先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

ドキュメンタリー映画を手掛ける 小町谷健彦(こまちや・たけひこ)さん

2024-01-21 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年1月20日 09:41

 旬のドキュメンタリー映画の上映会「いまドキュ」を札幌の自主上映サークル「キノマド」と共同で始め、昨年、部落問題や水俣病を扱った2作品を紹介した。2月には第3弾として全盲の美術鑑賞者に迫った映画「目の見えない白鳥さん、アートを見にいく」の上映を計画中だ。

 札幌生まれ。札幌南高時代に見た、北海道育ちの相米慎二監督の「風花」の物語性や映像美に衝撃を受ける。東大に進むが、自主映画製作に没頭し、工学部4年で中退。バキュームカーのアルバイトなどを経て映画製作会社「シグロ」(東京)などで映画づくりを学んだ。2017年に盲ろう者を描いた映画「もうろうをいきる」を初プロデュースするが、スタッフへの給料遅配にも悩む。

 興行収入だけでは赤字になることが多い「構造的に弱い業界」から一時距離を置き、19年にオホーツク管内津別町へ。「問題解決の力を身に付けたい」と、官民出資のまちづくり会社に就職し、空き家を生かした移住提案などに関わった。

 21年に胆振管内厚真町に移住後、映画製作・企画会社「fuchi」(ふち)を旗揚げ。今年は「地域の記憶」を伝える短編映画の製作に本腰を入れる。またアイヌ民族の研究で知られる学者ブロニスワフ・ピウスツキを描く作品構想も温める。

・・・・・

(鈴木雅人)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/965443/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

民族舞踊や木彫りなど・・アイヌ文化を紹介するアイヌ文化フェスティバルが開催

2024-01-21 | アイヌ民族関連

STV2024/01/20

木彫りや民族舞踊などのアイヌ文化を総合的に紹介するアイヌ文化フェスティバルが札幌で開催されました。

アイヌ文化フェスティバルは広く一般の人を対象に民族舞踊や木彫り、刺しゅうなどのアイヌ文化を紹介して国民的な理解の促進を図るために開催されました。

会場ではアイヌ古式舞踊の保存会による演舞のほか民族学者による講演が開かれました。

またフェスティバルの冒頭には古布絵作家としてアイヌの権利回復に向けた活動を続けてきた白老町に住む宇梶シズエさんへのアイヌ文化賞贈呈式も行われました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d9bc41f45a270b68a3c57dae23d5d8d2857adece


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

漫画の世界そのまま」映画『ゴールデンカムイ』好スタート タイアップしたJR北海道は金色にラッピングした特別仕様「特急カムイ」を運行

2024-01-21 | アイヌ民族関連

HBC1/20(土) 18:06配信

 JR北海道は映画「ゴールデンカムイ」とタイアップした特別列車を運行しています。

 銀世界を切り裂くように走る金色の列車。

【写真を見る】「漫画の世界そのまま」映画『ゴールデンカムイ』好スタート タイアップしたJR北海道は金色にラッピングした特別仕様「特急カムイ」を運行

 JR北海道が映画「ゴールデンカムイ」とタイアップした「特急カムイ」です。

 映画は、人気漫画が原作で、明治時代の北海道を舞台にアイヌが残した莫大な金塊を探す冒険物語。

 映画のストーリーにちなみ金色のラッピングが施された特別列車は、3月中旬まで運行する予定で、札幌と旭川の間を1日8往復から10往復するうち、どの便で使われるかは非公表だということです。

 一方、映画は19日に公開初日を迎え、札幌の映画館には原作のファンら多くの人が訪れています。

映画を見た人

「漫画の世界そのままで、アクションシーンが大迫力でかっこよかったです」

「映画のオリジナルの部分とかもあり、すごくおもしろかった」

 映画「ゴールデンカムイ」は、全国の映画館で上映されています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/349b0ca052cc0dd8613c79b47b50a828d92da82b


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ゴールデンカムイ』における狂気の最重要キャラ!鶴見中尉を怪演する玉木宏から目が離せない

2024-01-21 | アイヌ民族関連

ムービーウォーカー2024/1/20 19:30

アイヌの莫大な埋蔵金を巡る冒険サバイバルバトルを描いた大人気コミック「ゴールデンカムイ」の実写映画『ゴールデンカムイ』がついに公開!北海道の大自然、野生動物との格闘、アイヌ文化、グルメなど様々な見どころが挙げられる本作だが、その大きな魅力の一つは、“脇キャラ不在”と言われるほど、個性豊かでバイタリティのあるキャラクターたちが縦横無尽に活躍する点である。

壮大な物語の導入部として、主人公の杉元佐一(山崎賢人)とアイヌの少女アシリパ(山田杏奈)の2人の物語を軸にした本作でも、クセの強いキャラクターたちが多数登場する。そのなかでも特に、観る者に強烈なインパクトを残す人物といえるのが、玉木宏演じる鶴見中尉だろう。本稿では、杉元の前に立ちはだかる鶴見中尉にスポットを当て、そのキャラクター像と、玉木の怪演ぶりに迫っていきたい。

映画『ゴールデンカムイ』キャラPV〈鶴見篇〉【1月19日(金)公開ッ‼】

https://www.youtube.com/watch?v=gfhyuDvbTFc

アイヌの金塊を巡る壮絶なサバイバルが展開!

