先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

サッチェプ作り、始まる アイヌ伝統食、サケ薫製 北海道・ウポポイ

2023-12-31 | アイヌ民族関連

毎日新聞12/30(土) 14:30

サケの腹を開きながらつり棚にかけていく職員ら=北海道白老町で2023年12月25日、平山公崇撮影

 北海道白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)で25日、サケを薫製にするアイヌ伝統の保存食「サッチェプ」作りが始まった。

【写真】アイヌ文化の復興と発信の拠点「ウポポイ」オープン

 かつてアイヌの人たちは海や川で捕獲した魚を使っていたが、ウポポイでは白老産の塩漬けしたサケを使用している。今年はサケが不漁だったものの、地元の水産加工会社の協力で大型のものを仕入れられたという。

 この日は、職員11人が塩漬けサケ120匹をていねいに洗って塩分やぬめりを落とし、2匹ずつ尾の部分をくくった。また、外部から提供された、川で捕獲した10匹は開き干しの「アタッ」に加工。それらを約3メートルの干し棚に慣れた様子でつるしていた。

 作業にあたった誘客課の新谷裕也主任(32)は「アイヌの伝統を次の世代に受け継いでいきたい」と話した。来年2月ごろまで寒風にさらした後、伝統家屋のチセの中でいろりの煙でいぶして、5月ごろに完成。特別行事の食体験などに使う。【平山公崇】

https://news.yahoo.co.jp/articles/13aec866368b0c5ae938d87a0f32bfa6b2c40f10


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「難読地名が多い」と思う都道府県は?【2023年版・人気投票実施中】

2023-12-31 | アイヌ民族関連

ねとらぼ2023/12/30 09:00(公開) 2023/12/30 09:00(更新)

 通常とは違う特殊な読み方をしたり、見慣れない漢字を使用したりする「難読地名」。日本には、地元の人でないとピンとこない読み方をする地名がたくさんあります。

 そこで今回は、「『難読地名が多い』と思う都道府県は?」というアンケートを実施します。まずは、編集部がピックアップした3つの地域を紹介します。

※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

北海道

画像:写真AC

 もともと先住民であるアイヌ民族が暮らしていた北海道。アイヌの人たちの言葉に漢字をあてはめた地名が多いため、難読地名が多数あります。たとえば、北海道中央部の西海岸にある町「積丹(シャコタン)」は、アイヌ語の「シャク(夏)」と「コタン(村、郷土)」を組み合わせた地名だそうです。

 また、アイヌ語でカラス貝を意味する言葉から名付けられた「美唄(ビバイ)市」、温泉から下る川が由来の「遊楽部(ユウラップ)」など難読な地名の宝庫といえます。

大阪府

画像:写真AC

 古墳時代、仁徳天皇が最初に難波(なにわ)に身を置いたと日本書紀に記載されている大阪府一帯。「放出(ハナテン)」や「中百舌鳥(ナカモズ)」、「土師ノ里(ハジノサト)」など、歴史的事象に由来した古い地名がそのまま多く残っています。

 また、海の玄関口として多くの外国船が渡来した歴史を持つ「高麗橋(コウライバシ)」のように、外国の地名や人名が当てはめられたとされる地名もあります。「茨田(マッタ)」や「柴島(クニジマ)」は地形に由来しており、歴史や土地の成り立ちがわかる難読地名も少なくありません。

沖縄県

画像:写真AC

 琉球王朝時代にひらがなが一般的に使われたことで、地名も仮名表記だった沖縄県。日本の一部となって公文書に漢字表記の地名を記載する必要が生じましたが、意味を無視して読みや音だけで漢字を当てることが多かったそうです。

 地名の由来や土地の特徴などを捉えた漢字を使っていないとされる地域もあるため、読んでもその土地のイメージができないことが多いかもしれません。「保営為茂(ビン)」「勢理客(ジッチャク)」「南風見仲(ハイミナカ)」といった難解な地名が多くあります。

「難読地名が多い」と思う都道府県は?

 ここまで、3つの地域を紹介しました。あなたにとって難しくて読めない地名がある都道府県といえば、どこを思い浮かべますか? 理由や印象に残っている地名があればぜひ教えて下さい。それでは投票の方をよろしくお願いします!

「難読地名が多い」と思う都道府県は?

実施期間:2023/12/30 00:00 ~ 2024/01/06 00:00

投票は1度、最大3つまでチェック可能

(以下、アンケート)

https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/1993990/


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

TVアニメ『ゴールデンカムイ』スペシャルイベント'23 アシリパ組~川口撮影所~開催! 小林親弘さん・白石晴香さん・伊藤健太郎さんら声優10名が登壇

2023-12-31 | アイヌ民族関連

アニメイト2023-12-30 12:00

最終章が製作決定しているTVアニメ『ゴールデンカムイ』。2023年12月24日に埼玉県「川口総合文化センター・リリア メインホール」にて、「TVアニメ『ゴールデンカムイ』スペシャルイベント'23 アシ(リ)パ組~川口撮影所~」が昼・夜2公演で開催されました。

今回、当日の模様を記した公式レポートが到着したので、ここに公開しましょう。

TVアニメ『ゴールデンカムイ』スペシャルイベント’23 アシ(リ)パ組~川口撮影所~が、12月24日に川口総合文化センター・リリア メインホールにて開催。この日を心待ちにしていた多くのファンが会場を埋め尽くす中、イベントはサプライズで登場したALIによるOPテーマ「NEVER SAY GOODBYE feat. Mummy-D」のライブで華々しく幕を開けた。

これに続いてコロナ禍ではできなかったキャスト全員が観客席を通過してステージに上がる演出も加わり、早くも会場のボルテージは最高潮に。

登壇したのは、杉元佐一役の小林親弘さん、アシ(リ)パ役の白石晴香さん、白石由竹役の伊藤健太郎さん、土方歳三役の中田譲治さん、尾形百之助役の津田健次郎さん、牛山辰馬役の乃村健次さん、宇佐美上等兵役の松岡禎丞さん、月島軍曹役の竹本英史さん、鯉登少尉役の小西克幸さん、菊田特務曹長役の堀内賢雄さんの総勢10名。

映画の撮影スタジオをイメージしたセットを背景に、伊藤さんが司会進行を務める形でクリスマスイブの昼夜2回公演は進められた。

イベントの前半は、TVアニメ第四期の印象的なシーンを振り返るトークコーナー「ゴールデンカムイを語ろうッ!!」からスタート。

まず第四十五話で幼少期の宇佐美が友人の智春を殺める衝撃的なシーンが紹介され、セレクトした松岡さんは、「完成した映像を観たときに、宇佐美の表情がすさまじくてドン引きしました」と回顧。収録は方言もあって大変だったものの、智春役が気心の知れた小林(裕介)さんだったことで気持ち的にかなり救われたそうだ。

続いて第四十七話で小山力也さんが演じる郵便配達人・野沢の銃撃シーンを選んだ竹本さんは、「こういった理由もなくただただ楽しいシーンこそが『ゴールデンカムイ』の本質ではないか」とコメント。

さらに、第四十八話で海賊房太郎と水中で戦う杉元に白石が酸素を届けるシーンを伊藤さんがセレクトし、「地獄の郵便配達人」に続いて「天使の酸素配達人(伊藤さん談)」というコミカルな要素のあるシーンが続く流れに。

白石の行為を拒絶した杉元の行動について小林さんは「極限状態の酸素より誇りを選んだのではないか」と理解を示すも、他の皆さんから「自分なら酸素を選ぶかな」と言われてタジタジになっていた。

その後はシネマトグラフにちなんで、楽しいオリジナルストーリーを作るショートコーナー「ゴールデンアカデミー賞!名監督は誰だッ!!」を実施。

上手(かみて)と下手(しもて)で分かれた両チームのメンバーが考えた4つのパートを組み合わせてひとつのストーリーにするというルールのもと、面白さを評価する監督役を白石さんが務めることに。

先に発表を行った下手チームは、堀内さんの「牛山の心の中で」、松岡さんの「君と玉が」、津田さんの「ラッコ鍋を食べながら」、小林さんの「つまらない死に方をした」と続き、繋がりのあるストーリーを作ることに成功する。

続いて上手チームは、乃村さんの「この川口のスペシャルイベントで」、中田さんの「舘ひろしさんと玉木宏さんが」、竹本さんの「山猫の悪口を楽しくしゃべっていたら」、小西さんの「少しだけ背がのびた」の組み合わせで、イベント会場や実写映画版のキャストまで絡めた物語が完成。

白石さんの独断と偏見によるジャッジで上手チームに軍配が上がり、キャストの顔を模して作られたゴールデンな像が贈呈された。

ショートコーナーのあとは再びトークコーナーに戻り、改めて第四期の中から緩急の効いた2つのシーンを振り返ることに。

第四十八話で宇佐美が精子探偵として本領を発揮するシーンをセレクトした堀内さんは、「ある意味では菊田が宇佐美の個性を認めた瞬間でもあり、役者としていいものを見られた」とコメント。加えて、菊田は真面目なキャラクターでよかったとも思ったそうだ。

続いて紹介された第四十九話で倒木の下敷きになった杉元とアシ(リ)パのシーンは、白石さんによるセレクト。収録時に小林さんの呼吸がより近くに感じられてグッときたことや、白石も加えた3人の絆がさらに強くなったと感じられたことが選んだ理由だという。杉元を演じる小林さんも、このシーンはとても大事にしたいと思っていたそうだ。

後半のメインは10名のキャスト陣によって行われる生アフレコ。怪人オベンチョと化した牛山や関谷に飲まされた毒を克服した土方のシーンに始まり、都丹たちと交戦する菊田や、シネマトグラフを撮影する杉元一行のシーン、杉元に絡む酔っ払った白石や、逃亡した谷垣とインカ(ラ)マッを追ってきた月島と鯉登のシーン、宇佐美と尾形の因縁が明かされるシーンなど、第四期を彩った名シーンの数々が再現された。

過去のイベントでもそうだったように、ギャグからシリアスまで何でもありの『ゴールデンカムイ』の魅力が凝縮された構成となっており、キャストの熱演を受け止めるファンの感情もいい意味で大忙しだったに違いない。

生アフレコの余韻を残しつつ、イベントはTHE SPELLBOUNDのEDテーマ「すべてがそこにありますように。」のライブへと突入。OPテーマのみならずEDテーマもライブで披露されるというサプライズを体験した観客は、第四期に寄り添った両テーマ曲の存在の大きさを改めて感じ取ったことだろう。

こうしてすべての演目が終わり、ステージに改めてキャスト陣とアーティストたちが集結すると、アニメ公式からクリスマスプレゼントとして、「TVアニメ『ゴールデンカムイ』オーケストラコンサート’24」の開催決定が発表。

続いて登壇者からファンに向けたメッセージが贈られ、ALI、Mummy-D、THE SPELLBOUNDのメンバーは今回のイベントに参加できたことへの喜び、キャスト陣はファンへの感謝と最終章に向けた想いなどが語られた。

そして最後は、小林さんの「ゴールデンカムイ!」に続けて全員で「最高ッ!!」と叫び、みんなの想いをひとつにしてイベントは終了となった。

ー夜の部ー

スペシャルイベントの夜の部は、昼の部と同じくOPライブで幕を開け、その後は各コーナーの内容を差別化して行われた。

トークコーナーで紹介するシーンも変更され、第三十八話から土方一派と関谷との戦いを選んだ中田さんは、「チーム土方のチームワークを感じられたのがよかった」と回顧。

土方とともにこのエピソードで活躍した牛山役の乃村さんは、「牛山にとって第四期における最大の見せ場なので全力で演じました」と語ってくれた。

続いて紹介されたのは、第四十話の鯉登少尉と鶴見中尉との出会い。セレクトした小西さんとしては、“鯉登パパ”の活躍をファンと一緒に楽しみたい想いが強かったそうだ。

さらに第四十一話からシネマトグラフのシーンを選んだのは、意外にもこのシーンには登場してない尾形役の津田さん。「バカしか出ていないのが最高」と語り、団体で笑えることをやっているシーンに尾形が参加する機会はあまりないのでうらやましい気持ちがあると明かしてくれた。

オリジナルストーリーを作るショートコーナーでは、先行の上手チームが中田さんの「札幌の雪まつり会場で」、乃村さんの「コバチカ(小林親弘さん)とイトケン(伊藤健太郎さん)が」、竹本さんの「砂金を掘っていたら」、小西さんの「親指のツメがはがれた」という組み合わせとなり、かなりリアリティを感じさせる物語が完成。

一方の下手チームは、堀内さんの「ゴールデンカムイを愛する人たちの心の中は」、小林さんの「月島と谷垣が」、松岡さんの「あの日あの時アンデスで」、津田さんの「伸びた」と続き、なんともトリッキーな内容に。

松岡さんが担当パートを間違えて場所が2回出てくることになったが、オチを重視した白石さんのジャッジで今度は下手チームが勝利を掴み取った。

その後は再びトークコーナーに。第四十四話から松田平太の登場シーンを選んだ堀内さんは、多重人格の描き方やその後のオチ、さらに平太を演じた石田彰さんの演技のスゴさについて言及。

続いて第四十七話で杉元がアシ(リ)パに過去について話すシーンが紹介され、セレクトした小林さんは、「杉元のスタート地点のような過去が明かされたことで、役に対する理解がより一層深まりました」と語ってくれた。

後半の生アフレコも昼の部から内容を一新。関谷と対峙する土方のシーンを皮切りに、毒で前後不覚になった牛山とチヨタロウの交流や、登別温泉で宇佐美たちと菊田が会話するシーン、鶴見中尉との合流を控えた杉元一行や、その後の樺太からの脱出シーン、倒木の下敷きになった杉元とアシ(リ)パや、メンコに興じる月島軍曹と鯉登少尉のシーンなどが演じられた。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、最後の演目であるEDライブが終わるとエンディングのコーナーへ。ステージに勢揃いしたアーティストとキャストからファンに向けてメッセージが贈られる。

最後も「ゴールデンカムイ!」「最高ッ!!」のやり取りで締めくくられ、スペシャルイベントの全公演は大盛況のうちに“クランクアップ”を迎えた。すでに製作が決定している最終章に向けて、これからも目が離せないTVアニメ『ゴールデンカムイ』。次なる展開を刮目して待てッ!!

