており、アシㇼパの言う「簡単に獲れたから」というのと同様の説明をしています。

ユカッテカムイの正体

 私も基本的にはそういうことだろうと思いますが、それに加えて鹿は群れで移動して、一頭一頭が自分の意志で行動しているように見えないということが大きいのではないかと思います。かつて鹿は何十頭・何百頭という群れをなして野山を駆け巡っていたのだそうで、それらはもはや個の集まりとしてではなく、全体としてひとつの固まりのように見えたのではないでしょうか?

 鹿の狩猟法のひとつに、追い落とし猟というのがあります。大勢で鹿の群れを断崖絶壁に追い込み、踏みとどまることができずに落ちた鹿をしとめるという猟法ですが、そのような場所をユックチカウシ(ユㇰ「鹿」クッ「崖」イカ「越える」ウシ「いつも~するところ」)と呼びます。沙流川流域の紫雲古津にそういう地名があるそうです。このようないわば「まとめ獲り」のような猟法が通用したのは、おそらく鹿だけだったのではないかと思います。英語では、deer「鹿」も、sheep「羊」やcarp「鯉」も、単数形と複数形は同じ形で、deers とかcarps という言い方は通常はしません。これもまた基本的に群れで行動する動物という、同じ理由によるのではないかと思います。

 この鹿を人間の世界にもたらすのはユカッテカムイ「鹿を下ろすカムイ」と呼ばれるカムイで、天界にいることになっています。アシㇼパも「ユㇰは『鹿を司る神様』が地上にばら蒔くものだと考えた」と言っています。このカムイは天界で大きな袋の中に鹿の尻尾だの角だのを貯えていて、それを地上に撒くと鹿の姿になって野山を走り回るのだそうです。このユカッテカムイと後で触れるチェパッテカムイの正体は今ひとつわかっていません。

鳥と狩猟の関係

 ただ、天界にいるということからして、空を飛ぶもの――つまり鳥ではないかと思われます。地域によってはヌサ「外の祭壇」に狩猟のカムイが祀られています。ハシナウという枝付きのイナウを特別に捧げられるカムイなのですが、これも鳥だと言われています。22巻219話では、ヴァシリがチャㇰチャㇰカムイ「ミソサザイ」をスケッチしている場面が出てきます。

 それを見ていたアシㇼパは、「もし熊が近くにいればチャㇰチャㇰ鳴いて熊のところに案内しようとするのに」と言って、「熊がいる」という松田平太の言葉に疑問を示します。また、4巻35話では、エゾフクロウについて「夜にこの鳥が鳴いた方向を追いかけると必ず羆がいる」と説明しています。

 このように、鳥というのは狩猟の成否に深い結びつきがあるようです。

カムイが陸に住む者たちのために授けてくれた“鮭”

 鮭もまた、アイヌにとって主食とも言うべきものでした。13巻125話でキロランケは、「鮭は鹿と同じようにそれ自身がカムイではなく、天上のカムイの袋の中に入っていて、海にバラ撒かれるものなのさ」と、谷垣に説明しています。秋になると魔法のように海の向こうから現れて、大群となって川をさかのぼってくる鮭は、それこそカムイが陸に住む者たちのために授けてくれた、おおいなる恩恵ととらえたのでしょう。

 そして一心不乱にただ上流へ上流へと群れをなして進んでいくその姿は、鹿同様個々の意志あるものとは思えず、チェパッテカムイ「魚を下ろすカムイ」のつかわした食料という見方になったのでしょう。チェパッテカムイもユカッテカムイ同様天界にいて、袋の中に蓄えているヒレやエラなどを海上に撒くと、それが鮭の群れになって川に向かって行くということになっています。

当時の法律で自家消費用の鮭漁は禁止されていた

 ところで、13巻126話で、アイヌに偽装した谷垣らが網走監獄周辺で鮭漁を行って、門倉看守部長に見とがめられ、見逃してもらう代わりに鮭を要求される場面があります。その際門倉看守部長は、谷垣たちに「あんた達さ~困るよこんなところに」「こんなに色々立てちゃっても~~」と言っていますが、これは監獄の壁際に小屋を作っていることに文句を言っているのであって、鮭を捕っていることをとがめているわけではありません。

 実は、当時すでに全北海道で、自家消費用の鮭漁は法律で禁止されています。これは1897年の「北海道鮭鱒保護規則」によるもので、その第10条には「鮭鱒ハ自用トシテ捕獲シ又ハ遊漁スルコトヲ得ズ」となっているのです。さらに1902年には「鮭鱒ハ許可ヲ受クルニ非ザレバ捕獲スルコトヲ得ズ」と改定されます。ならば許可を取れば鮭が捕れるのかということですが、現在でも役所で手続きを行うには、書類を書いたり判子を押したりと大変面倒です。当時文字を読み書きできるアイヌは少数であっただろうということを考えても、アイヌでこの許可を得ていた人たちはわずかであろうというのは、容易にわかるでしょう。

