先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

宇梶静江さんドキュメンタリー公開 「カムイが後押し」東京で舞台あいさつ

2023-04-30 | アイヌ民族関連
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北海道新聞2023年4月29日 23:20(4月29日 23:29更新)

映画「大地よ」の上映後にあいさつする宇梶静江さん(右)
 アイヌ民族の詩人で古布絵作家の宇梶静江さん(90)=胆振管内白老町=のドキュメンタリー映画「大地よ~アイヌとして生きる~」(金大偉監督)の上映が29日、東京都内の映画館「ポレポレ東中野」で始まった。宇梶さんは上映後に舞台あいさつに立ち、「カムイや先祖が後押ししてくれた」と公開を喜んだ。
 宇梶さんの故郷の日高管内浦河町や65年間住んだ首都圏などでのインタビューを軸に、自然と共生するアイヌ民族の精神性を伝える105分の作品。藤原書店(東京)が約5年かけて製作し、宇梶さんの長男で俳優の宇梶剛士さんがナレーションを務めた。
 ・・・・・・
大沢祥子)
※「イランカラプテ」の「プ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/839659/

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映画「大地よ」宇梶静江さんインタビュー 訴え続けてきたアイヌ民族の精神 「いま、アイヌは動き出しています」<デジタル発>

2023-04-30 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年4月29日 14:00
 生涯をかけて問い続けてきたアイヌ民族の誇りを次世代へ-。アイヌ民族の権利回復運動の草分け的存在で、詩人、古布絵(こふえ)作家の宇梶静江さん(90)=北海道・胆振管内白老町在住=のドキュメンタリー映画「大地よ~アイヌとして生きる~」(藤原書店製作、金大偉監督)の劇場公開が4月29日、東京都内の劇場を皮切りに始まりました。幼少期から大切にしているアイヌ民族の知恵や文化、土地や言葉を奪われた民族としての葛藤や差別の経験など、宇梶さんの語りや詩、古布絵作品の表現を通じて、自然と共生するアイヌ民族の精神を伝える内容です。映画公開を迎えた心境を宇梶さんに聞きました。(東京報道センター 大沢祥子)

インタビューに答える宇梶静江さん=4月25日午後、東京都内(金田翔撮影)
 うかじ・しずえ 1933年(昭和8年)、北海道・日高管内浦河町生まれ。札幌北斗中を経て23歳で上京。72年に朝日新聞に「ウタリたちよ、手をつなごう」と投稿してアイヌ民族の団結を呼びかけ、反響を呼んだ。96年からは古い布に刺しゅうを施して叙事詩ユカラ(「ラ」は小さい字)の世界を表現する独自の手法「古布絵」作家としても活動する。2010年公開のドキュメンタリー映画「TOKYOアイヌ」に出演。11年に吉川英治文化賞、20年に後藤新平賞を受賞した。著書に「大地よ!」(藤原書店)など。21年11月に胆振管内白老町へ移住した。一般社団法人「アイヌ力(ぢから)」代表。俳優の宇梶剛士さんは長男。
■北海道は「無理のない風景、居心地良い」
 ――撮影・編集に約5年かかった映画がいよいよ公開です。長男で俳優の宇梶剛士さんがナレーションを務めています。
 「実はまだ、剛士がナレーションをしている完成版は見ていません。どういう映画になったのか私自身とても楽しみです。アイヌは自然に対して祈り、対話する。北海道の大地も見どころで、自然の風景を目に焼き付けてほしいですね」
 ――2020年に出版した自伝「大地よ!」(藤原書店)が映画化につながったそうですね。
 「まさか映画までできるとは思っていませんでした。本の編集作業の時などに金大偉監督が来てカメラを回していました。本を作る過程の延長のような形で映画化が決まったので、私自身は特に映画と意識せず、普段から思っていることをカメラの前でそのまま話していたわけです。撮り始めたころは、北海道に移住するとも思っていませんでしたね」
 ――2021年11月、65年間住んだ関東から北海道・胆振管内白老町にUターンしました。
 「まず、良かった、というのが一つの答えです。やっぱり、海があって山があって、自然がたくさん。これが無理のない風景なんです。その環境にいることがとても居心地がいいですね。応援してくれている仲間がいて、アイヌの行事に呼ばれたり、何かあると私も積極的に行って勉強したりしています」
■競い合いや議論「やったれやったれ」
 ――北海道の生活でどんなことを感じていますか。
 「今、アイヌが動き出しているのを感じています。例えば、刺しゅう。前は誰かがアイヌのことをやるとアイヌの中で引っ張り合いをして悪口ばっかり言ってたんです。いまは、誰がうまいとかどの賞をとったとか、刺しゅうの腕の競い合い。これは良いことなんですよ。やったれやったれ、あなた方がそういうディスカッションをするとアイヌが動くのよ、って私は喜んでいます。女の人たちが芸術で競っていると男の人たちも動かされるんですよ。木彫りも盛んになってきて、海外に広めようっていう人たちもいる。全般的な動きというのを感じますね」
 ――アイヌが動き出しているという良い手応えがあるんですね。
 「この頃、『前はアイヌやってないからアイヌじゃなかった』『アイヌをやる人たちを批判していたけど、この間からアイヌ問題をやりだした』なんて冗談を言いながら私のところにやってくるアイヌたちがたくさんいます。そうだよねと納得できる。私だってアイヌをやるために東京に行ったわけじゃない。でも和人の勉強をしていく中で文字を持って世界の本を読んだことで、アイヌはどうなっているだろうと考えることから始まって、触発されてアイヌ問題をやろうと高まっていったわけです。そういう冗談を言って笑えるのは、自らをアイヌだと自覚するアイヌが多いということ。自分自身が認めるだけでも違うじゃないですか。そういうふうに思ってくれれば、自分を語れる。そういう中から、『俺も』『私も』となって文化になっていくのかなと思います」
・・・・・・
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/838946/

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GW 子グマ5頭一般公開 名前を募集中 のぼりべつクマ牧場

2023-04-30 | アイヌ民族関連
苫小牧民報2023.04.29
登別市ののぼりべつクマ牧場で今年1月に誕生した子グマ5頭が一般公開されている。全身ふわふわの毛に包まれた子グマたちは、じゃれ合いながらすくすくと成長。名前を募集中で、29日から5月7日までのゴールデンウイーク(GW)期間中と5月の毎週末は、各日30組限定で子グマとの記念撮影(有料)も受け付ける。