野田サトルによる原作コミックは、2014年から「週刊ヤングジャンプ」にて連載され、2022年に完結。マンガ大賞2016や第22回手塚治虫文化賞マンガ大賞など数々の賞を受賞し、単行本全31巻、シリーズ累計発行部数2700万部を超える大ヒット作だ。2018年からはテレビアニメもスタートし、幅広い層のファンを獲得し続けている。
ハードルが高いと思われた実写映画化に挑んだのは、もともと原作の大ファンだったという「HiGH&LOW」シリーズの久保茂昭監督。キャストには山崎賢人が主演を務めるほか、山田杏奈、矢本悠馬、玉木宏、舘ひろし、眞栄田郷敦など注目の若手俳優からベテランまで、各キャラクターのスピリットを体現するような豪華キャスト陣が集結した。

舞台は日露戦争直後、明治末期の北海道。アイヌ民族から莫大な金塊を奪った男が、捕まる直前にとある場所に隠した。その在り処を示すのは、男が24人の囚人たちの身体に彫った刺青の暗号のみ。“不死身”の異名を持つ元陸軍兵士の杉元佐一と、金塊を奪った者に父を殺されたと語るアイヌのアシリパは、互いの目的のために手を組み、脱獄した刺青囚人たちを探す旅に出る。しかし、金塊をねらうのは杉元たちだけではなかった―。

「ゴールデンカムイ」の最重要人物、鶴見中尉とは?

埋蔵金を追う一派の一人であり、「ゴールデンカムイ」の物語を語るうえで欠かせない重要人物が、陸軍最強と謳われた大日本帝国陸軍第七師団に所属する鶴見篤四郎中尉である。日露戦争での勝利に大きく貢献しながらも、多大な死傷者を出し、戦争後は軍内で冷遇されるようになった第七師団。鶴見中尉は報われなかった師団員のため、軍事クーデターによる独立国家樹立を目論んでおり、その軍資金にすべく、有能な部下を率いて金塊探しに奔走しているという設定だ。

ちなみに北海道出身である原作者、野田の曽祖父(名前は杉“本”佐一!)は、かつて第七師団に所属しており、野田はそのことに誇りを感じているという。主人公はその名前を借りただけで、曽祖父とはまったくの別人なのだが、鶴見中尉のキャラクターには、実は長谷川篤四郎というモデルになった人物がいることを公式ファンブックのなかで明かしている。一見、いわゆる悪役に思える鶴見中尉だが、作者にとって非常に思い入れの深いキャラクターなのだ。

鶴見中尉のカリスマ性に合致した玉木宏のキャスティング

その野田本人から、鶴見役にぴったりだという熱烈オファーがあり、理想のキャスティングとなったのが玉木。彼自身も原作のファンで、もし自分が演じるなら鶴見がいいなと思っていたという。まず、鶴見中尉は、精鋭ぞろいの第七師団の多くのメンバーを心酔させ、意のままにしてしまうほどのカリスマ性の持ち主。スタイルがよくて、上背があり、ただそこにいるだけで圧倒的な存在感を放つ玉木は、原作の鶴見のイメージにとても近い。
ビジュアル面では、日露戦争の奉天会戦での砲撃により前頭部を損傷し、白いホーロー製のプロテクターで額全体を保護している鶴見。脳みその一部が吹き飛ばされたせいか、興奮するとプロテクターの下から脳汁がドロリと垂れてくるという異様な様は、実写になると一段とグロテスクだ。目元から頬骨にかけて広がる焼けただれたような生々しい傷跡も、特殊メイクで完璧に再現。玉木のせっかくの美貌が半分隠れてしまっているのだが、原作の回想シーンで出てくる鶴見は相当の美男子。容姿を含めて、人を強く惹きつける力があった人物なので、端正な顔立ちの玉木だからこそ説得力が生まれている。

異常な暴力性を持ちながら、あふれるカリスマ性で部下から慕われている鶴見中尉

[c]野田サトル/集英社 [c]2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

すべての写真を見る(10件)

そして、鶴見中尉のビジュアル以上に強烈なのが、その内面の個性。前頭葉を欠損した影響か、頭に血が昇りやすく、なんの前触れもなく、異常な暴力性を発露させることも多い。劇中、雪山で消息を絶った4人の部下の捜索時に、上官の和田大尉から叱責された鶴見が、脳から漏れ出る体液をハンカチで冷静に拭きつつ、和田の人差し指にいきなり噛みつくや否や、ブチッと歯で指を噛み切ってしまうシーンがある。沸点がどこかわからず、いつなにをしでかすかわからない鶴見の狂気をまざまざと感じさせる、玉木の振り切った演技に注目だ。
また、情報将校である鶴見は、情報収集や分析能力に長けており、人心掌握はお手のもの。指を失った和田大尉が部下に「(鶴見を)撃て!」と命じた際の成り行きからも、鶴見が師団員たちの行動をいかにコントロールしていたかがよくわかる。

狂気の尋問シーン、クライマックスにおけるチェイスアクションも白熱!