谷垣たちのやっていることはそもそも法律違反

 この鮭漁の禁止については、札幌学院大学教授である山田伸一さんの「アイヌ民族の川でのサケ漁はいつ禁止されたのか」という講演で、非常にわかりやすく述べられていますので、ご覧になってください。

 ということで、谷垣たちのやっていることはそもそも法律違反ですので、警察が来たら逮捕されるところですが、門倉看守部長は警官ではありませんからおそらくそんなことはどうでもいいでしょうし、自分でも鮭ぐらい捕っていそうですね。

https://bunshun.jp/articles/-/69068


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【国立アイヌ民族博物館主催】 プンカㇻ協働展示「アイヌの建築と工芸の世界- チセ、マキリ、アットゥㇱ -」の開催について

2024-02-29 | アイヌ民族関連

文化庁国立近現代建築資料館(東京都文京区湯島)で、アイヌ文化でつながる博物館等ネットワーク(愛称プンカㇻ)協働展示「アイヌの建築と工芸の世界- チセ、マキリ、アットゥㇱ -」を開催!

文化庁2024年2月28日 14時00分

 アヌココㇿ  アイヌ  イコロマケンル 国立アイヌ民族博物館(館長:佐々木史郎、所在地:北海道白老郡白老町)は、2024年3月1日(土)から2024年3月24日(日)まで、プンカㇻ協働展示「アイヌの建築と工芸の世界- チセ、マキリ、アットゥㇱ -」を、文化庁国立近現代建築資料館(所在地:東京都文京区湯島)を会場に開催いたします。

1. 基本情報

 (1)展覧会名称 

 プンカㇻ協働展示「アイヌの建築と工芸の世界- チセ、マキリ、アットゥㇱ -」 

※「プンカㇻ」は、アイヌ語でブドウ、サルナシなどの植物の蔓のことを意味し、ネットワーク事業の「繋がり」や「広がり」から連想した名称です。

 The World of Ainu Architecture and Crafts – cise, makiri, attus

 (2)展覧会概要 

 プンカㇻ協働展示は、アイヌ文化でつながる博物館等ネットワーク事業(愛称 プンカㇻ)の取り組みとして、国立アイヌ民族博物館と68の会員機関が協力し、アイヌ文化を紹介する展覧会です。

 「チセ」はアイヌ語で「家屋」を指す言葉です。生活の中心となるチセは、人が生まれ、育ち、仕事をし、カムイに祈る場所です。チセの建材はもちろん、儀礼具や道具の素材には植物が多く用いられています。男性はマキリ(小刀)で木を彫りだして、独自の文様を刻み、女性は樹皮からつくった糸で布を織り、刺繍を施して、アットゥㇱ(樹皮衣)をつくり上げました。このような木で作られたものを使いながら、今もカムイとともに暮らしているのです。

 本展覧会では、伝統的なチセのつくりや使われ方を中心に、植物を素材としたアイヌの民具を紹介します。さらに、現代の作り手による工芸品など今に息づくアイヌ文化をご覧ください。チセを中心としたくらしから、アイヌ文化への理解を深めていただければ幸いです。

 (3)会場

  文化庁国立近現代建築資料館

(東京都文京区湯島4-6-15湯島地方合同庁舎内)

 (4)会期

 令和6(2024)年3月1日(金)~令和6(2024)年3月24日(日)

 ※月曜日休館

 (5)主催・共催・後援 

 主催:国立アイヌ民族博物館

 共催:文化庁国立近現代建築資料館、浦幌町立博物館、新ひだか町博物館、平取町立二風谷アイヌ文化博物館

  後援:北海道アイヌ協会

 (6)展示資料数 

 共催館及び国立アイヌ民族博物館所蔵のアイヌ民族資料、アイヌ民族文化財団ほか、約130点

 (7)観覧料:無料

  入館方法

  ・展覧会のみ観覧(平日のみ利用可)

  湯島地方合同庁舎正門より入館。入館料無料。都立旧岩崎邸庭園には入場できません。

  ・都立旧岩崎邸庭園と同時観覧

  都立旧岩崎邸庭園より入館。旧岩崎邸庭園入園料(一般400円)が必要です。

(8)ウェブサイトのURL

https://nam.go.jp/exhibition/floor2/special/2403

2. 展示構成等 (以下の5つのテーマで構成。)

(1) アイヌの歴史と文化   

 アイヌ民族についての基礎的な説明や、たどってきた歴史、さらにアイヌ文化の中からアイヌ語と伝統的なくらしについて紹介します。

(2) アイヌの儀礼 ーチセで祈るー 

 日常生活の中心であるチセの中では、カムイに日々に祈りを捧げます。カムイへの贈物、祈り詞を伝える道具など、さまざまな祭具や儀礼のときに身につける装飾品があります。

(3)アイヌのくらし ーチセの中のくらしー

 伝統的チセの特徴はケトゥンニなどと呼ばれる三脚構造の屋根にあります。そしてチセの中心には炉があり、そのまわりでくらしに必要な道具がつくられてきました。

(4) 民具の素材 ー木の恵みー

チセの建材としてはもちろん、木はくらしを支える大切な素材でした。そして木もまたアイヌ(人間)にとって重要なカムイです。

(5)地域のアイヌ文化 ー地域の誇り、伝統技術の粋ー

共催館のある浦幌町、新ひだか町、平取町では現在も地域のアイヌ文化が受け継がれ、物づくりをはじめ、いろいろな活動が行われています。

3. 関連事業

・「アイヌ民具にふれてみよう」 

 衣服の試着や、民具、工芸品、素材にさわってアイヌ文化を学べる体験型イベントを行います。 (各土日11時~13時)