イベントアーカイブ配信チケットは12月31日(日)21:00まで発売中ッ!! ご視聴は12月31日(日)23:59まで

【申し込みサイトはこちら

TVアニメ『ゴールデンカムイ』作品情報

原作コミックスシリーズ累計2,400万部突破!

マンガ大賞2016/第22回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」受賞!

冒険・歴史・文化・狩猟グルメ・GAG&LOVE 和風闇鍋ウエスタン!

話題の極上エンターテイメントコミックがアニメーションとなって観る者の心を鷲掴みにする!

TVアニメ最終章 製作決定

放送・配信情報

[第四期 放送]
NBC長崎放送 毎週土曜24:28~

[第四期 配信]
●月額見放題サービス
Prime Video 

●個別課金サービス
Prime Video、バンダイチャンネル、dアニメストア、DMMTV、FOD、HAPPY!動画、J:COMオンデマンド、Hulu、milplus(みるプラス)、music.jp、ニコニコチャンネル、Rakuten TV、TELASA、U-NEXT、ビデオマーケット

[第三期 放送]
NBC長崎放送 毎週土曜24:28~

[第三期 配信]
●月額見放題サービス
FOD、Prime Video、Netflix、U-NEXT、dアニメストア、バンダイチャンネル、Hulu、TELASA、J:COMオンデマンド、auスマートパスプレミアム、milplus(みるプラス)、DMM TV

●個別課金サービス
Prime Video、Rakuten TV、ビデオマーケット、HAPPY!動画、ニコニコチャンネル、バンダイチャンネル、TELASA、milplus(みるプラス)、music.jp

[第一期・第二期 配信]
●月額見放題サービス
FOD、Prime Video、Netflix、U-NEXT、dアニメストア、バンダイチャンネル、Hulu、TELASA、J:COMオンデマンド、auスマートパスプレミアム、milplus(みるプラス)、DMM TV
(キャスト&スタッフ オーディオコメンタリー版)FOD、dアニメストア、U-NEXT、バンダイチャンネル

●個別課金サービス
Prime Video、Rakuten TV、ビデオマーケット、HAPPY!動画、ニコニコチャンネル、バンダイチャンネル、TELASA、milplus(みるプラス)、music.jp

[OAD第一弾・第二弾 配信]
●月額見放題サービス
FOD、Prime Video、Netflix、U-NEXT、dアニメストア、DMM TV

●個別課金サービス
Prime Video、Rakuten TV、ビデオマーケット、HAPPY!動画、ニコニコチャンネル、バンダイチャンネル、TELASA、milplus(みるプラス)、music.jp

[OAD第三弾 配信]
●月額見放題サービス
Prime Video

●個別課金サービス
Prime Video、バンダイチャンネル、dアニメストア、DMM TV、FOD、HAPPY!動画、J:COMオンデマンド、milplus(みるプラス)、music.jp、ニコニコチャンネル、Rakuten TV、TELASA、U-NEXT、ビデオマーケット

※放送・配信日時は都合により変更になる可能性がございます。

第四期イントロダクション

杉元とアシ(リ)パの新たな旅が始まる!!
アイヌから奪われた金塊を巡る生存競争サバイバル、新章開幕ッッ!!!

極寒の地・樺太で「不死身の杉元」こと杉元佐一とアイヌの少女・アシ(リ)パが再会を果たした後、キロランケの死に直面したアシ(リ)パが金塊の謎を解く鍵を思い出し、杉元とアシ(リ)パの間で相棒の契約も更新されるに至った。だが、杉元が第七師団の支配下にある状況に変わりはない。

アシ(リ)パ確保の報を受けた鶴見中尉との対峙が迫る中、共に過酷な旅を生き抜いた白石由竹、谷垣源次郎、月島軍曹、鯉登少尉は各々の目的や役目に従ってどのように動くのか?

一方、第七師団と金塊の争奪戦を繰り広げる新撰組「鬼の副長」土方歳三の一味は、引き続き残った刺青人皮の捜索を継続。さらに、杉元らの前から姿を消した尾形百之助の存在も情勢に影響を及ぼす可能性を秘める。北の大地を舞台に再び加熱していく一攫千金サバイバルの行方から目が離せない!

原作は「週刊ヤングジャンプ」(集英社)にて連載された、野田サトルによる大ヒット漫画。マンガ大賞2016や第22回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」に輝き、既刊のコミックス全31巻でシリーズ累計2,400万部を突破するなど、足かけ8年にわたる連載が終了した今もなお多くのファンの心をつかみ続けている。

第四期となる今回のTVアニメ化はこれまでのシリーズを継承しつつ、アニメーション制作のブレインズ・ベース、チーフディレクターのすがはらしずたかを中心とした新たな体制を構築。

埋蔵金を巡るアクション&サスペンスを軸に、狩猟、グルメ、歴史などの五感を刺激する多彩な魅力が炸裂する極上のエンターテイメントが、アニメーションとなって観る者の心を熱くする!

スタッフ

原作:野田サトル(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
チーフディレクター:すがはらしずたか
シリーズ構成:高木登
キャラクターデザイン:山川拓己
美術監督:古賀徹/藤本智
色彩設計:福田由布子
撮影監督:織田頼信
編集:池田康隆
音響監督:明田川仁
音響制作:マジックカプセル
アイヌ語監修:中川裕
ロシア語監修:Eugenio Uzhinin
音楽:末廣健一郎
オープニングテーマ:ALI「NEVER SAY GOODBYE feat. Mummy-D」
エンディングテーマ:THE SPELLBOUND「すべてがそこにありますように。」
アニメーション制作:ブレインズ・ベース
製作:ゴールデンカムイ製作委員会

キャスト

杉元佐一:小林親弘
アシ(リ)パ:白石晴香
白石由竹:伊藤健太郎
鶴見中尉:大塚芳忠
土方歳三:中田譲治
尾形百之助:津田健次郎
谷垣源次郎:細谷佳正
牛山辰馬:乃村健次
永倉新八:菅生隆之
二階堂浩平:杉田智和
宇佐美上等兵:松岡禎丞
月島軍曹:竹本英史
鯉登少尉:小西克幸

公式サイト
公式ツイッター(@kamuy_anime)

第四期 Blu-ray&DVDはこちら

https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1703853201


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

28年ロス五輪 米、部族連合の参加支持 先住民起源のラクロス

2023-12-31 | 先住民族関連

毎日新聞 2023/12/31 東京朝刊 有料記事 610文字

バイデン米大統領=ロイター

 米国での2028年のロサンゼルス夏季五輪で、北米先住民の競技が起源とされるラクロスが120年ぶりに公式競技として復活する。バイデン米大統領は12月上旬、首都ワシントンで開かれた先住民サミットで演説し、先住部族連合「ホーデノショーニー(イロコイ連邦)」のロス五輪・ラクロス競技への単独参加を支持すると表明した。国際オリンピック委員会(IOC)の承認が必要で、バイデン政権は交渉を後押しする方針だ。

 バイデン氏は6日の演説で「ラクロスは1000年近く前に考案された。部族が一堂に会し、平和や親善を促進する力になってきた」と指摘。現在の米国とカナダをまたぐ地域で生活した6部族で構成するイロコイ連邦の五輪参加について「例外として認められるべきだ」と述べた。

 国際競技団体「ワールドラクロス」によると、ラクロスは12世紀ごろから続く北米先住民の競技が起源とされる。当時は儀式や戦闘訓練の意味合いもあったという。・・・・・・・・

【ワシントン秋山信一】

https://mainichi.jp/articles/20231231/ddm/007/050/082000c


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スマホを持ち始めたアマゾンの先住部族に起こったこと、「二つの世界」で格闘する人々

2023-12-31 | 先住民族関連

ナショナルジオグラフィックジオ12/30(土) 12:30配信

「非接触部族」が世界で最も多いジャヴァリ渓谷の保護区、何が彼らをそうさせたのか?

スマートフォンを使い、ソーシャルメディアでさまざまな情報を発信する先住部族のジョアン・カナマリ。(PHOTOGRAPH BY LYNSEY ADDARIO)

 ブラジルとペルーの国境を隔てながら、アマゾンの森の奥深くへと流れるジャヴァリ川。その一帯にあるジャヴァリ渓谷先住民保護区には、外部と接触せずに暮らす先住部族が世界で最も多い。

ギャラリー:スマホを持ち始めたアマゾンの人々、「二つの世界」での格闘

 保護区はほぼ手つかずの原始の森で、ポルトガルほどの広さに約6000人が暮らすという。もっともその数は、外部と接触があった7部族の人口の合計にすぎない。ここでは今、違法な伐採や漁業、採掘をする外部の人間が増えていて、私(写真家のリンジー・アダリオ氏)は、先住民たちがどう立ち向かっているかを取材しに来たのだ。

 アタライア・ド・ノルテという町からジャヴァリ川を300キロほど遡った地点にある、サン・ルイス村の人口は約200人。私と撮影隊は8日間にわたり、マウロ・カナマリを部族長とする、この村に滞在して取材を進めた。

 私たちが行く先々で目にしたのは、森への侵入者に不安を抱く先住民が、自分たちの土地と生活様式を守ろうと、新しい方法を見いだしていく姿だった。

 カナマリの人々は、先住民問題を担当するブラジル政府の国立先住民保護基金(FUNAI)や、ジャヴァリ渓谷の先住民連合ウニバジャ(UNIVAJA)などと協力して、監視パトロールを実施し、違法な伐採業者に対抗している。FUNAIは無線機とモーターボート用の燃料を提供してくれるが、カナマリ側の武器といえば、弓矢と小口径の銃だけで、侵入者には到底、太刀打ちできない。

 そのため衝突を避け、見つけたものを報告する方針で活動している。

 マウロ部族長のおいで20歳のジョアン・カナマリは、携帯電話でパトロールの様子を記録し、ソーシャルメディアで情報を共有している。彼は、カナマリの人々と世界とをつなぐ役割を担えるよう、十代後半でアタライア・ド・ノルテに派遣され、ポルトガル語を身につけた。「世界の人々に私たちのことを知ってもらい、力を貸してほしいのです」とジョアンは語る。

 ※ナショナル ジオグラフィック日本版1月号特集「アマゾン 二つの世界を生きる」より抜粋。

写真・話=リンジー・アダリオ/聞き手:レイチェル・ハーティガン

https://news.yahoo.co.jp/articles/2b896b9bf232565150457651ee3eba6250bdd64d


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長~い作品も“安心して”堪能!年末年始にゆっくり向き合いたい、長尺名作のススメ

2023-12-31 | 先住民族関連

ムビーウォーカー2023/12/30 12:30

このところ映画の「上映時間」が話題になることが多い。アクション大作や、アカデミー賞に絡む巨匠の名作で、ここ数年、2時間半(150分)は当たり前。時には3時間(180分)を超えるものも頻繁に見かけるようになった。もともと人間の生理として、集中して映画を観られるのは90~100分と言われ、そのあたりが上映時間の理想とされていた。しかし“長さを感じさせない”ほど没入できる映画もあり、それこそが傑作だとも考えられる。
実際に歴史を振り返れば、観客動員数では今も世界最高といわれる『風と共に去りぬ』(1939/228分)、フランス映画史に残る『天井桟敷の人々』(1945/190分:2部構成)、日本映画では『七人の侍』(1954/207分)、そしてあの『タイタニック』(1999/194分)と、3時間超えの名作が次々と並ぶ。

