先住民族関連ニュース

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アイヌ政策 政府、8月にも統括窓口 審議機関は秋発足

2009-07-30 | 日記
(北海道新聞07/30 07:32)
 「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長・佐藤幸治京大名誉教授)が29日、立法措置を含む政策提言をまとめた報告書を提出したことを受け、政府は8月中にも、内閣官房にアイヌ民族政策を統括する窓口機関を設置する方針を固めた。提言の具体化に向けた動きを本格化させる。
 新設する窓口機関は内閣官房アイヌ政策推進室などの職員を中心に十数人でスタート。必要に応じて増員する。現在のアイヌ民族政策は国土交通省や文部科学省など複数の省庁が所管しており、報告書も「国として政策全般を見渡せていない」として、統括窓口の設置を強く求めていた。
 同じく報告書で提言された、懇談会の後継となる新たな審議機関は、政府が秋にも発足させる方針。当面は、アイヌ民族への全国的な生活・教育支援策の前提となる道外の実態調査の方法や、民族共生の象徴となる教育・研究・展示施設整備などを審議する。審議機関は複数のアイヌ民族や有識者で構成される見込み。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/179924.html

アイヌ有識者懇:アイヌ政策 新法を 国は秋にも審議機関

2009-07-30 | 日記
(毎日新聞 2009年7月30日 1時45分)
 政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長・佐藤幸治京都大名誉教授)は29日、河村建夫官房長官に報告書を提出した。アイヌを「先住民族」と認定したうえで、政策を確実に推進していくための新たな立法措置を求めた。根強い偏見や差別をなくすため学校教育の充実、生活・教育格差を解消する支援策も盛り込んでいる。河村官房長官は「苦難の歴史を厳粛に受け止め、報告書の各事項の実現を進めたい」と述べ、内閣官房にアイヌ担当室を設置し秋にも審議機関をスタートする意向を示した。
 報告書は、アイヌは近代化とともに生活の場を狭められ、独自の文化を禁止、同化を迫られた結果、「文化に深刻な打撃を受けた」と指摘。「国は文化復興に配慮すべき強い責任がある」とした。
 具体的な政策は(1)国民の理解の促進(2)広義の文化政策の推進(3)国の推進体制の整備--の三つを掲げた。
 (1)については、現在の学習指導要領によると、アイヌに関する記述は中学校の社会科で鎖国下の対外関係の一部のみにとどまっている。このため、歴史・文化などで十分な内容を盛り込むよう改定を求めた。教職員への研修や指導法の研究を進め、義務教育段階で基礎的な知識が修得できるようにする。
 またアイヌを先住民族と認めることを政府に求めた、衆参両院の決議があった6月6日を「アイヌ民族の日」(仮称)とする。
 (2)では、苫小牧市周辺を候補地に、文化や歴史の教育・研究・展示施設や、各地の大学に保管された人骨を集め慰霊する公園を整備し、民族共生の象徴とする。来年度中に実態を調査し、奨学金などの生活支援策を全国で実施。対象を特定する「個人認定」は、透明性・客観性のある手法で行う。
 (3)に関しては、アイヌの複数の代表も参加した審議機関の設置を求めている。
 懇談会は国会決議を受け昨年7月、官房長官が設置。アイヌ関係の政府懇談会は、96年に報告書を出した「ウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会」に続いて2度目となる。【千々部一好】
    ◇
 有識者懇談会の報告書は、福祉や文化に限定していた従来のアイヌ関連政策から、文化復興や生活・教育格差の是正など、「先住民族」としての総合的な政策へと質的転換を図った点に意義がある。
 アイヌ政策は現在、道の福祉対策とアイヌ文化振興法(97年制定)に基づく施策に限られているため、国は福祉対策を道に任せ、文化振興に限った政策しか進めてこなかった。
 背景には、ウタリ有識者懇の答申(96年)がアイヌの「先住性」「民族性」を認めながらも、「先住民族」との認定を避け、しかも政策との連動を見送ったことがある。今回の報告書が「アイヌは先住民族」との認定を出発点として政策展開を打ち出したことは、画期的な判断といえる。
 一方、新たな立法措置について報告書は、「アイヌ政策を確実に推進していくために大きな意義がある」とした。しかし、法律の内容を基本法とするか、具体的な政策を含めた総合的な法律にするかの記述はない。
 また、審議機関には複数のアイヌの代表が入るが、道アイヌ協会(会員3471人)すら会員数の減少が続いているうえ、首都圏のアイヌ団体も規模は小さい。アイヌの総意をくみ取る体制づくりが急務といえる。【千々部一好】
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20090730hog00m010005000c.html