 ・「ギャラリートーク」 

 国立アイヌ民族博物館、プンカㇻ会員機関の研究員・学芸員による解説を行います。 (各土日14時~ 30分程度)

 実施日:3月2日(土)、3日(日)、9日(土)、10日(日)、16日(土)、 17日(日)、23日(土)、24日(日)  

・「ムックリ演奏体験講座」 

 アイヌに伝わる口琴「ムックリ」の演奏体験講座を行います。

 実施日:3月20日(祝)10時30分~、14時~

 講師:木原仁美(公益財団法人アイヌ民族文化財団)

 人数:各回20名

【本件に関するお問い合わせ先】

国立アイヌ民族博物館  事業課 広報担当 

〒059-0902 

北海道白老郡白老町若草町2-3-1 

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000725.000047048.html


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北海道 平取町 二風谷にて、インバウンド向けに実施 伝統工芸品などを通じたアイヌを知るツアー事務局を担当

2024-02-29 | アイヌ民族関連

~ 次回は2024年秋ごろの開催を予定 ~

C&R社2024年2月28日 11時30分

プロフェッショナル・エージェンシー事業を展開する株式会社クリーク・アンド・リバー社(以下C&R社)は、合同会社katak、一般社団法人びらとり観光協会、二風谷民芸組合、一般社団法人 びらとりウレシパと協力し、2023年12月15日(金)~17日(日)の3日間、北海道の平取町(びらとりちょう)二風谷(にぶたに)で行われた「北海道平取町でアイヌを知り交流するインバウンド向けツアー」を実施いたしました。C&R社は事務局やプロモーションで本企画に協力しております。
「北海道平取町でアイヌを知り交流するインバウンド向けツアー」 概要

■日程
2023年12月15日(金)~17日(日)
■スケジュール
1日目

「新千歳空港から平取町への移動」
アイヌ文化を世界中へ発信している関根摩耶氏が、二風谷の工芸家がデザインしたアイヌの文様が入ったバスに添乗して、アイヌ語やアイヌ文化についての話をしながら、平取町へ移動。

「BBQランチ(屋外、鹿肉解体を体験) 」
昼食は北海道の大自然に包まれながら屋外で「びらとり和牛」、「びらとり黒豚」などの地元食材でBBQ体験。この日は当日朝に調達した鹿の解体も体験。

「博物館見学(解説付)」
「STVラジオ アイヌ語ラジオ講座」の講師をはじめ、北海道各地の学校でアイヌ語を教える、関根健司氏の解説を聞きながら、博物館にてアイヌの文化や歴史を学ぶ。

「オリジナルアイヌ文様タンブラー制作」
平取町アイヌ工芸伝承館ウレシパにてアットゥㇱ織り、アイヌ文様の刺繍で多彩な作品を手掛けてきた関根真紀氏のアイヌ文様解説後、自分だけのオリジナルアイヌ文様タンブラー制作を行う。

「ゆから温泉宿泊」
大自然を眺めながら楽しめる平取町ゆから温泉の名湯で疲れを癒やす。夕食は国内最高級ブランド黒毛和種の「びらとり和牛」やバークシャー種の平取産黒豚、出荷量全道一位を誇る平取トマト「ニシパの恋人」や地場産野菜のメニューを堪能。
2日目 

「山歩き散策」
関根摩耶氏、関根健司氏からアイヌ民族の伝統的な信仰や精神文化などの話を聞きながら、山中で薪拾いから火起こし体験を行い、自然の中で出来立て淹れたてコーヒーを堪能。

「アイヌ料理体験」(伝統とモダン)
アイヌの伝統儀礼の中で「 シンヌラッパ(先祖供養)」の際にふるまわれていた「ハレの日」の料理をつくる体験。めったに味わえない本場のアイヌ料理(団子や鹿肉、 熊肉のすき焼きなど)を堪能。

「工芸制作体験」(カッティングボード木彫体験)
二風谷民芸組合代表理事の貝澤守氏から直接指導を受けて、世界に一つだけのカッティングボードを制作。

「古式舞踊見学体験」
日本全国、世界にアイヌ文化を発信している平取町の若者達よりアイヌ古式舞踊を披露。アイヌ古式舞踊はユネスコ無形文化遺産に登録されている。また、消滅危機言語ともいわれているアイヌ語にも触れるほか、地元の方との交流会を開催し、口承で伝えられるアイヌ文化、アイヌの人々の歌や踊りを生で体感。
ゆから温泉宿泊
3日目 