一般公開された子グマたち
 1月19日に2頭(母マリン、10歳)、21日に1頭(母エリカ、24歳)、22日に2頭(母ラッキー、8歳)が生まれた。現在はそれぞれ体長30~40センチ、体重3~7・5キロ。母グマから離れた獣舎で5頭一緒に過ごしており、元気にミルクを飲んでいる。
 同牧場の飼育担当者は「今しか見られないかわいい姿を見てもらいたい。かわいい名前も付けてあげて」と呼び掛けている。
     ◇
 同牧場の山麓駅2階コンコースでは、アイヌ民族の海洋交易船イタオマチプの展示も行われている。伝統的造船技術復興と継承を目指すアイヌ文化学術研究会が2021年、札幌市在住の伝統工芸家、成田得平氏の手によってエゾアカマツの大木から復元した。
 長さ12・3メートル、幅1・7メートル、高さ1・3メートル、重さ1・7トンで、復元船としては国内最大級という。くぎなど金属部品を用いていないのが特徴で、板を樹皮の縄でとじることから「板綴(つづ)り舟」とも訳される。
 山頂の牧場内にアイヌ文化を体験できるユーカラの里を併設する縁から、展示が実現した。広報担当者は「アイヌ文化を身近に感じるきっかけにしてもらえたら」と話している。
https://hokkaido-nl.jp/article/29141

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阿寒湖で湖水開き 遊覧船の運航が本格的に始まる

2023-04-30 | アイヌ民族関連
NHK04/29 19:20
道東の阿寒湖で観光シーズンの幕開けを告げる「湖水開き」が行われ、遊覧船の運航が本格的に始まりました。
釧路市の阿寒湖では毎年、大型連休の時期に合わせて「湖水開き」が行われています。
29日は関係者およそ40人が出席して、アイヌの儀式「カムイノミ」で今シーズンの安全運航などを祈願し、1日船長に任命された釧路市の蝦名大也市長が「阿寒の自然を楽しんでもらい、世界に向けてこの地域を発信していきたい」とあいさつしました。
そしてテープカットが行われたあと、さっそく観光客たちが船に乗り込んで湖から見える雄阿寒岳を撮影していました。
また湖の島に展示されている国の特別天然記念物のマリモを観察するなどして、1時間あまりの遊覧を楽しんでいました。
乗り場では、新型コロナの影響で自粛していたワカサギの天ぷらなどの無料の試食会も4年ぶりに行われて、訪れた観光客が特産品を味わっていました。
遊覧を楽しんだ観光客は「なかなか旅行ができなかったので、遊覧船に乗りたいという子どもを連れてこれて良かった」とか「ことしの大型連休は色々なところへ旅行へ行きたいです」などと話していました。
阿寒湖の遊覧船は11月末まで運航されます。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/k/sapporo/20230429/7000057257.html

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「ゴールデンカムイ」の世界追体験 札幌でイラストや資料展示 5月21日まで

2023-04-29 | アイヌ民族関連
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北海道新聞2023年4月29日 00:25

壁一面にカラーイラストが並ぶゴールデンカムイ展の会場
 明治末期の北海道を舞台にアイヌ民族の少女らによる金塊争奪戦を描いた漫画「ゴールデンカムイ」(集英社)の世界観を紹介する「ゴールデンカムイ展」が28日、札幌市中央区の丸井今井札幌本店大通館で始まり、初日から大勢のファンでにぎわった。
 会場には120点を超える登場人物などのイラストや、主人公で元兵士の杉元佐一の軍帽のモデルなど作者の野田サトルさん(北広島市出身)が所蔵する資料、各地の博物館の民具などを6ゾーンに分けて展示。杉元らがたどった旅路を追体験できる空間となっている。南区の会社員大谷忍さん(47)は「漫画を最初から読み返している感覚で大興奮。なかなか次の展示に進めません」と話した。
・・・・
(高田かすみ)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/839345/

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アイヌ民族遺骨返還「取扱い方針」案 釧路市教委が公表 申請受け付けから「1年以内返還」目指す

2023-04-29 | アイヌ民族関連
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北海道新聞2023年4月28日 23:10

釧路市内で発見されたアイヌ民族の遺骨が保管されている釧路市埋蔵文化財調査センター
 釧路市教委は26日、市埋蔵文化財調査センターに保管するアイヌ民族の遺骨の地域返還に必要な手続きを定めた「取扱い方針」案を公表し、パブリックコメント(意見公募)を受け付けている。国や他自治体の事例を基に、申請のあった「出土地域にあるアイヌの人々を中心に構成された団体」へ返還することを基本方針と定めた。返還手続きの本格化を前に、遺骨の発見経緯などを整理した。
 市教委が保管している遺骨は、個人として特定できた9体、複数の骨片で個人と特定できない1箱。1963~94年に発見され、4体が女性で1体が男性と特定された。また5体は陶磁器片や刀、耳飾り、ガラス玉などの副葬品もともに見つかっている。
 発見場所は《1》阿寒町の下仁々志別竪穴群《2》材木町5遺跡《3》幣舞遺跡《4》旧東栄小学校校庭―の4カ所。《1》~《3》はいずれも、市生涯学習センターまなぼっとや道路を整備する際、埋蔵文化財がないかを調べる過程で発掘された。《4》は旧東栄小校庭で教諭と児童が発見したという。
 発見以降、市教委は埋蔵文化財として保管してきた。分析や研究目的で大学へ貸与され、返還に20年超を要した遺骨もあった。
 一方、2007年の「先住民族の権利に関する国連宣言」採択や、各地のアイヌ民族団体が遺骨返還を求めて大学を提訴する動きなどを経て、国は15年に全国の博物館の遺骨の保管状況の調査に着手。市教委も実態把握を進めた。
・・・・・ 
(古市優伍)
※「イチャルパ」のルは小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/839306/

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クマ送り儀式「カムイホプニレ」 新ひだかで18年ぶり 地元アイヌ協会長「次世代に伝えたい」

2023-04-29 | アイヌ民族関連
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北海道新聞2023年4月28日 19:25

大川さん(奥の左から2人目)が主催して行われたカムイホプニレ
 【新ひだか】アイヌ民族の伝統的な儀式を後世に残そうと、新ひだかアイヌ協会会長の大川勝さん(78)が主催したクマ送りの儀式「カムイホプニレ」が町内で行われた。同協会の関係者によると、このクマ送りの儀式を町内で行うのは18年ぶりで、資料の少なさもあって道内での実施も珍しいという。大川さんは「アイヌの人たちにとって大事な儀式を次の世代に伝えたい」との思いを込めた。
 儀式は16日に町静内農屋の炭山川近くで行い、町内外の約40人が見学した。ヌサ(祭壇)には、狩猟免許を持つ大川さんが昨秋に捕獲したクマ3頭の頭骨が祀(まつ)られた。同協会の沢田一憲さん(68)が祭司を務め、民族衣装を着た関係者ら約20人が儀式に参列した。
 火の神に儀式の始まりを告げる「アペカムイノミ」の後、参列者がヌサに移動し、神が宿るとされるイナウ(木幣)に神酒をささげる「ヌサオンカミ」を行った。火の神に終わりを告げた後、ヌサに祀られたクマの頭骨の顔部分を神聖な場とされる川の上流側に向けて、クマの神を送った。
・・・・・・・
 (杉崎萌)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/839085/