巨匠たちが“本当に作りたい映画”を目指したら…

ただ、ここ数年の“長編化”には大きな理由がある。それは配信との関係だ。上映時間が長い映画は、1日で上映できる回数も少なくなることから、スタジオや劇場側に敬遠されがち。しかし監督たちは“自分が本当に作りたい映画”を目指し、時には長尺になる。そうした志向を真っ先に受け入れていたのが配信のNetflix。基本的に上映時間に注文をつけず、自由に作らせる姿勢が、マーティン・スコセッシ監督の『アイリッシュマン』(209分)のようにアカデミー賞に絡む長大な傑作を実現させた。

この流れに配信のApple TV+も乗り、同社製作のスコセッシ監督作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』は上映時間が206分。やはり本年度の映画賞レースで存在感を示している。オクラホマ州で起こった先住民の連続死亡事件のミステリーに、FBIが誕生するきっかけも描いた本作は、1920年代も鮮やかに再現され、上映時間の長さを“感じさせなかった”という評価が相次ぐ。同じくAppleではリドリー・スコット監督の『ナポレオン』も158分。4時間におよぶディレクターズカット版もある。

感動や興奮をリピート!体感時間の変化にも注目

もうひとつ、配信の影響で考えられるのは、劇場公開との“差別化”。新型コロナウイルスのパンデミックによって、映画を配信で観る人が急増。劇場側としては、自宅などでは味わえないスケールや興奮を届ける作品を望むようになり、“どうせ劇場に足を運ぶなら、じっくり楽しめるものを”という考えから、アクション大作も長編化の傾向になった。

すべての写真を見る(8件)

代表的なのが『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』。上映時間は192分。13年前の前作『アバター』の162分を大きく上回ったが、惑星パンドラの世界観、とくに水の中に没入できる特別な体験は、短い上映時間ではもったいないかもしれない。『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』もシリーズ最長の164分だが、要所にアクションの見せ場が配置され、観ていて飽きない構成。マーベル作品も、多数のキャラが集結する『アベンジャーズ』関連はともかく、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォオーエバー』の161分のように各作品で長編化の傾向が濃厚。長大な作品はどのようなスタイルで作ればいいか。最近は、そのコツをつかんだ監督も多く、以前よりも観やすい設計になっているのは事実だ。現在、劇場公開中の『ハンガー・ゲーム0』は、大ヒットシリーズの原点を描く物語だが、これもシリーズ最長の157分である。

こうした長編化の流れは、配信会社ではないメジャースタジオも受け入れるようになり、とくに巨匠と呼ばれる監督の新作は軒並み上映時間が長いものが目立つ。スティーヴン・スピルバーグ監督が自身の生い立ちを振り返った、彼の記念碑的作品『フェイブルマンズ』は151分。『ラ・ラ・ランド』でトップ監督になったデイミアン・チャゼルが、1920年代のハリウッド黄金期のセンセーショナルな裏側に肉薄した『バビロン』は189分。どちらも映画の歴史に重要なトピックを、後世に“残したい”という巨匠の思いが詰まっており、映画ファンには上映時間の長さが気にならないはず。

また、カリスマ指揮者の素顔をじっくりとあぶり出し、終盤の思わぬエモーションを導く『TAR/ター』(159分)のように、シンプルに上映時間の長さが意味をもつ傑作も増えているし、今後も、ようやく日本での公開が決まった『オッペンハイマー』(180分)のように長尺の必見作が続く。
ただ、このような映画の長編化で、多くの人が気にしてしまうのは、劇場で観る際のトイレ問題。『風と共に去りぬ』や『七人の侍』の時代は、途中で休憩(インターミッション)が入ったが、現在は基本的にぶっとおしで上映される。ゆえに劇場での鑑賞を敬遠してしまう人も一定数いる。そんな人たちには配信がうってつけで、ゆっくり時間がとれる年末年始は、長尺の名作を“安心して”堪能するうえで最適。もちろんすでに劇場で観て、感動や興奮をリピートしたい人にもオススメの時期だ。2度目の鑑賞では、なぜか体感時間がさらに短くなるのも、名作の証明だと実感できるはず!
文/斉藤博昭

https://moviewalker.jp/news/article/1173555/


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラマの「フン」が気候変動で荒れ果てたアンデス山脈の荒地を生き返らせる? ── 最新研究(海外)

2023-12-31 | 先住民族関連

ビジネスインサイダー12/30(土) 11:10配信

Kathrin Ziegler/Getty Images

氷河が溶けると、その下の土地はほぼ荒地だ。

こうした地域ではラマを飼っている農家が多く、科学者たちはラマが土壌改善の助けになっていることを明らかにした。

【全画像をみる】ラマの「フン」が気候変動で荒れ果てたアンデス山脈の荒地を生き返らせる? ―― 最新研究

ラマがいる地域では3年間で4種の植物が新たに育ち、全体では植物が57%増えた。

ラマは唾を吐いたり、毛を落としたり、フンをする ── おかげでこの世界は花開いている。

氷河によって荒地と化したアンデス山脈の一部地域で、ラマを飼育することによって土壌に養分が戻り、植物の量が増えたのはその良い例だ。研究結果は学術誌『Scientific Reports』に掲載された。

科学者たちは3年間、ペルーのコルディエラ・ブランカでラマの世話をしている農家のグループと協力してこれを突き止めた。

この間にラマがいた地域では植物の量が57%増え、土壌の栄養分も増加し、4種の植物が新たに育ち始めた。

これらはいずれもラマが草を食べ、毛を落とし、フンをしたおかげだと科学者たちは報告している。

なぜ「ラマのフン」なのか?

「ラマ・ビーンズ」と呼ばれることもあるラマのフンには炭素や窒素といった養分が含まれていて、土壌を生きるのに適した場所にしてくれる。

そこにはラマが草を食べた植物の種も含まれている。つまり、ラマは農業に従事する人間のような行動をしている。違うのは、"手"でなく"フン"で植え付けているということだけだ。

「こういった実験がこれらの地域やこのような高所で行われたことはありませんでした」と地理学者で論文の筆頭著者のアナイス・ジマー(Anaïs Zimmer)氏はテキサス大学のプレスリリースの中でコメントしている。

そもそもどうして思いついたのか?

科学的に証明されたのは今回が初めてだが、これは昔から行われていたことだ。

アンデス山脈の氷河の周辺でラマを飼うことは、インカ帝国がこの地域を支配していた頃から一般的だった。

最近では、先住民の農家がアンデスでラマの飼育を続けている。そこでジマー氏たちは「ラマ 2000 アソシアシオン」というこの地域の農民グループと手を組んだ。

農民グループは、研究者たちがフェンスで囲まれた8つのエリアを設定し、このうち4つのエリアにラマを分散させるのを手伝った。農民たちがラマを観察し、世話をし、フェンスで囲ったエリアが崩れないようにした。

この研究において、農民たちは非常に重要な役割を果たしたとジマー氏はEOSに語った。

「彼らは独自の知識を使って、重要な疑問に答える手助けをしてくれました」

氷河が残していったもの

ペルーの海洋当局ANAによると、ここ50年でペルーの氷河の表面積は約51%失われた。これは気候変動の影響によるものだという。

人間が引き起こした気候変動によってこれらの氷河が溶け続ける中、わたしたちは"残されたもの"に対処する方法を見つけなければならない。

氷河が溶けると、その下に閉じ込められていた土壌には養分が残っていない。そのままにしておくと、土壌が豊かになるまでに数百年かかることもあるとEOSは伝えている。

また、氷河の融解は酸性岩石排水(ARD)や地形の不安定化、地元住民を追い出すことになるかもしれない新たな採掘需要の創出といったさまざまな新しい問題を引き起こすと、論文の共同著者で地理学と環境学の教授ティム・ビーチ(Tim Beach)氏はテキサス大学に語っている。

ジマー氏は植物が再び自生するようになればこれらの問題の多くを解決するのに役立つと、テキサス大学のプレスリリースの中で述べている。これらの地域でラマを飼育することは「地球温暖化による退氷の破壊的なプロセスを改善しつつ、地域経済にも貢献するかもしれない」という。

Maiya Focht

https://news.yahoo.co.jp/articles/ba7acabcb00561d89f62eda8874b8dcedc34c420


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【眞栄田郷敦】実写映画『ゴールデンカムイ』で印象に残っているキャラクターは?

2023-12-31 | アイヌ民族関連

MORE12/30(土) 20:30配信

実写映画『ゴールデンカムイ』公開直前! 人気キャラクター・尾形を演じる眞栄田郷敦さんに直撃インタビュー

2024年1月19日公開予定の、映画『ゴールデンカムイ』(原作:野田サトル)で、“孤高の凄腕スナイパー”の異名を持つ、尾形百之助を演じる、眞栄田郷敦さんへのインタビュー、『ゴールデンカムイ』ファンの眞栄田さんによる映画版の見どころや、印象深かったところなどにについて伺いました。

■眞栄田郷敦さんのプロフィール

まえだ・ごうどん:2000年1月9日生まれ。映画『小さな恋のうた』(2019)で俳優デビュー。『東京リベンジャーズ』(2021)、『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』(2021)に出演し、「第34回 日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞 石原裕次郎新人賞」を受賞。その後も精力的に俳優活動を続けており、映画『カラダ探し』(2022)、ドラマ「エルビス-希望、あるいは災い」(2022)、映画『東京リベンジャーズ2血のハロウィン編』『-決戦-』、初主演映画『彼方の閃光』(すべて2023)が公開された。

いろんな意味で飛び抜けているあの役を、生身の人間がやれることに驚きました

――自身のシーンはご覧になりました?

眞栄田さん(以下敬称略):はい。尾形の、得体のしれないミステリアスな感じがちゃんと出ていたと思います。

特に尾形の登場シーンは久、保茂昭監督が原作のポージングを再現したい、と強くおっしゃっていたのでそこは膝や腕の角度までキッチリやらせてもらいました。我ながら、「ちょっと似てんじゃねえかな」と思ってます(笑)。

 ――ちょっとどころか、シンクロ率100%……、いや、2人を足して200%だと思いました。

眞栄田:(笑)。漫画原作の作品に出演したことは何度かありますが、今回はいつも以上に漫画を参考にした部分はあるかもしれないですね。現場でも、漫画のシーンを見ながら打合せをする、ということもありましたから。

――作品の中で印象に残っているシーンやキャラクターはありますか?

眞栄田:矢本悠馬さんが演じた白石由竹ですね。脚本を見て、脱獄王の、ヌルヌルのあのシーンを「生身の人間がどうやって?」と、ずっと気になっていたんですけど……、おもしろかったですね(笑)。本編を観たら、思いっきりコメディテイストなシーンに仕上がっていたので、さすがだなと思いました。

あと、杉元たちがヒグマと戦うシーンがあるんですけど、そこの映像クオリティも本当に高いです。あと気になったのは、鶴見中尉と、牛山と土方です。3人とも原作の時から好きなキャラクターというのもあるんですが、キャラクターの再現度が高くて、見ごたえがありました。

――“怪人”オーラを発している3人ですね。

眞栄田:特に、体が大きな牛山のキャスティングが誰になるのかずっと気になっていましたが、蓋を開けてみたら勝矢さんで、「うわ、めっちゃわかるわ!」と。ちゃんと、おでこに“はんぺん(編集部注:はんぺんのようなこぶが牛山のトレードマーク)”がついていて(笑)、本当に素晴らしいなと思いました。

――眞栄田さんの想像を超えてきたキャラクターはいますか?

眞栄田:鶴見中尉ですね。原作を読むとわかると思うんですが、鶴見は、見た目的にも性格的にも、行動的にも、いろんな意味で、普通の人から飛び抜けちゃっている人物。なので、どんな人がどう演じるのだろうと思っていたら、玉木さんで。作品を観ていただければわかると思うんですが、飛び抜けていました(笑)。本当にさすがだな、ピッタリだなと感じると思います。あと、アシㇼパ役の杏奈ちゃん。彼女の感情表現は見習いたいですね。

――お話を伺って、眞栄田さんのお芝居に対する姿勢は、とてもストイックだと感じました。なのに、間をあけず、コンスタントに作品に出続けています。何かリフレッシュする方法があるのでしょうか?