「伝承地など景色散策ツアー」
ハヨピラ、ウカエロㇱキ、オプㇱヌプリ 、ムイノカ(オキクルミのチャシ)、義経神社など、平取町でゆかりのあるアイヌ文化伝承地の場所を関根摩耶氏、関根健司氏からの解説で巡る。

「寿司とアイヌの食材を、アイヌの伝統的家屋チセで体験」
世界に寿司文化を発信している松乃鮨 四代目の手塚良則氏を迎え、アイヌの伝統的家屋「チセ」の中で寿司とアイヌ料理のコラボした料理を堪能。
平取町出発、新千歳空港で解散
■二風谷の代表的な伝統工芸品

二風谷イタ
イタとはアイヌ文化に伝わる浅く平たい形状の木製の盆で、平取町二風谷エリアが位置する沙流川(さるがわ)流域に伝わる「二風谷イタ」は伝統的工芸品に指定されています。

アットゥㇱ織り
アットゥㇱとは、オヒョウなどの樹皮の内皮からつくった糸を用いて機織りされた反物で、平取町二風谷エリアで継承されている伝統的な技法で作られた「二風谷アットゥㇱ」は伝統的工芸品に指定されています。

■企画・主催・協力
合同会社katak
一般社団法人びらとり観光協会
株式会社クリーク・アンド・リバー社
二風谷民芸組合
一般社団法人 びらとりウレシパ

今回のツアーは、観光庁の「インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業」で採択された事業の一環として実施されております。海外からのインバウンド誘客を目指して、アイヌ文化を発信する活動をしている合同会社katakの関根摩耶氏監修のもと、観光地を巡るだけの旅ではなく、アイヌ文化や地域の産業を支える地元の方々の取り組みを深く知り、交流できる付加価値の高いツアー内容となっております。
第一弾の今回は招待客を招いたモニターツアーとして開催しております。このツアーでは、アイヌにルーツを持つ方々との繋がりやコミュニケーションを重要視し、工芸品の魅力に触れながら、アイヌの人たちのとの交流や地元の食材を使用した料理を愉(たの)しむほか、絶景の中でのBBQやユネスコ無形文化遺産に登録されている「アイヌ古式舞踊」も鑑賞するなど、大自然で育まれてきた文化を感じる旅をコンセプトに、地域と一体となったツアーを実現しております。次回開催は今回の企画を様々な角度で検証した上で、本年秋頃の実施を予定しております。C&R社では、クリエイティブの力を活用した地域の活性化・地方創生につながる取り組みを積極的に進めており、今回もその一環として取り組んでおります。  
【お問い合わせ】
株式会社クリーク・アンド・リバー社
担当 菅原
Email:hikaru.sugahara@hq.cri.co.jp 

■ツアー体験者の声
◆東京都 男性
「すべてのコンテンツが参加型でしたので、とても満足のいく内容でした。寿司×アイヌのコラボレーションは大変よいと思いましたし、話題性やステータス感も繋がると思うのでいいと思いました。」
◆東京都 女性
「2泊3日が緩急のある物語のようで、非常に完成度の高いツアーだったと思います。スタート時のウェルカム鹿は何といってもインパクトがありました。地元の皆様と触れ合うこと ができることも、このツアーの強い魅力だと思います。」
◆宮城県 男性
「アイヌ文化の一端に触れ、アイヌ世界の一部分を垣間見られたことは、グローバリゼーション、ダイバーシティ&インクルージョン、ウェルビーイングを全人類で追い求める現代に、意義ある体験を提供してくれた。 」
■ツアーを企画した合同会社katakの関根摩耶 氏より

二風谷という、今も伝統や言葉、文化、風習が根強く受け継がれる地で、作り手と受け取る側が双方を思い浮かべながら手仕事の豊かさが伝わるということが、今の時代だからこそ重要だと思い、このツアーを企画しました。
アイヌ伝統的工芸品ならではの価値や手仕事の美しさ、受け継がれるものが持つ意義を参加者の皆様に評価していただき幸いです。
また、開催地の平取町でもたくさんの新たな試みを行う機会となり、学び成長のあるツアーとなりました。そしてアイヌの食文化の知恵や今後の可能性もお伝えできたことは、嬉しく感じております。
今後はより一層幅広い層に楽しんでいただけるように築き上げ、新たなツアー企画を心掛けていきたいと考えております。

C&R社は、本イベント以外にも、長崎市が推進する「地域でつくる“もうひとつの長崎観光”看板商品創出事業」への協力やJAL特別ツアー「夜の北九州空港見学会」への協力のほか、 「廃墟景観シンポジウム」への協力、福島県南相馬市周辺で開催される神事「相馬野馬追(そうまのまおい)」のライブ配信の企画・運営・プロデュースなど、さまざまな形で地域の魅力の発信をサポートしております。C&R社は今後も、プロフェッショナルの能力を最大限に生かし、地域の活性化を推進していくとともに、ビジョンである「人と社会の豊かさの創生」の実現をめざしてまいります。
▼熊本県荒尾市で開催の千本桜×万田坑「千本桜展2.0」を企画・運営
https://www.cri.co.jp/news/004879.html 
▼日台レトロ・モダン建築シンポジウムの企画・運営
https://www.cri.co.jp/news/004791.html
長崎市の新たな目玉となるツアーを企画・開発!
https://www.cri.co.jp/case_studies/solution/000516.html