本作の後半、第七師団の兵舎で拘束された杉元が、鶴見中尉に刺青人皮の在り処について尋問されるシーンも大きな見どころ。串団子を食べながら、質問をのらりくらりとかわしていた杉元の両頬を、突然、団子の竹串でザクッと突き刺す鶴見。とんでもないことをされたのにもかかわらず、驚くわけでも、痛みに声を上げるわけでもなく、瞬き一つせずに平然としている杉元。演じる玉木と山崎の冷静な表情の下にうごめく激情、ただ者ではない2人の狂気と狂気が静かにぶつかり合う名シーンに、ゾクゾクしてしまう。
狂気といえば、炎に包まれる第七師団の兵舎を見ながら、鶴見がおもむろに軍服を脱ぎ、下に着こんでいた刺青人皮で作った肌着を見せるシーンも衝撃的。死体から剥いだ皮膚を直接身に着けても平気な神経、金塊に対する執念が凄まじい。

そのほか、馬橇に乗った杉元と、馬であとを追う鶴見が繰り広げる、疾走感あふれるスリリングなチェイスシーンや、舘ひろし演じる土方歳三と鶴見が初めて互いを認識する、貫禄たっぷりの対峙シーンなども観逃せない。もはや登場シーン一つ一つが、パワフルでかっこいい見せ場になっている(本作において、それは鶴見に限らず、すべてのキャラクターに言えることであるのだが)。

若い頃は爽やかな好青年のイメージが強かった玉木だが、年齢を重ねるにつれ、ラブストーリー、ミステリー、コメディなど出演作品のジャンルの幅が広くなり、演じる役柄も二枚目から三枚目、ヒーローから悪役まで実に様々。とはいえ、さすがに本作の鶴見ほど強い個性を持つキャラクターは別格だ。原作ファンからも愛されるミステリアスな鶴見中尉役が、玉木にとって新たな当たり役になることは間違いない。
文/石塚圭子
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」、アシリパの「リ」は小文字が正式表記

https://moviewalker.jp/news/article/1177635/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

玉木宏、『ゴールデンカムイ』鶴見中尉役でおでこ心配 額当ての素材次第で「凍っちゃう」

2024-01-21 | アイヌ民族関連

マイナビニュース2024/01/20 13:32

映画『ゴールデンカムイ』(1月19日公開)の公開初日舞台挨拶が19日に都内で行われ、山崎賢人(※崎はたつさき)、山田杏奈、眞栄田郷敦、矢本悠馬、工藤阿須加、柳俊太郎(※「柳」の真ん中は夕)、大谷亮平、勝矢、玉木宏、舘ひろし、久保茂昭監督が登場した。

  • 玉木宏

同作は野田サトル氏による同名コミックの実写化作。明治末期を舞台に、主人公の元陸軍兵・杉元佐一(山崎賢人)が、アイヌの少女・アシリパ(山田杏奈 ※「リ」は小文字が正式表記)と共に、埋蔵金の在りかが描かれた「刺青人皮(いれずみにんぴ)」を求めて北海道を旅するサバイバル・バトルアクションとなる。

■映画『ゴールデンカムイ』初日にキャストが集結

杉元と対峙する鶴見中尉を演じた玉木は「実写化するにあたって特殊メイクは必要なものだったので、ディテールにはこだわった」と明かす。「最初に作っていただいたものは瞼の上の方まで特殊メイクがあったので、目が開きづらくて。鶴見にとっては目をカッとさせるような、目力が必要になってくると思ったので、形を変えてもらったり、テストを何回かさせてもらったりしました」と説明した。

さらに額当てについては「北海道で撮影するのがわかっていたので、素材がなんなのか気になっていて。氷点下でやってたら、額当てが凍って、おでこまで凍っちゃうんじゃないかと思って」と心配だったという。「ちょっと1枚かましたいなと思って、スポンジで浮かした状態でやったりとか、テストを重ねて臨みました」と振り返る。衝撃的なシーンも多く「指を食いちぎってしまったり。セリフでいうと『ろうそくボリボリしちゃおうか』とか、やっぱりすごいセリフだなと思いながら」と苦笑。「正解がわかんないんですけど『思い切ってやる』という感じでした」と語った。

https://news.mynavi.jp/article/20240120-2866774/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

実写『ゴールデンカムイ』白石役・矢本悠馬、原作モノで得た自信が支え ファンを納得させる熱演の裏側

2024-01-21 | アイヌ民族関連

シネマトゥデイ1/20(土) 8:32配信

これまでにも、実写化作品で魅力的なキャラクターを演じてきた矢本悠馬

 野田サトルの大ヒット漫画を実写映画化した『ゴールデンカムイ』(全国公開中)で、原作屈指の愛されキャラ、白石由竹を演じた俳優・矢本悠馬が、漫画ファンとして実写化作品の人物を演じる際の心がけや、愛すべきキャラクターに挑んだ思いを語った。

強者たちが集結!実写版『ゴールデンカムイ』場面写真(18点)

 『ゴールデンカムイ』は、日露戦争終結直後の北海道を舞台に、莫大なアイヌの埋蔵金を巡る争奪戦を描くサバイバルアクション。“不死身の杉元”と呼ばれる戦争の英雄・杉元佐一(山崎賢人)とアイヌの少女・アシリパ(山田杏奈)が、24人の脱獄囚に刻まれた、金塊の在りかを示す「刺青人皮(いれずみにんぴ)」を求め、元囚人や歴戦の戦士たちと渡り合う。

 脱獄囚の1人である白石由竹は、“脱獄王”の異名を持つ脱走の天才。ギャンブルと女性に目がないお調子者で、天性のいじられキャラっぷりも相まって、コメディーリリーフとして物語を支える。原作の大ファンである矢本にとっても“推しキャラ”だったというが、撮影当初はプレッシャーから「ガチガチだった」と振り返る。

 「久保(茂昭)監督に最初から『お任せします。本当に頼りにしてます』という感じで言っていただけたことで、その期待を超えてなくてはいけない、これは外せないと考えてしまい、2、3日はガチガチでした。周りのキャラが、実写になったことでより渋くなっていたこともあって、『大丈夫かな、芝居のチューニングを間違えてないかな』と不安になってしまうこともありましたね」

