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「余命1年」宣告…血液のがん「骨髄異形成症候群」と闘う男性 「残された命の中で…」アイヌ文化伝える読み語り活動を続ける理由

2024-01-05 | アイヌ民族関連

BSS1/4(木) 6:14配信

鳥取市に、絵本や紙芝居などを通じてアイヌ民族の歴史や文化を広める活動を行う一人の男性がいます。

余命1年の宣告を受け、一時やめていた読み語りの活動を再開しました。

そこには、男性の強い思いがありました。

去年12月、鳥取市国府町。

約1年半、実に569日ぶりに、ある男性の紙芝居を読む声が響きました。

河原清夫さん、72歳。

元中学校教諭で、退職後は絵本や紙芝居を使い、アイヌ民族の歴史や文化を伝える活動を続けてきました。

なぜ1年半ぶりなのかというと…。

河原清夫さん

「抗がん剤治療で入院して出たり入ったりしていました。感染症になると命が危ないので」

2022年3月、河原さんは余命1年と宣告を受けました。

骨髄異形成症候群」――正常な血液細胞が作られなくなる血液のがんが発覚し、9か月間に及ぶ抗がん剤治療を行いました。

退院後の現在も、週1回、赤血球液の輸血のため通院しています。

筋力は落ち、視力や聴力も低下、大好きな山菜取りや釣り、車の運転などもできなくなりました。

それでも…

河原清夫さん

「残った人たち、子どもたちに伝えたいことは、やっぱりアイヌ民族の歴史や文化を理解して、差別をなくして欲しいということ」

自分はまだしゃべることができる。

貧血症状はあるものの、状態が安定していることもあり、今回の講演を

受けることにしたのです。

河原さんがアイヌ民族の人権問題に

関心を持ったのは、教員時代に聞いた講演がきっかけ。

退職した年、実際に北海道に行き、アイヌの人たちの生の声を聞きました。

河原清夫さん

「アイヌ民族も小さなところは抗議することもできないと聞いてきました」

アイヌ民族が受けてきた差別の歴史、そして、自然を大切にして生きるという彼らの文化を、多くの人に伝えようと決心した河原さん。

まず、学校などで絵本の読み聞かせを始め、3年前に「アイヌの人たちのたべものやくらし」という紙芝居を作りました。

「正直で優しい心の正しいアイヌだけに肉や皮を届けるのです」

余命宣告を受けた直後、定期的に読み聞かせをしていた子ども食堂で行った最後の紙芝居公演では…

紙芝居を見た人

「楽しかった。こんな紙芝居が見られてよかったなと思いました」

「図書館に行ったとき、子どもがアイヌという言葉を見つけて『あのおじさんの紙芝居の話だ!』と言って。本に興味を持って借りたりしています」

河原さんの地道な活動は、確実に地域の人たちの心を動かしていました。

その子ども食堂を覗いてみると…

「アイヌにとってすべてカムイ・神様の中で一番頼りにするのは火のカムイの私なんだよ」

紙芝居を読んでいたのは、鳥取大学2年・丹下絢美さん。

河原さんの意思を引き継ぎ、ボランティアで読み聞かせを続けています。

鳥取大学2年 丹下絢美さん

「河原さんと出会えて、自分が知りたいと思うことに出会えて、それを伝えたいと思う人がいるということが、すごく私にとって大切な経験。命を大切にとか、そういう部分は、強く気持ちを持って読むようにしています」

河原さんの教えが子ども食堂で出す料理などに大きな影響を与えたと話すのは、施設の代表・川口映子さんです。

産後ケアやわらかい風 川口映子代表

「自然のものとか旬のものを大事に使うというところは、河原さんのアイヌ絵本の読み聞かせを通じて私たちが学んだことです。全国の子ども食堂の中でアイヌ絵本の読み聞かせをしているところは、多分ここだけだと思う。大事に続けていきたいです」

語り継ぐために何か形を残したい。

河原さんは今年、あるものの制作に取り掛かりました。

河原清夫さん

「私の体調がもうこれ以上元に戻らないだろうという読みのもとに、紙芝居を絵本にすることにしました」

紙芝居を絵本として後世に残すことにしたのです。

絵を相手にみせるようにめくれば、紙芝居にもなるように工夫しました。

河原さんは、これを県内の小中学校や幼稚園などに無償で配りました。

河原清夫さん

「作った以上は活用して欲しいですし、私自身も体力の続く中、できる限り広めたいと思っています」

アイヌ民族の服や、マタンプシと呼ばれるハチマキ、これがアイヌを語る時の河原さんの正装です。

講演会では、サケや根菜などの具沢山鍋に、イノシシとシカの焼肉、キビのおにぎりなど、アイヌの人たちが食べる食事もふるまわれました。

講演会に参加した人

「自然とか恵みに感謝することがなかなかないので、こういったことを今回学ばせてもらいました」

「差別とか、今まで全然考えたことがなかった。もう少し勉強していきたいと思いました」

1人でも多くの人にアイヌの現実を知って欲しい。

河原さんは命ある限り、自分の信念を貫いていく覚悟です。

河原清夫さん

「私がやるべきことは、他の人にはなかなかできないかもしれない。アイヌ文化の歴史と文化を伝えるというのは、私の一種の使命のような部分も感じながらやっています。できることは何でもしようと思っています、残された命の中で。」

山陰放送

https://news.yahoo.co.jp/articles/91eda23aff0639780bd4bc3da706f61b82de6843


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実写化不可能と言われた「ゴールデンカムイ」 リアル追求 氷点下ロケ 久保茂昭監督「見たことのない日本映画ができた」

2024-01-05 | アイヌ民族関連

スポーツ報知1/4(木) 6:00配信

「“金カム”の世界観を劇場で体験してほしい」と語った久保茂昭監督(カメラ・小泉 洋樹)

 男たちの友情と熱き戦いを描いた「HiGH&LOW」シリーズなどで知られる久保茂昭監督(50)が、人気漫画を実写化した映画「ゴールデンカムイ」(1月19日公開)のメガホンを執る。原作のファンだった久保監督は実際の雪原で撮影を敢行し、アイヌ文化や原作の魅力を映像で追求。血湧き肉躍るエンターテインメント超大作に仕上げ、「今まで見たことのない日本映画ができた」と手応えを語った。(奥津 友希乃)

 映像の世界に入り四半世紀が過ぎた。安室奈美恵さんら有名アーティストのミュージックビデオを500作以上手掛け、映画「HiGH&LOW」シリーズでは迫力の肉弾戦を演出。久保監督にとって、壮大なサバイバル・バトルアクションを描く“実写版金カム”はひとつの到達点でもあり、新境地への挑戦でもあった。

 日露戦争後の北海道を舞台に、莫大(ばくだい)なアイヌの埋蔵金を巡る一獲千金ミステリー。野田サトル氏による原作漫画は、歴史や冒険、バトル、狩猟、グルメ、アイヌ民族文化などの要素が織り込まれる類を見ない作風で熱烈なファンを獲得してきた。

 「ずっと原作漫画の大ファンでした。大自然と明治時代とアイヌ文化の3つの中で起こるサバイバルというのが斬新ですごく面白いし、アイヌ文化の神秘的な世界やピュアな優しさにも魅了されました。メガホンのオファーを頂いた時は本当にうれしくて涙が出ましたね。泣いて喜びましたけど本当に映画で撮れるのか、頭が真っ白になりました」