▼夜の北九州空港見学会の企画・運営
https://www.cri.co.jp/news/004606.html
廃墟ファンで超満員!「廃墟景観シンポジウム」を企画・運営
https://www.cri.co.jp/case_studies/produce/000505.html
https://www.cri.co.jp/news/004716.html
福島県南相馬市周辺で開催される神事「相馬野馬追」2年連続で企画・運営・プロデュース
https://www.cri.co.jp/case_studies/produce/000494.html
▼C&R社のオンラインイベント撮影・配信サービスの詳細・お問い合わせはこちらから
https://www.creativevillage.ne.jp/category/news/notices/87316/

■株式会社クリーク・アンド・リバー社 会社概要
本  社 : 東京都港区新橋四丁目1番1号 新虎通りCORE
設  立 : 1990年3月
代 表 者: 代表取締役社長 黒崎 淳
拠  点 : 東京(本社)・大阪・札幌・仙台・さいたま・横浜・川崎・船橋・高崎・金沢・名古屋・京都・神戸・高松・広島・福岡・熊本・那覇/ソウル・上海・北京・ロサンゼルス
事業内容:映像、ゲーム、Web、広告・出版、作家、医療、IT、会計、法曹、建築、ファッション、食、コンピュータサイエンス、ライフサイエンス、舞台芸術、CXO、アスリート、アグリカルチャーの18分野でプロフェッショナルに特化したエージェンシー(派遣・紹介)、プロデュース(開発・請負)、ライツマネジメント(知的財産の企画開発・流通)事業を展開。プロフェッショナルの叡智で革新的な事業を無限に創造している。
U R L : https://www.cri.co.jp (コーポレートサイト)
https://www.cri.co.jp/website-sns/ (公式サイト・SNS一覧)
https://www.creativevillage.ne.jp/ (プロフェッショナル×つながる×メディア「CREATIVE VILLAGE」)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003339.000003670.html


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英語版出版へ 地域おこし協力隊員の乾さん最後の大仕事  

2024-02-29 | アイヌ民族関連

苫小牧民報2024.02.28

2月末で白老町地域おこし協力隊員の任期を終える乾藍那さん(37)=アイヌ文化振興担当=は最後の大仕事として、アイヌ刺しゅうや木彫りを手掛ける町内の作家とサークルを紹介する冊子「白老ハポの手仕事」の英語版を作製している。出版に向け3月10日から、インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)を実施する。「英語版を作ることで、国外の人にもアイヌ文化の奥深さや素晴らしさを伝えたい」と話している。

山崎シマ子さん(右)に取材する乾さん(提供)

 英語版は、昨年4月に完成した17個人・団体の日本語版(A4判、30ページ)に新たに6人を加え、10ページ増の計40ページ、オールカラーを予定している。女性たちが受け継いできた刺しゅうや被服、編み物などの手仕事への意欲や作品に込めた思いのほか、男性作家の木彫に懸ける情熱にも触れる。

 ハポは、アイヌ語で「母」の意味。昨年12月に文化庁長官表彰を受けた高砂町の工芸作家で町伝統文化継承者、山崎シマ子さん(83)の印象から名付けた。町内で活動している女性作家の多くが、育児を一段落させた50代から本格的な研さんを積んだことへの敬意も込めている。

 CFの目標金額は30万円で、募集期間は4月15日まで。プランは1000円から5万円までの8段階、約35種類。発送を一緒に手伝う体験型の支援もある。返礼品はお礼のメールや作家の作品など。資金は印刷や発送費用などに充てる。

 募集締め切り後に2000部を印刷し、町内外への無料配布を始める。町内では訪日客が集まるポロトミンタラや宿泊施設などに置き、アイヌ文化に関心がある国内外の大学などの研究機関への発送も視野に入れている。

 着任間もない2021年10月から、伝統技法の体験をはじめアイヌ文化に関わる人たちの話を聞く中で「アイヌ民族への計り知れない差別と苦労を知った」と語る乾さん。「白老の皆さんと苦楽を共にし、自分のことも分かってもらいたい」と、アイヌ民族の魅力や精神文化を世界に発信することに力を注いできた。「2年半、たくさん方が優しく包んでくれた」と振り返り、集大成に向け全力を挙げる。

 冊子に掲載される個人・団体は次の通り。

 ▽日本語版にも掲載=エミナの会、エコロイコロ、河岸洋美さん、河岸麗子さん、下河ヤエさん、チシポの会、テケカラペ、のんのクラブ、フッチコラチ、山内久美子さん、やまだ民芸社、吉国幸子さん、木ぼりの吉田民芸、白老アイヌ協会事業拠点所「ノシキ」、しらおいイオル事務所「チキサニ」、白老民族芸能保存会、白老楽しく・やさしいアイヌ語教室