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豪博物館に保管のアイヌ民族遺骨4体 5月8日に道内到着

2023-04-29 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年4月28日 17:22(4月28日 17:59更新)
 内閣府は28日、オーストラリアの博物館が保管しているアイヌ民族の遺骨4体が、5月に日本側に返還されると正式に発表した。7日に羽田空港、8日に新千歳空港に到着する予定。うち道内で発見された3体の遺骨は胆振管内白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」で保管する。
 残る1体は南樺太(ロシア・サハリン)で発見された遺骨で、国などが樺太アイヌの子孫らでつくる遺族会に引き渡す方向で検討している。確定するまで北大で一時的に保管する。内閣官房によると、海外にあるアイヌ民族の遺骨が返還されるのは、2017年にドイツから1体が返還されたのに次いで2例目。
 ウポポイに保管される遺骨は、1921年(大正10年)に岩内郡前田村(現後志管内共和町)で発見された1体と身元不明の2体。南樺太の1体は36年に発見された。いずれも東大教授らが30年代までにオーストラリアの先住民族アボリジニの遺骨と交換する形で提供したとみられ、これまでキャンベラとメルボルンの博物館が保管してきた。
・・・・・
(小林史明)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/838972/

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アイヌ民族の4体の遺骨 来月オーストラリアの博物館から返還 5月8日に北海道に 

2023-04-29 | アイヌ民族関連
HTB2023年 4月28日 21:10 掲載

 内閣府はオーストラリアの2つの博物館で保管されているアイヌ民族の4体の遺骨が返還されると発表しました。来月関係者らがオーストラリアを訪れることになっています。
 オーストラリアに渡ったアイヌ民族の遺骨は、2つの博物館にそれぞれ保管されていて、来月関係者らがオーストラリアを訪れてそれぞれ返還されます。
 4日にキャンベラのオーストラリア博物館で1体、6日にはメルボルンのビクトリア博物館から3体が返還され、来月8日には北海道の新千歳空港に到着する予定です。
 4体のうち3体は白老町にある民族共生象徴空間ウポポイに保管されることになっています。
 4つの遺骨はいずれも身元は不明ですが、地域の判明している1体については北海道大学で一時保存後、要件を満たせば返還申請をだしている団体に渡されることになります。
 返還についてアイヌ施策を担当する岡田直樹大臣は28日の閣議の会見で「アイヌの方々のご遺骨が長きにわたり、その故郷を離れることになったことに対し、遺憾の意を表したい」「アイヌの皆様の心境などを踏まえながら、アイヌ政策の着実な推進に取り組んで参ります」としています。
https://www.htb.co.jp/news/archives_20223.html

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アイヌの遺骨4体、豪から返還へ 担当相「長く故郷離れ遺憾」

2023-04-29 | アイヌ民族関連
毎日新聞2023/04/28 12:51
 アイヌ施策担当を兼務する岡田直樹地方創生担当相は28日の記者会見で、オーストラリアの博物館が保管しているアイヌ民族の遺骨4体が日本に返還されると発表した。政府やアイヌ団体の関係者が5月2日に豪州に向けて出発。二つの博物館を訪問し、遺体の返還を受け、8日に北海道の新千歳空港に到着する。
 4体の遺骨は1911~36年に東京帝国大の小金井良精名誉教授らを通じて豪州に渡り、現地の二つの博物館が保管してきた。
 岡田氏は会見で「アイヌの方々のご遺骨が長きにわたり、その故郷を離れることになったことに対し、遺憾の意を表したい」と述べた。その上で「アイヌの方々のご遺骨の日本への帰還を果たしていく」と語った。【源馬のぞみ】
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20230428k0000m040085000c.html

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『世界を文学でどう描けるか』=黒川創・著

2023-04-29 | 先住民族関連
毎日新聞 2023/4/29 東京朝刊 有料記事 502文字

 (図書出版みぎわ・2640円)
 戦時にあって世界は激しく揺れ動く。そうした大状況の下で文学に何ができるのか――。この問いに、作家である著者は2000年に旅したサハリンでの見聞を手に挑む。
 かつて樺太(からふと)と呼ばれた島はロシアと日本の権益がせめぎ合う地。元来はアイヌやニヴヒ、ウイルタなどの北方先住民族が暮らし、中国や朝鮮の漁師や商人も自由に行き来した。だが、日露(日ソ)の植民地化と戦争で人々はたびたび生活を奪われ、強制的な移住を求められた。
 著者は多種多様な民族性と体験を持つ人々と出会うが、ウクライナからの移民の多さには驚く。ドライバー役の男性の一人はウクライナ人、北端の町で英語通訳を務めた女性は父母がロシア人とウクライナ人。また、朝鮮人と日本人の父母を持つガイドの女性は「なに人」と聞かれ、「エミグレ(流亡者)」と即答する。
 島での対話を通じて思い知った世界の複雑さを、ヤクートの「トナカイ王」ヴィノクロフの生きざま、さらには19世紀に英国人作家が書いた「世界文学」の嚆矢(こうし)、『フランケンシュタイン』と重ね合わせる。旅の記憶の反すうと熟成が二十数年後の現実に触れ、結晶した。(壱)
https://mainichi.jp/articles/20230429/ddm/015/070/027000c

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これ、なんて読む!?身近な動物の名前「膃肭臍」の読み方、知っていますか?

2023-04-29 | アイヌ民族関連
otonasalon2023.04.28
「膃肭臍」の読み方は?
肉や体を表す部首「月(にくづき)」がついた漢字が並ぶことから、体に関連する言葉だと推測した人がいるかもしれませんが、実はこの漢字はある動物の名前を表しています。その動物は一年の大半を海中で過ごすアシカ科の哺乳類です。
「膃肭臍」はアシカ科なので「アシカ」によく似ていますが、アシカよりも体毛が濃く、ビロードのような光沢のある黒色、茶褐色の毛並みが特徴です。
正解は……
「おっとせい」です。
「膃肭臍」を辞書で引くと、このように記載されています。
アシカ科の哺乳類。体長は雄が約2メートル、雌が約1メートル。頭は丸く、四肢はひれ状で、全身に刺毛と綿毛が密生。北太平洋に分布し、夏、小さな島に多数集まり、一夫多妻の集団をつくって繁殖する。毛皮は良質だが、国際条約によって保護されている。
出典元:小学館 デジタル大辞泉
なお、日本語・漢字検索サイト「漢字ぺディア」では、「膃」も「肭」も「膃肭臍」に用いられる字として紹介されています。なお「膃」と「肭」で表される「膃肭(オツドツ)」という言葉は肥えてやわらかい、肥える様を表すものです。「臍」は訓読みで「へそ・ほぞ」と読みます。腹の中心部にあるあの“へそ”です。音読みで「セイ・サイ」と読みます。
「膃肭臍」の由来ですが、オットセイはアイヌ語で「オンネウ・オンネプ・オンネップ」と呼ばれており、まず、これが中国で「膃肭」と音訳されました。中国ではオットセイの陰茎が強精剤として珍重されていました。陰茎がへそ(臍)に近い位置にあることから「臍」の字が当てられ、その薬名が「膃肭臍」です。「膃肭臍」という薬名が日本に入り、そのままオットセイを当てる漢字として用いられるようになりました。
参考文献:デジタル大辞泉、漢字ぺディア
https://otonasalone.jp/341345/