眞栄田:仕事に限った話じゃないんですけど、1回役から離れてみるのも大事だなと思っています。何をするにしても、バーッと集中してやった後に一度離れて寝かすと、次に向き合った時に新しい発見があることが多い。何度か繰り返してみて、そのことに気付きました。尾形でも、そういう形でリフレッシュしましたよ。

いつでも続編をやる準備はできています(笑)

――『ゴールデンカムイ』中、一番のお気に入りシーンは?

眞栄田:それは……、名場面が多すぎて選びきれないですね。映画の中は原作に忠実なので、全てお気に入りですけど……。原作ファンとしての個人的な希望としては、せっかく尾形を演じる機会をいただいたので、(尾形の異母弟)花沢勇作とのシーンは気になりますね。あと、原作の最終巻に尾形の見せ場があるので、そこも。

尾形の行動の目的は最終巻まで明かされません。今回の映画の役作りは、その思いを把握しながら模索したものを注入しています。さっきも言いましたけど(インタビュー第1回参照)、いつでも続編をやる準備はできています(笑)。

――最後に、眞栄田さんの思う『ゴールデンカムイ』の魅力を教えてください。

眞栄田:本作に共通する魅力は、個性が強い上に魅力的なキャラクターがたくさん登場するところと、刺青人皮を集めて埋蔵金をゲットするというワクワクするストーリー。個人的には、アイヌの生活習慣や食べものが出てくるところも、すごくいいなと思ってます。

でもやっぱり一番の見どころは、手に汗握るアクションじゃないでしょうか。漫画やアニメでは描ききれなかったアクションシーンの迫力は、かなりのもの。

本作は、かなり幅広い世代に見てもらえるのではないでしょうか。濃いキャラクターたちの物語なだけではなく、歴史や、アイヌの人々の置かれている立場についても勉強になりますし、サバイバルあり、アクションありのワクワク作品に仕上がっているので、単純にエンターテイメントとしても楽しめると思います。ぜひ、観てくださいね。

「ゴールデンカムイ」 作品概要

(c)野田サトル/集英社 (c)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

原作について

2014年から約8年間連載し、「マンガ大賞2016大賞」、「手塚治虫文化賞マンガ大賞」(2018)、「第51回日本漫画家協会賞大賞」(2022)といった多く受賞歴のある大人気漫画。全31巻でシリーズ累計2,600万部超(※2023年11月時点)のベストセラーとなっていて、2018年4月からはTVアニメの放送も開始(※現在は、TVアニメ第4期まで完結)。完結後の現在も熱烈な支持を集めています。

内容は、明治末期の北海道を主な舞台とした、金塊を巡って繰り広げられるサバイバル・バトル。主人公の“不死身の杉元(佐一)”とその相棒であるアイヌの少女・アシㇼパ、さらに大日本帝国陸軍第七師団や、戊辰戦争で戦死したはずの土方歳三など、歴史上の人物も加わって、埋蔵金戦線は大混戦! 複雑に絡み合う利害関係によって敵と味方が入り乱れる緻密で熱い物語は、読み始めたら最後、1ページたりとも読み飛ばせません!

作品の面白さに輪をかけているのが、メインストーリー以外の“その他”の要素。登場人物の生い立ちや、旅の途中でアシㇼパが腕を振るうアイヌ料理やサバイバル知識、ギャグ&パロディといったお笑い要素など、「そうくるの!?」「だと思った」という展開が随所にもりこまれているので、重めのテーマながらも、ポップに楽しめちゃいます。ちなみに、連載時のキャッチコピーは「冒険・歴史・文化・狩猟グルメ・ホラー・GAG&LOVE!! 和風闇鍋ウエスタン!!」でした。

実写映画版キャストについて

主人公で“不死身の杉元”と呼ばれる元陸軍兵・杉元佐一を山﨑賢人さん、ヒグマに襲われる杉元を助けたことをキッカケに旅の相棒となるアイヌの少女・アシㇼパを山田杏奈さんが。“脱獄王”の異名を持つ天才脱獄犯・白石由竹役に矢本悠馬さん、さらに杉元とアシリパが探す金塊を狙う大日本帝国陸軍第七師団中尉・鶴見篤四郎役に玉木宏さん、杉元&鶴見と同じく金塊を狙う元新撰組“鬼の副長”土方歳三役に舘ひろしさんなど、豪華キャスト陣が集結しました。

なお、今回お話を伺った眞栄田さんは、第七師団上等兵の“孤高の凄腕スナイパー”と呼ばれる、尾形百之助役で登場します!

実写映画版あらすじ

北の大地・北海道が舞台。時代は激動の明治末期――。

日露戦争で最も過酷な戦場となった二〇三高地をはじめ、その鬼神のごとき戦いぶりに“不死身の杉元”という異名を付けられた日露戦争の元兵士・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく、砂金採りに明け暮れていた。ある日、杉元はアイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。金塊を奪った男“のっぺら坊”は、捕まる直前に金塊を隠し、そのありかを記した刺青を24人の囚人の体に彫って、彼らを脱獄させた。囚人の刺青は24人全員で一つの暗号になるという。

そんな折、野生のヒグマの襲撃を受けた杉元を、アイヌの少女・アシㇼパが救う。アシㇼパは金塊を奪った男に父親を殺されていた。金塊を追う杉元と、父の仇を討ちたいアシㇼパは行動を共にすることに。

しかし、金塊を狙うのは彼らだけではなかった。日露戦争で報われなかった師団員のために北海道征服を目論む大日本帝国陸軍第七師団の鶴見篤四郎中尉、さらに戊辰戦争で戦死したとされていた新撰組の鬼の副長・土方歳三が現れる。自らの野望実現のため、杉元&アシㇼパVSS第七師団VS幕末の志士という、三つ巴のサバイバル・バトルが、今始まる!

MORE

眞栄田さんが演じる尾形百之助 (おがた・ひゃくのすけ) (C)2024 映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

2024年1月19日(金)全国公開!

原作:野田サトル「ゴールデンカムイ」(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)

監督:久保茂昭

脚本:黒岩勉

音楽:やまだ豊

主題歌:ACIDMAN「輝けるもの」(ユニバーサル ミュージック)

アイヌ監修:中川裕、秋辺デボ

製作幹事:WOWOW、集英社

制作プロダクション:CREDEUS

出演者:山﨑賢人、山田杏奈眞栄田郷敦、工藤阿須加、柳俊太郎、矢本悠馬、大谷亮平、勝矢、木場勝己、大方斐紗子、秋辺デボ、マキタスポーツ、玉木宏、舘ひろし、高畑充希、泉澤祐希

衣装クレジット

ジャケット¥88000 パンツ¥59400 シューズ¥41800/オニツカタイガージャパン お客様相談室(オニツカタイガー) その他/スタイリスト私物

【お問い合わせ先】オニツカタイガージャパン お客様相談室(0120-504-630)

撮影/アキタカオリ ヘアメイク/古久保英人(Otie) スタイリスト/MASAYA 取材・文/中川薫

https://news.yahoo.co.jp/articles/4bfca526e8695295e03e725164c55dfd7efc3a01


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビヨンセ史上最高のツアーは、ビヨンセによる“ファッションのルネッサンス”。『Renaissance: A Film by Beyonce』の衣装に込められた意味を紐解く

2023-12-31 | 先住民族関連

ムービーウォーカー12/30(土) 22:45配信

ビヨンセの集大成ともいえるツアー「ルネッサンス」を収録したライブフィルム『Renaissance: A Film by Beyonce』

2023年5月のスウェーデン・ストックホルム公演から始まった、音楽界の女王蜂(クイーンB)ことビヨンセのワールドツアー「ルネッサンス」。スケジュールにジャパンがなかったことで、日本の“ビーハイブ“(蜂の巣をもじったファンのあだ名)を悲しませ、ソーシャルメディアで追うことしかできなかった本ツアーだが、ドキュメンタリー映画『Renaissance: A Film by Beyonce』として生まれ変わり、ついに日本でも上映中だ。

【写真を見る】ルイ・ヴィトンにロエベにヴァレンティノ…ビヨンセのきらびやかな衣装をたっぷり紹介!

本作そしてツアーのタイトルにもある“ルネッサンス”は、通算7枚目のアルバム「ルネッサンス」から付けられたものだが、たんにアルバム名を冠した以上の意味をもっている。彼女いわく、それはReborn(再生・復活)で、新しく生まれ変わることであるという。その真意やツアーへの想い、苦悩や生々しい舞台裏は、ビヨンセ自身が監督として本作を製作しているからぜひ劇場で観てもらうとして、もう一つ彼女が復興したものに“ファッション”がある。どうしてこれが、ビヨンセによるファッションのルネッサンスなのか。それを紐解く彼女の哲学は、曲の中にきちんと込められていた。

■「Pure/Honey」:煌めくシルバーに隠された想い

ツアー全体の収益だけでも5億ドル(約750億円)を越え、世界的な影響を及ぼしたと言われる本ツアー。そう言われる理由は、たんなるコンサート巡業の枠を超えているからだ。今年の秋、ニューヨークタイムズ紙は、“「ルネッサンス」のおかげでファッションECサイト「Etsy」などの中小企業が、シルバーカラーのアパレルの売り上げを増大させている”と報道した。それもそのはず、アルバム9番目の曲「Virgo‘s Groove」にちなんで、自分の星座である乙女座シーズン(8月23日から9月22日)には、“あなたが思う最もすばらしいシルバーのファッションで一緒にお祝いしたいの。誕生日のお願い!”とビヨンセが投稿したから。自分たちが、ディスコのミラーボールになって、一緒に踊り、喜びを反射させ合いましょう、というわけだ。

ファッション業界紙「Women’s Wear Daily(WWD)」も、“ビヨンセがツアーで着用!というニュースが、ブランドに多大な影響を与えている”という記事を紹介。テーマモチーフの馬をあしらったボディスーツなどを複数提供した「アレキサンダー・マックイーン」に770万ドル、コーディネートの主役級ジュエリーを提供した「ティファニー&Co.」に720万ドル、バービーピンクなドレスとシルバーのボールガウンなど、今年の2大トレンド(バービーコアとシルバーアイテム)スタイルを提供した「ヴァレンティノ」に370万ドルの、“メディア経済効果“をもたらしたという。

アルバムカバーや本作のキービジュアルのとおり、シルバーはすでに「ルネッサンス」のテーマカラーで、ディスコのミラーボールや近未来なロボットを表現する意味もあるのだが、もっと深いメッセージを含んでいる。それが、アルバム15番目の「Pure/Honey」に参加している、伝説的なナレーター、ケビン・JZ・プロディジーの起用からわかる。言葉を紡ぐアーティストであるケビンとビヨンセは、ルネッサンスにおいて、ボールルーム・カルチャーをオマージュしているのだ。「ボールルーム」とは、LGBTコミュニティの中であった人種的な差別に直面していたブラックとラティーノたちが、1980年代にニューヨークで始めたアンダーグラウンド・ムーブメントを指す。

その後、それぞれの主催グループは「ハウス(家)」と呼ばれ、各ハウスがクラブで行うヴォーギングなどのダンスやパフォーマンスが話題になるにつれて、全米に広まっていった。このコミュニティが、LGBTQIA+と包括的になるずっと前から、トランスジェンダーやドラァグクイーンたちが自己を自由に表現できた場所。ボールルームが、人種やジェンダー、性的趣向にかかわらず、迫害を心配せずに安心できるところ、いつでも帰ることのできるところを象徴しているから、ビヨンセはルネッサンスをそういう居場所にしたかった。だから、シルバーファッションをリクエストしたのだ。

■「Summer Renaissance」:時空を超えて、ビヨンセのために再生されるファッション

今回のツアーで、ビヨンセが披露した舞台衣装は計148着。世界中から様々なブランドとデザイナーが参加し、英ガーディアン紙のファッション・エディターは、もはやこれは「デザイナーにとっての新しいキャットウォーク」と評した。いずれのコスチュームも、ビヨンセそしてツアーのために、特別に仕立て直されていて、そのいくつかのオリジナルの中には、ランウェイで発表されたものもある。

最もバズったルックの一つが、ジョナサン・アンダーソンによる「ロエベ」の“ハンズオン”ボディスーツ。同ブランドの2022年秋コレクションのもので、オリジナルはドレス(スカート)だった。どうやら、ビヨンセはこのルックが最もお気に入りだったよう。なぜなら、デザイン違いの衣装を複数提供したブランドはいくつもあるけれど、同じデザインを色違いで3つもそろえたルックはこれ以外にないし、ツアーを印象付ける大事な初日のストックホルム公演や、生まれ故郷で開催された米テキサス州ヒューストン公演、そして崇拝してやまないと公言しているダイアナ・ロスがサプライズゲストとして来場した誕生日(9月4日)に着用したからだ。

1945年に設立されたフランスのクチュールブランド「バルマン」の伝統的なラグジュアリーさに、モダンさを与えて生まれ変わらせたのは、現在デザイナーとクリエイティブディレクターを務めるオリヴィエ・ルスタンだ。オリヴィエは今年3月、ビヨンセとともに製作した「クチュール・ルネッサンス」というコレクションを発表した。各ルックのインスピレーションは、アルバムに収録された楽曲たち。実際にコンサートで着用したのはウエストに付けられたダイナミックなコサージュが特徴のドット柄ドレスで、オリジナルは2024年春コレクションのもの。ラッパーのミーガン・ザ・スタリオンがパフォーマンスする、大切な出身地のヒューストン公演で着用したことから想像するに、ドラマティックな演出に欠かせないルックだったに違いない!