 その独特な世界観から「実写化は不可能」と言われてきた作品でもある。メガホンを執ることが決まり、網走監獄やアイヌ文化振興施設「ウポポイ」など、約半年にわたり作品ゆかりの地を巡礼。「原作やアイヌ文化に愛とリスペクトを持って映像で表現したい」と、キャスト衣装もアイヌ工芸家の協力を得るなどリアルを追求した。

 CGではなく実際の雪原で撮影することもこだわりのひとつ。氷点下10度を下回る北海道や長野など各地でロケを敢行し、雄大な雪原で躍動するキャラクターを迫力満点に再現した。

 「映像の約9割は本物の雪です。本格的な雪のロケは初体験だったので、(極寒地帯を舞台にした米映画)『レヴェナント:蘇えりし者』など作品を10本ほど見て事前に研究しました。実際は寒さも労力も想像以上。撮影前にはスタッフみんなで雪を踏み込んで圧雪し、一度撮ったら足跡が付いちゃうので気を使わないといけないし、日が落ちるのも早い…。大自然を相手にしていることを痛感しました」

 主演を担ったのが、映画「キングダム」シリーズなどでアクションにも定評のある俳優・山﨑賢人(29)。体重を10キロ増量し、“不死身の杉元”と呼ばれる元陸軍兵の屈強な主人公を体当たりで演じた。久保監督も、山﨑の役に懸ける情熱と身体能力の高さに舌を巻く。

 「賢人君はまさに杉元でした。セリフなんだけど本人の心の底から出ている言葉に聞こえて、アクションシーンになるとがらっと表情が変わる。いろんな人とアクション作品を撮ってきましたが、あんなにパンチひとつひとつに気持ちと表情がこもっている人っていない。宝物だと思います」

 共演にも山田杏奈(22)、玉木宏(43)、舘ひろし(73)ら豪華俳優陣が集結し、強烈な個性を放つキャラクターを“狂演”している。

 「人気漫画だけに実写化にはいろいろな声もあったし、それぞれプレッシャーもあったと思います。でも、原作に全員がリスペクトと愛情を持って丁寧に描いた結果、今まで見たことのない日本映画ができたかなと自負してます。生身の人間が演じることによる愛情や感情が乗っかり、実写でやる意味のある作品になった」

 劇中の重要シーンでは、アイヌのことわざ「天から役目なしに降ろされたものはひとつもない」が引用される。久保監督自身も「映画人として役目は何か」を自問自答している。

 「ミュージック・ビデオをやっていた時代も、今も、自分を映像アーティストや映画監督だと思っていない気がしていて。きっと僕の役目は出会う方たちをリスペクトして、その方たちの才能を生かすために自分の最大限を費やすこと。そのためにこの世界にそっと存在していられたらいいんです」。柔らかな表情の中に、静かな覚悟がのぞいた。

 ◆久保 茂昭(くぼ・しげあき)1973年9月25日、東京都生まれ。50歳。日大芸術学部映画学科監督コース卒業後、映像制作会社に入社。EXILE、DREAMS COME TRUE、倖田來未らのミュージックビデオを手掛ける。2016年「ROAD TO HiGH&LOW」で映画監督デビュー。主な監督作は「HiGH&LOW」シリーズ、「小説の神様 君としか描けない物語」など。好きな生きものはサメ。

 ◆「ゴールデンカムイ」 元陸軍兵の杉元(山﨑)は、ある男にアイヌ民族から強奪された金塊の存在を知り、アイヌの少女(山田)とそのありかを探すことになる。一方、大日本帝国陸軍第七師団の鶴見(玉木)や、戊辰戦争で戦死したとされていた新選組・土方歳三(舘)も金塊の行方を追っていた―。127分。

報知新聞社

https://news.yahoo.co.jp/articles/3ac6441195664b06abd2d223dedb3e73f990f11b


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2024年のオススメ映画 [国内編] 今年チェックすべきトピック6選

2024-01-05 | アイヌ民族関連

Otocoto JAN 04, 2024 COLUMN

今年2024年に公開が予定されている国内映画から6作品をご紹介。
大人気コミックス待望の実写化として話題の作品から、切ないラブストーリーまで目が離せない邦画作品が目白押しだ。ぜひ、予告映像だけでもご確認いただきたい。

映画『ゴールデンカムイ』予告②【2024年1月19日(金)公開ッ‼】

『ゴールデンカムイ』
大人気コミック待望の映画化

2014年より連載を開始し約8年をかけて完結した、野田サトルによる大人気コミック「ゴールデンカムイ」。明治末期、日露戦争終結直後の北海道を舞台に、莫大なアイヌの埋蔵金を巡る一攫千金ミステリーと、厳しい大自然の中で、魅力的なキャラクターたちによって繰り広げられる、サバイバル・バトルアクションだ。

主人公の元陸軍兵・杉元佐一が、アイヌの少女・アシㇼパと共に、埋蔵金の在りかが描かれた「刺青人皮」を求めて旅をする物語は、同じく埋蔵金を狙う大日本帝国陸軍第七師団や、戊辰戦争で死んだはずの土方歳三など歴史上の人物も登場し、歴史ロマン、狩猟、グルメ、アイヌ民族文化など様々な要素が丁寧に織り込まれた比類ない作品として熱烈な支持を獲得している。そんな多くの人々を魅了した原作をもとに、待望の実写映画が完成し、2024年1月19日に公開される。

本作の主人公で「不死身の杉元」と呼ばれる元陸軍兵・杉元佐一を演じるのは、山﨑賢人。ヒグマに襲われる杉元を助けたことから相棒として旅をすることになるアイヌの少女・アシㇼパ役には、山田杏奈。

大日本帝国陸軍第七師団上等兵の凄腕スナイパー・尾形百之助役に、眞栄田郷敦。“脱獄王”の異名を持つ天才脱獄犯・白石由竹役に、矢本悠馬。第七師団軍曹で鶴見中尉の側近・月島基役に、工藤阿須加。第七師団一等卒。双子の軍人・二階堂 浩平/洋平役を栁俊太郎。第七師団一等卒。東北マタギの生まれの谷垣源次郎役に、大谷亮平。「不敗の牛山」と呼ばれる柔道の達人・牛山辰馬役に、勝矢。

元・新選組二番隊組長で剣の達人・永倉新八役に、木場勝己。アシㇼパの祖母・フチ役に、大方斐紗子。北海道に眠る莫大な金塊の存在を杉元に伝える男・後藤竹千代役に、マキタスポーツ。アシㇼパの大叔父役に、秋辺デボ。さらに、杉元とアシㇼパが探す、金塊を同じく狙う大日本帝国陸軍第七師団の中尉・鶴見篤四郎役に、玉木宏。杉元・鶴見と同じく金塊を狙う、元新選組・鬼の副長・土方歳三役には、舘ひろし。

制作は『キングダム』シリーズを手掛けたCREDEUS。監督は、これまでEXILE、安室奈美恵、DREAMS COME TUREなど数々の有名アーティストのMVを500作品以上手掛けた久保茂昭。脚本には、『キングダム』シリーズ、ドラマから劇場版までを手掛けた「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」『ONE PIECE FILM RED』など、数々の大ヒット作でその手腕を発揮している黒岩勉。
同じく『キングダム』シリーズ、Netflixドラマ「今際の国のアリス」シリーズ、そして『東京リベンジャーズ』シリーズのやまだ豊が音楽を担当し、原作・TVアニメシリーズでもアイヌ語の監修を行った千葉大学名誉教授の中川裕、キャストとしても参加する秋辺デボがアイヌ文化の監修を行う。