 ▽英語版に新たに掲載=能登康昭さん、濱中高子さん、平田早苗さん、丸岡元枝さん、牟田糸子さん、横山幸子さん

https://hokkaido-nl.jp/article/32998


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自動車メーカーのサプライチェーンを含む脱炭素や人権対応の総合評価。首位は米フォード。2位に独メルセデス、3位テスラ。トヨタ等の日本勢は低迷。国際NGOネットワークが分析(RIEF)

2024-02-29 | 先住民族関連

一般社団法人環境金融研究機構2024-02-28 19:53:35

 自動車メーカーのサプライチェーンでの温室効果ガス(GHG)排出量や人権取り組みを、独自の手法で評価する国際的なNGOのネットワークが、世界の大手18社を対象に2024年版の評価ランキング(スコアボード)を公表した。①化石燃料を使用しない環境に配慮した持続可能なサプライチェーンの構築②サプライチェーン全体を通じて人権を尊重した責任ある調達の確立ーーの2分野での取り組みを評価した。その結果、両分野の総合評価で米フォードが前年の独メルセデスに代わって首位に就いた。2位はメルセデス、3位にテスラが前年の9位から急上昇した。全体的に米メーカーの改善が目立ち、日本企業のトヨタ、ホンダ、日産は低位にとどまった。

  評価ランキングを公表したのは「リード・ザ・チャージ」。昨年に続いて、主要自動車メーカー18社のサプライチェーンにおけるGHG排出量、環境への悪影響、人権侵害を減らす取り組み等をついて評価を行った。

  評価項目は、①の「化石燃料のない環境に配慮した持続可能なサプライチェーン」については、(a)化石資源を使用せず、環境に配慮した持続可能な鉄鋼(b)脱化石・環境的に持続可能なアルミニウム(c)化石資源に依存しない、環境的に持続可能な電池(d)気候に関するロビー活動(e)人権と責任ある調達の5項目を、②の「人権と責任ある調達」では(f)人権の尊重(全般)(g)移行鉱物の責任ある調達(h)先住民の権利の尊重と自由意思に基づく事前かつ十分な情報に基づく同意(i)労働者の権利の尊重、とした。 

 対象とした大手自動車メーカーは米3社(フォード、GM、テスラ)、欧州6社(BMW、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、ステランティス、ボルボ、ルノー)、日本3社(トヨタ、ホンダ、日産)、中国4社(広州汽車、吉利汽車、上海汽車、BYD)、韓国2社(現代自動車、起亜自動車)の合計18社。

 その結果、米フォードは①の分野では29%と全体の3位だったが、②で54%と初の50%超えを果たし、総合42%で、前年の2位から、トップの評価を受けた。同社は自動車メーカーの中でも最高水準の「責任ある鉱物」の方針とデュー・ディリジェンスのプロセスを 有し、広範囲に及ぶバッテリーサプライチェーンのマッピングを行っており、サプライヤー専用 のグリーバンスメカニズム(苦情処理メカニズム)も備えているほか、労働者の権利の面で最高スコアを獲得した。ただ、先住民族の権利に関して進展がなく、2023年評価では容他社に比べてかなり低い7%にとどまるなど、改善点も少なくないと評価されている。 

 総合2位のメルセデスは、フォードに首位を明け渡したが、①と②の両分野とも高いスコアでバランスがとれていることが強みだ。特に化石燃料を使用しない環境に配慮したアルミニウムに関してはスコアが18%も上昇した。3位は、電気自動車(EV)専業のテスラ。総合スコアが21%上昇と18社中最高の改善度どなり、ランクは前回の9位から3位に大幅に躍進した。同社は自社の鋼材、アルミニウム、バッテリーのサプライチェーンについて、製品ごと のスコープ3排出量を、主要メーカーとして初めて開示するなど、脱炭素化ではリーダー格の開示を推進している。 

2024年のリーダーボード・スコアランキング

  日本の3メーカーは最高ランクの日産自動車でも、総合スコアで全体の半分以下の11位。ホンダ14位、トヨタ15位と低迷している。日産は、購入した物品・サービスのスコープ3排出量を開示し、自社製品のライフサイクル全体でカーボンニュートラルを達成する2050年目標を設定しているほか、人権でも一定の目標とコミットメントを掲げているが、「その実現に向けた具体的な 行動は、ほとんど示していない」と評価された。

  ホンダは、自社サプライチェーンからのスコープ3排出量を適切に開示しておらず、同サプライチェー ンの排出量について科学的根拠に基づく排出削減目標も設定していない「数少ない自動車メーカー」と評されている。また①の鋼材、アルミニウム、バッテリーのサプライチェーンの脱炭素化に向けた取り組みを一 切開示しておらず、これら3区分でのスコアはすべて0%だった。