アイヌ:内閣官房に担当室設置へ

2009-07-30 | 日記
(毎日新聞 2009年7月29日 最終更新 7月29日 23時05分) 
 政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長・佐藤幸治京都大名誉教授)は29日、河村建夫官房長官に報告書を提出した。アイヌを「先住民族」と認定したうえで、政策を確実に推進していくための新たな立法措置を求めた。根強い偏見や差別をなくすため学校教育の充実、生活・教育格差を解消する支援策も盛り込んでいる。河村官房長官は「苦難の歴史を厳粛に受け止め、報告書の各事項の実現を進めたい」と述べ、内閣官房にアイヌ担当室を設置し秋にも審議機関をスタートする意向を示した。【千々部一好】
http://mainichi.jp/photo/news/20090730k0000m010151000c.html

アイヌ有識者懇:学校教育充実を 国に審議機関設置--報告書

2009-07-30 | 日記
(毎日新聞 2009年7月29日 東京夕刊 ===前半重複割愛)

 ■解説
 ◇総合的政策へ質的転換
 有識者懇談会の報告書は、福祉や文化に限定していた従来のアイヌ関連政策から、文化復興や生活・教育格差の是正など、「先住民族」としての総合的な政策へと質的転換を図った点に意義がある。
 アイヌ政策は現在、北海道庁の福祉対策とアイヌ文化振興法(97年制定)に基づく施策に限られているため、国は福祉対策を道に任せ、文化振興に限った政策しか進めてこなかった。
 背景には、ウタリ有識者懇の答申(96年)がアイヌの「先住性」「民族性」を認めながらも、「先住民族」との認定を避け、しかも政策との連動を見送ったことがある。今回の報告書が「アイヌは先住民族」との認定を出発点として政策展開を打ち出したことは、画期的な判断といえる。
 一方、アイヌ側の責任も重くなる。審議機関には複数の代表が入り、政策づくりに参加する。しかし、最大組織の北海道アイヌ協会(会員3471人)は会員数の減少が続いており、首都圏のアイヌ団体も規模は小さい。全国の実態も詳しく分かっていない。アイヌの総意をくみ取る体制づくりが急務といえる。【千々部一好】
http://mainichi.jp/universalon/clipping/news/20090729dde001010009000c.html