あらすじ
舞台は気高き北の大地・北海道。時代は、激動の明治後期。日露戦争においてもっとも過酷な戦場となった二〇三高地での鬼神のごとき戦いぶりに「不死身の杉元」と異名を付けられた日露戦争の英雄・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく、北海道で砂金採りに明け暮れていた。そこで杉元は、アイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。金塊を奪った男「のっぺら坊」は、捕まる直前に金塊をとある場所に隠し、そのありかを記した刺青を24人の囚人の身体に彫り、彼らを脱獄させた。囚人の刺青は24人全員で一つの暗号になるという。そんな折、野生のヒグマの襲撃を受けた杉元を、ひとりのアイヌの少女が救う。「アシㇼパ」という名の少女は、金塊を奪った男に父親を殺されていた。金塊を追う杉元と、父の仇を討ちたいアシㇼパは、行動を共にすることとなる。同じく金塊を狙うのは、大日本帝国陸軍第七師団の鶴見篤四郎中尉。日露戦争で命を懸けて戦いながらも報われなかった師団員のため、北海道征服を目論んでおり、金塊をその軍資金代わりに必要としていた。そして、もう1人、戊辰戦争で戦死したとされていた新選組の「鬼の副長」こと土方歳三が脱獄囚の中におり、かつての盟友・永倉新八と合流し、自らの野望実現のため、金塊を追い求めていた。

2024年1月19日公開

監督:久保茂昭/原作:野田サトル「ゴールデンカムイ」(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
出演:山﨑賢人、山田杏奈、眞栄田郷敦、工藤阿須加、栁俊太郎、泉澤祐希、矢本悠馬、大谷亮平、勝矢、高畑充希、木場勝己、大方斐紗子、秋辺デボ、マキタスポーツ、玉木宏、舘ひろし
配給:東宝 ©2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会
公式サイト kamuy-movie.com

映画『サイレントラブ』30秒予告(1/26【金】全国公開)

『サイレントラブ』
声を捨てた青年と光を失った音大生のラブストーリー

『ミッドナイトスワン』で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督が、主演に山田涼介を迎えてオリジナル脚本で描く最新作、映画『サイレントラブ』が2024年1月26日に公開される。

主人公の青年・蒼が心惹かれたのは、目が不自由になり夢が途絶えかけている音大生の少女・美夏。「ピアニストになるという君の、美しい夢を叶えたい。」ある出来事をきっかけに声を発することをやめた蒼は、心でそう願いながら美夏とのかけがえのない時間を過ごしていくが‥‥。

主人公・蒼役を演じるのは、山田涼介。山田にとって初のラブストーリー映画主演作となる本作では、声を発することをやめた不器用な主人公を繊細に演じる。そして不慮の事故で目が不自由になり、絶望の中でもがくピアニスト・美夏役には、浜辺美波。蒼と出逢うことで絶望の淵から希望を見出していく難しい役どころを演じる。

また音楽は、スタジオジブリをはじめとした作品で音楽を担ってきた久石譲が担当。優しく、切ない音色が2人の物語に花を添える。

あらすじ
声を捨て、毎日をただ生きているだけの蒼。ある日、不慮の事故で視力を失い絶望の中でもがく音大生・美夏と出会う。何があってもピアニストになるという夢を諦めない美夏に心を奪われた蒼は、彼女をすべての危険から守ろうとする。だが、美夏に想いを伝える方法は、そっと触れる人差し指とガムランボールの音色だけ。蒼の不器用すぎる優しさが、ようやく美夏の傷ついた心に届き始めた時、運命の濁流がふたりをのみこんでいく‥‥。

2024年1月26日 公開

監督:内田英治
出演:山田涼介、浜辺美波、野村周平、吉村界人、SWAY、中島歩、円井わん、辰巳琢郎、古田新太
音楽:久石譲
配給:ギャガ ©2024「サイレントラブ」製作委員会
公式サイト silentlove

映画 『夜明けのすべて』 本予告 【2月9日(金)公開】

『夜明けのすべて』
NHK連続テレビ小説カップルが再び共演

「そして、バトンは渡された」で2019年本屋大賞を受賞した瀬尾まいこの原作小説を、『ケイコ 目を澄ませて』が国内外で絶賛を浴びた三宅唱監督が映画化。2024年2月9日に全国公開される。

原作にオリジナルの要素を加え、ふたりが交流し少しずつお互いの殻を溶かし合っていく姿を、彼らの見つめる日常の美しさや季節の移ろいとともに捉えた。W主演を務めるのは、NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で夫婦役を演じた松村北斗と上白石萌音。

映画としては初共演となる彼らが、今回は同僚役で最高の理解者となる特別な関係性を演じる。人生の様々な瞬間に、何度も思い出してしまうような大切な一本になる、令和時代の新たな傑作が誕生する。

あらすじ
月に一度、PMS(月経前症候群)でイライラが抑えられなくなる藤沢さんはある日、同僚・山添くんのある小さな行動がきっかけで怒りを爆発させてしまう。だが、転職してきたばかりにもかかわらず、やる気が無さそうに見えていた山添くんもまたパニック障害を抱えていて、様々なことをあきらめて、生きがいも気力も失っていたのだった。職場の人たちの理解に支えられながら、友達でも恋人でもないけれど、どこか同志のような特別な気持ちが芽生えていく二人。いつしか、自分の症状は改善されなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる。

2024年2月9日 公開

監督:三宅唱 / 原作:瀬尾まいこ『夜明けのすべて』(水鈴社/文春文庫 刊)/脚本:和田清人 三宅唱
出演:松村北斗、上白石萌音、渋川清彦、芋生悠、藤間爽子、久保田磨希、足立智充、りょう、光石研 
配給・宣伝:バンダイナムコフィルムワークス=アスミック・エース ©「夜明けのすべて」製作委員会
公式サイト yoakenosubete-movie

『52ヘルツのクジラたち』本予告 3月1日(金)全国ロードショー

『52ヘルツのクジラたち』
誰にも届かない声で泣く者たちの切なる愛

2021年本屋大賞を受賞し、85万部を売り上げるたベストセラー小説「52 ヘルツのクジラ」が映画化。最旬キャストが結集し映画『52 ヘルツのクジラたち』が2024年3月1日より全国公開される。
「52 ヘルツのクジラ」とは、他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに、何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。
主演の杉咲花が演じるのは、自分の人生を家族に搾取されてきた女性・三島貴瑚。ある痛みを抱えて海辺の街に越してきた貴瑚は、そこで母親から「ムシ」と呼ばれる、声を発することのできない少年と出会う。彼との出会いが呼び覚ますのは、貴瑚の声なき SOS を聴き、救い出してくれた、今はもう会えない安吾との日々だった――。愛を欲し、誰にも届かない声で泣く孤独な魂たちの出会いが生む、切なる愛の物語。メガホンを取るのは、『八日目の蝉』『銀河鉄道の父』の名匠・成島出。

あらすじ
ある傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家に移り住んできた貴瑚。虐待され「ムシ」と呼ばれる少年との出会いが呼び覚ましたのは、貴瑚の声なきSOSを聴き救い出してくれた、今はもう会えないアンさんとの日々だったー。

2024年3月1日 公開

監督:成島出 原作:町田そのこ「52ヘルツのクジラたち」(中央公論新社)
主演:杉咲花
配給:ギャガ ©2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会
公式サイト 52hz-movie

映画『変な家』何・か・が・“変” な【特報】

『変な家』
大人気動画から端を発した新感覚”間取り図”ミステリー

77万部超えのベストセラーとなった謎の覆面作家、雨穴による同名小説を映画化。『変な家』が2024年3月15日に全国公開される。「読み出したら止まらない」と大反響を呼んだ原作は小説の新ジャンルともいえる不動産ミステリーだ。