  トヨタはスコープ3のサプライチェーン排出量を開示しているほか、ライフサイクル全体の排出量削減に向 けた2050年目標を設定している。一方で、①の鋼材とアルミニウムの全指標でのスコアは0%、バッテリーのサプライチェーン指標はわずか4%と、サプライチェーンからの排出量とその他の環境影響について「全く削減が進んでいない」と指摘された。同社の総販売台数に占めるバッテリー式電気自動車(BEV)の割合は引き続き1%にとどまっている点も指摘されている。

  日本の3メーカーのうち、特にトヨタとホンダは①の鋼材、アルミ等の国内サプライチェーンの脱炭素化が進展していないことが、低迷の要因といえる。自動車メーカーに鋼板を提供する国内の日本製鉄、JFE、神戸製鋼などの鉄鋼大手は、脱炭素化手段としてすでに実用化されている電炉への転換よりも、技術的に課題が大きく、実現に時間のかかる高炉での水素還元法への切り替えを目指している。

  自動車メーカーにとってのサプライチェーンとなる鉄鋼業等のこうした脱炭素化の遅れが、自動車メーカー自体の脱炭素化やEV転換の遅れにつながる構造となっており、自動車メーカーのグローバル市場での競争力の低下を招いているとの見方もできる。その鉄鋼業の水素利用の技術開発では、日本勢よりも、欧州スウェーデンで複数の鉄鋼メーカーが、同国のボルボや独自動車メーカー等との連携で一歩リードしている。https://rief-jp.org/ct4/142197?ctid=

                          (藤井良広)

https://leadthecharge.org/resources/2024-report-leading-the-charge/

https://leadthecharge.org/ja/resources/2024-report-leading-the-charge/

https://leadthecharge.org/ja/scorecards-summary/

https://rief-jp.org/ct4/143152


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台湾出兵から150年 早大で3月に関連シンポジウム

2024-02-29 | 先住民族関連

中央フォーカス台湾2024年02月28日(水)14:35

(台北中央社)台湾に漂着した宮古島島民らが台湾原住民(先住民)に殺害されたのをきっかけに、日本が1874年に台湾へ軍隊を派遣した牡丹社事件(台湾出兵)から150年を迎えるのに合わせ、3月に早稲田大学台湾研究所主催の関連シンポジウムが行われる。台湾からも医師で作家の陳耀昌さんや中央大学(北部・桃園市)の胡川安助理教授(助教)らが登壇する予定だ。

早大の発表によれば、陳さんは台湾出兵が台湾史に与えた影響、胡氏は台湾出兵で命を落としたとされるパイワン族兵士の遺骨が昨年に英エディンバラ大学から台湾に返還されたことの歴史的意義について講演するという。

陳さんは、牡丹社事件という名称から一つの集落で起きた出来事のように思えるが、実際は東アジア史に影響を及ぼした大事件だと語る。また胡氏はエディンバラ大による遺骨の返還について「歴史の反省だ」と述べ、不当に遺骨を収集した一部の国が返還に動いていることは、いかに脱植民地化するかを考えさせる、一種の移行期の正義だとの認識を示した。

シンポジウムは3月16、17日に開催。東京に残る台湾出兵史跡巡りなども計画されている。

(邱祖胤/編集:齊藤啓介)

https://www.excite.co.jp/news/article/Jpcna_CNA_20240228_202402280003/


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東北海道エリアの米国市場知名度向上へ アレンさん招きツアー

2024-02-29 | アイヌ民族関連

釧路新聞2/28(水) 8:30配信

 北海道の釧路、根室管内の自治体や観光協会、経済団体などでつくる「くしろ広域観光誘致推進協議会」は、JNTO(日本政府観光局)ロサンゼルス事務所のSNS担当者ケイ・アレンさん(35)を招いた3泊4日のツアーを行った。東北海道エリアにおける訪日外国人客(インバウンド)の誘客促進や米国市場での知名度向上が狙い。

 今回の事業は、同協議会とJNTOの連携メディア招聘(へい)事業の一環として実施。元JNTO職員で、現在は釧路市の地域おこし協力隊として活動する大野金幸さんの協力を得て実現した。

 招聘(へい)期間は24~27日で、アレンさんは釧路川のカヌーやアイヌ文化、あいすランド阿寒でのワカサギ釣りなどさまざまなアクティビティーを体験したほか、最終日の27日には阿寒国際ツルセンターや釧路和商市場などを巡った。

 今回の体験について、アレンさんは「アイヌ文化ツアーがとても印象に残った。この地域は魅力も多くアメリカでは特にネイチャーを趣味にしている人やフォトグラファーに受けると思う」とし、「旅行者の目線で、この地域をイメージしやすいような動画を製作して情報発信したい」と語った。一方で、「どんな旅行者に来てほしいのか明確にターゲットを絞るべき」と指摘。さらに、コンテンツも重要だがラグジュアリー層を迎えるためには富裕層向けの宿泊施設が欠かせないとして、「富裕層が来たらどこに泊まるべきか最初に答えられるようにすべき」と訴えた。