アイヌ:偏見、差別解消へ学校教育充実を 有識者懇報告書

2009-07-30 | 日記
(毎日新聞 2009年7月29日 最終更新 7月29日 16時05分)
 政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長・佐藤幸治京都大名誉教授)は29日、河村建夫官房長官に報告書を提出した。アイヌを「先住民族」と明記したうえで、新たな立法措置や国の審議機関、担当窓口の設置など政策推進体制の確立を求めた。根強い偏見や差別をなくすため、学習指導要領の改訂による学校教育の充実、生活・教育格差を解消する支援策も盛り込んでいる。【千々部一好】
 報告書はアイヌを「日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族」と認定した。近代化とともに生活の場を狭められ、独自の文化を禁止、同化を迫られた結果、「文化に深刻な打撃を受けた」と指摘。「国は文化の復興に配慮すべき強い責任がある」とした。
 具体的な政策は(1)国民の理解の促進(2)広義の文化政策の推進(3)国の推進体制の整備--の三つを掲げた。
 (1)については、現在の学習指導要領によると、アイヌに関する記述は中学校の社会科で鎖国下の対外関係の一部のみにとどまっている。このため、歴史・文化などで十分な内容を盛り込むよう改訂を求めている。教職員への研修や指導法の研究を進め、義務教育段階で基礎的な知識が習得できるようにする。
 またアイヌを先住民族と認めることを政府に求めた、衆参両院の決議があった6月6日を「アイヌ民族の日」(仮称)とする。
 (2)では、北海道苫小牧市周辺を候補地に、文化や歴史の教育・研究・展示施設や、各地の大学に保管された人骨を集め慰霊する公園を整備し、民族共生の象徴とする。来年度中に実態を調査し、奨学金などの生活支援策を全国で実施。対象を特定する「個人認定」は、透明性・客観性のある手法で行う。
 (3)に関しては、今秋にもアイヌの複数の代表も参加した審議機関を設置。政策を立案・推進するための機関を内閣官房などに設けるよう求めている。立法措置については、法律の内容を基本法とするか、具体的な政策を含めた総合的な法律にするかの記述はない。
 懇談会は国会決議を受け昨年7月、官房長官が設置した。委員は学識経験者のほか、北海道アイヌ協会の加藤忠理事長、高橋はるみ道知事ら8人。アイヌ関係の政府懇談会は、96年に報告書を出した「ウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会」に続いて2度目。
 【ことば】▽アイヌ▽ 北海道や千島列島などに住む独自の文化、言語をもつ民族。かつては主に狩猟や漁労、山菜の採取に従事し、明治政府の同化政策で人口が急減したと言われている。道内に約2万4000人、都内に約2700人が居住。北海道大の調査(昨年10月)によると、道内の生活保護受給率は5.2%(全国平均2.1%)、大学進学率は同世代の半数以下の20.2%にとどまっている。
http://mainichi.jp/photo/news/20090729k0000e010063000c.html

アイヌ民族の格差解消…政府、具体策検討へ

2009-07-30 | 日記
(読売新聞2009年7月29日19時09分 )
 政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長=佐藤幸治・京大名誉教授)は29日、アイヌ民族の地位向上などに関する報告書をまとめ、首相官邸で河村官房長官に提出した。
 政府は8月中にも内閣官房にアイヌ政策を推進する新たな組織を、今秋にはアイヌ民族も加わった政策の審議機関を設置し、生活支援策や、その裏付けとなる新法の検討に入る方針だ。ただ、施策の具体化、実現までには課題も多い。
 「政府としてはアイヌの方々の苦難の歴史を厳粛に受け止めながら、報告書の実現に向けて取り組んでいきたい」。報告書の提出を受け、河村官房長官はこうあいさつした。
 報告書では、アイヌ民族の歴史について、国の政策が独自の文化や伝統的な生活を衰退させ、今もアイヌ民族と他の国民との間に生活格差などを生じさせているとした。報告書に国による支援の必要性が盛り込まれたのは、こうした格差を解消するのが目的だ。
 北海道は、独自にアイヌ民族に対する奨学金や職業訓練の制度を設けており、懇談会の委員らの間には、これらの制度を全国規模に広げ、国が実施すべきとの意見もあった。ただ、道関係者は「北海道では可能でも、すぐに全国で実施するのは難しい」と指摘する。
 支援を行うにあたって「一番難しい部分」(懇談会委員)は、アイヌ民族かどうかの個人認定だ。北海道では、アイヌ民族で組織する最大の団体である北海道アイヌ協会が事実上、この役割を担っている。道外ではそうした組織がなく、公平な個人認定を行うためには今後、新たな仕組みを作り出す必要がある。
 一方、アイヌ民族側には、生活支援のための個人給付を求める声もある。無年金の高齢者も少なくないため、「文化の伝承者としてアイヌ民族の高齢者を対象に給付する」といった案もあるが、「アイヌ民族だけを特別に扱うことが、新たな差別を生むのではないか」との懸念も出ている。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090729-OYT1T00815.htm