ことの発端は2020年10月にYouTubeにアップされた動画「変な家」。間取りを注意深く見るとわかる違和感と、そこから徐々に明らかになる真実が話題を呼び、現在の総再生数が1500万回を突破する大人気動画だ。そして、2021年7月にはYouTube動画をもとに、原作者・雨穴が物語の続きを大幅に書き加えたものが、本作の原作となる。
売れないオカルト専門の動画クリエイターの雨宮(雨男)がマネージャーから、購入予定の家の間取りについて不可解な点があると相談を受けるところから始まる本作。ひとつの変な間取りから始まる物語は謎が謎を呼び、やがて彼とバディを組む設計士の栗原が、次々と事件に巻き込まれていくゾクッとするミステリーとなっている。
監督を務めるのは、持ち前のエンターテインメント性と高い手腕で『変な家』を新感覚ミステリーとして描き出す石川淳一。主人公で売れないオカルト専門の動画クリエイター・を演じるのは間宮祥太朗。雨宮とバディを組み間取りの謎に迫る一風変わった設計士・役を佐藤二朗が演じる。そして本作のヒロインで間取りの謎のカギを握る謎の人物に川栄李奈と個性豊かなキャラクターたちが繰り広げる謎解きに注目あれ。

あらすじ
“雨男”の名前で活動する、オカルト専門の動画クリエイター・雨宮(間宮祥太朗)は、マネージャーから、引越し予定の一軒家の間取りが“変”だと相談を受ける。そこで雨宮は、自身のオカルトネタの提供者である、ミステリー愛好家の変人設計士・栗原さん(佐藤二朗)にこの間取りの不可解な点について意見を聞いてみることに…。次々と浮かび上がる奇妙な“違和感”に、栗原さんはある恐ろしい仮説を導き出す。そんな矢先、ある死体遺棄事件が世間を騒がせる。その現場は、なんとあの【変な家】のすぐ側だった。事件と家との関連性を疑った雨宮は、一連の疑惑を動画にして投稿することに。すると、動画を見た「宮江柚希」なる人物(川栄李奈)から、この家に心当たりがあるという連絡が入る。柚希と合流したことで、さらに浮上する数々の謎。そして新たな間取り図。やがて二人は、事件の深部へと誘われていく。紐解かれていく間取りの謎の先に、浮かび上がる衝撃の真実とは─。

2024年3月15日 公開

監督:石川淳一 / 原作:雨穴「変な家」(飛鳥新社)
出演:間宮祥太朗、佐藤二朗、川栄李奈
配給:東宝 ©2024「変な家」製作委員会 

公式サイト hennaie

映画『四月になれば彼女は』予告<2024年3月22日(金)公開>

『四月になれば彼女は』
初共演の3人が紡ぎ出す心に刺さる純愛映画

世界28カ国で出版され200万部を超えるベストセラーとなった「世界から猫が消えたなら」や、自らの小説を原作とし、脚本・監督を務め、第70回サン・セバスティアン国際映画祭にて日本人初となる最優秀監督賞を受賞した『百花』など、数々の話題作を生み出してきた川村元気。その川村が執筆した35万部突破のベストセラー恋愛小説「四月になれば彼女は」(文春文庫)が2024年3月22日に公開される。

本作の監督は、米津玄師「Lemon」、藤井風「青春病」、宇多田ヒカル「Gold ~また逢う日まで~」など、多くの伝説的ミュージックビデオを演出し、本作で長編映画に初めて挑戦する山田智和。撮影監督は、『新聞記者』『余命10年』などを手掛けた今村圭佑、音楽は『スワロウテイル』『ラストレター』など岩井俊二監督作品の映画音楽でも傑作を生み出してきた小林武史。今もっとも旬&実力派のクリエイター陣が集結し、圧倒的な映像美と世界観を作り上げた。

婚約者との結婚を控えた精神科医の主人公、藤代俊を演じるのは、主演・佐藤健。結婚を直前に控えて謎の失踪を遂げる藤代の婚約者、坂本弥生を演じるのは、長澤まさみ。そして藤代が10年前に交際していた初恋の女性で、世界中を旅しながら藤代に手紙を送る伊予田春には森七菜。初共演となる3人が史上最高峰のスケールで描かれる純愛映画を紡ぎだす。

佐藤演じる藤代が通うバーの店長を演じる、仲野太賀。藤代と春の大学時代の写真仲間であり、写真部部長に中島歩が好演。長澤演じる弥生の妹には河合優実。藤代の勤める大学病院の同僚にともさかりえ。そして、森演じる春の父親で、唯一の家族を竹野内豊が演じ、“心に刺さる”ラブストーリーをさらに彩る豪華キャストが、それぞれの愛を探し求める役どころを熱演する。

あらすじ
四月。精神科医の藤代俊(佐藤健)のもとに、かつての恋人・伊予田春(森七菜)から手紙が届く。“天空の鏡”と呼ばれるウユニ塩湖からの手紙には、十年前の初恋の記憶が書かれていた。ウユニ、プラハ、アイスランド。その後も世界各地から届く、春の手紙。時を同じくして藤代は、婚約者の坂本弥生(長澤まさみ)と結婚の準備を進めていた。けれども弥生は突然、姿を消した。「愛を終わらせない方法、それは何でしょう」その謎掛けだけを残して――
春はなぜ手紙を書いてきたのか? 弥生はどこへ消えたのか? ふたつの謎はやがて繋がっていく。
「あれほど永遠だと思っていた愛や恋も、なぜ、やがては消えていってしまうのだろう」
現在と過去、日本と海外が交錯しながら、愛する人の真実の姿を探し求める“四月”が始まる。

2024年3月22日 公開

監督:山田智和 / 原作:川村元気「四月なれば彼女は」(文春文庫)
出演:佐藤健、長澤まさみ、森七菜
配給:東宝 ©2024「四月になれば彼女は」製作委員会
公式サイト 4gatsu-movie

https://otocoto.jp/column/2024movietopics01/


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大自然の神秘・流氷やアイスバブル……北海道知床の魅力を教えてくれるネイチャーガイド

2024-01-05 | アイヌ民族関連

旅行読売1/4(木) 8:30配信

知床清里町 ウエネウサルみどり 代表  菅野又康彦さん

菅野又康彦さんご夫婦

 北海道・知床の語源はアイヌ語のシリエトク、“地の果て”を意味するとも言われている。雪に埋まる長い冬は確かに過酷だが、荒涼とした景色が延々と続いているわけではない。エゾシカ、キタキツネ、オジロワシ……。自然の猛威と闘いながら、多くの動物たちが命をつないでいる。オホーツクの海を望めば、水平線まできらめくような流氷が広がり、そこは命あふれる世界なのだという。

 「私の仕事は思い出を提供すること」とネイチャーガイドの菅野又康彦さん(53)は言う。厳冬期は、スノーシューを履いて雪原や流氷をめぐるツアーを企画しているが、「アイヌの文化を伝えたい」とも。雪が解ければヒグマと遭遇することもあり、安全確保も重要な仕事だ。ヒグマはキムンカムイ(山の神)。自然との共生こそ、彼らの文化なのだろう。

 鉄の街、室蘭で生まれた菅野又さんは中学2年の夏休みに道内一周の自転車旅に出て、「知床の自然とともに暮らしたい」と夢見るようになった。しかし、運命は残酷だ。翌年、交通事故で両親と妹を失い、養護施設に。高校卒業後は長距離トラックの運転手になったが、「生きるだけで精一杯だった」と言う。