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国連委、ロシアに少数民族偏重の徴兵停止を要求

2023-04-29 | アイヌ民族関連
サンスポ2023/04/28 22:12
国連の人種差別撤廃委員会は28日、ロシアに対する審査報告書を公表し、ウクライナに侵攻するロシアが、自国内や実効支配地域で実施している徴兵や住民の動員が「先住民を含む少数民族に偏っている」と指摘し、こうした不公平な措置をやめるよう求めた。
ロシアは昨年9月に部分動員令を発令したが、主に極東に住むブリャートなど少数民族が高い割合で戦地に派兵されているとの指摘がある。
報告書はロシアの当局者や著名人によるウクライナ人に対する差別や憎悪を助長するようなヘイトスピーチが、国営テレビやラジオで横行しているとして、こうした行為への対策を求めた。
また、ウクライナ南部クリミア半島のトルコ系先住民族、クリミア・タタール人の文化遺産が破壊されているとの情報について捜査し、予防策を講じることも求めた。(共同)
https://www.sanspo.com/article/20230428-S7O7SLQAGZMNJMRL6ST5YRYXRU/

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「深呼吸、ときどきパース旅」<下> ~オーストラリア・【食の魅力編】 ならではの「味」に出合う

2023-04-29 | 先住民族関連
ビードット2023年04月28日
最近、深呼吸をしていますか?
「深呼吸、ときどきパース旅」<上> ~オーストラリア・【風景編】では、“パースブルー”と呼べる、鮮やかな「青」に出合うことができる風景の数々を紹介した。
今回は、西オーストラリア州の州都パースとその周辺の青空の下で育まれる肉や魚、野菜などの食材を使った、この地ならではの「味」をお伝えしたい。
オーストラリアの自然が作り出す「食」の魅力に出合うことで、身も心も解放され、思わず深呼吸をしてしまうだろう。
■オーストラリア料理とは?
結論から言えば「これぞ、オーストラリア料理の代表」というものは残念ながらない。それは、多民族・多文化国家のオーストラリアの歴史を少し振り返ると、理解していただけるだろう。
オーストラリアの先住民は、アボリジニの人々だ。約6万年前から、オーストラリアに居住していたといわれ、アボリジニの人々は「ブッシュ・タッカー」という、オーストラリアに生息する動植物の狩猟採取食をしながら暮らしていた。
ブッシュ・タッカーは、昆虫、カンガルー、エミュー、マカダミアナッツなどの食材を火にかけた熱い石の上に乗せ、砂をかけて蒸し焼きにする料理。ただ、その料理はオーストラリアのレストランで気軽に食べることはできない。
オーストラリアは1788年、イギリスの植民地となった(1901年にオーストラリア連邦成立)。19世紀半ばにオーストラリア東部で金鉱山が発見され、これがきっかけで、イギリス、アイルランド、イタリアといった欧州や中国などのアジアから多くの移民が押し寄せてきた。移民たちは独自の食文化をはじめとしたカルチャーをオーストラリアに持ち込み、それが現在、社会の随所に残っている。
建国から約120年と歴史が浅く、多民族・多文化国家だからこそ、これぞ「オーストラリア料理」という料理は育っていないのかもしれないが、その多様性こそが、オーストラリアの魅力そのものだ。
■進化系のアジア料理
今回のプレスツアーでは、アジアの味に出合うことが多かった。しかも、アジア以外の人たちの口に合うような比較的マイルドな味わいに仕上げられた“進化系アジアフード”と呼べるような味だった。
パース近郊のフリーマントルにある、ワンダーズホテル内のレストラン「エミリーテイラー」では、ココナツ味が利いたタイ風カレーに山盛りの白いコメが出てきた。開放されたレストラン内に海風が吹き込み、マイルドなカレーの辛さにご飯が進む。
また、クオッカが生息しているロットネス島の「ロンタラ・レストラン」は、海辺を眺めることができる場所に立地。ここでも、海を身近に感じながら、アジア料理のコースが出てきた。ロットネス島は、オーストラリアでもトップクラスの観光地で、家族連れやカップルが次々と提供される料理をおいしそうに味わっていた。
「食は文化である」という言葉通り、進化系アジア料理の日常生活への浸透は、多民族国家オーストラリアを象徴しているだろう。
 ■牛の数の方が多い!?
オーストラリアと言えば、日本の食卓でおなじみの「オージービーフ」だろう。運動量が多く、エサも牧草であるため、肉質は赤身が多くなるという特徴を持つ。日本の牛肉で多くみられるサシが入った軟らかい肉ではないが、個人的にはオージービーフの方が肉本来の味を飽きることなく、楽しめると感じる。
オーストラリアの国土面積は約769万平方キロメートル、日本の約20倍の広さだ。パースからマーガレットリバーまでの移動は車で途中の休憩を入れて約3時間半かかった。この間、車窓からの眺めは基本的には牧草地帯。牛たちが牧草をはんでいたり、横たわっていたりと風景が大きく変わらず、この土地の大きさを実感する。
広大な農地でのびのび育てられている牛は全土で約2900万頭に上り、オーストラリアの人口約2300万人を超え「人より牛の方が多い」という国だ。
パースからマーガレットリバーに到着し「ブルマン・バンカーベイ・リゾート」に宿泊した。このホテル内のレストランで、ディナーのメインに肉料理が出された。ナイフを入れると、ほろほろと肉が離れ、ワイン産地として知られているマーガレットリバー産の赤ワインとのマリアージュは最高だった。
一方、シーフードも負けていない。西オーストラリア州の地元フードともいえるのが「チリマッスル」。ムール貝のトマト煮で、辛さがオーダーできる。【風景編】で紹介したバッセルトン桟橋の近くにある「シェルター・ブリューワリー」で、店内醸造のビールとともに手の汚れを気にしないでムール貝を懸命に食べた。貝のダシを含んだトマト煮の汁をパンに付けて「チリマッスル」を2度、楽しめた。
 ■“孤立”したワイン産地
マーガレットリバーはパースから南に約270キロメートルに位置する。ワイン好きな方なら「ピーン」と来るだろうが、ここはオーストラリアを代表するワイン産地の一つだ。広大な自然の中、200以上のワイナリーが点在。新型コロナウイルス禍で中止されていた、ワイナリーの見学ツアーも徐々に復活しており、ワイン愛好者にとっては一度は訪れたい場所だ。
1年を通して温暖な気候で、マーガレットリバーではカベルネ・ソービニヨン、メルローなどのフランス・ボルドー系品種と、白ブドウのシャルドネが主に栽培されている。十分な日光を浴び、どのブドウからも芳醇(ほうじゅん)な果実味と力強さを兼ね備えたワインが生み出されているという。
大手百貨店関係者は「残念ながら、日本国内へのマーガレットリバー産ワインの輸入量は多くないが、そのポテンシャルを考えると、今後は増える可能性がある」と指摘する。
マーガレットリバーのワイナリー関係者らも、この地域を説明する際に「isolation」(孤立)という言葉を使っていたのが印象的だった。ワインの一大産地でありながら、世界的に流通量は多くなく、世界から孤立した場所であるといった現状を指した言葉だろう。ただ、この「isolation」(孤立)という言葉は、世界がこの地の味にまだまだ気が付いていないというマーガレットリバーの生産者の自信の裏返しなのかもしれない。
今回、ワイナリーツアーで訪れた「フレーザー・ギャップ・ワイナリー」の販売担当のダリオ・シロッティさんは「今年のシャルドネは当たり年で、とてもおいしい。この地で育ったワインを日本の愛好家のみなさんにもっと飲んでいただけるよう、さまざまな取り組みをしていきたい」と強調した。
アルコールがダメな方でもワイナリーの中にあるレストランで、丁寧に作られたランチを楽しむことができる。広大なブドウ畑を眺めながら、味もさることながら、風景と空気が最大のごちそうになるだろう。
 ■自然の恵みを
マーガレットリバーでは、オリーブオイルにも出合える。「OLIO BELLO(オリオ・ベッロ)」という店で、さまざまなオリーブオイルを店員の説明を聞きながらテイスティングしながら買い求めることができる。
多くの種類のオリーブオイルとオリーブ、ディップ、せっけん、ローション、そしてカフェまでが併設。日本と比べ価格は高いものが多いが、それもそのはず、店内の外には、広大なオリーブ畑が広がり、新鮮で安心な商品を提供しているからだ。
オリーブオイルといっても、さまざまな味があり、テイスティングしながら自分のお気に入りの一品にきっと出合えるはずだ。
マーガレットリバーから、パース市内に戻った。今回のプレスツアーで、お土産に買おうとしていたのがジャラ・ハニーだ。西オーストラリア州だけに育つ、ジャラの木から生まれる希少価値が高いハチミツ。【風景編】で紹介したパース市民の憩いの場所、キングスパーク内の施設で、3本セットで55オーストラリアドル(日本円で約4950円)と高かったが、「ジャラ・ハニーは毎年収穫できるわけではない」という話を聞き、思い切った。
旅行の楽しみの一つは、「そこでしか買えないものと出合うこと」が挙げられるだろう。
西オーストラリア「ならではの味」のいくつかを紹介した。少しでも興味をもてた「食」があったら、ぜひ現地で味わっていただきたい。その土地で、ならではの味を堪能すれば、自然と深呼吸したくなるだろう。
(取材協力;オーストラリア政府観光局、西オーストラリア州政府観光局)
https://b.kyodo.co.jp/business/2023-04-28_7981523/