現在「ミュグレー」のクリエイティブディレクターを務めるケイシー・カドワラダーは、ビヨンセのために2つのルックを提供したそうだが、特筆すべきは、クイーンにふさわしい蜂のヘッドピースとマッチングカラーのコルセットルックだ。オリジナルは、創設者のティエリー・ミュグレーがデザインした1997年春のクチュールコレクション。2009年、ビヨンセの4番目のアルバムツアー、「I Am…World Tour」の際には、ティエリーは衣装提供だけでなく、振付や照明のアドバイスもしていた。翌年の2010年からブランドを離れていたティエリーは、2022年に亡くなったのだが、ティエリーとビヨンセが愛したグラマラスなミュグレーのスタイルは、カドワラダーによって、現在によみがえった。

2021年に「プッチ」のアーティスティックディレクターに就任したカミーユ・ミチェリが、プリントの王子と呼ばれた、ブランド創始者エミリオ・プッチのジャルディーノ(イタリア語で庭を意味するチェッカーボード柄)プリントを復刻させたのが、2023年秋コレクションでのこと。そのプリントは、ビヨンセ仕様になって、さらにポップにアップグレード。一目見てプッチとわかるデザインを後世に残していること、一度見たら忘れないインパクトを残すデザインを生み出すこと、そんなデザインに負けないビヨンセのどれもすごい。

さすがのコラボレーション!と大きく話題となったのが、「ルイ・ヴィトン」のルックだ。今年2月、新たなメンズ・クリエイティブディレクターに任命されたばかりのファレル・ウィリアムスが、ビヨンセと数曲のパフォーマンスにダンサーとして参加している娘のブルー・アイビー(とバックダンサー)のために、シグネチャーであるダミエ柄を、クリスタル刺繍のキャットスーツに落とし込んだ。オリジナルは、ファレル初の2024年春メンズウェアコレクションになるが、ダミエパターンは、2色の四角形が交互に並ぶ、1888年から採用されている同ブランドを代表するラインの一つだ。

アルバムの最後、16番目に収録されている「Summer Renaissance」は、ドナー・サマーの「I feel love」をコーラスに用いて、パンデミックを経たいま、セックスや結婚といったロマンティックな愛を含む、すべてのラブの力を思い出そうよ、という雄大な曲なのだが、その歌詞の中には、いくつかのファッションブランドが登場する。その中でも、ビヨンセが一段と深く愛を込めているのが、「テルファー」だ。

ニューヨーク市ブルックリン区にあるブッシュウィックエリア発祥のブランドで、一番大きなサイズのバッグでも300ドル以下とお手頃なのだが、セレブでも手に入れることができない人気ぶりと、ブッシュウィックのヒップな若者がこぞって持っていたことから、「ブッシュウィック・バーキン」と呼ばれ、広く知られるようになった。ブランドを立ち上げたのは、リベリア人の両親を持つ、クィア(性的マイノリティや既存のセクシュアルアイデンティティのカテゴリーに当てはまらない人の総称)のデザイナー、テルファー・クレメント。

ビヨンセは、BIPOC(黒人、先住民や有色人種)が所有するビジネスやブランドのサポートを公言していて、ルネッサンスで彼女が纏うファッションは、ステージ上での機動性や迫力、ビジネスの規模の大きさや知名度だけで決められているのではなくて、なんとも愛のある、深い意味があることがわかる。

■「Heated」:自分らしく生きること、それが本当の自由

「ルネッサンス」に込められた要素はたくさんあるけれど、それらを丁寧に追ってみると、ビヨンセのルーツ、そしてファミリーにたどり着く。父親マシューがデスティニー・チャイルドのマネージャーをしていたことや、母親ティナが専属スタイリストとして衣装デザインを担当していたことは有名だ。排他的だった音楽業界やファッション界において、無名のブラック(グループ)をサポートしてくれる人やブランドがおらず、ビヨンセの才能を信じて家族で一致団結する以外に方法がなかったのだ。そのファミリーの中で、最も重要な一員がジョニーおじさんだ。母ティナと幼少期を共に過ごし、本人だけでなく、ビヨンセと妹ソランジュの育児を手伝ってくれたことや、ビヨンセのプロム(卒業パーティー)でドレスを作ってくれたこと、デザインやファッションのセンスはすべて彼から学んだと、とあるインタビューでティナ自身が明かしている。アルバム11番目の曲「Heated」では、“ジョニーおじさんが服をつくってくれたの”と謳い、曲の中に登場するだけでなく、アルバム「ルネッサンス」自体が、エイズの合併症で亡くなったジョニーおじさんに捧げるものだという。ルネッサンスのファッションを通じて表現しているのは、おじさんへの壮大な恩返しなのだろう。

ツアーでは、2018年から運営を行っている自身のアスレジャーブランド、「アイビーパーク」が多用されている。アイビーについては、長女に名付けるほど意味のあるものだが、そのエピソードはここで割愛するとして、パークについては、自分がありのままでいられる場所、ゴールやモチベーションになるところを指す“パーク”を見つけて見つめてほしい、という願いを込めているそうだ。自分が自分らしくいられる、自分らしく生きることを表現する方法、それがビヨンセとファミリーにとって、ファッションなのだ。

ポストパンデミックのいま、会場で彼女の生の声を聞くなどリアルな体験は何事にも代えがたいが、本作はツアーに参加した人でも楽しめるすばらしい作品となっている。細かなファッションのディテールや、公演ごとに異なった豪華なコスチュームを、スクリーンではまとめて堪能できるところが見どころだ。ビヨンセ史上ならぬアーティスト史上最高との呼び声の高い、彼女の集大成でもあるツアーながら、彼女は自由になるために再び生まれ変わり、私たちが目撃するのは、彼女の伝説の、新しい始まりなのだ。

文/八木橋恵

https://news.yahoo.co.jp/articles/c28d843807d63c8c93b2dafb4db2d825ec4157cd


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“漂流するアメリカ”を描き続ける米インディーズ映画界の至宝、ケリー・ライカートが見つめるもの

2023-12-31 | 先住民族関連

ムービーウォーカー12/30(土) 17:30配信

今年開催された第36回東京国際映画祭で審査員を務めたケリー・ライカート監督。米インディーズ映画界の重要作家として高い評価を受けながらも、これまで特集上映以外では彼女の監督作が日本公開されることはなかった。しかし現在初の日本全国公開作となる『ファースト・カウ』(20)と、特集上映「A24の知られざる映画たち presented by U-NEXT」にて最新作『ショーイング・アップ』(22)が上映中だ。1994年の監督デビュー以来、“漂流するアメリカ”を描き続けている彼女の作家性や映画作りの姿勢とは。過去に特集上映を主催し、ライカート作品を積極的に日本に紹介してきた自主上映団体グッチーズ・フリー・スクールの降矢聡氏に語ってもらった。

【写真を見る】『ショーイング・アップ』でミシェル・ウィリアムズと4度目のタッグを組んだケリー・ライカート

■今まで隠され、日の目を見なかったものを丁寧に掘り起こし、語り直すライカート映画

川をゆっくりとくだるタンカーが悠然と映し出される。その川の周りに広がる森のなかを犬と散歩している女性は、犬のあとを追って白骨を発見する。彼女がその白骨を丁寧に掘り起こすと、そこには寄り添うように眠る2人の白骨遺体があった。次の瞬間、1820年代へと舞台は移り、映画はある料理人の男について語り始める。

『ファースト・カウ』のこの静かで美しい冒頭のシークエンスは、ケリー・ライカート映画の特徴を見事に表しているようだ。つまり、今まで隠され、日の目を見なかったものを丁寧に掘り起こし、語り直すこと。しかもその語られてこなかったものは、いまの私たちに無関係ではない。それどころかそういった無数の語られなかったものたちは、現在の私たちと地続きにあり、私たちを支えているということなのだ。

映画はこれまで多くの物語や出来事を語ってきた。それが積み重なると、ジャンルというものが形成される。例えば西部劇やロードムービーと言われるような映画たちだ。だがいままで語られてこなかったものたちを語るケリー・ライカートの映画は、ロードムービーのようでありながら、そのようなものにはならない。彼女の長編デビュー作『リバー・オブ・グラス』(94)に関して、監督自身は「道のないロードムービー、愛のないラブストーリー、犯罪のない犯罪映画」と評している。どこまでも遠くへ行ける道が目の前に広がっている者がいる一方で、どんな道も閉ざされてしまっている者たちもいる。愛を介さない関係のカップルももちろんいるし、犯罪など起こりもしない、取るに足らない出来事の連続である日常が私たちの周りにはある。そういった人々、物事をライカートは撮り続けている。

『ファースト・カウ』は西部開拓時代の料理人と中国移民の2人が盗んだ牛の乳で作ったドーナツで一攫千金を狙う物語。同じくアメリカの西部が舞台となる『ミークス・カットオフ』(10)も、西部劇にもかかわらず、西部劇と言われてまず頭に浮かぶような、力強い騎馬での疾走や勇ましい銃撃戦はまったくといっていいほど描かれない。その代わりに描かれるのは洗濯をしたり、編み物をしたり、小鳥にえさをあげたりしながら、ひたすらに歩く女性たちの姿だ。もちろん、西部開拓時代が舞台の映画は、男たちの銃撃戦や騎馬での争いだけを描いてきたわけではない。

たとえば、ウィリアム・A・ウェルマン監督の『女群西部へ!』(52)。この映画は140人もの女たちがシカゴから西部へと旅する映画であり、同作で描かれる馬車の描写とそっくりな場面が『ミークス・カットオフ』にも登場する。または、モンテ・ヘルマン監督の『銃撃』(67)のような激しい荒々しさとは真逆の、非常にミニマルかつ静かで観念的な西部劇もある。だからなにも、ライカートは、いままでにまったくなかった新しい視点を持つ、孤高の映画作家であると言いたいわけではない(かくいう私も上記の2作品の存在など、ライカート映画を知ったあとに、ライカート映画について色々な人と話していくなかで、さかのぼるようにして知ったのだけれど)。

ライカートの映画は、多くの人が思い浮かべるであろう、従来のイメージと反するものを捉えていることは間違いない。メインストリームにはならなかった、途切れてしまった流れを引き継いでいくことが彼女の仕事である。まさにかつて存在した名もなきものたちの白骨遺体を掘り起こし、彼らの話を物語るように。それは、かつて小舟で一頭の牛を運んでいたが、今ではタンカーが悠然とくだっている、脈々と引き継がれる川の流れに改めて思いを馳せることでもある。

メインストリームで特権的な存在の影に隠されて、いままでなかったことにされてきたものたち。そんな実は存在していたものについて語ろうとするときのライカートの方法はどのようなものだろう。とても興味深いのは、ライカートは影に光を当てて語られざる存在を浮かび上がらせるというより、その影をじっと見つめて、小さな声を聞き取ろうとするところだ。

■時代も主題も違う『ファースト・カウ』と『ショーイング・アップ』だが、どちらも友情と孤独についての映画

実際、ライカート映画の画面は尋常じゃなく暗い。どの作品でも夜はほとんど全くなにも見えないといってよいほどの暗さだ。もちろん、夜は暗いものだ。まして街灯などなく、ろうそくの火や焚き火しか明かりがなければ、それ相応の暗さになるのは当然である。だからライカート映画の夜は、本来の暗さをそのまま映し出すという、リアリティを追求したがゆえの暗さではあるだろう。しかしそのことに加えて、この暗さは政治的な選択でもある。周辺化されてきたものたちに光を当てて、メインストリームへと送り出すことは一見いいことに思えるが、その光を当てて目立たせるという方法はまた特権的なものを作り出し、ほかのものたちが周辺化されるだけだ。

だから、光を当てるより、影を見つめることをライカートは選択する。ライカートの暗さはリアリティや美点な観点から選択であると同時に政治的なものでもあるのだ。日本では『ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画』(13)というタイトルでリリースされたライカート監督長編5作目の原題は『Night Moves』。夜にうごめくものたち。光の当たる特権的なものたちに対して、ほとんどなにも見えない無数のものたちを注視するライカート映画の象徴するようなタイトルである。