 そんな矢本を救ったのが、他ならぬ原作の存在だった。「やっぱりヒントは原作のなかにしかないと思って、もう一度原作を読み直したんです。それで気がついたのが、白石って、いい意味で適当人間だということでした。ダサいことはしないけど、自分の人生を使って楽しく生きられればいいと考えている。そこで『そうか、ガチガチになりすぎてた。せっかく白石を演じてるんだから、楽しまなきゃダメじゃん』みたいに思えたんです」

 さらに、これまで映画『ちはやふる』の西田役や、ドラマ「今日から俺は!!」の谷川役など、数々の実写化作品で高い評価を受けてきたことも自信につながった。「今までいろんな漫画原作をやってきて、自信ついてたじゃん、みたいな(笑)。その作品のファンの方たちを納得させてきたんだから、自分の解釈は間違っていないと。そうした今までのキャリアと、白石の自由で楽しく生きる姿を思い出し、とにかくやりまくってやろうという感じで吹っ切れました。その瞬間、白石が自分に入ってきたというか、しっくりき始めたんです」

実写化で一番大事なこと

 そんな矢本は、漫画原作のキャラクターを演じる上で「一番大事なのは、キャラクターが持っている精神性だと思います」と言い切る。「その人物のしゃべり方とか所作を拾うだけだと、ただのモノマネになってしまう気がするんです。キャラクターの心を投影するというわけじゃないですが、憑依させていかないと、どこか偽物っぽくなってしまうと考えているので、外側よりも中身、心を大事にしたい。それはどの作品でも同じですね」

 「見た目に関しては、近づけられる作品もあればそうじゃない作品もありますし、ビジュアルに対する批判って必ずある。そこを動きや表現だけで覆すのは無理だと思うんです。だからこそ、中身を大事にしなくてはならない。『ゴールデンカムイ』でも、立派な志があるわけではない白石が、埋蔵金争奪戦に参加する理由は何なのか。いったいどういう人物で何を考えているのかを分析して、それをヒントにしていきました。過去の実写化作品で評価をしていただいたのは、僕と同じように原作を読んでくださった方が多かったからでは。読者の方も、僕と同じようにキャラの心を感じてくださったからではないかと思っています」

 劇中では、原作ファンお馴染みのポーズも披露しているが「実写でやるのは結構難しかったです。あれって白石にとっては癖のひとつだと思うので、それをどうにかして芝居の中に落とし込みたかった。漫画を読みながら、どういう時に指を立てたり向けたりするんだろうっていうのを徹底的に考えました。僕がやりたいという気持ちが先行しないように、白石として気持ちがリンクしたら出すんだという感覚でした」とこだわりを明かした。

2回のために肉体改造!ヌルヌルシーンの裏側

 そんな白石の見せ場のひとつが、囚われの杉元を助けるため、ふんどし一丁で油まみれになり、監禁場所に潜り込む“ヌルヌルシーン”。全身のテカリ具合といい、どこか妖怪じみた動きといい、原作のテイストを見事に再現している。

 「あそこは実に漫画的というか、実写では再現できない動きなので、どうやってリアリティを持たせようかとか、窓からぬるっとナメクジみたいに出てくるようにしようか、という話を監督としていました。あまり(面白さの)鮮度を落としたくないということで、実は2回ぐらいで撮ったシーンなんです。全身にローションを塗るんですが、最初は刺青との相性が悪くて取れてしまい、刺青を入れ直して2回で決まった感じ。でも、ジムには半年くらい通いました、ヌルヌルの日に向けて(笑)」

 さらに「あの撮影は雪山のロケより寒かったかもしれません。体中に塗ったローションが冷えていくんですが、水と違って流れ落ちないんです。スタジオ内もキンキンの状態なのに、僕はふんどしだけ。サウナのような場所を用意していただいたので、出番の時以外はそこにいました」と明かした矢本。それだけに渾身のシーンになったようで「試写では、大きな声で笑ってくれる方も多かったので、結構面白いシーンになったかな」と満足げに語る。

魅力的なキャラクターに必要なもの

 主人公・杉元とアシリパの冒険を支える、重要なキャラクターとなる白石。これまでにも、観客の心に残る魅力的な脇役を演じてきた矢本は「脇役って、まずは主役を格好良く見せることが大事だと思います」と語る。「脇役をやる時って、いいパサーになる必要があると思っています。主演の方はみんなの意見や演技を受け止めなくてはいけないので、こっちはいいパスを出す必要がある。あとは、絶対にその作品を盛り上げようという気持ちがないと厳しいですよね」

 山崎と山田との相性もバッチリだったようで「僕の撮影初日がラストの方のシーンで、最初はとまどっていたのですが、2人はいくつかのシーンを撮影していたこともあり、セリフのやり取り自体は全くストレスがなく、すごく安心感があるというか、やりやすかったです」という矢本。今後、続編の制作も期待される本作だけに、矢本も白石のさらなる活躍に意欲を見せる。「映画ではまだ描き切れていませんが、原作ではこの先、もっと3人のテンポとリズムがかみ合って旅をしていくので、(続編があれば)僕も白石として、杉元とアシリパのために頑張りたいですね」(編集部・入倉功一)