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山口智子が徹底して伝える側に回った企画「音に導かれ出会い続けた10年間でした」

2023-04-29 | 先住民族関連
NewsCrunch04/28 17:00 WANI BOOKS
俳優・山口智子のライフワークである『LISTEN.』プロジェクト。目的は「その風土に根づいた暮らしから生まれ得た、唯一無二の音楽の素晴らしさを納得いく形で未来に伝える」。10年に渡り訪れた国はなんと26か国。最小限のスタッフと、現地リサーチから音楽家との交渉、映像の編集や字幕の作成までも行なう。
そんなこれまでの活動を書籍化したのが『LISTEN.』。彼女自身の言葉や美しい地球の風景、音楽家たちのオリジナル演奏シーンとともにQRコードが掲載され、現地の臨場感そのまま、音楽が飛び出してくる仕掛けになっている。それはまるで彼女が目指した音のタイムカプセル。
彼女がなぜ音に魅せられ、導かれ、旅することになったのか。「まだ知られていない地球のこと、今の音を知ってほしい」と、迸(ほとばし)る熱意で語った1時間。この受け取ったパスを、今度は読んでくださる皆さんに回したい。
『LISTEN.』は自身の心の声に耳を傾ける機会でもあった
――『LISTEN.』を読むと、山口さんが表現としての音楽に興味を感じているのがよくわかります。最初は「なぜ、音楽だったのか」と思いました。
山口 メロディー、リズムなどの「音」は、聞いた瞬時に心がときめきますよね。日本語を喋っていようが、英語だろうが、トルコ語だろうが、『うわ、素敵!』『かっこいい』と一瞬にして世界を結びつけてくれる。それが音の魅力です。美しいメロディーが流れたら私たちは感動し、国境や障壁を超えて共感できる。それが音楽の力だと思います。
全く情報のない異国に降り立った時でも、街角から流れてくる歌声やメロディーにゾクゾクして、一歩踏み出すと予想もしなかったような感動に出会えたりする。『LISTEN.』とは耳を傾けるという意味ですが、世界に溢れる音楽文化に対して、耳を傾けたいという気持ちと同時に、自分の心の声に耳を傾けてみたいという自分自身への戒めの言葉でもありました。
その時は、ちょうど自分が本当に欲しているもの、見たい、聞きたい、知りたい、出会ってみたいという心の声をつい忘れてしまいがちな日々を過ごし、テレビをつければたくさんの情報が入ってくるけれど、説明や解説の洪水で、溺れてしまいそうな息苦しさを感じていました。
その只中で、世界に耳を傾けて、世界を知りたいと心を開く気持ちを忘れていた自分にふと気づき、2010年、知りたい、出会ってみたい、聞いてみたいという心の声に耳を傾けて、世界を知る旅に出ようと決意しました。そして、音楽を入り口にして地球の宝を探る『LISTEN.』というプロジェクトを立ち上げました。
『LISTEN.』で追いかける音楽は、地球をひとつに結んでくれる大事な鍵であり、地球人として、心から誇れるものです。これから必ず来るであろう、宇宙というものを意識した時代に、地球人として、どう地球の素敵さを宇宙に発信するのか。昔、スピルバーグ監督の映画『未知との遭遇』にもありましたが、地球外生命体と遭遇した時にどうやって会話を始めたかというと、5つの音から成るメロディーでした。
音は宇宙の共通語でもあります。地球は宇宙に誇れる素敵な音楽に満ちています。その宝は決して失ってはならないし、宇宙に自信を持って発信したい。『LISTEN.』は、今この瞬間の最高にかっこいい音楽文化を収めた地球のライブラリー。100年後、1000年後の未来に誇れるものです。
『LISTEN.』では「1000年後の未来に開けるタイムカプセルに何を入れたい?」という質問を出会う人々に投げかけてきましたが、『LISTEN.』自体が、今という瞬間の命の輝きを詰め込んだタイムカプセルです。宇宙に自慢したい地球の宝が詰まっています。
――山口さんの最初の記憶にある音楽はなんでしょうか? 
山口 私は日本の歌謡曲を聞いて育ちました。山本リンダに始まり、フォーリーブスにときめき、『ザ・ベストテン』に夢中になった世代です(笑)。私自身は音楽のプロではありませんが、今思えば、日本の歌謡曲はさまざまな世界の音楽エッセンスを融合させて大衆文化を築いた、とても面白いものだと思います。
なぜ私が異国の音楽を聞いた時に懐かしさのようなものを感じるのか。例えば、ジュディ・オングさんの『魅せられて』を聞いて真っ青なエーゲ海を心に描いて育ちましたが、昭和の歌謡曲の中にはたくさん異国情緒のようなものが潜んでいたと思います。
世界の民族音楽に触れて感じるのは、民衆の中で生きていく力として歌い継がれてきたエネルギー。生き抜く力を生むのが音楽。もちろん日本の歌謡曲もそうです。『明日、頑張ろう』という力が湧いてくることが、音楽の素晴らしさだと思っています。
――どのような使命を感じて、『LISTEN.』に至ったのでしょうか。
山口 生産性や経済優先のあまりに早急な世の風潮の中では、素晴らしいもの、美しいもの、たとえ時間はかかっても育んでいくべき大切な宝が、うかうかしているとあっという間に波に飲まれて消えていってしまう。その現実に直面する場面が多々ありました。
リサーチの時に出会った歌い手を翌年に訪ねたら、お亡くなりになっていたり、受け継がれていなかったり。『ああ、間に合わなかった』と悔しい思いがありました。でも、私たちが意欲的に知ろうとすることで、今まで知らなかったものが大好きになったり、育てたい、伝えたいと思い始める。「知ること」で、きっと何かが変わり始めるのではないでしょうか。
『LISTEN.』という「耳を傾ける」ことで、今まで知らなかった世界の美しさを知って、放っておいたら滅んでしまうかもしれない私たちの宝物がなくならないように、ちょっとでもブレーキをかけられるんじゃないかと信じています。
――音に触れて、演奏する側に挑戦したいと思ったことはありませんか。
山口 一度もありません。練習を必要とするものは苦手です(笑)。楽器は訓練が必要ですし難しいですよね。私はカラオケも嫌いだし演奏もできませんが、音楽に触れたら、踊りたい! という欲望が芽生えるので、いつも踊るようにしています。