「アイヌ新法」求める…有識者懇報告

2009-07-30 | 日記
( 読売新聞2009年7月29日13時56分 )
 政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長=佐藤幸治・京大名誉教授)は、国が主体となったアイヌ民族の生活向上施策の実施や、関連施策を推進するための新法制定などを柱とした報告書をまとめ、29日午後に首相官邸で開かれる会合で、河村官房長官に提出する。
 報告書では、「国の政策として近代化を進めた結果、アイヌの文化に深刻な打撃を与えた」と国の責任を明記。アイヌ民族の所得や進学率などが低い水準にとどまっている現状を踏まえ、「居住地に左右されず、自律的に生を営み、文化振興や伝承等を担えるようにするための支援が必要」として、国による全国規模での支援策の必要性を指摘。就職支援として、民間企業の積極的な受け入れも促す。
 また、差別をなくし、アイヌ民族が誇りを持てる社会を実現するためには国民の理解が必要として、義務教育で、アイヌ民族に関する基礎知識を身に着けられるような環境整備や、「アイヌ民族の日(仮称)」の制定も盛り込む。このほか、アイヌ民族の歴史や文化の教育・研究機能などを備えた、民族共生の象徴となる場の整備や、国の施策を推進するための審議機関の設置なども求めている。
 アイヌ民族については、昨年6月、衆参両院が「先住民族とすることを求める決議」を全会一致で採択。これを受け、政府は官房長官談話を発表し、初めて先住民族と認定した。同懇談会は、同年8月に初会合を開き、アイヌ民族の地位向上などの施策について検討を進めてきた。
 ◆報告書の骨子◆
 【国民理解】▽教科書の記述の充実▽「アイヌ民族の日(仮称)」の制定
 【産業振興】▽アイヌ伝統工芸品の販路拡大やアイヌ・ブランドの確立
 【推進体制】▽政策を総合的に企画・立案する国の体制整備▽アイヌ民族の意見をふまえた協議の場の設置
 【立法措置】▽国の姿勢と覚悟を法律の形で示すことが、政策を確実に推進する上で必要
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090729-OYT1T00597.htm

アイヌ政策立法化を提言、有識者懇 予算など課題も

2009-07-30 | 日記
(朝日新聞2009年7月30日2時31分)
 政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長・佐藤幸治京大名誉教授)は29日、報告書をまとめ、河村官房長官に提出した。国の土地政策や同化政策でアイヌ民族が深刻な打撃を受けた歴史に触れ、先住民族と認めたうえで、政策推進の立法措置を講じることなどを提言した。政府は今秋をめどに協議会を設け、具体化に着手する方針。
 報告書には、(1)北海道以外のアイヌ民族の生活実態も調べ、生活・教育などの支援策を全国規模で展開(2)政策を確実に推進するための立法措置を検討(3)国に総合的な窓口を置き、アイヌ民族の意見を政策に反映させる協議会を設置(4)「アイヌ民族の日(仮称)」を制定――などが盛り込まれた。
 報告書に沿って政策を具体化する作業は、総選挙後になる。民主党政権になっても、同党は北海道選出の鳩山代表をはじめアイヌ政策に理解があり、流れが変わることはないとみられる。
 ただ、課題は多い。生活・教育支援を実施するには、まず「誰がアイヌ民族か」を第三者にもわかるように示さなければならない。戸籍をたどって証明する方法や、家系図をたどる手法が浮上しているが、自治体によっては保存年限を過ぎた戸籍を廃棄しているところも少なくないとみられる。
 また、報告書には「民族共生の象徴となる施設整備」も明記された。厳しい財政状況の中で「箱もの行政」と批判を浴びる可能性もある。(神元敦司)
http://www.asahi.com/politics/update/0730/TKY200907290461.html