(山崎賢人の「崎」は「たつさき」/アシリパの「リ」は小文字が正式表記)

https://news.yahoo.co.jp/articles/ec1a055bd21a00010f1431e2190b043ca5ce6320


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高砂淳二さんの自然写真展 石巻市博物館で 

2024-01-21 | 先住民族関連

読売新聞2024/01/21 05:00

世界各国の美しい自然や様々な動物の表情を捉えた写真が並ぶ

 石巻市出身で世界的に活躍する自然写真家・高砂淳二さん(61)の写真展「地球と出会う旅」が、石巻市博物館で開かれている。高砂さんが世界中で撮影した躍動感あふれる動物たちや息をのむような自然が、別世界へといざなってくれる。(木村友美)

 ダイビング専門誌の専属カメラマンを経て1989年、フリーの自然写真家として活動を始めた高砂さん。38年間にわたって動植物と自然が織りなす奇跡の瞬間を捉えてきた。2022年には、ロンドンの権威ある自然写真コンテストの自然芸術部門で日本人初の最優秀賞に輝いた。

 会場には、真っ青に透き通ったハワイの海で穏やかな表情を見せるイルカや、空を映す鏡のようなボリビアのウユニ塩湖で羽を休めるフラミンゴ、満天の星の下でそびえ立つイースター島のモアイ像など、約100点が所狭しと並ぶ。

 20日には高砂さんが来館し、撮影秘話を語った。シロフクロウの警戒心を和らげるために子守歌を口ずさみながら横歩きで近づいたことや、ハワイの先住民族から教わった「アロハ(愛情)」の気持ちを持って動物や自然に向き合っていることなどを明かした。

 南米ベネズエラにある世界最大の落差を誇る滝「エンジェルフォール」の写真については、東日本大震災時に実家が津波で全壊した経験を吐露。大好きだった海との付き合い方がわからず 悶々

もんもん

としていた時期だった。滝に架かった虹を見て、「自然と仲直りできたような感覚だった」と振り返った。「風景も生き物も植物もみんな一つの命。周りの環境に思いをはせ、一つの大事な命として慈しんでほしい」と語った。

 2月25日まで。休館日は月曜(祝日の場合は翌日)。入館料は一般600円、高校生300円、小中学生200円。

https://www.yomiuri.co.jp/local/miyagi/news/20240120-OYTNT50079/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

実写版『ゴールデンカムイ』公開! カギを握る実在した第七師団とは?

2024-01-21 | アイヌ民族関連

WANI BOOKS NewsCrunch 2024/01/20

実写版『ゴールデンカムイ』公開! カギを握る実在した第七師団とは?

© WANI BOOKS NewsCrunch

2024年1月19日から映画『ゴールデンカムイ』(作:野田サトル)の実写版が公開される。杉本佐一役には山崎賢人、アシリパ役は山田杏奈、鶴見中尉役は玉木宏、日本映画界を代表する豪華な俳優陣が揃っている作品だ。

時代は日露戦争終結後。元陸軍歩兵の杉本佐一とアイヌの少女アシリパが北海道を舞台に埋蔵金を探す旅に出る。登場・冒険・歴史・アイヌの文化までが絡み合う、和風ウェスタン。今回は影の主役といえる鶴見中尉率いる、実在した陸軍歩兵第七師団の本当の姿を紹介しよう。

陸軍歩兵第七師団はどういう部隊だったのか

今更ながらの説明だが、主人公はアイヌの少女アシリパ、そして元軍人で日露戦争に際して「不死身の杉本」の異名で知られた杉元佐一である。公式ファンブックによれば、二人が出会ったのは1907年2月のこと。日露戦争が終結してから2年2か月後のことだ。

杉元は神奈川県の出身で、東京に司令部を構える陸軍第一師団に所属。瀕死の重傷を負っても翌日には走り回り、銃剣でも機関銃でも砲弾でも殺すことができない。本来であれば金鵄(きんし)勲章をもらい、ぬくぬく年金暮らしを送れるはずが、気に入らない上官を半殺しにたことで全てご破算になったとの設定である。

この杉元&アシリパのコンビと同じく、アイヌの金塊探しに乗り出し、唯一の手掛かりである刺青人皮の争奪戦に参加するのが、旭川駐屯の第七師団で小隊長を務める鶴見篤四郎中尉で、その下にはロシア語に堪能な月島基、薩摩隼人を絵にしたような鯉登音之進、杉元に双子の弟を殺され復讐の念に燃える二階堂浩平、偏執的なまでに鶴見に心酔する宇佐美時重など、クセの強い者ばかり揃っている。

(以下引用)

〇映画『ゴールデンカムイ』スペシャルムービー【1月19日(金)公開ッ‼】[東宝MOVIEチャンネル]

(以上引用)

作中における鶴見中尉と第七師団は、影の主役と呼んでもよい存在。鶴見中尉は架空の人物だが、第七師団は実在した組織なので、実際にはどういう部隊だったのか、作中の時間軸とあわせ、説明しておいたほうがよいだろう。

第七師団は北海道の防備と開拓を兼ねて設置された屯田兵を前身とし、日清戦争と三国干渉のあと、来るべき対ロシア戦争に備えるため、北海道と東北で新兵の徴募が実施され、再編なった1896年5月12日には第七師団の名を付与されたが、屯田兵を前身とする性格上、「北鎮部隊」とも呼ばれた。

駐屯地は旭川と月寒(現・札幌市豊平区月寒西)。歩兵第十三旅団と歩兵第十四旅団、騎兵第7連隊、砲兵第7連隊、工兵第7大隊、輜重(しちょう)兵第7大隊からなり、一個旅団は二個連隊、一個連隊は三個大隊、一個大隊は三個中隊、一個中隊は四個小隊という編成だった。

平時の兵営は連隊単位で異なり、戦時の行動も連隊か大隊単位で動くことが多く、歩兵第十三旅団は歩兵第二十五連隊と二十六連隊、歩兵第十四旅団は歩兵第二十七と歩兵第二十八連隊からなっており、連隊長の階級は大佐か中佐が通常だった。

日露戦争では乃木希典中将を司令官とする第三軍の増援として海を渡り、旅順要塞への総攻撃開始当初は総予備として後方に配置されるが、右翼担当の第一師団、中央担当の第九師団、左翼担当の第十一師団がいずれも死傷者多数で、壊滅的打撃を被るにおよび、いよいよ第七師団が主力として最前線に立つ番となった。

第七師団が冷遇された事実はない!?