流氷をめぐるツアーの様子

 40歳の時、宮城県の港町でひとりの女性と出会ったことが、彼の人生を変えた。翌2011年に東日本大震災が勃発した時、居てもたってもいられず、トラックで港町へ。女性は無事だったが、津波の惨状を目の当たりにし、「夢に挑戦する」と心に決めた。知床の玄関口、清里に移住し、17年、ネイチャーガイドとして独立。森を切り開いて車中泊のRVパークをオープンし、キャンピングカーのレンタルも始めた。

 菅野又さんの傍らには今、あの女性がいる。奥さんの晴子さんだ。彼女もガイドとして活動するようになり、コロナ禍は、オンラインツアーを募集するなど夫婦で乗り切った。知床の自然は奥深い。いつも新しい発見があり、「お客さんと一緒に感動しています」と言う。夢に向かって、今はひとりではない。

文・三沢明彦

この人に会いに行くには

菅野又さんがガイドして知床の“深さ”を教えてくれる

 知床はロシアからの流氷が接岸する南限、豊かな海と陸の生態系のつながりが評価され、2005年7月、世界自然遺産に登録された。海にはトドやアザラシ、クジラやシャチの姿があり、産卵のために遡上するカラフトマスやサケが、シリエトクに生息する約500頭ものヒグマの命を支えている。

 知床の大自然を感じるツアーは、旅行会社ベルトラのホームページ「日本を紐とく旅」で。

※「旅行読売」2024年2月号より

https://news.yahoo.co.jp/articles/0968fa8cf1417d216e13c952c6acd7a33e5f169f


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ACIDMAN、映画『ゴールデンカムイ』主題歌「輝けるもの」今夜先行配信

2024-01-05 | アイヌ民族関連

ototoy2024年01月04日18時00分

ACIDMANが、映画『ゴールデンカムイ』の主題歌となる新曲”輝けるもの”を、2024年1月5日(金)0時より先行配信リリースすることが決定した。

ACIDMANは、 「生命」「宇宙」をテーマにした壮大な世界を表現し続けている3ピースロックバンドで、2022年には埼玉〈さいたまスーパーアリーナ〉にてロックフェス〈SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI” 2022〉を主催し、約4万人を動員するなど精力的に活動を続けている。

累計発行部数2700万部を突破、各種漫画賞を受賞した大ヒットコミックの実写映画化であり、2024年初春、最大の話題作と呼ばれている、映画『ゴールデンカムイ』の主題歌を担当するACIDMAN。彼らが映画のために書き下ろした楽曲”輝けるもの”は、作品の情景がそこに浮かび上がるような、大自然のなかで抗いながら命を燃やす人々の生き様を、ロックサウンドに乗せてエモーショナルに歌い上げた楽曲となっている。

2024年1月17日(水)には約3年ぶりとなるシングルCD「輝けるもの」をリリース。初回限定盤DVDには、昨年10月に開催された〈This is ACIDMAN 2023 at Zepp Haneda〉のライヴ映像をいち早くパッケージ化。「これぞACIDMAN」なベスト的セットリストで構成された全20曲、約2時間半が収録される。

また、「輝けるもの」ジャケットは、映画『ゴールデンカムイ』の世界観と連動した、アイヌの文様をモチーフにしたデザイン。初回限定盤は金箔押しを施し、まさにタイトル「輝けるもの」を表現している。通常盤は、同デザインでメタリック特色を使用。初回限定盤・通常盤で収録内容、ジャケットがそれぞれ異なる。

2024年2月6日(火)には、ACIDMANとして約3か月ぶりとなるワンマンライヴを、東京〈TOKYO DOME CITY HALL〉にて開催する。〈New Single Release Live「輝けるもの」〉と題したこのライヴでは、主題歌”輝けるもの”を含むライヴパフォーマンスのほか、この日のために用意された『ゴールデンカムイ』特別映像の上映、『ゴールデンカムイ』とのコラボレーションデザインのノベルティ入場者全員プレゼントなどを予定とのこと。

リリース情報

ACIDMAN ニューシングル

「輝けるもの」

2024年1月17日(水)リリース

予約URL : https://acidman.lnk.to/shiningPR

〈収録曲〉
1. 輝けるもの ※映画『ゴールデンカムイ』主題歌
2. 輝けるもの (Instrumental)
3. 『Rebirth』 Live Track from 「This is ACIDMAN 2023 at Zepp Haneda (2023.10.30)」※通常盤のみ
4. 『ALMA』 Live Track from 「This is ACIDMAN 2023 at Zepp Haneda (2023.10.30)」※通常盤のみ

〈DVD収録内容〉※初回限定盤のみ
This is ACIDMAN 2023 at Zepp Haneda (2023.10.30)
・to live
・造花が笑う
・FREE STAR
・Rebirth
・スロウレイン
・赤橙
・リピート
・季節の灯
・アルケミスト
・彩-SAI-
・Λ-CDM
・ALMA
・EVERLIGHT
・世界が終わる夜
・夜のために
・ある証明
・飛光
・廻る、巡る、その核へ
・式日
・Your Song

先行配信
「輝けるもの」
2024年1月5日(金)配信リリース

ライヴ情報

〈New Single Release Live「輝けるもの」〉

2024年2月6日(火) 東京・TOKYO DOME CITY HALL

OPEN 17 : 30 / START 18 : 30

・ホームページ先行受付(抽選)
受付期間 : 2024年1⽉4⽇(木)23 : 59まで
受付URL : https://eplus.jp/acidman0206/

※詳細はオフィシャルまで

アーティスト情報

・ACIDMAN オフィシャル・ウェブサイト

http://acidman.jp/

・モバイルサイト

http://acidman.mobi/

・X(Twitter)

https://twitter.com/ACIDMAN_staff

https://ototoy.jp/news/115951


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小さな瞳が捉える気候危機の最前線。先住民族の子どもたちにカメラを渡してみたら?

2024-01-05 | 先住民族関連

アイデアスフォーグッド1 04, 2024

by Okazaki Akiko

一滴の水もなく干上がった、水たまり。これは南米コロンビアの先住民族Wayuu(ワユー族)の子どもたちが、自らの目に見える、ありのままの様子を撮影したものだ。

14歳のイスマエルさんが撮った、コミュニティ内の干上がったプール | Image via Ismael/Save the Children

いま、気候危機によって世界中の子どもたちの生活や将来、権利が脅かされている。洪水の発生によって学校へ行けない子や、食糧不足や栄養失調に陥る子どもたち──国際NGOセーブ・ザ・チルドレンによれば、気候危機の影響によって学習が中断されてしまった子どもは世界で約4,000万人にのぼる(※1)。

そうした、気候危機被害の最前線にいる途上国の子どもたちの「声」はなかなか届きにくい。そんななか、セーブ・ザ・チルドレンは、写真家Angela Ponce氏と協力してコロンビアの先住民族Wayuuの子どもたちに写真の基礎を教え、1週間にわたって身の回りの環境や文化、生活をカメラに収めるという一風変わったワークショップを開催した。

子どもたち自身は、自らの地域コミュニティのストーリーを、どのように写真に収めたのだろうか。子どもたちのレンズをのぞいてみよう。

これは、13歳の少女が写した、過酷な水不足の現状だ。池や川の水を探そうとしている人々の姿が活写される。

写真 ジャウウェイで水を探している妹の写真を撮ったマヌエラさん(13歳)| Image via Manuela/Save the Children

写真 水を汲みに行く途中、干上がった川岸を歩く母セネイダさん(50歳)の写真を撮る。 | Image via Luz/Save the Children

長年の干ばつによって、子どもたちは自分たちが飲む水を、家畜にも使う池から得るしかなくなった。当然ながら、下痢や感染症などが頻発する。ワークショップで子どもたちは次のように語っている。