アイヌ政策新法を 文化復興、国に責任 有識者懇報告書

2009-07-30 | 日記
(北海道新聞07/29 15:47)
 政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長・佐藤幸治京大名誉教授)は29日午後、首相官邸で最終となる第10回会合を開き、政策提言をまとめた報告書を河村建夫官房長官に提出した。報告を受けて政府は秋にも、後継の審議機関を設け、政策の具体化を目指す。
 報告書では「国には先住民族であるアイヌの文化の復興に配慮すべき強い責任がある」と明記。根拠となる歴史的経緯について「国の政策として近代化を進めた結果、アイヌの文化に深刻な打撃を与えた」と説明した。
 教育・生活支援や、民族共生の象徴となる教育・研究・展示施設などの提言を具体化するため、「国の姿勢と覚悟を法律で示すこと」が大きな意義を持つとして、立法措置を求めている。
 国会などへの特別議席については「憲法の規定等に抵触すると考えられる」とした。一方、ほかの政治参画の可能性は「中長期的な検討課題」とし、検討に向けアイヌ民族側に「総意をまとめる体制づくりが求められる」とした。
 「アイヌ民族の日(仮称)」を制定し、全国的に期間を集中して国民の理解を深める広報活動や行事を行うことも提言している。
 報告書は42ページで、うち17ページを使いアイヌ民族の歴史を紹介。こうした民族の歴史や文化についての学習が教育機関で十分に実施されていない現状を指摘し、国民理解を促進するため、学習指導要領の改定を含めた対応を求めた。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/179835.html

アイヌ文化の展示強化 開拓記念館の全面改装答申案 赤れんが庁舎は分館に

2009-07-30 | 日記
(北海道新聞07/29 10:09)
 高橋はるみ知事の諮問機関、道文化審議会は28日、北海道開拓記念館(丹保憲仁館長、札幌市厚別区)の全面改装に向けた答申案をまとめた。中央区の赤れんが庁舎を「分館」に位置づけて観光客などの集客を図るほか、アイヌ文化に関する展示を強化、手狭になった収蔵庫の増設、企画展充実に向けた展示室増築などを盛り込んだ。8月中旬に答申。道は開館40周年にあたる2011年の全面改装を目指す。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/culture/179754.html

アイヌの明日:有識者懇報告を前に/下 4000人割る会員、進まぬ組織化

2009-07-30 | 日記
(毎日新聞 2009年7月28日 北海道朝刊)
 ◇誇りにつなぐ政策を
 「総会すら開いていない支部がある。組織運営上、問題がある」。5月、札幌市中央区の「かでる2・7」であった北海道アイヌ協会の総会。組織強化担当の秋辺得平副理事長は協会が抱えるアキレスけんの存在を指摘し危機感を訴えた。
 協会は道内のアイヌを束ねる最大の組織で、戦後間もない1946年に発足した。支部は48カ所。このうち14支部は08年度、総会を開かなかったという。
 会員数は05年度に4000人を割り込み、09年4月末には3471人に落ち込んだ。3けたの支部もあれば、1けたが8カ所ある。生活に追われ、会費(札幌支部は年5000円)を払えずに抜けていく者もいる。
 2万5000人ともいわれる道内のアイヌ。組織化が課題の一つとなっている。
   ■  ■
 アイヌ政策の在り方に関する有識者懇談会。29日の報告書に、今後の政策にアイヌの声を反映する審議機関の設置を盛り込む。懇談会には道アイヌ協会の加藤忠理事長が参加した。これからの審議には、道外の代表が入ることも欠かせない。
 関東ウタリ会、東京アイヌ協会、レラの会、ペウレウタリの会。四つの任意団体は首都圏を中心に活動し、アイヌウタリ連絡会を作っている。「アイヌ団体が一つになって要望をまとめ、国にぶつけていくことが大切」。長谷川修事務局長は全国組織の必要性を訴える。
 08年7月、道内で開かれた先住民族サミット。海外と道アイヌ協会などの国内のアイヌ団体が初めて一堂に会し、全国的な組織づくりの必要性について一致した。しかし、1年たっても本格的な議論は進んでいない。
 東京都の調査(88年)によると、都内のアイヌは約2700人。奨学金や住宅建築の援助などが受けられる道内のアイヌに比べ、道外には何もない。長谷川事務局長は「切実さに違いがある。それが議論が進まない原因の一つ」と温度差を指摘する。道アイヌ協会の阿部一司副理事長は打開策として「各団体が参加した『アイヌ民族会議』をつくりネットワーク化する」という構想を描く。
   ■  ■
 「先住民族は権利を享受するため、国からの資金及び技術上の援助を利用する権利を有する」。国連・先住民族の権利宣言(39条)は、国の責任を明記した。組織化と政策づくりは車の両輪。「生活支援などが具体化すれば、協会などへの入会希望者が必ず増える。アイヌであることを隠している人も、誇りに思う日が来るだろう」。阿部副理事長はそう確信している。
     ◇
 この連載は千々部一好と中川紗矢子が担当しました。
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20090728ddr041040002000c.html