このときの作戦は、旅順要塞への正面攻撃から、旅順港を見下ろす位置にあり砲弾を放つに適した二〇三高地の奪取に切り替えられている。第七師団による二〇三高地攻略戦が開始されたのは1904年11月30日のことだった。

第七師団による突撃は、文字通りに敵味方の屍を踏み越え、乗り越えて敢行された。ロシア軍の抵抗も激しく、占領地点を奪回されることも一度ならず。それでも12月5日の夕方には、二〇三高地の西南山頂と東北山頂を占領。ロシア軍の逆襲も退け、旅順港砲撃に必要な足場を確保することに成功した。

翌年の2月から3月にかけて行われた奉天会戦でも第七師団の奮戦が目覚ましく、特に二〇三高地の奪取が戦争全体の帰趨に大きな影響を与えたことから、第七師団を日本陸軍最強とする呼び声が広く定着することとなった。総兵力約1万人のうち3000人超の戦死者を代価に得た栄誉だった。

『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉はロシア事情に通じており、彼我の戦力を冷静に分析する観察眼も有していたため、正攻法を繰り返すばかりの作戦に否定的だったが、上からの命令に従うしかなく、次々に死んでゆく戦友および半死状態の戦友の体を弾除けに使いながら突き進み、ロシア軍の堡塁に設置された機関銃を次々と破壊。鶴見中尉こそ二〇三高地の占領に際し、その頂に国旗を突き立てた小隊長として描かれる。

本来であれば、第七師団の将兵には勲章や報奨金が贈られるところが、師団長の花沢幸次郎中将が多大な犠牲者を出したことに責任を感じ、帰国後に自刃したことで、鶴見中尉以下、第七師団の運命が暗転する。日本政府首脳が、これを部下たちの落ち度として、同師団に対するあらゆる報奨を取りやめにしたからである。

第七師団に対する逆風はそれに留まらず、明らかな冷遇が始まり、管下の兵たちは日々の食料の確保さえままならない生活に追いやられた。鶴見中尉はこの情況に憤りを禁じえず、戦死者の遺族や生き残った兵たちに報いるためには、北海道の独立と軍事政権の樹立しかないとし、アイヌの金塊をその資金に当てようと考えたのだった。

ただし、現実には第七師団の師団長は大迫尚敏中将で、自刃などしておらず、第七師団も冷遇などされていない。作品の舞台が北海道である以上、登場する部隊は第七師団でなくてはならず、東京中央からの命令ではなく、独自に金塊探しを行なう動機づけをする必要から、自刃や冷遇というフィクションが創作されたのだろう。

ちなみに、師団長の自刃は乃木希典の自刃をヒントにしたと推測される。また、実際の第七師団砲兵第7連隊では鶴見数馬という大佐が連隊長を務めていたから、鶴見の姓はここからきたのかもしれない。

https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/実写版-ゴールデンカムイ-公開-カギを握る実在した第七師団とは/ar-BB1gY0dw


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ノルウェー先住民と若者の抗議、省庁封鎖で法的闘争に

2024-01-21 | 先住民族関連

鐙麻樹北欧ジャーナリスト・写真家・ノルウェー国際報道協会役員1/20(土) 19:44

昨年2月と3月にオスロで省庁の入り口を占拠し封鎖した、「フォーセン闘争」と呼ばれる20人の活動家が裁判にかけられることになった。

フォーセン闘争とは

「フォーセン闘争」とは、先住民族サーミ人とノルウェーの若者らで構成される活動家グループによるもので、風力発電所の建設を許可した国に対して風車の撤去を求める抗議活動である。

風車が建設されたフォーセン地域はサーミ人のトナカイ放牧地でもある。

2010年、ノルウェー政府はフォーセン地域における2つの大規模な風力発電開発を認可した。この地域はトナカイ放牧地区の冬期放牧地域でもある。

2021年、ノルウェー最高裁は、風力発電開発の許可は、国連市民的及び政治的権利規約第27条に基づくトナカイ放牧を営むサーミ人の文化行使の権利を侵害するものであり、無効であるとの判決を下した。

しかし、最高裁は、「風力発電所が具体的にどうなるか」撤去されるべきか)を明言せず、国は「対話で解決したい」と操業を継続した。

国の人権侵害・風車の操業継続が2年目に突入し、大規模な抗議活動へ

2023年、「国は人権違反を継続している」として、サーミ人やノルウェーの若者らは省庁封鎖などの大規模な抗議活動を続けた。

抗議活動は様々な形で行われ、サーミ人のひとりは、5週間にわたりノルウェー国会議事堂前にサーミ人の移動式住居「ラヴヴォ」で寝泊まりすることで抗議の意思を見せた。他にも省庁や風力発電所を運営する企業の封鎖、首都での大通りを封鎖、国会内の広場で座り込み抗議、王宮前広場で座り込み抗議などを行った。