「私たちは牛の池の水を飲んでいます」「Wayuuは水不足に悩まされています。天気が変わってきているので、水は、見つからない。ここにはもう、“季節”がないんです」

並んだバケツを撮る子もいる。入浴のために使う、雨水を貯めるバケツだ。

14歳のベルキスさんは、雨水を集めるバケツの写真を撮った。 | Image via Belkis/Save the Children

母親が料理をする様子を撮影した子もいる。

写真 14歳のイスマエルさんは、コミュニティで料理をしている母親のヘルメリンダさん(38歳)の写真を撮る。 | Image via Ismael/Save the Children

Wayuuが暮らす、コロンビア北部に位置する地域であるLa Guajiraは、国内の最貧困地域であり、人口の60パーセント以上が貧困状態にある。栄養失調による子どもの死亡率は、コロンビアの平均値の6倍に相当するという(※2)。コロンビア政府は、すでに干ばつとエルニーニョ現象によってこの地域に緊急事態宣言を出している。それだけにとどまらず、La Guajiraでは2050年までに気温は4度以上上昇し、降雨量は5分の1までに減少するというのだ(※3)。

Wayuuのアイデンティティが結びついているという、trupilloという植物(メズキートと呼ばれる)を選んで、写真に残した子どももいる。極度の干ばつでも育つメズキート。干ばつのひどいときには、その実を収穫してそのまま食べたり、粉にして家畜の餌にしたりするという。

写真 エドガルドさん(13歳)は、トルピージョの写真を撮った。 | Edgardo/Save the Children

また、ただただ、いつも見る美しい夕暮れの写真を撮る子どももいた。

写真 「夕暮れの写真を撮った。いつも夕暮れを見るのが大好きだから」| Image via Yolibeth/Save the Children

Wayuuの子どもたちの「声」は、聞こえてきただろうか。気候危機はいま、最も弱い立場にある人々に、最も大きな打撃を与えている。

聞こえてきた「声」を、より大きな行動へと繋げていくために、私たちができることはなんだろう。

※1 【COP28】「私たちの声を聴いて」気候変動の影響を受ける子どもたちの声 | セーブ・ザ・チルドレン
※2 THROUGH THE LENS OF RESILIENCE: INDIGENOUS CHILDREN IN COLOMBIA PHOTOGRAPH THE CLIMATE CRISIS
※3 Indigenous children in Colombia were given cameras to capture climate change. Here are their photos
【参照サイト】THROUGH THE LENS OF RESILIENCE: INDIGENOUS CHILDREN IN COLOMBIA PHOTOGRAPH THE CLIMATE CRISIS
【参照サイト】Indigenous children in Colombia were given cameras to capture climate change. Here are their photos
【参照サイト】「私たちの声を聴いて」気候変動の影響を受ける子どもたちの声

Edited by Erika Tomiyama

https://ideasforgood.jp/2024/01/04/indigenous-children-cameras/


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フィリピンの水上スラムで少数民族の女性と国際結婚した日本人男性の“その後”――大反響トップ10

2024-01-05 | 先住民族関連

 日刊SPA!2024年1月4日 15時44分

反響の大きかった2023年の記事からジャンル別にトップ10を発表してきた。今回のジャンル分けには当てはまらなかったけど、まだまだある大人気だった記事を紹介する!(集計期間は2023年1月~10月まで。初公開2023年9月17日 記事は取材時の状況) *  *  *

 グローバル化が進み、海外移住の末に現地で国際結婚する人が増えた。しかし育った環境や価値観が異なることから、すれ違いが生まれてしまうケースも多い。

 都内在住の松田大夢さん(28歳)は2016年、フィリピンのセブ島に住む少数民族「バジャウ族」の女性と、出会って2ヵ月でスピード結婚。結婚から1年半後には長男も生まれた。

 ふたりの仲睦まじい様子は当時、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアに取り上げられて話題を呼んだ。順風満帆かのように思えた結婚生活。しかし大夢さんが行っていた活動が引き金となり、夫婦の仲は少しずつ壊れていったという。いったい、何があったのか。ふたりの“その後”に迫った。

◆出会いはバジャウ族の結婚式

 10代でセブ島に渡った大夢さんは、現地でのNPO活動を通してバジャウ族と知り合った。バジャウ族とは、東南アジア周辺の水上に住み漁業を生業としてきた民族だ。

 彼らの魅力を伝えたいと活動を始めた大夢さんは、人間関係を築くなかで村に住むことを許されるようになる。

 のちに妻となるシャイマさんとの出会いは、ある日参加した村の結婚式だったという。

「バジャウ族の結婚式って、三日間くらい続くんだよね。村長の家の前の水上広場でやるの。男たちの演奏と歌に合わせて、着飾った女の子たちが伝統舞踊を踊るんだけど、その中のひとりにシャイマがいたんだ」

 一目惚れした大夢さんは、近くにいた妙齢の女性に「あの子可愛いね」と伝えた。すると、“パンジ”を勧められたそうだ。 

「パンジはチップ的なもので、踊り子がヒラヒラさせている掌に、折り曲げた紙幣を挟む行為。踊っているシャイマの手にパンジしたのが、最初のきっかけ。結婚式のあと『あの可愛い子は誰?』って聞きまわっていたら、俺がシャイマを好きだってうわさが広まったんだ」

 さらには近所の世話焼きな女性により、シャイマさん本人に「ヒロがあなたに会いたがっている」と勝手に話をされていた。

「そんなことになっているなんて俺は知らなかったけど、むこうは俺が来る準備をしていたらしくてさ。おばちゃんに『シャイマが待っているから早く行きな!』って急かされて、行かざるをえなくなったんだよね(笑)」

◆出会いから2ヵ月で電撃結婚

 家を訪問したことがきっかけで、ふたりはデートを重ねていった。友達以上、恋人未満な関係ではあったが、彼女の家族にも受け入れられたという。

 出会いから2ヵ月後、大夢さんは結婚を決意する。決め手となったのは、彼なりの直感と、いくつかの出来事だ。

「シャイマと遊ぶようになったタイミングで、フィリピンのNCIP(※国家先住民問題委員会)が俺を訪ねてきたんだ。『何でこんなところに日本人が住んでいるんだ』って。バジャウ族の人たちは『ヒロはいいヤツだし、バジャウ族のための活動をやっているんだ』って助けてくれていたけど……NCIPからすると、少数民族のコミュニティに変な日本人が住んでいるのが気に食わないらしくて。鬱陶しそうな扱いを受けたんだよね」

 NCIPに何度も呼び出され、事情聴取を受けるうちに、「俺がバジャウ族と結婚しちゃえば、誰も文句を言えないだろう」と考えるようになったという。

 さらに、シャイマさんの引っ越しも大きな理由となった。

「彼女の両親は真珠を売る仕事をしていたんだけど、セブ島よりも稼げるパラワン島(※フィリピン南西部にある島)に家族で移住する予定だったんだよね。そうなると、シャイマと離れ離れになって会えなくなってしまう。俺と結婚するならセブ島に残れるって言うから、『離れるなんて絶対にイヤだし、結婚するなら今しかない!』と思ったんだ」