ライカートの新作『ショーイング・アップ』は女性芸術家の映画だ。この映画のおもしろいポイントの1つは、芸術あるいは芸術家をまったく特権的なものとして描いていない点だろう。個展のために作品作りに苦悩する芸術家のお話なのに、まず描かれるのは、大家とのトラブル(お湯が出ない)だったり、鳩の世話だったりする。作品作りよりも鳩の鳴き声が気になってしょうがない映画なのだ。銃撃戦よりも小鳥の世話をしている『ミークス・カットオフ』が思い出される。

特権的なものではなく、周辺化されて、いままで描かれてこなかった無数のものたちを捉えるといっても、そんなものたち同士がわかりあい、特権的なものたちに対して連帯できるかというと、そう簡単にはいかない。ここにライカートの映画の厳しさがある。『リバー・オブ・グラス』のうだつの上がらない男女2人は、似たもの同士でありながら、いつまでもすれ違ったままだ。かつては親友だった中年の男2人が温泉に行き、戻ってくるだけの描いた恐るべきヒーリング映画『オールド・ジョイ』(06)は、本来手を組むはずの者同士が口論しあい、マウントの取り合いに陥ってしまう事態がさりげなく描かれる。『ミークス・カットオフ』の先住民と女たちの言葉の通じないコミュニケーションのあり方や、『ウェンディ&ルーシー』(08)のオレゴンの街の人々のよそよそしさもそこに加えてもいいだろう。

さらに『ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画』が主として描くのは、ダムの爆破ではなく、環境保護論者2人がダムを爆破したあと、仲間が自分のことを裏切るかもしれないという疑心暗鬼についてである。また、『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』(16)の相たいする人との気持ちを通わせることがついに叶わぬ孤独な女たちもいる。もちろん『ファースト・カウ』と『ショーイング・アップ』も描かれる時代も違えば、主題も違うが、どちらもやはり友情と孤独についての映画である。新作のこの2本は、厳しさというよりユーモラスな視線が強く出ているような気もするけれど。

今まで語られることがなかったものたち、正確には、どこかで誰かに語られていたはずが、いつしか影に隠れてしまったものたちを、丁寧に調査し、発掘し、その暗さと共に描き出す。そうして見えてくる無数の夜にうごめくものたちのコミュニケーションを厳しくもユーモラスに描かれる。それがケリー・ライカートの映画だ。

文/降矢聡

https://news.yahoo.co.jp/articles/ff0f53ec2109eea54a92d484b2e1985cd5f66b22


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ゴールデンカムイ』第七師団・和田光示役は堀部圭亮!撮影地の“奇跡”に「ツイてるのかなんなのか…」

2023-12-30 | アイヌ民族関連

シネマトゥデイ2023年12月29日 13時36分

堀部圭亮演じる和田光示 - (C) 野田サトル/集英社 (C) 2024 映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

 野田サトルの人気漫画を山崎賢人(※崎は「たつさき」が正式)主演で実写化する映画『ゴールデンカムイ』(2024年1月19日公開)に、堀部圭亮が出演することが明らかになった。29日、公式Xや公式サイトなどで発表された。

実写『ゴールデンカムイ』場面写真(18点)

 本作は、日露戦争終結直後の北海道を舞台に、“不死身の杉元”と呼ばれる元陸軍兵の杉元(山崎)とアイヌの少女・アシリパ(山田杏奈※リは小文字)が、アイヌから強奪された莫大な埋蔵金を巡って、第七師団や脱獄犯たちと争奪戦を繰り広げる物語。堀部が演じるのは、大日本帝国陸軍第七師団の大尉・和田光示。中尉・鶴見篤四郎(玉木宏)の暴走を止めようとする。

 堀部は「普段、あまり漫画を読まない自分でも知っている人気作品『ゴールデンカムイ』。映画化の噂は耳にしていましたが、オファーを頂いた時は驚きと共にとても嬉しかったです。短いシーンながら、参加できたことを光栄に思います」とオファー時の喜びを述懐。「撮影は2月の北海道。事前に「極寒」「ー20℃」などロケに際しての諸注意を頂き、手持ちの防寒着に加え、更に羽田空港でも数点買い足して、万全の体制で現地に乗り込むも「この時期の北海道では考えられない暖かさの日」に当たり、現場で段取りを終えた段階で汗だくに。結局、肌着なしで撮影に臨みました。ツイてるのかなんなのか…」と撮影を振り返ると共に「とにかくスケールの大きな、まさに“大作”です。ぜひ劇場のスクリーンでご覧ください!」と呼び掛けている。

 2021年の朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の一人二役(赤螺吉兵衛・吉右衛門親子)も話題を呼んだ堀部。北野武監督の映画『』では宇喜多忠家を演じ、現在、三池崇史監督のスリラー『怪物の木こり』が公開中。

https://www.cinematoday.jp/news/N0140785


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウルルにはアクティビティからロマンチックなディナーまで! 先住民の文化に触れながらここだけの体験を満喫

2023-12-30 | 先住民族関連

トラベルウオッチ12/30(土) 0:04配信

写真:トラベル Watch

 オーストラリア政府観光局によるプレスツアーに参加してきた。

 ウルルには豊富なアクティビティがあり、滞在期間を思う存分楽しみつくすことができた。非常に充実したスケジュールだったが、今回の旅だけでは知りつくせなかったウルルの姿がたくさんある。まだ見ぬウルルの表情を思うと、再び訪れたくなってくる。

【画像】アナング族の現代アート「ドットペインティング」を体験できる

 ここからは、ウルルで体験した盛りだくさんのアクティビティをご覧いただきたい。

■ アナング族の現代アートに挑戦

 エアーズロックリゾートでは、アナング族の現代アートを体験できるプログラムが行なわれている。アナング族のアーティストからレクチャーを受け、実際に自分だけのドットペインティングを楽しめるプログラムだ。

 アナング族のアーティストの言葉を英語に訳してもらいながら、ドットペインティングに登場するモチーフを学んでいく。水場を表現する円形の模様や、人間の男女の描き分け方、足跡の形で動物を表わすことなど、実際に赤土にモチーフを描きながら教えてもらう。

 今回の旅では、アナング族によるアートを見る機会が何度もあった。最初は美しいドットの連なりや細かい技術に魅せられるばかりだったが、モチーフの意味を知ってから見ると、その絵が表現するものが分かってくる。アートに内包された意味を探る姿勢を得たことは、今後芸術作品を鑑賞するなかでも非常に大きな意義をもたらしてくれるだろう。

 レクチャーのあとは、実際に自分の作品の制作に取り掛かる。落ち着いた色の絵の具を使って、黒いボードをドットやモチーフで埋めていく。作業テーブルにはモチーフと意味が記された解説書もあるので、分からなくなってしまっても安心だ。作品が完成したあとは、自分が描いたストーリーを発表したり、アナング族の先生が同じ制作時間で完成させた大作を鑑賞したり、ドットペインティングを心ゆくまで楽しんだ。

■ セグウェイでウルル外周を散策

 ウルルを訪れたら、ぜひセグウェイで岩の間近を散策してみてほしい。大迫力の岩壁のまわりをすいすい走りながら、陽光がウルルをより赤く染める美しい光景を堪能できる。

 普段はめったに乗る機会のないセグウェイを前にして不安が湧いてきたが、乗り方について説明を受けたあと、ツアーに出る前に簡易的なコースで練習することができる。乗っているうちに慣れてくるので、初めてセグウェイに乗る場合でも心配はいらないだろう。

 今回は、国立公園を移動することで場所に応じた解説が自動的に再生される日本語音声ガイドをレンタルしていた。セグウェイで移動している間にもさまざまなストーリーを聞くことができる。有料ではあるが、広大なウルルについてより詳しく知ることができ、言語も英語以外に北京語、日本語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語から選択できる。先住民の物語も実際の風景を見ながら聞けるので、散策する際は借りておくのがお勧めだ。

■ 満天の星空の下でいただく限定ディナー

 アナング族の言葉で「美しい砂丘」を意味する「タリウィル」。ウルルとカタジュタを望める砂丘で、サンセットと星空を眺めながらディナーを楽しめる。4月~10月15日の開催で、1回20名限定のラグジュアリーなディナー体験という特別感を味わうことができるので、記念日を祝う旅にもお勧めだ。

 ホテルからバスで会場へ。まずは見晴らしのよい砂丘のうえで、スパークリングワインや先住民の食材が使われたカナッペを楽しむ。アボリジナルの伝統的な管楽器「ディジュリドゥ」の音色が響くなか、沈みゆく夕陽と大地の赤色に徐々に影が落ちていく様子を眺めた。

 そのあとは、本格的なコースディナーとオーストラリアワインのペアリングを。メニューは変更されることもあるが、メイン料理のバラマンディやデザートのオーストラリア チーズ、ワインと、オーストラリアならではの食材を選択することが可能だ。ワインはそれぞれのメニューに合うお勧めのものが紹介されており、そのままペアリングを体験したり、あえて好きな品種を狙い撃ちしたりと、思い思いに堪能した。

 オーストラリアワインといえば、古樹もある黒ブドウのシラー(オーストラリアではシラーズ)が有名だが、これにぴったりのグリルド・ビーフをメインとすることもできる。夕食が終わりに差し掛かったころには、星座や先住民の物語の説明がはじまる。

 食事を楽しんだあとも、アボリジナルの文化に触れる時間は終わらない。焚き火を囲み、お酒をいただきながら、アボリジナルの文化や歴史などの話を聞く。実際の狩猟道具であるブーメランに触れることもでき、その重みを実感した。

■ 光のインスタレーションのなかで日の出を待つ

 早朝、イギリスの芸術家、ブルース・マンロー氏による大規模な光のインスタレーション「フィールド・オブ・ライト」に参加した。もともと、2016年4月に期間限定でスタートしたが、人気のアトラクションのため常設となったという。

 7エーカーの広大な大地に約5万本以上の茎に乗った電球が灯され、次々と色を変えていく。光の花畑のようなこの光景は、夜と早朝のツアーでのみ鑑賞することが可能だ。遠くから見るだけでなく、光のなかを歩いて幻想的な風景を満喫できる。

 移り変わる色を追うようにエリア内を散策しているうちに空が白みはじめ、赤土の大地とウルルが姿を現わした。明るくなってきたら、小高い丘の上へ戻り、陽の光で徐々に色を薄めていくイルミネーションを眺めながら、お菓子とホットチョコレートをいただく。刻一刻と変わっていく空と土の色、光の球体をぼんやりと望んでいるうちに、寒いウルルの夜が終わりを告げた。

■ たくさんの頭、カタ・ジュタの岩の間を歩く

 カタ・ジュタは、ウルル-カタ・ジュタ国立公園内にある巨石群で、「たくさんの頭」という意味を有する。「マウント・ワルパ」と「マウント・オルガ」の間には散策路があり、両側に巨大な岩壁を見上げる体験ができる。

 カタ・ジュタは、もとは1つの大きな岩だったものが、風化によって削られて36の巨石群へと分かれた。大きな石が固結した礫岩でできているため、石のつなぎ目で分裂しやすいのだ。このため、近くで見てみると、こぼれ落ちた岩の一部が地面に転がっていることがある。これに対し、ウルルは細かい砂が固結した砂岩なので、どこかが割れたり崩れたりすることなく、少しずつ周辺が削られていく。

 ルートを進むにつれて緑が減り、よりごつごつとした岩剥き出しの地面になってくる。転ばないように注意しながら、散策路のゴールを目指そう。

■ 逆さウルルを撮影するサンセット&キャメルに揺られるサンライズ

 旅の最後の夜は、夕暮れのウルルの変化を楽しめるサンセットツアーへ。30分ほど前から会場で待機し、スパークリングワインやおつまみを頬張る。ここではウルルを少し離れた位置から望めるので、シャンパングラスに映した逆さウルルの定番写真を撮影することも可能だ。サンセットが始まるとあっという間に暗くなっていくので、忘れず早めに撮影しておくようにしたい。

 最初は昼間の真っ赤なウルルと淡い色の空。時間が経つにつれてグラデーションが濃くなっていき、気づけばウルルは赤黒く、空にも影がかかっていく。

 夜の姿のウルルとはここでお別れだが、旅はまだまだ終わらない。翌日早朝の「キャメルエクスプレス」に参加しても、飛行機の時間には十分に間に合う。

「キャメルエクスプレス」では、なんとラクダの背中に乗り、解説を聞きながらウルルを望む散歩をすることができる。むせかえるような昼間の暑さから一転、ウルルの朝は日本の真冬のように寒いので、早朝のアクティビティを予定している場合は屋外での防寒アイテムをしっかり用意しておきたい。荷物を預け、水と貴重品を入れた細長いバッグを肩にかけよう。