省庁封鎖をした20人が裁判で争うことに

今回、罰金の支払いを拒否して裁判で争うことになったのは、これらすべての抗議活動が対象ではなく、2~3月に省庁を去るよう警察の命令に従わなかった罪で起訴された20人だ。

14人は昨年2月に石油・エネルギー省を占拠し、残りの6人は昨年3月に財務省の入り口を封鎖した。オスロ検察官は、警察のアドバイスに反して罰金を課すことを決定した。

活動家たちは3,000~5,000クローネ(4万2千円~7万円)の罰金を科されたが、「人権違反をしているのは国だ」と支払いを拒否し、裁判で争う意思を昨年の時点で表明していた。

被告には若いサーミ人の活動家やノルウェー最大規模の自然青年団体「Natur og Ungdom」のサポーターが含まれている。

裁判の焦点は

裁判は3月11日にオスロ地方裁判所で開かれる予定。

裁判では、「活動家が警察の命令に従うべきだったか、また、最高裁判決を追認しなかった政府への抗議が許されるかどうかが審議されることになる」と現地メディアは報じている。

また、「デモに対する警察の介入の合法性と必要性」も裁判のテーマとなる。

最悪の場合、最大3ヶ月の懲役に処される可能性がある。

保護されるべき先住民の抗議活動に「罰金を科すべきか」(入植者がさらに「罰を与えるのか」)は注目されていた

昨年は他にも多くの抗議運動が行われたが、これらの運動に関してはまだ誰も罰金を科されておらず、将来的に罰金や起訴される可能性も低いとされている。

理由としては、警察が6月と10月のアクション中に活動家を逮捕せず、抗議方法は「模範的だった」を称賛したからだ。

「裁判を楽しみにしている」

抗議するサーミ人の多くは若い世代で、その顔のひとりでもあるイーサクセンさん 筆者撮影

自然青年団体のリーダー、ギーティス・ブレジャヴィチョスさん(23)は、人権侵害を行った政府に対して抗議した活動家を告発することを「恥だ」と述べている。

サーミ人であるエッラ・マリエ・ハエッタ・イーサクセンさんも被告の一人で、「このような裁判にかけられることは荒唐無稽だ」「裁判に臨むことは苦々しいが、私たちの主張を裁判所で述べることを楽しみにしている」とSNSなどで語っている。

Photo&Text: Asaki Abumi

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/bba3356be5d3c9fae96cfe45f1a0eba593ed9378


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人間に蜂蜜のありか教える鳥、地元の鳥寄せ声を聞き分けると判明

2024-01-21 | 先住民族関連

ナショナルジオグラフィック2024年1月20日

人間に蜂蜜のありか教える鳥、地元の鳥寄せ声を聞き分けると判明

 野生のミツバチの蜂蜜を手に入れるのはたいへんだ。巣は木の枝やうろに隠されていてなかなか見つからないし、ミツバチたちは巣を守るために攻撃してくる。しかし、アフリカの蜂蜜ハンターたちは、ノドグロミツオシエという小さな茶色い鳥の力を借りて、ミツバチの巣を見つけている。ミツオシエはハンターをミツバチの巣に案内し、ハンターは煙や道具を使ってミツバチの攻撃を抑える。こうしてハンターは蜂蜜を手にし、ミツオシエは主食である蜜蝋にありつくことができる。

 科学者たちは長年、人間とノドグロミツオシエとの珍しいパートナー関係に魅了されてきた。2023年12月に学術誌「サイエンス」に掲載された論文によると、この関係はこれまで考えられていたよりもさらに密接であることが明らかになった。蜂蜜ハンターのコミュニティーはそれぞれ独自の鳥寄せの声を使っているが、ミツオシエは特定の音声シグナルを学習し、それに反応することができるのだ。

 人間と野生動物との共同作業は非常に珍しく、世界中で数例しか記録されていない。しかも、こうした例は急速に姿を消しつつある。ノドグロミツオシエを使う蜂蜜狩りも、かつてはアフリカ大陸全域で行われていたが、今では東アフリカ、特にモザンビークやタンザニア、ケニアの農村部で、いくつかの民族が行っているだけだ。

「人間の側に学習プロセスがあることはわかっていました。鳥を使った蜂蜜探しの文化をもつコミュニティーは複数あり、鳥寄せの声はコミュニティーごとに異なっています」と、論文の著者の一人である米カリフォルニア大学ロサンゼルス校准教授で、ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(探求者)でもあるブライアン・ウッド氏は言う。「私たちは鳥の側にも学習プロセスがあるのかどうかを知りたかったのです」

 研究者たちは蜂蜜ハンターと一緒に原野を歩きながら、東アフリカの2つのコミュニティーで使われている鳥寄せの声を事前に録音したものと、比較対照となる音を流し、ミツオシエがどのくらいの頻度で近づいてくるかを記録した。

「この鳥は、地元の蜂蜜ハンターの鳥寄せには2~3倍の確率で応えます」と、今回の論文の筆頭著者であるクレア・スポッティスウッド氏は言う。氏は南アフリカ、ケープタウン大学と英ケンブリッジ大学の研究者で、「ヒト・ミツオシエ・プロジェクト」のリーダーでもある。

 米オレゴン州立大学のマウリシオ・カントール氏は、異なる種の個体同士が双方にとって利益となる関係をもつ「相利共生」の専門家。今回の研究には関わっていないが、人間と動物とのパートナー関係における複雑なコミュニケーションに重要な知見をもたらすものだと評価している。

「鳥たちが本当に特定の鳥寄せの声に反応しているのかどうかは、これまでわかりませんでした」とカントール氏は言う。「今回の研究は、鳥たちが特定の音声シグナルをどのように認識し、反応するのかを単純明快な方法で検証しており、非常にエレガントです」

次ページ:人間と野生動物の協力関係、なぜレア?