 この日、アレンさんに随行した市観光振興室の岡田啓佑主査は「アメリカ国内では東北海道の知名度はまだまだ低く、情報発信が大切。今回頂いたアドバイスを生かして、JNTOとも連携を強めながら情報発信に努めたい」と話していた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/eb4145610e7c7642a296208e02a6a313182fa615


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アイヌの伝統工芸品知って 千歳で3月17日展示会

2024-02-28 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年2月27日 22:43(2月27日 23:09更新)

【千歳】アイヌ民族の伝統的な衣装や民具、アイヌ文様の手芸品などを展示する「アイヌ文化伝統手工芸品展示会」が3月17日、蘭越生活館(新星1)で開かれる。

 市民にアイヌ文化や伝承活動を知ってもらうため、千歳アイヌ協会が開催する。・・・・・

 

 入場無料。事前申し込み不要。午前10時から午後4時。問い合わせは同館、電話0123・23・4964へ。(工藤さえら)

※「チプ」の「プ」、「マレク」の「ク」は、それぞれ小さい字

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/980540/


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アイヌ民族の遺骨、取り扱い方針策定 函館市教委 市立博物館の保管分

2024-02-28 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年2月27日 21:47(2月27日 22:07更新)

 函館市教委は、市立函館博物館で保管されているアイヌ民族の遺骨の返還手続きなどを定めた、遺骨等の取り扱い方針を策定した。

 関係団体から地域返還の申請を受け付け、返還対象団体と確認した後、団体と協議し引き渡し方法などを決定する。申請がなかったり出土地域が特定できない遺骨などは、同館で保管を継続するか、または国と協議の上、胆振管内白老町の「民族共生象徴空間(ウポポイ)」にある慰霊施設に保管する。

 同博物館では函館市、・・・・・

(千鳥綾香)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/980485/


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アイヌ文化、今後も継承 白老の山崎さん、文化庁長官表彰を町長に報告

2024-02-28 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年2月27日 21:45(2月27日 22:12更新)

大塩町長に文化庁長官表彰の報告をした山崎さん

 【白老】本年度の文化庁長官表彰を受けたアイヌ工芸家、山崎シマ子さん(83)が町役場を訪れ、町民初となる受賞の喜びを語った。

 町出身の山崎さんは1986年からアイヌ民族博物館に勤務した後に、98年からアイヌ工芸サークル「テケカラペ」を主宰。現在まで、樹皮の繊維を使うアットゥシ織りやゴザ編みなどを中心に技術伝承に携わってきたことなどが評価された。

 22日に町役場を訪れた山崎さんは・・・・・・

(斎藤雅史)

※「テケカラペ」の「ラ」、「アットゥシ」の「シ」は、それぞれ小さい字

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/980475/


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全国の学生、アイヌ文化学ぶ 平取で工芸、料理、踊り体験

2024-02-28 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年2月27日 18:50(2月27日 19:37更新)

工芸家の藤谷さん(右)からアットゥシの織り方を教わる岸本さん

【平取】全国の大学生や大学院生が町内でアイヌ文化を体験する町主催の講座「大地連携ワークショップ」が行われ、学生が地元の人と交流しながら工芸品の作り方や舞踊を学んだ。

 講座は毎年夏と冬の2回実施。今回は12~16日に東京外国語大や京都大などから参加した16人がアイヌ料理を作ったり伝統の踊りを体験したりした。

 15日はアイヌ工芸伝承館ウレシパで、町内工芸家の藤谷るみ子さんら3人からアットゥシ(樹皮の反物)の作り方を教わった。樹皮を割いてよった糸を用い、機織り機で縦糸と横糸を交差させ時間をかけて織り進め、藤谷さんは「この地域で100年以上続く伝統的な織り方」と説明した。

 体験した立命館アジア太平洋大(大分県)1年の岸本 ・・・・・

(杉崎萌)

※「ウレシパ」「アットゥシ」のシは、小さい字

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/980322/


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アイヌ民族とサーミ族に焦点 平取でドキュメンタリー上映会

2024-02-28 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年2月27日 18:47(2月27日 19:36更新)

上映会の開催に携わった関根さん(左端)、カプフィールさん(右から2人目)ら(参加者提供)

 【平取】沙流川歴史館で北欧の先住民族サーミやアイヌ民族に焦点を当てたドキュメンタリー映像の上映会が行われ、それぞれの文化への理解を深めた。

 二風谷アイヌ文化博物館の主催で17日に実施し、約40人が来場した。

 ノルウェーとスウェーデンの一部の南サーミ地域を研究するノルウェー出身のトム・カプフィールさんが手がけた48分の動画を上映。サーミが自然への感謝の祈りをささげる山や岩を紹介し、サーミの自然保護運動も取り上げた。2022年から撮影が続いている。

 平取町のアイヌ民族の暮らしを記録した映画「Ainu ひと」(溝口尚美監督、2018年)も約1時間上映され、文化継承者の萱野れい子さん、川奈野一信さんらが紹介された。

 上映会は、平取町出身でアイヌ文化普及に取り組む関根摩耶さん(24)・・・・・

(杉崎萌)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/980321/


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