アイヌの明日:有識者懇報告を前に/中 奨学金受給、昨年度1000人超

2009-07-30 | 日記
(毎日新聞 2009年7月27日 北海道朝刊)
◇教育は命、生活と一体
 札幌市南区のアイヌ文化交流センター「サッポロピリカコタン」。道アイヌ協会札幌支部の教育相談員、松平智子さん(49)はその一室で電話対応に追われる。会員の子弟が高校や大学に進学する際、奨学金の申請書を提出する手伝いもする。
 松平さんは日高管内平取町出身のアイヌ。母は小学校に1年しか行けなかった。「当時アイヌはそれが当たり前だった」。貧しい生活から抜け出したいと、奨学金をもらいながら高校を卒業した。
 長い間、アイヌであることを避けて生きてきた。しかし、約10年前にアイヌ刺しゅうに出合ったことで民族として目覚め、自ら明かす踏ん切りがついたという。
 松平さんの長男(22)は奨学金を受けながら正看護師の資格を取り、埼玉県内の病院で働いている。「親がしっかりとした教育を受けていないから、子供も十分な教育を受けられない。その悪循環を断ち切りたい」。支部の募集に応じて06年から教育相談員になり、自らの体験を生かしながら会員の話を聞いている。
   ■  ■
 奨学金は高校、大学、専修学校に進学したアイヌ子弟のいる道内の世帯が申請できる。国公立高校の場合、入学支度金として2万3100円、修学資金は毎月2万3000円。昨年度、奨学金を受け取ったのは1000人以上。大学進学で下宿する場合、奨学金だけでは足りないため、道アイヌ協会は大幅な増額を求めている。
 給付だった大学進学の奨学金は、82年度から貸し付けに変更された。卒業から1年後に収入による免除申請ができ、大半は返済免除となった。しかし、今春からは3年後も収入を調査、免除を見送られる可能性が高くなった。道内の医学部に合格した男子高校生は、別の奨学金を借りることを決めたという。
   ■  ■
 北海道大の調査(08年)によると、アイヌ世帯の高校進学率は55・1%(道民平均98・6%)、大学進学率は4・4%(同40・4%)と歴然とした格差がある。アイヌが希望する施策では教育支援が51・0%と最も多かった。経済的な貧しさから、十分な教育が受けられない実態がうかがえる。
 道アイヌ協会の加藤忠理事長は胆振管内白老町で18年間、生活相談員を務めた。経済的な事情で泣く泣く高校を中退するケースを嫌というほど見てきた。「教育は命だと思っている。教育がないから経済的なものもなくて貧困につながる。教育と生活は一体であり、教育が一番なんだ」
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20090727ddr041040002000c.html

アイヌ民族刺しゅうを体験

2009-07-27 | 日記
(中国新聞'09/7/26)
 アイヌ民族の古布絵作家宇梶静江さん(76)=千葉県在住=が27、28の両日、安芸高田市高宮町で「アイヌの絵本と刺しゅうのつどい」を開く。
 宇梶さんは北海道浦河町出身。古布にアイヌ刺しゅうをした古布絵作家として知られ、アイヌ文化を伝える講演活動も行っている。つどいでは刺しゅうのはちまきを製作。民話を題材にした宇梶さんの絵本の朗読もある。材料費500円。はさみを持参。両日とも午前9時と午後1時の2部制。
 27日は会場がたかみや人権会館。ネットワークささゆり、電話0726(57)2941。28日はエコミュージアム川根で開催。電話0826(58)0001。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200907260057.html