文字に加え飛び出す絵本のように、QRコードで映像と音が出る
――音を文字で伝える大変さをどう感じていましたか。そして、なぜ書籍という表現だったのでしょうか。
山口 『LISTEN.』=「体感」がテーマです。頭で理解したつもりになるのではなく、細胞自体がバチバチとスパークするようなときめきや、体自体が喜び溢れる、その感覚を大切にしています。それはインターネット時代であっても、この肉体がある限り忘れてはいけない大切なことだと思います。
実際に人に会ったり、生の声を聞いたり、「体感」を大事に進路を探して進む旅は絶対に面白い。リサーチしている時からイメージは膨らみ、楽しい旅は始まっています。そんな時にこの本を開いていただきたいです。もちろん、綴っただけで全部の感動をお伝えできる文章能力があればいいのですが、そこを補足できればと、進化したテクノロジーの利点と合体させて各章にQRコードを付けています。
携帯電話で読み取るだけで、一瞬にして映像や音に繋がりますので、まずはそこから「体感」の旅を始めていただけたらうれしいです。文字からイマジネーションを膨らませることも素敵ですが、子どものころに見た飛び出す絵本のように、QRコードでバン!っと映像がモクモクと立ち上るのも、今の時代の楽しみ方だなと思います。
――体感した興奮をどのように文字にしているのでしょうか。とても的確なので、冷静さも必要だと感じました。
山口 人間ってすごい感動をいただいたら、誰かに伝えたくて、喋りたくてしょうがないですよね。少しでも幸せの連鎖につながる手渡しは、感動をいただいた者の使命だなと思っています。油断すると人間はすぐに忘れてしまいがちな生き物なので、現地で出会った生の感動はできるだけ忘れないうちにメモに残しておき、旅から帰ったあと、何週間か数か月後にメモをもとにその感覚を思い出して、文字に起こします。
もっと調べてみたいと思ったら、さらにいろんな本を読んだり。知らない文化に出会うと、けっこう本を読みます。読みまくると新しいドキッとするような感動にまた出会える。そうしてたくさんの伝えたいものを貯めていきます。とはいえ、ちょっと怠け癖があるから、仕事という使命をいただくと“よし頑張ろう、書こう”という気になるんです(笑)。
この『LISTEN.』に関しては、活動を応援してくださっていたダイワハウス工業さんの季刊誌『okaeri』で、定期的に旅について書かせていただいていたので、10年を機にまとめました。コロナ禍を体験して、立ち止まり、籠るチャンスをいただいたので、振り返ったり、まとめたり、今までおろそかにしていた整理をし直しました。
また、ウェブマガジン『生きのびるブックス』に月一くらいで旅について、いろんな国についてテーマごとに思い出し、復習して語っていたので、その言葉の記録と合体させて、今回の分厚い本になったという経緯です。
――とても素敵な本ですね。
山口 写真を撮っておくことも大事だなと改めて思いました。つい、『心のカメラに』と言って、撮らないでいいかと思うことも多いんですが、やはり撮っておくと記憶が蘇り、人に伝えるときにも活かせますね。
――ほとんどが風景の写真で、山口さんの写真が少ないのが少々残念に思いましたが……。
山口 本物と言われる人に出会いたいと思って旅を続けてきたので、本物の存在感の邪魔をしたくありませんでした。私自身、未熟な人間ですから。テレビは気軽な番組もあっていいし、そうじゃないものもあっていい。だから、私がそうじゃないものの枝葉を広げたいと思いました。
わかりやすい、万人に受ける、失敗しない……など、みんながそういう理由だけで無難な1~2種類の路線だけのエンターテイメントになってしまったらつまらない。いろんな種類があっていいし、『LISTEN.』は多くを語らなくていい。感じていただいて、そこから先は見ていただく方に託します。
説明過剰になりすぎないことを目指しているので、私が説明する必要もない。そういう発信の心を込めて、私はあえて出ないという選択をした10年間です。これからまだ、『LISTEN.』プロジェクトは続き、これからは書籍の『LISTEN.』を皮切りに、10年間貯めた宝を皆さんにお届けする期間に入っていきます。だから、このような取材の機会をいただき、自分の想いを伝えています。
集めた資料をお見せし、私が語る。今までは皆さんに体感してもらうために黙っていました。これからもそれは続くのですが、違う枝葉として、『もう、うるさいから語らなくていい』と言われるぐらい、私が語ります。そういう時期に突入したと思ってください!(笑)
みなさんに直接お会いして、一緒に語り合う場を増やしたい!
――5月3日(水・祝)には、この『LISTEN.』をからめた参加型のトークイベントがあるそうですね。
山口 新しい発信方法として、自分の体で出向き、皆さんとその場でお会いしてお話しします。ドラマは撮影してしまうと、お客さんに作品をお届けした後の実感を感じにくく寂しいので、実際にライブの場に立ちたいとずっと願っていました。
イベントでは『LISTEN.』の映像と共に世界を旅する気分に浸っていただき、あらゆることを一緒に語り合う時間にしたいと思っています。来てくださる方からどんなことを聞きたいか、話したいか、アンケートを募集しています。
参加型イベントですので、実際に登場していただいて語っていただき、質問していただくイベントにしたいと思っています。また、その中から次の発信のアイデアもいただきたいと思っています。
――『LISTEN.』を今後、どのようにさせていきたいと考えていらっしゃいますか。10年後、20年後の目標は? 理想の完成形はあるのでしょうか。
山口 『LISTEN.』という未来へのタイムカプセルの眼差しは、遥か100年後、1000年後という長い目標に置いています。と同時に大事なのは、今この一瞬に手を抜いたら素晴らしい明日、明後日、10年後には繋がらないということ。
旅で出会った皆さん全てに投げかけた『千年後の未来に託すタイムカプセルに、あなたは何を入れますか?』というクエスチョンの答えに面白かったものがいくつもあり、その中で『入れるに値するものは自分ではまだ創造できていないと思う。僕たちが毎日、こうして生きていること自体が、“タイムカプセル”でもある。まさに今のこの瞬間、僕たちがすること全てがタイムカプセルに入ってしまう(中略)。今、自分にやれることをやっていくだけだよ』という答えをいただき、なるほどと思いました。
今できること、この一瞬に濃く集中したいと思っています。ただ、コロナ前後で世界の状況が変化したので、この流れの中で、これからやっていくことを自分で整理して、シンプルにしたいとも思います。コロナ禍はいろんなものを削ぎ落とせる時間でもありました。
今まで『LISTEN.』はBSで年何回かオンエアしてきましたが、これからの発信の仕方として、その形態は続々と変化しつつあります。世の中は今YouTubeなどでの映像の発信が主流ですが、同時に意外とアナログに回顧しているような風潮も感じます。
例えば、今、ラジオやレコードが流行り、あえて時間や手間をかける面白さに若い人が着目したり、サウナやキャンプブームといった自然が欲しくてたまらない若者のエネルギーも感じます。森やアウトドア、自然環境のもとで外に出ていく皆さんへの発信の仕方もありですし、野外エンターテインメントに関してリサーチを始めているところです。
――スタッフは少人数ですね。iPhoneの進化やオンラインの普及、ドローンもあり、今だったらできることも以前は大変だったと思います。一方で、CDやDVDの衰退など、以前だったからできたこともあると思います。この10年の変化はどう感じていますか。
山口 このプロジェクトを始めた頃はYouTubeもそれほど盛んではなく、情報はその土地に行くことが有効でした。思い返せば、手探りで未知のゼロの段階から知らない土地で調べ始めることは怖いけど、とてもワクワクする冒険だったと思います。あの手間や勇気を振り絞る感覚は勉強になりました。
現地に立って情報を聞くこと。今は検索できるけど、当時は現地でCDを大量に買い、仲間と担当して聞きまくり、これぞというアーティストを探して、自分たちが本当に好きと思える人にターゲットを絞って進んでいくというやり方も本当に面白かった。でも今回整理をしてみて、『CDなど形あるものを残しておくのはとてもいい』と思いました。
これが全部、小さなハードディスクに入ってしまうような記録の仕方だと、気軽に出し入れできる反面、そこに対する思い入れが失われてしまうような気もしています。CDには持った感覚やブックレットへの書き込み、その手触り、匂いから立ち上る記憶など、全てが総合して詰まっているんです。物体というものの面白さ、記録方法は決して古いものではないなと最近思い知っています。
よく、今は風の時代に突入したと言われていますけど、情報などが行き交いやすいメリットもあると同時に実態がなく、体や細胞、物体を使ったものへの憧れ、懐かしさ、回帰が潜んでいるのではないかと強く感じます。だからこそ、人と会うことや、自然の中で空気を感じたり、マイクや機械を通さない音自体の波長を体で受け止めることが大事になってくるのではないでしょうか。
今行きたいのは清浄な地、北極圏
――この作品のために1年のうちの多くの時間を海外で過ごしていた以前と比べて、現在はその時間をどのように過ごされているのでしょうか。
山口 家にいる時間が増えて、ゆっくりするのも悪くないなと思えました。それまではついつい海の向こうに目がいきがちでしたけれど、異国というものは自分自身の故郷の写し鏡で、お互い行き交いしてきた文化の積層の記録が全ての文化にそれぞれ残っているので、それは結局、自分に帰ってくることでもあるんです。
それでも、コロナ禍で飛行機に乗れず、鎖国状態的な状況になると、あと回しにしていた、まだ行ったことのない日本のいろんな地方に“行ってみようか……”ぐらいの気持ちで行ってみたら、ものすごく発見があって。『こんな美しい景色を50数年知らずにいたのか……』と、いかに自分の故郷を知らなかったかという衝撃でした。
美味しいもの、文化など、日本にはまだまだ知るべきことが溢れています。東京集中型でなく、地方の自然、風土、地域の個性を活かそうとトライする若い人たちの動きが出てきて、ユニークな面白い才能を持った方々が活動しているのに出会えたりすると、日本も捨てたもんじゃない、頼もしいなと希望が湧いてきます。
――本を読むと、山口さんの言葉によって、遠い世界のことに親近感を持って感じられますし、日本にも興味が湧いてきます。山口さんにとって、世界は狭いですか。広いですか。
山口 果てしなく広いに決まっているじゃないですか! 何百回生まれ変わったとしても、地球という世界は知り尽くせません。だから面白いんです。地球という星は面白い生命体です。知ったつもりになったとしても、また変化をし続けているから、だいたい制覇したなと思った頃にはもう全てが次の再生状態に入って、新しいものが生まれていますから(笑)。
――今、行きたい場所はどこですか。
山口 籠るという閉鎖的な空間にいた跳ね返しかもしれないですけど、心と体が求めているのはとことん清浄な地。思い浮かぶのは北極圏です。空気の清らかさ、冷たい氷点下何十度という過酷な状況ではあるけれど、人間が侵していない地球はこんなに美しいんだと思わせてくれた、あの清らかな世界。
油断したら凍死してしまう自然の厳しさ。お酒を飲んでその辺に寝転んでいたら、明日の朝は命はない。死が隣り合わせで身近で、でも自然の懐の大きさ、優しさ、命、美しさが溢れています。北の思い出は、雪と氷の冷たさというよりは熱くたぎる命の血のイメージ。そんな思い出です。
例えば、北極圏のサーミという北方先住民や、アメリカ大陸のイヌイットの文化。過酷な地に生きる彼らは限られた資源、自然が与えてくれた獲物をハンティングし、アザラシ、トナカイといった命をいただいて生き抜いていかなければいかなかった。
命の重さを感じながら感謝して、毛皮、骨、筋、余すことなく使い切る覚悟で、生かし尽くす知恵を持っています。サバイバルしてきた文化の歴史は衝撃的で感動しました。もう一度、あの地に行きたいと思います。