人間と野生動物の協力関係、なぜレア?

 カントール氏は、ブラジル南部の漁師とラヒールハンドウイルカとの協力関係を研究している。イルカは、水に潜ったり、ジャンプしたり、尾や頭を水面に叩きつけたりして、回遊してくるボラの群れの存在を漁師に知らせ、網が仕掛けられている岸に向かってボラの群れを追い立てる。イルカと組んでいる漁師は、組んでいない漁師の約4倍の量のボラを獲り、また漁師と組んでいるイルカは、組んでいないイルカよりも多くの餌を食べて長生きすることを氏は発見した。

「人間は網のような道具を使って多くの魚を捕まえるのは得意ですが、濁った水の中で魚を見つけるのは得意ではありません」と、最近ナショナル ジオグラフィック協会のワイルドライフ・インテリジェンス・プロジェクトの一環としてエクスプローラーに就任したカントール氏は言う。「一方、イルカは反響定位(エコロケーション)によって水中の魚を追跡し、人間がいる方に追い立てるのが得意なのです」

 ミャンマーのエーヤワディー川(イラワジ川)の河口に生息するカワゴンドウというイルカも人間との間に同様のパートナー関係を築いており、漁師はしばしば舟の側面を棒で叩いてカワゴンドウを呼び寄せ、漁に協力させている。

 相利共生の関係が双方に利益をもたらすのであれば、人間と野生動物が協力し合う事例がこれほどまでに少ないのはなぜだろう?

「人間と動物が協力し合うためには、いくつかの条件がそろっている必要があります」とカントール氏は言う。その条件とは、人間と動物が競合する関係にならないだけの十分な資源があることや、お互いに狩りのスキルを補い合えることなどだ。

 だが通常は、効果的なコミュニケーションが欠けているために協力が成立しない。「自分たちの目標は同じところにあるのか、お互いの行動をどのように調整するべきなのか、いつ協力し合えばよいのか」など、考慮すべき点はたくさんあると氏は言う。「このようなシステムの中で人間と動物の集団が共に進化していくためには、多くの試行錯誤が必要です」

 歴史的に人類が食料の確保で狩りや漁、採集に大きく頼っていた時代には、人間と動物の相利共生関係はもっと広く見られたのかもしれない。1800年代のオーストラリア南東部では、先住民やスコットランド系移民がザトウクジラなどを捕獲する際にシャチに協力させ、見返りに肉を分け与えていたという記録が残っている。

 米カンザス大学の進化生物学者のレイモンド・ピエロッティ氏の研究によれば、北米先住民はオオカミと協力して狩猟を行っていたという。この協力関係はおそらく旧石器時代までさかのぼることができ、狩猟者がより社交的で攻撃性の低いオオカミをパートナーに選んできたことが犬の家畜化につながったのかもしれない。

次ページ:失われつつある関係

失われつつある関係

 スポッティスウッド氏、カントール氏、ピエロッティ氏、ウッド氏らは、2022年に学術誌「Conservation Letters」に発表した論文で、人間が狩猟採集生活から大きく離れてしまった今、人間と野生動物との間に残された協力関係を保護することがますます重要になってきていると主張した。

 オオカミは狩猟によって米国本土からほぼ駆逐され、オオカミと人間とのパートナー関係も消滅した。オーストラリアでのクジラの虐殺は、シャチと人間との協力関係の終焉につながった。その中には、ヨーロッパからの入植者が人間と協力関係にあったシャチを意図的に殺したことも含まれている。

 ミャンマーのカワゴンドウは現在80頭未満まで減少し、漁で結びつくイルカと人間の関係を脅かしている。またブラジルでは、産業的な漁業の台頭や、船舶の交通量の増加、水路の汚染によって、ラヒールハンドウイルカと協力してボラを獲る村は2つしかなくなってしまった。

 さらに、銃やモーターボートなどを使う近代的な狩猟や漁は、人々が動物と協力する必要性を減らした。また、パートナーとなる動物が怪我をする危険性も高まるため、動物を参加させることをためらわせている。

 ノドグロミツオシエと蜂蜜ハンターに関しては、経済や土地利用の変化、人口の増加なども要因となっている。ウッド氏によれば、養蜂や安価で入手しやすい代替甘味料の普及が、野生の蜂蜜の需要を下げている。「そして、ミツバチのコロニーを養える野生の地域は、ますます地元の人々の立ち入りが制限され、人々が伝統的な採蜜地から締め出されているのです」と氏は言う。

 最後に、新しい世代が多大な労働力を必要とする慣習を敬遠し、農村での生活そのものから離れていくことも、動物と協力して狩りや漁、採集をするのに不可欠な知識が失われつつあることの原因となっている。

 このような伝統の喪失は、それを実践している地域社会をはるかに超える影響を及ぼす、と研究者たちは言う。

「野生の動物や鳥に導かれて森を歩くのは、神話的というのに近いものがあります」とウッドは言う。「人間と他の種とのまったく異なる関係が垣間見えますし、人間が世界の中でどのように道を切り開くかについて、より広い可能性に気づくことができます」

https://www.goo.ne.jp/green/column/natgeo-0000BaEz.html


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする