PEAKS 2025年08月27日 成瀬洋平

17年ぶりに訪れた、ブリティッシュ・コロンビア州の人類学博物館
今回の旅でぜひとも訪れたかった場所がブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)の人類学博物館である。北米北西海岸先住民の研究、コレクションにおける心臓部ともいえる博物館で、かつてバンクーバーを訪れる度に必ず立ち寄っていた場所である。コレクションといっても、初期のそれは白人によって持ち去られたもの。たとえば、展示されている古いトーテムポールのなかには持ち運びやすいように三等分にされたものがあったりする。ここに保存展示されているおかげで100年以上前のポールを手軽に見ることができるのだが、さまざまな思いが去来するのは仕方がない。この博物館を最後に訪れたのは2008年のことで、じつに17年ぶりの再訪だった。
MECの前からUBC行きのバスが出ていたのはラッキーだった。ダウンタウンを横切り、郊外の閑静な住宅街を通りすぎると、バスは大学校内の大きなバスターミナルに到着した。こんなバスターミナルは記憶がない。大学もこの17年間にうちに大きくさま変わりしたのだろう。
まずは腹ごしらえと、学内にある食堂へ向かう。学生はもちろん、ぼくらのような観光客も多い。エスニック料理のコンボでお腹を満たし、いざ博物館を目指す。が、構内が広いため端っこに位置する博物館にたどり着くまでには10分以上歩かなければならなかった。
博物館はさほど変わっているようすがなく、入ってすぐのところで灰色に色褪せた古いハイダ族のトーテムポールが出迎えてくれた。
カナダと南東アラスカの国境近くの洋上に浮かぶ島、クイーン・シャーロット諸島。ここは北西海岸線住民のひとつ、ハイダ族の住む島である。いまでは「ハイダ・グワイ」(「ハイダ」は「人」を、「グワイ」は「島」を意味する)と呼ばれることも多い。
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https://www.funq.jp/peaks/article/1027319/