アイヌの明日:有識者懇報告を前に/上 文化学習、道のり遠く

2009-07-27 | 日記
(毎日新聞 2009年7月26日 北海道朝刊)
 衆参両院は昨年6月、アイヌを先住民族と認定することを政府に求め決議した。これを受け、政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長・佐藤幸治京都大名誉教授)は、1年間にわたり議論を重ねてきた。29日、その締めくくりとなる報告書が提出される。アイヌ政策の現状と課題を探った。
 ◇差別、偏見なくす出発点が…副読本の活用不十分
 「糸を回して針を通し、やさしく引っ張るのよ」。7月中旬、胆振管内白老町のアイヌ民族博物館であった白老中学校のアイヌ体験学習。民族衣装の女性職員が、アイヌ刺しゅうを手ほどきする。とげのある独特の文様。木綿のハンカチに縫い針を刺した1年生の矢吹凪紗(なぎさ)さん(12)は「小学校でもやったことがある。本当に楽しい」。
 道教委は08年度から、アイヌや北方領土、石炭などの文化遺産といった郷土に根ざしたテーマを学ぶ事業を実施している。町内にアイヌが多く暮らしている白老中も指定され、白老小学校と連携してアイヌ学習を始めた。今年度は総合学習の授業で、生徒一人一人がアイヌの文化や歴史から興味のあるテーマを選んだ。
 体験学習もその一環。刺しゅうのほか楽器のムックリ製作や木彫りの三つから選び、学んだ成果を新聞にまとめて発表する。名須川敏雄校長は「アイヌ学習は避けて通れないテーマ。アイヌ理解の基礎ができれば」と期待する。
 アイヌ教育の指定校は白老町と釧路管内白糠町の2カ所だけ。自主的に取り組む小中高校もあるが、数はまだ少ない。
   ■  ■
 財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構(札幌市)は昨春、アイヌの歴史や文化、言語などを小中学生向けに解説した副読本を一新した。写真や図を多用し、以前より格段に親しみやすくなった。道内の全小4、中2の児童・生徒向けに15万冊、道外の小中学校にも1冊ずつ配布する。
 しかし、せっかくつくった副読本も、現場では有効に活用されていないのが実情だ。
 編集に携わった小樽市立北手宮小の平山裕人教諭は過去に、アイヌ民話の劇やアイヌ語学習を試みた。しかし、副読本については「教育課程に組み込まれていないので、今は使用を見合わせている」と話す。指導できる教諭も限られている。機構の担当者は「配布だけで精いっぱい。利用を強制する権限もない」。活用を図るため、教諭向けの指導書作成も検討している。
   ■  ■
 アイヌへの正しい理解が差別や偏見をなくす出発点となる。
 6月末、懇談会がまとめた報告書の素案は学校教育の充実をうたっている。しかし、道内ですらその道のりは遠い。
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20090726ddr041040007000c.html

今週の本棚:池澤夏樹・評 『インディアス史 全7巻』=ラス・カサス著

2009-07-27 | 日記
(毎日新聞 2009年7月26日 東京朝刊)
(岩波文庫・840~1155円)
 ◇スペイン人は新大陸で何をしたか
 一四九二年の秋、コロンブスは新大陸を発見した。誰もが知るように、これが近代世界史の原点である。
 もともとそこに住んでいた人々にとっては「新」大陸も「発見」もナンセンスだが、しかしこの出会いは人類の歴史を大きく変えた。
 では、なぜその出会いはあれほど不幸な結果を生んだのか? 「新大陸」に数千万はいたはずの先住民(インディオ)がほとんどいなくなったのはどういう事情によるのか? 五百年前の出来事だけれども、これはそのまま今に直結している。
 ラス・カサスは同時代の歴史家である。コロンブスの最初の航海から十年後に十八歳でインディアス(新大陸のもっぱらカリブ海とその周辺を指す地名)に渡り、先住民に対するスペイン人の暴虐のふるまいを目撃し、時には結果として荷担もした。やがてヨーロッパに戻って聖職者の資格を得た。
 三十歳を過ぎた時、司祭としてインディアスに赴任し、先住民を財産として植民者に分配するレパルティミエントという制度に公然と反対を表明した。以後八十二歳で没するまで一貫して先住民の側に立って、人間的な扱いを求め続けた。
 『インディアス史』は彼の主著であり、コロンブスによる発見から一五二二年までの三十年間にこの地域で起こったことを記した史書である。たったの三十年でこの地域の社会は根底から変わってしまった。
 何が起こったかといえば、スペイン人は彼らをひたすら酷使して死に追いやったのであって、それに彼らにはヨーロッパ人がもたらす病気に対する免疫がなかったことも手伝って、彼らはみな死んでしまったのだ。だから今もカリブ海の島々には先住民がいない。
 ラス・カサスは『インディアスの破壊についての簡潔な報告』(岩波文庫)という小さな本で、スペイン人の悪逆非道をきつい口調で告発している。しかしこの『インディアス史』ではもっと静かで思弁的な文体で史実を一つ一つ冷静に記述する。
 先住民は善良すぎたのかもしれない。最も早い段階でコロンブスは「インディオたちは、われわれが命令を与え、労働と農耕や、その他必要なことをすべて実行させるために、また居住地を建設させたり、衣服を着用させたり、われわれの習慣を教えたりするために、よく適した人たちなのであります」と言っている。彼は自分たちヨーロッパ人の優越性をまったく疑っていない。
 このコロンブスの言葉をラス・カサスはこう解釈する--「インディオたちの生来の温順さや、純朴で親切で謙虚な性質や、武器というものをもたず、裸のままという習慣が、エスパーニャ人たちを傲慢(ごうまん)にしてしまった」。
 実際、カリブ海で起こったことがマヤでもアステカでもインカでも、もっとずっと大きな規模で繰り返された。ラテン・アメリカは今もこの歴史を引きずっている。
 ラス・カサスは実はこの前、コロンブスの発見の以前、西アフリカでポルトガル人が黒人を相手に「大規模な殺戮(さつりく)、騒乱、強奪、人間捕獲と村落破壊といった悪行」を行っていたと記す。他の例をもってスペイン人の所行を弁護するためではなく、人間のふるまい全般を嘆くために。
 だから、この本は近代史を考える土台として大事なのだ。異文化同士の出会いがすべて悲劇に終わるわけではないが、そうなった例は少なくない。早い話が今の日本にはアイヌ語を日常語とする人はもういない。
 ある状況で、スペイン人は婦女子や老人を剣に掛けて殺した。「そのわけは、彼らの目指した主な目的は、全土を恐怖に巻き込んで降伏させるために、残虐と破壊のかぎりを尽くすことだったからである」とラス・カサスは報告している。
 先住民が善良だったから殺した。今ならば「攻撃誘発性(ヴァルネラビリティー)」という言葉が使われる場面だ。弱い方が悪い、弱いことが悪いと言わんばかり。人間の歴史はこういう惨劇に満ちているが、しかし新大陸で起こったことは規模において格段に大きかった。文庫にして総計二千八百ページを要する事実の重みである。
 もう一つ、『インディアス史』について特徴的なことは、著者が自分の過去も廉直に記述していることだ。この本はラス・カサスの自伝という一面を持っている。彼は本書の筆者である「私」と、征服者の悪行に対抗した「司祭ラス・カサス」、そしてそれ以前の一スペイン人であった自分を分けて書いている。この客観化は(おそらく、神の前における)彼の誠意を担保するものだ。
 先行する版(『大航海時代叢書(そうしょ)』)のテクストを七割まで圧縮したものであるが、一般の読者にとってこの新しい版は険峻(けんしゅん)な高峰にルートを作り、登攀(とうはん)を容易にしてくれる。また最後に添えられた周到な「解説」は非常に役に立つ。
 われわれは一四九二年に戻って世界史を読みなおさなければならない。(長南実・訳、石原保徳・編)
http://mainichi.jp/enta/book/news/20090726ddm015070018000c.html