 準備ができたら、牧場でラクダたちにごあいさつ。乗り方や降り方のレクチャーを受けたら、1列に連なったラクダに後ろから順番に乗っていく。全員の準備が整ったら、いざ出発だ。

 歩き始めたばかりのうちは、あたりは暗く、ラクダがのんびりと歩く心地よい揺れで思わず眠気が蘇ってきそうになる。だがしばらく経つと、遠くに見え始める光が。早朝特有の赤茶色の風景が徐々に広がっていき、背中に乗せてくれているラクダの表情も見えてくる。

 ウルルが見える場所まできたら、途中の丘で一旦休憩。スタッフにカメラを渡せば、乗っているラクダとの姿をひとりひとり写真に撮ってくれる。少し休んだあと、ラクダたちは再び牧場への道を歩き始めた。のんびりとした歩調に揺られ、徐々に温まってくる空気を感じているうちに、名残惜しさを残してツアーは終了する。

 牧場に戻ったら、相棒のラクダにお礼を伝えよう。一緒に写真を撮ったり、改めてふれあいの時間を楽しめる。受付のある建物では、それぞれのラクダたちの写真が載ったキーホルダーなど、「キャメルエクスプレス」のグッズを購入することも可能だ。自分が乗せてもらったラクダのアイテムがあれば、思い出に連れて帰るのもよいだろう。

■ ウルルとのお別れ

 朝食を済ませ、ホテルをチェックアウトしたら、飛行機でウルルからシドニーへ。赤土に乾いた草が生い茂る様子を上空から眺めつつ、ウルルをあとにした。

 シドニー空港に到着したら、シャトルバスで国際線ターミナルに移動する。このシャトルバスでは、めったに入れないような空港内の滑走路の間近を走ることができるので、飛行機好きの人にもぜひ利用してほしい移動手段だ。

 空港での待ち時間に便利なラウンジに入る際、「プライオリティ・パス」を活用する人もいるだろう。これまでシドニー空港には、プライオリティ・パスを提示することで割引を受けられるレストランはあったものの、会員が無料で利用できるラウンジはなかった。しかしながら、6月に世界60以上の「Plaza Premium Lounge」がプライオリティ・パスのプログラムに参加したことに伴い、シドニー空港国際線の「Plaza Premium Lounge」でもプライオリティ・パスを利用できるようになっている。パスを持っていれば、無料で飲み物をいただいて休憩したり、身支度を整えたりできるので、これから長い空の旅を控えている際はぜひ訪れたい。

 シドニーとウルルには、何度も訪れて体験したくなるようなアクティビティが充実していた。日本との時差も冬時間(4~9月)ではシドニーが1時間、ウルルが30分と短く、日本からの夜便の運航やラウンジのプライオリティ・パス対応など、空港もさらに利用しやすくなっている。シドニーのみであれば週末のうちに往復することもできるし、長期間滞在してウルルまでじっくり楽しむのもよいだろう。これまで、飛行時間が長いことから、まとまった休みが必要だろうと考えていたオーストラリア旅行。より気軽に訪れ、それぞれのエリアで地元の新たな一面を探したいと思った。

トラベル Watch,編集部:大竹菜々子 3週連続で金曜の同時刻(13:19)に発表された追加キャスト。これまで杉元&アシリパの前に脱獄犯・白石(矢本悠馬)と共に現れる笠原勘次郎役に島津健太郎、第七師団の伍長・玉井芳蔵役に山内圭哉が決定している。(編集部・石井百合子)

https://www.cinematoday.jp/news/N0140785

https://news.yahoo.co.jp/articles/ff06166cae3a6da5cec76188d917f184dd515c23


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイヌの儀式やあそびなど 二風谷小ハララキ集会 地域調査活動の成果発表【平取】

2023-12-30 | アイヌ民族関連

日高報知新聞2023.12.29

「むかしのあそび」で自分たちが作った弓と矢を使い狩猟の練習を見せる2年生

【平取】二風谷小(遠山昌志校長、児童16人)で20日、地域を知り学ぶハララキ調査活動の発表会「ハララキ集会」が開かれ、父母や地域住民、アイヌ文化振興公社、町教委などから約40人が参加して子どもたちの発表を聞いた。

 総合的な学習の時間で取り組みが行われており、アイヌ語学習10時間、ハララキ体験活動10時間、ハララキ調査活動50時間の計70時間を設けている。

 ハララキ調査活動は「地域」に関するもので、二風谷の特徴を知り、地域の自然、歴史、生活、文化などについて調べる学習。地域の歴史館、博物館の施設、地域の人たちと手を携えてともに学びながら個人の課題の解決を図ることを目的としている。活動は、1997年(平成9年)にスタートし今年で26回目を迎えた。地域や町教委の関根健司アイヌ文化学習係の協力で進められた。

 2年生(2人)は「むかしのあそび」について発表。シノッポンクは「弓と矢を作り狩猟の練習」、カックイは「地面に杭を突き刺し獲物に命中させる練習」など遊びの中で、生きるための力にしていたという。

 3・4年生(9人)は「アイヌの儀式」について発表。新しい鮭を迎える儀式で火の神、川の神に感謝し豊漁を願って祈る「アシリチェップノミ」、舟に新たな命を与える入魂の儀式で舟材を授けた山の神へ感謝し、川の神へ報告する「チプサンケ」、みんなが健康で幸せに生活できるように、神々に感謝を述べ、火の神が人間の言葉を伝える役割を果たすため、取り仕切る古老が炉で火をおこして感謝の祈りを捧げる「カムイノミ」などを挙げ、「調べることでいろいろなことを知り準備が大変であることを理解した」とした。

 5・6年生(5人)は「アイヌ差別」ついて発表。差別の有無や内容、原因などの5項目についてアンケート調査、資料を活用しまとめた。1950年代からさかのぼり差別の実態や13世紀ころからの歴史にも触れた。2019年アイヌ施策推進法ができ、法律に初めてアイヌ民族が先住民族と明記され、差別の禁止も明記されたとし、直接的、文化的、制度的な差別に対する取り組みについてまとめ発表した。

 3年の貝澤斗茉(とうま)君は「儀式について調べてむずかしかったけどいろいろなことを知れた。中でもカムイノミを実際に体験して興味を持った」と話した。

 最後に遠山校長は「アンケート調査、資料、材料提供など協力に感謝したい。アイヌ文化を学習し自信を持つことで自己肯定につながっていくと思う。これからもいろいろな意味でアイヌ文化を学習し発信していきたい」とあいさつした。

https://hokkaido-nl.jp/article/32247


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イスラエルのガザ攻撃は「ジェノサイド」?ルワンダの集団殺戮と強制移動から考える

2023-12-30 | 先住民族関連

グローブ+12/28(木) 7:05配信

イスラエル政府は「テロに対する自衛」という名のもとに、パレスチナ自治区ガザ地区で大規模な空爆と地上侵攻を続けている。国連が運営する難民キャンプや病院をも標的にしたその行為は、各国から「ジェノサイド」だと非難されている。と同時に、イスラエル政府は繰り返し民間人にガザ南部に移動するよう呼び掛け、ヨルダン川西岸と東エルサレムからパレスチナ人を隣国ヨルダンに強制移住させる必要性も訴えている。「ジェノサイド」と非難されながら、人々を強制的に移動させようとするイスラエルの意図はどこにあるのか。将来、ガザでの「ジェノサイド」を検証する際に役立つと思われるのが、2024年4月に発生から30周年を迎えるアフリカ中部ルワンダのジェノサイドだ。(米川正子=明治学院大学国際平和研究所研究員)

【写真】ルワンダの虐殺記念館に展示されているジェノサイド犠牲者の写真

現在のガザのように、ルワンダでもジェノサイドと並行して大量の強制移動が見られ、それによって国の人口構成が大きく変化した。ジェノサイドの定義と目的、および強制移動の目的を振り返りながら、ルワンダのジェノサイドの政治利用について解説したい。

筆者はこれまで、元ルワンダ愛国戦線(元反政府勢力で現政権。以下RPF)幹部数人を含むルワンダ難民、コンゴ民主共和国(コンゴ)難民、国連平和維持活動の国連ルワンダ支援団(UNAMIR)の軍人、ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR)関係者、欧米諸国政府やNGO職員など約100人の関係者に聞き取り調査をしてきた。その過程で、ルワンダ政府がジェノサイドを政治的利用したことが明らかになってきた。

ジェノサイドの定義と目的

そもそも、ジェノサイドとは何か。「ジェノサイド」とは、人種・種類や集団を意味する古代ギリシャ語の「genos」と、「殺害」を意味するラテン語の「cide」を組み合わせたのが語源で、1944年、ポーランド出身のユダヤ人法学者、かつ弁護士のラファエル・レムキン(Raphael Lemkin)によって初めて用いられた造語だ。

その後、1948年の国連総会で「集団殺害罪の予防と処罰に関する条約」(ジェノサイド条約)が採択されたことで、法的な定義が与えられた。

本条約の2条には下記のように定義されている。

ジェノサイドとは、国民的、民族的、人種的または宗教的な集団の全部または一部を集団それ自体として破壊する意図をもって行われる次のいずれかの行為をいう。

(a) 集団の成員を殺すこと

(b) 集団の構成員に重大な肉体的または精神的な危害を加えること

(c) 集団の全部または一部の身体的破壊をもたらすことを意図した生活条件を故意に集団に課すこと

(d) 集団内の出生を妨げることを意図した措置をかすこと

(e) 集団の子どもを他の集団に強制的に移すこと

ジェノサイド研究者の石田勇治氏によれば、ジェノサイドは要約すると「人間の集団としての存在を否定する行為」であり、ジェノサイドを「集団殺害」ではなく、「集団抹殺」と訳す方が適切であろうと指摘している。

ジェノサイドの定義については次の2点に留意すべきだ。

第一に、上記の定義から、被害者の数は国際法上のジェノサイドの要件として大きな意味はなく、その行為の意図が重要であることだ。なので、時おりジェノサイドを「大量殺戮(さつりく)」と訳されることがあるが、それは正確ではない。しかし集団破壊の意図を判断するのは容易ではなく、例えばアメリカにおける白人(警察も含む)による黒人の殺害はジェノサイドなのではないかという指摘もある。

第二に、ジェノサイド条約における定義が狭い点だ。

レムキン氏は、集団のアイデンティティーの破壊に大きな懸念を抱いていたが、 民族言語の使用の禁止、歴史的記念碑などの破壊など、集団の特性を破壊する目的の行為である「文化的ジェノサイド」は、条約には定義されていない。

そもそもレムキン氏はナチス・ドイツの暴力支配を告発するために、ジェノサイドという言葉を用いたが、その歴史は紀元前8、7世紀のアッシリア人によるジェノサイド的大虐殺以降、世界各地でたびたび記録されている。 ある学者によると、歴史に残る多様なジェノサイドの中で、よく記憶され、よく研究されている五大のジェノサイド(big five)とは、アルメニア、ホロコースト、カンボジア、旧ユーゴスラビアとルワンダを指す。

世界から忘れられたジェノサイド

その一方で、忘却された、あるいはほとんど国際的に認知されていないジェノサイドが世界各地で起きている。

認知されていない理由として、例えば西欧諸国が直接的、あるいは間接的にジェノサイドに関わったなど国際的な文脈や地政学的な主因が挙げられる。

前回の記事にも書いたように、1996~97年のコンゴ民主共和国東部で、ツチ主導のルワンダ軍がフツ(多数派)系ルワンダ難民数万人を殺戮し、国連はその行為をジェノサイドの特徴があると明言したのにもかかわらず、それについて国連安保理などで積極的に議論する姿勢が見られない。

コンゴ以外にも、下記のような忘れられたジェノサイドが記録されている。

・1803~1876年、オーストラリア大陸と周辺島でのイギリス人入植者による先住民族アボリジナルピープル6000人

・1843年以降、特に第1次世界大戦中、オスマン帝国でのトルコ人とクルドによるアッシリア人少なくとも3万人

・19~20世紀、ドイツでのドイツ人などによるロマ50万人

・1904~1908年、ドイツ領南西アフリカ(現ナミビア)におけるドイツ人によるヘレロ族6万人

・1950年以降、中国での中国人によるチベット族(数不明)

・1965~1966年、インドネシアでの共産主義者50万人

・1971年の東パキスタン(現バングラデシュ)でのパキスタン人によるバングラデシュ人300万人

・1972年、ブルンジでのツチによるフツ20万人

・1988年、イラク北部でのイラク系アラブによるクルド10万人

・2017年、ミャンマーでの軍によるロヒンギャ族(数不明)