 話はとんとん拍子で進んでいき、交際0日での電撃結婚となった。バジャウ族以外の友人からは「考え直したほうがいい」と反対されたものの、最終的には周りを納得させたそうだ。

◆価値観の違いから喧嘩続きの毎日

 そうして2016年、大夢さんは21歳で結婚した。婚約した時点で全財産が2000円しかなかった彼は、自身のブログで結婚式のカンパを募る。記事は2日間で3万人に読まれるバズを記録し、無事に挙式へと至った。

 結婚から1年半後には長男も生まれ、順風満帆に思えた結婚生活。ところが……。

「じつは今、離婚に向けて話を進めている。結婚して2~3年目くらいには、離婚話が出ていたんだ。俺はその頃、バジャウの魅力を外に伝えるのに必死で、村の中にゲストハウスを建てたり、自宅にもいろんな人を招いたりしていた。ふたりだけの生活を送れないのが、嫁には耐えられなかったみたい」

 バジャウ族の文化を知るツアーを主催していた大夢さんのもとには、毎日ひっきりなしに人が訪れていた。自宅に常に誰かがいる環境のストレスや嫉妬から、シャイマさんは徐々に精神的に不安定になっていったという。

「シャイマが求めていたのは、家族を最優先する普通の家庭。それは分かっていた。でも俺は、バジャウに来てくれる人みんなが大切だったから、彼女も含めて全員とフラットに接していたんだ。それが原因で愛情不足に陥って、ヒステリーを起こすようになって。シャイマの求める愛に、俺は応えられなかったんだよね」

◆自宅の崩壊がきっかけで別居

 喧嘩ばかりの日々が数年間続き、もはや話し合って解決することすら不可能だった。大夢さん自身も、心のバランスが取れなくなってしまったそうだ。

「俺が愛をもっと注げば解決したことだけど、喧嘩が激しくなるにつれて、意識的に愛することができなくなってしまって。どっちが悪いとかじゃなく、お互いが大事にしているものが違っただけ」

 そんな状況に変化をもたらしたのが、2021年の台風による災害だ。大型台風の影響でバジャウ族の村は壊滅状態になり、大夢さんの自宅も全壊してしまう。

 崩壊を免れた別宅にシャイマさんと息子を避難させ、大夢さんは村の復興に尽力した。復興作業が終わると、妻子を残して一時日本に帰国し、国内やカンボジア、タイを放浪してまわっていたという。

「離れてからは、生活費を送るときに連絡を取ったり、息子と話したいときにビデオ通話をしたり。フィリピン人からは『無責任だ』『なんで家族と一緒じゃないんだ』って言われたけど、離れてからのほうが良い関係でいられてさ。

 離婚を決めたのは、つい最近。シャイマはずっと『大夢とは離婚した』って言っていたそうだけど、俺はあいまいなままにしていたんだよね。この先の目的がやっと明確になってきたから、決心がついたよ」

◆新しいパートナーと次の人生を歩むと決意

「タイミングが来たらセブ島に戻ろう」と考えていたものの、先のビジョンが見えないまま日本国内で日々を過ごしていた大夢さん。

 しかしフィリピン現地の状況を知ったことで、リモートでのマネージメントによるバジャウ族ツアーの再開、そして日本を拠点にした新たな活動を決める。

 それにともない、あやふやにしていた婚姻関係にも整理をつけることにした。

「シャイマはすごく愛情深い女の子だから、俺が家族を最優先に生きていたら、良い家庭を築けていたはず。俺はずっと、バジャウ族と日本人、双方の中心で起点になって、どちらにもポジティブな価値を生み出すことに注いでいた。日本社会での生きづらさや悩みを抱えた人たちが、より自分らしくハッピーに生きるためのきっかけ作りが、俺の生きがいでもあった。今までたくさんの人々がバジャウを訪れて、人生が変わるきっかけの場になっていたと思う。

 家庭を蔑ろにして別のことに夢中になり続けていたのは、シャイマに対して本当に申し訳ない。コロナと台風のおかげで夫婦として物理的な距離ができて、お互いに冷静になって話せたおかげで、これからはそれぞれのベストな道に進むことができそう」

 結婚生活を振り返り、そう語る大夢さん。じつは今、日本で“パートナー”と呼べる女性がいるのだとか。今後は彼女とともに、日本に拠点を構えて新しい暮らしを作っていくという。

「今のパートナーとはお互い目指す先が一緒なんだ。喧嘩しても話し合ってお互いの理解を深めて、同じ方向に進んでいく大事さを、俺はシャイマから学んだ。息子に対しては、大きくなって俺にヒントを求めてくることがあったら、いろいろ教えてあげたいなって思っている。今はシャイマのもとでバジャウ族として育っているから、それまでは価値観を押し付けることなく、好きなことができる環境を整えてあげて、のびのび育ってほしいね」

<取材・文/倉本菜生>

【倉本菜生】

福岡県出身。フリーライター。龍谷大学大学院修了。キャバ嬢・ホステスとして11年勤務。コスプレやポールダンスなど、サブカル・アングラ文化にも精通。X(旧Twitter):@0ElectricSheep0

https://news.livedoor.com/article/detail/25644672/


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実写映画『ゴールデンカムイ』ブレーク中の7歳子役・永尾柚乃がアイヌの少女・オソマ役で出演

2024-01-05 | アイヌ民族関連

ORICON NEWS 1/5

話題の子役・永尾柚乃がアイヌの少女・オソマを演じるッ!

© 野田サトル/集英社© 2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

 俳優の山崎賢人(※崎=たつさき)主演で、野田サトルの人気漫画を実写映画化した『ゴールデンカムイ』(1月19日公開)に、ドラマや映画、バラエティ、CMにひっぱりだこの子役、永尾柚乃(7)が、アシリパ(※リ=小文字)の従妹で、その健気な姿から原作ファンの人気を密かに集めるアイヌの少女・オソマ役出演していることが明らかになった。原作の再限度の高さが一目でわかるキャラクタービジュアルも解禁となった。

 本作は、明治末期、日露戦争終結直後の北海道を舞台に、主人公の元陸軍兵・杉元佐一(山崎)が、アイヌの少女・アシリパ(山田杏奈)と共に、埋蔵金の在りかの手掛かりが描かれた「刺青人皮(いれずみにんぴ)」を求めて旅をする物語。同じく埋蔵金を狙う大日本帝国陸軍第七師団の中尉・鶴見篤四郎(玉木宏)や戊辰戦争で死んだはずの新撰組「鬼の副長」こと土方歳三(舘ひろし)など、一癖も二癖もある魅力的なキャラクターたちと繰り広げられるサバイバル・バトルアクションが見どころとなっている。

 永尾が演じるオソマは、アイヌ語で「うんこ」や「うんこをする」という意味。アイヌでは赤ん坊に病魔が近寄らないよう、あえてこのような幼名を付けて魔除けをする風習があり、オソマは身体が弱かったため本名もオソマと名付けられた。そのおかげで、とても元気にコタン(村)で暮らしている。口琴(こうきん)と呼ばれるアイヌの伝統楽器「ムックリ」(紐を引っ張って弁を振動させ、口で響かせる竹製の楽器)を弾くのが大好きで、アシリパのチセ(家)に訪れた杉元を歓迎する。

 永尾が一躍注目を集めることになったきっかけは、昨年1月期に放送されたドラマ『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ)で、安藤サクラ演じる主人公・近藤麻美の幼少期を演じ、「見た目は保育園児、中身は33歳」という難役を見事に表現。「上手すぎる!」、「表情が完璧すぎる!」と大きな話題となり、“チビ麻美”として人気が急上昇。そんな大注目の子役・永尾から、本作についてのコメントが届いている。

■コメント(全文)

 出演が決まった時は本当に、“うれドキ”(うれしくてドキドキ)で、しかもオソマちゃん役ができると思うと “わくドキ”(わくわくドキドキ)で思わず踊っちゃいました!

 オソマという名前の意味を知った時は驚いたのですが、オソマちゃんを演じてみて今ではとても気に入っています!

 現場では、山崎さんとあやとりをしたり、山田さんと好きな食べ物のお話をしたりして楽しかったです!

 北海道での撮影や、アイヌ民族の衣装、ムックリなど新鮮でした!ぜひ、いろんな方に観てもらえるとうれしいです。

■プロフィール

 2016年10月15日生まれ。主な出演は、23年『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ)近藤麻美(保育園時代)役、大河ドラマ『どうする家康』(NHK)第5回・久松一家のこども役、22年『拾われた男 LOST MAN FOUND』(ディズニープラス・NHK)第6話~福子役、『エルピスー希望、あるいは災い-』(関西テレビ)第7・8話のこども役、21年『神様のカルテ』(テレビ東京)第4話・小春役、20年『一億円のさようなら』(NHK)第3話・加能美嘉(2歳時)役など。映画では22年『Dr.コトー診療所』和田家のこども役、『ラーゲリより愛を込めて』はるか役に出演している。

https://www.msn.com/ja-jp/entertainment/other/実写映画-ゴールデンカムイ-ブレーク中の7歳子役-永尾柚乃がアイヌの少女-オソマ役で出演/ar-AA1mtwgk


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アメリカ海洋大気庁、北極圏の温暖化の加速を示す「2023年北極報告カード」を発表

2024-01-05 | 先住民族関連

ELCネット【掲載日】2024.01.04 【情報源】/2023.12.12 発表

アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、「2023年北極報告カード」を発表した。北極圏の2023年夏季の平均気温は史上最高の6.4℃、年平均気温は史上6位の-7℃であった。

海氷面積とグリーンランド氷床は減少を続け、5月の北米の積雪面積は記録的に少なかった。8月の海面水温は、北極海のロシア近海などで1991~2020年同月の平均を5~7℃上回ったが、グリーンランド近海などでは異常な低温となった。北極海の8月に解氷する海域の海面水温は、1982年以降10年あたり0.5℃上昇を続ける。北極域の降水量は記録史上6位、記録的な豪雨の一方で夏季にカナダ北部では乾燥による大規模な山林火災が発生した。

ツンドラの緑度の増加、植物プランクトンの繁茂、サケ類の生息数の変動など生態系の変化が地域の先住民社会に多大な影響を与えている。

今回の「カード」は、アラスカ大学と先住民の協力プロジェクトやフィンランドのサーミ人が参加する環境再生取組など先住民参加取組に章をあてた。

また、初めて海底永久凍土について章を設けた。

【アメリカ海洋大気庁】

https://eic.or.jp/news/?act=view&word=&category=&serial=50047


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アマゾンの先住民と60年間関わり続けた探検家が「学んだこと」

2024-01-05 | 先住民族関連

クーリエ1/4(木) 22:55配信

アマゾン先住民の人々と接触をはかってきた冒険家、シドニー・ポスエロ(中央)

現代社会から隔絶された世界で、独自の生活を守り続ける人々がアマゾンの森にいる。そんな人々と接触をはかり続けて60年の探検家、シドニー・ポスエロにイスラエル紙「ハアレツ」がインタビューした。

【画像】性と匂いと死と─アマゾン先住民と60年間関わり続けた探検家が「得たもの」

ときに命の危険にさらされつつも、伝統的な暮らしを送る部族たちを「現代文明の侵略」から守るために活動してきたポスエロ。人生の大半をアマゾンに捧げている彼が見聞きしてきたものとは。

「まずはファスナー下げて見せて」

ブラジル、アマゾン地域の孤立した部族のメンバーたちは、初対面のとき、シドニー・ポスエロという「奇妙な白い生き物」の正体を確かめようとしたという。

「自分たちと同じ生き物なのかを彼らは確かめたがっていたのです」とポスエロは微笑みながら思い出を語る。

「私に口を開けさせて中をのぞき、顔や髭を触りました。部族の女性たちはファスナーを下げさせると、私のペニスを見て、夫を呼んで彼にも見せていましたね。そして女性の調査メンバーがいた場合、男性たちが胸と腰を触り、本当に女なのか確かめました」

「とある部族の男性は、調査チームの黒人メンバーの手を取ると、色を落とそうと皮膚をこすっていたこともあります。最終的にはそういう肌の色なのだと理解していました」

彼がいなければ、多くの部族が消えていた

私の目の前に座る、80歳の素晴らしい冒険家──彼ほど危険を厭わずアマゾンの部族に人生をささげた人間は他にいない。

60年に渡るキャリアのなか、ブラジル生まれのポスエロは、それまで一度も白人と接触したことがなかった7つの部族とコンタクトを取り、ブラジル領土の約15%を先住民コミュニティの特別保護区として区画させることに成功した。そしてその後は逆に、彼らの保護のために「接触を避ける」という画期的な方針を取っている。

マチェテ(山刀)を手に、学位なき彼は民族学者となり、先住民とともに幾年もジャングルで過ごしたのだ。

ポスエロは長年、ブラジル、国立先住民保護財団(FUNAI)の「孤立したインディオ局(Department for Isolated Indians)」の局長を務めた。その努力によって彼は同分野一の権威となり、アマゾン地域の先住民部族のスポークスマン、そして世界で最も尊敬され多くの賞を受ける活動家となった。

彼がいなければ、数十の部族が絶滅していただろう。

死と隣り合わせの接触

1978年、それまで一度も白人を見たことのなかった人間とはじめて出会ったときのことを、ポスエロはよく覚えている。

「出会ったのはジャバリ谷に住むマイア族です。あそこはボートでしか辿り着けないんですよ」とポスエロは言う。

「違法伐採者が彼らに会ったと聞き、気になって探しに行きました。しかし向かう途中で川が氾濫したんです。結局ボートは捨てて洪水した森を歩きました。そこで突然、先住民をひとり見たのです」

「贈り物として、彼にマチェテを渡しました。どこに向かうのかもわかりませんでしたが、歩きだしたので後をついていったんです。すると、小さな小屋につきました」

「そこにいたのは私と、調査に協力してくれていた先住民4人、そして出会ったマイア族の2人です。先住民はだいたいが2~3種の言語を話しますが、私たちが会った人たちは、チームのメンバーが知るどの言葉もしゃべれませんでした」

「夜になり、私たちは小屋で身を寄せ合って眠りました。白い肌の人間は私だけ。そして白人の所業に関して噂を耳にしていたため、彼らは私を恐れているようでした」

ポスエロは続ける。

「日が昇ると外に出て体を伸ばし、次にどうなるか待っていると、部族の他のメンバーがもうすぐ来るのだとジェスチャーで分かりました。暴力的な状況になるのか、私たちには分かりません。その時は彼らのことを理解できなかったし、彼らも私たちを理解できなかったのです」

「チームには、もし何かが起こったら宙に向かって発砲しようと言いました。孤立した部族と会った場合、2つの可能性があることを、先住民メンバーは私よりもよく分かっていたのです。仲良くなるか、そうでなければ殺されるということを」

Ayelet Vardi

https://news.yahoo.co.jp/articles/c7f3604cbcc003a813845391bafdf3f07f41a009


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