――サーミの回の章は、読むと旅の必需品について考えさせられます。山口さんは旅の際、どれだけコンパクトにして、何を持って行かれるのですか。旅支度のコツを教えてください。
山口 警戒心が強くて、何かあったらどうしようと考えるので、ものすごく荷物が大きくなってしまいがちなんです。だから、旅を始めた頃はとても重いスーツケースを持って出ていました。旅を続けることで本当に必要なものは何かということを身を持って学び、少し身軽になってきましたが、何年もかかりました。
北方民族の方々は自然の動物たちをハンティングした素材、毛皮や革などが壮大な威力を秘めていることをよく知っていて、毛のどの部分をどう活かすか、生きる知恵があります。肌の触れる内部にはこの動物の毛、外側はこれ、カヤックに乗る時は防水仕様のあるこれ、雪の上の歩く時はこの毛皮の摩擦を利用したこの靴とか。全て自然からいただいた知恵を学んで活かしているんです。
今のアウトドアメーカーの衣料は進歩していて、そういう自然から教えてもらった知恵を生かしながらテクノロジーと合体させ、とてもいいものができていて感動します。だから、旅する時は必ずアウトドアメーカーをちょっとリサーチして、最先端のできるだけ薄くて軽くて小さくなる、1日に春夏秋冬が全部あるくらいの過酷な温度変化のところに行っても、ひとつで済むくらいのものを選んで荷物を減らします。
ただ現地のものは機能美だけじゃなく、その風土に育まれた美的センス、色彩のおしゃれ感覚が半端じゃないんです。裁縫の技術も素晴らしい。なぜかといえば、一縫いをおろそかにすることで、その穴から入った氷や雪で凍傷になったり、命を落とすところにまで行ってしまう。もし、たったひとつの綻びで狩猟に出る一家の主人に何かあったら、一家全員、食べていくことができない。小さな穴ひとつが命に関わる厳しい環境の中で生きているんです。
ファッションデザイナーたちは、よく民族衣裳に影響を受けていますよね。都会人がグレーのビルディングの中で考えても生まれない豊かなアートセンス。そういうものも含めて、刺激的です。だから、行く時の荷物は小さくして、帰りに現地でしか買えないものを一期一会と思って、買って帰れるスーツケースの空白を作っておきます。
後回しにしがちな苦手な家事は夫がフォローしてくれる
――そんなに物があるようには思えません。お料理上手で、家のこともきちっとされているイメージがあります。時間の割り振りはどのように? 山口さんの1日をお教えください。
山口 物は果てしなく増えてしまうので、大切なものを自分に問いかける練習だと思って、どんどんシンプル化するように心がけて、本当に好きなものだけ残すようにしています。
家のことは……私は好きなことしかしたくない人間なので、嫌いなことは後回しにしますし、機械を使うことは大嫌いです。掃除機とか、硬い機械に触れるのは、うるさいし、やっていて楽しくないです(笑)。でも、引き出しの中の片付けとか細かいところをきれいにするのは好きです。
ついつい得意分野だけやっていると、夫が見かねて掃除機をかけてくれるようになりました。料理を作ることは好きで、作ることにかなり集中するので、作り終わった時点でクタクタ。お酒を飲んだらどうでも良くなっちゃうので、食べたあとの食器の片付けはやるなら翌日。でも、これも見かねた夫が洗ってくれます。
見かねるまで溜まっていると夫が動いてくれるので、本当に感謝しています。だから、家の中では私は好きなことしかしてないです。ありがたいですし、恵まれていますよね。
――好きなことを優先させるっていいですね。
山口 1日24時間しかないんだもの。優先順位が高いものからにすると、そうなってしまいます。だから食べる時も美味しいものから食べ始める派です。いつ人生が終わってもいいという覚悟で生きているので(笑)。
――その行動力が今回のプロジェクトの原動力なんですね。
山口 限られていると思うから動き出せたりするものです。命には100%期限がありますから。また再生したり、繰り返し輪廻転生するかも知れませんが、死を意識することで、より濃く命を今に集中できます。
かぐや姫の話ではないですが、必ずいつか天に帰らなければいけない指令が来るわけですから、今回の地球に生きる生命体としての地球滞在時間は確実に限りがきます。その時までに、まだまだ知らないこの地球の素敵さに出会っておきたい。地球出発時間まで、いただいた肉体を利用して、知りたいものを知り、もっと出会いたいです。
――旅を通じて、山口さん自身が変化したことはありますか。
山口 毎回、数限りなくひとつひとつの出会いに衝撃や感動をいただいています。それによって、こう生きよう、帰ったらこうしよう、サボっていたあれをやろうなど、細かいいろんな転機のスイッチはあります。でも、年齢的な変化で言えば、今60歳を目前にして、青春時代以来の反抗期のよう気持ちをを感じています。
取り巻く周りの社会、環境への疑問、クエスチョンマークがむくむくと沸き起こるような感覚。青春時代って、大人社会の不条理に対して、なぜ? と思い悩む時期じゃないですか。これまで当たり前だと思ってきたやり方に対して、違うやり方もあるんじゃないかと、第二の自我が芽生るような感覚です。
人生の次なる大転換期。自分の生きてきた大切な時間の積み重ねが自分の中で大きなエネルギー源になって、闘うパワーになっている。若い頃よりも気力が充実し、知力も今までよりは最高レベルに上がっていて、今なら世の中のためにもうちょっと有効にお役に立てるかもしれないという、ほのかな自信のようなものも芽生えつつ、新たなスタートラインに立った気がしています。
今までは若さと勢いでがむしゃらに闘ってきたけど、ここからは手法が変わってくるんだな、と。これからはいただいたものに感謝し、また違った生かし方で次に繋げていく時代に入ったのだという意識があります。歳を重ねていくことは本当に面白い。時間をかけなきゃできないことがあるというのをこの10年、20年で教えていただきました。
この『LISTEN.』のプロジェクトも1~2年で結果を出してください、と言われていたらできなかったことです。10年かけたことによって分厚い本としてまとめることができたし、10年分の記録映像は誰にも真似できない宝物です。時間をかけることの大切さを改めて教えていただきました。
これからは地球での滞在期間の期限はあるので(笑)、気持ちの上ではちょっと集中して頑張れと拍車をかけつつ、時間をかけるべきものにはちゃんとかけて、濃く力を注いでいこうかなと思っています。
――最後に、世の中的には山口さんは「女優さん」ですが、さまざまな活動をしている今、ご自身では何と言われるのがしっくりきますか。
山口 “地球内生命体”です(笑)。地球外生命体にもそのうち遭遇したいと願ってますが(笑)、私たちは地球の酸素を吸って、重力に繋ぎ止めていただいているので“地球内生命体”。たしか岡本太郎さんが“本職は人間だ”と仰ってましたよね。
プロフェッショナルとしての専門職はいろいろあるとは思いますが、ザ・職人さん、技を極めている方に対する憧れは強烈に強いです。極めるものが曖昧で、自分に自信を持てない私だからこそ、素晴らしい人たちに憧れて追いかける力は誰にも負けない自信があります。私なりの個性で更なる面白い美味で彩って、みなさんに伝えていけるよう模索しながら進んでいきたいです。
〈髙山 亜紀〉
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