2003年、そして現在も続くスーダンのダルフール地方における紛争もジェノサイドだと指摘されている。

日本が関わったジェノサイド(南京大虐殺、シンガポール華僑虐殺と関東大震災直後の朝鮮人虐殺)も忘れてはならない。

ジェノサイドは主に紛争中に実行される場合が多い。

その目的について、石田氏によると、「一見無目的で不合理なジェノサイドにも実行者の様々な具体的な目的があり、ジェノサイドはそのための手段として遂行されている」。

その目的には、戦争の勝利だけでなく、経済的富の獲得、実際の脅威または潜在的な脅威の排除、現実的または潜在的な敵に恐怖を広め、信念、理論、またはイデオロギーを実行することが含まれる。 そしてさまざまなジェノサイドの共通点として、「実行者はジェノサイドを正当化し、これに人々を動員するために、敵集団を悪魔化・非人間化するための言説や表象を創出すると同時に、自衛団のアイデンティティーを強化する」を挙げている。

強制移動の目的

前述のジェノサイド条約第2条(e)は、子どものみの強制移動を指すが、(c)の「集団の全部または一部の身体的破壊をもたらすことを意図した生活条件を故意に集団に課すこと」には、大人を含む強制移動が含まれる。

その理由は、法学者によると、「個人を故郷や国境を越えて、死亡率と罹患率が極めて高いことが予見可能な難民キャンプに強制移住させることは、人権侵害を伴う。これらの目的とした軍事行動は、国家的、民族的、人種的、宗教的集団の全体または一部を破壊する意図で行われたことは間違いない」。

しかし前述のように、住民の移動を強制する際に、実行者に特定の集団を破壊する意図があったのかが問われる。実行者が安全保障や経済的な理由から住民に移動を促した、あるいは一時的な避難を意図していた可能性もあるからだ。

そもそも避難(displacement)とは、住民が紛争や迫害から逃れるために、安全を求めて国内外に逃亡している動きと認識されている。が、政府や紛争当事者からすると、その同じ動きは追放(expulsion, deportation)という意味を持つことが多い。

さらに難民を含む集団の移動は、戦略的な理由で促進されることがあるため、強制移動は「外交政策、または安全保障を達成するための国家戦略の一部」として起きている。なので、住民の強制移動はジェノサイドの随伴的な現象というより、ジェノサイドの目的でもある。

強制移動には、土地と資源を得るための追放という経済的目的がある。それ以外にも、特定の地域の人口構成を変化させ、「それによって人口の存在そのものを危険にさらす」目的もある。

そのような人口移動は民族と関連している。なぜなら、避難民と、移動を強制する政府などのアクターは、一般的に異なる民族集団(または人種)の出身であるからだ。

上記の人口構成の変化には主に2種類がある。

一つ目は民族浄化で、特定に地域から人々を追放し、「望ましくない」人々を浄化すること。二つ目は民族統合で、すなわち民族間の相対的なバランスを変え、望ましい民族集団の経済的・政治的力を増大・強化するために、人口が少ない地域に再定住することだ。

特に強制移動が大規模であれば、避難民の不安定化と敗北だけでなく、彼らの財産や収入の喪失、経済的・社会的疎外による貧困の一因にもなる。最悪の場合、大規模な強制移動は特定の集団を消滅することもある。

上記のことをルワンダの事例と照らし合わせながら、さらに検証してみたい。

ルワンダのジェノサイドと強制移動

1994年4月から7月までの100日間に、50万~80万人が殺戮されたと言われるルワンダのジェノサイド。

ルワンダでは、それに先立つ1990年にツチ主導の反政府勢力「ルワンダ愛国戦線」(RPF)がウガンダからルワンダに侵攻し、フツ系のルワンダ政府との間で内戦が続いていた。1993年に和平合意が結ばれたが、その後も戦闘は続き、一般市民は殺害された。その内戦の延長線として、1994年の3カ月間、ジェノサイドが起きた。

【ルワンダ愛国戦線(RPF)】1959年の「社会革命」でルワンダ国外に避難したツチ難民によって、1987年、ルワンダに帰還するために、また単独政権だったハビャリマナ氏に複数政党制導入という民主化を強要するために、ウガンダで結成された政治的・軍事的組織。1994年7月以降はルワンダ政権与党。

ジェノサイドの引き金となったと言われるのが、1994年4月6日、ルワンダのハビャリマナ大統領(フツ)の暗殺だ。彼が乗っていた飛行機が⾸都キガリの国際空港に着陸する直前に地対空ミサイルで撃墜され、その翌日から政府軍・⺠兵とRPFの両者による殺戮が始まった。

殺戮の端緒となった大統領暗殺は誰の手によるものだったのか。

2010年、カガメ政権下のルワンダ政府の調査委員会は、当時のフツ系ルワンダ政権内部の過激派によるものだったとする報告書をまとめた。しかし、カガメ氏の元側近だったRPF元参謀長は、フランス主導の調査に対してRPFが実行したと証言。ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR)の特別調査チームも、カガメ氏が率いていたRPFが実行したと結論づけた。

ICTRの主任検察官カルラ・デル=ポンテ氏は「もしRPFが大統領機を撃墜していたのなら、(ルワンダの)ジェノサイドの歴史は書き直されなければならない。この状況は何十万人もの人々の死に対するフツ過激派の責任を決して軽減するものではないが、RPFに新たな光を当てることになるだろう」とまで述べている。 言い換えると、RPFが大統領機を撃墜したのであれば、RPFがジェノサイドを事前に計画し、RPFがジェノサイドの主な責任であることを意味する。

RPFのカガメ氏は、フツを殺戮して強制退去させることで、ルワンダ北部に「ツチ・ランド」をつくるという意図的な政策を開始。RPFは1990年にルワンダに侵攻以降、穀倉地帯である北部住民を追放し続けた結果、主にフツの住民約100万人が国内避難民となった。

同時に、RPFは、ツチ、フツを含むハビャリマナ政権の政治家、知識人、野党指導者、教師、実業家、RPFの反体制の人々を無差別に殺害した。ルワンダ政党の主要メンバーが一斉排除されて政治的空白が生まれる中、その政治的地位をウガンダなどから帰還したツチ元難民で埋めた。

1994年7月に、RPFが軍事勝利した。ジェノサイドによって80~100万人が殺戮され、同時期に旧政府の与党全員を含むルワンダ人250万人が国内外に逃亡した。当時の人口が700万人だったルワンダは、人口の半分が殺されたり避難したりしたことにより、国土の半分が「空き地」「空き家」になった。それらの多くは多数派フツが所有していたものだ。

RPFの軍事勝利後に、1959年の「社会革命」で隣国ウガンダ、タンザニア、コンゴ、ブルンジなどに避難していたツチ難民が帰還したのだが、彼らの中には国外で生まれ、帰還した際に初めてルワンダの地を踏んだ者もいる。家などの所有物がない彼らは、フツ避難者や死亡者が所有していた空き家や空き地を不法占拠した。それは国連によると、最も頻繁な人権侵害の形態の一つだった。

言い換えると、1959年のツチ難民の帰還とルワンダでの定住(空き地と空き家の不法占拠)、そしてRPF主導の政権転覆を実行するために、フツの人口追放と殺戮、つまりジェノサイドが必要だったと言っても過言ではない。

現実に、現政権のRPFは国民にさまざまな形で恐怖心を植え付けることにより、自称「望ましい」民族集団であるツチの経済的・政治的力を強化し、「望ましくない」フツやRPF体制に賛同しないツチの永久的追放に成功した。

ジェノサイド後、「ツチ=犠牲者、フツ=加害者」というレッテルが貼られたことにより、無辜のフツ市民でさえ、「ジェノサイド加害者」と間違って呼ばれることがある。これにより「敗者」であるフツのアイデンティティーも弱体化、あるいは消滅する可能性がある。その意味では、フツの「文化的ジェノサイド」も実行されたのだ。

そして「ジェノサイドを止めた」と標榜するRPFによるジェノサイドの政治利用はルワンダにとどまらず、隣国コンゴでも見られている。

現在のガザを見ると、ルワンダ同様にパレスチナ人がガザ地区からも追い出され、ふるさとに永遠に帰還できないのではないかと懸念を抱く。1948年、イスラエル軍によるパレスチナ人の村落の破壊により、大多数のパレスチナ人が恒久的に退去されたナクバ(アラビア語「大厄災、大惨事」の意)のように。ルワンダのジェノサイドの実態と影響について、今後さらに深堀りしたい。

米川正子

https://news.yahoo.co.jp/articles/b7550a6815bdb21d7e2687981b8485bcb0e382c0


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

知事定例記者会見(令和5年12月27日) 一部

2023-12-29 | アイヌ民族関連

北海道2023年12月27日

  • 日時/令和5年12月27日(水)14:31~15:28
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/21名(テレビカメラ1台)

知事からの話題

  1. NUMO(原子力発電環境整備機構)への要請について
  2. 今年を振り返って

記者からの質問

  1. NUMOへの要請について(1)
  2. NUMOへの要請について(2)
  3. NUMOへの要請について(3)
  4. NUMOへの要請について(4)
  5. NUMOへの要請について(5)
  6. NUMOへの要請について(6)
  7. NUMOへの要請について(7)
  8. 江差高等看護学院について
  9. 並行在来線の函館-長万部間について
  10. JR函館線 函館-長万部間の鉄道貨物輸送について
  11. 今年の漢字について
  12. 将来推計人口について
  13. 北方四島周辺水域における安全操業について
  14. ライドシェアについて(1)
  15. ライドシェアについて(2)
  16. 「北海道半導体関連産業振興ビジョン」について
  17. 北海道アイヌ協会の声明について
  18. NUMOへの要請について(8)

・・・・・・・

 

(北海道新聞)
 アイヌ民族への差別について伺います。自民党の杉田水脈衆議院議員が自身のブログで、アイヌ民族の女性たちについてコスプレなどと差別的な言動を投稿していたことが、昨年12月にわかりました。杉田議員はその後もですね、その投稿を削除したのですけれども、今年に入ってもSNSでアイヌ民族への差別的な言動の投稿を続けています。そうしたことを受けて、北海道アイヌ協会がですね、今月、アイヌの尊厳を著しく傷つけると、杉田水脈議員のですね、言動等を批判する声明を発表しました。アイヌ民族が多く住む北海道の知事として、杉田議員の投稿やその後の言動についてどう考えているか伺います。

(知事)
 アイヌ協会が声明を発出したということにつきましては、承知しています。私としてもですね、これは本年7月になりますが、アイヌ政策推進会議の場におきまして、アイヌの方々への差別、偏見があるという世論調査の結果を踏まえて、国民の皆さまに正しい理解の促進などにつきましては特に、大臣出席の中でお願いをしたところであります。当時、岡田(アイヌ施策担当)大臣だったわけでありますけれども、大臣からはですね、「インターネット上などのアイヌの方々に対する誹謗中傷への対応については、大変重要な課題であると認識している」と。「総務省、法務省が相談窓口を設けて、相談者に寄り添いながら必要な助言を行うなど、関係省庁と連携しながら今後とも毅然とした姿勢で対応していく」という発言が、担当の大臣からあったところであります。また令和6年度予算案におきましても、法務省の人権啓発事業としての予算の確保を行ったということで、国からも説明がありました。
 アイヌの方々に対しては、アイヌであることを理由として差別をすること、その他、権利利益を侵害する行為をしてはならないことは、法律でも定められています。道としても許されないものであるというふうに考えています。引き続き、北海道アイヌ協会、関係機関と連携、協力して、アイヌの方々の誇りが尊重される社会の実現に向けて取り組んでいきたいと考えています。

(北海道新聞)
 今、道の立場をおっしゃっていただいたと思うのですけれども、杉田水脈議員の投稿とその後の言動については、どう思うか教えてください。

(知事)
 詳細にどういった行動や発言をしているかというのは、私は報道で承知するのみでありますが、いずれにしても、アイヌであることを理由として差別することは許されないというふうに考えてます。

(北海道新聞)
 そうすると確認なのですけれども、杉田水脈議員の発言とか投稿とかは、そういったアイヌであることを理由に差別している、その差別にあたると考えているということでよろしいでしょうか。

(知事)
 過去の発言も含めて、詳細について把握はしていませんけれども、例えば総務政務官の当時、本人は過去の発言の一部を撤回し、当事者らに謝罪をしているという状況もあることから、そういった許されないものであったのではないかというふうに考えています。

(北海道新聞)
 北海道アイヌ協会も今月、先ほど知事もご発言ありましたが、批判的な声明を発表しております。その中で、やはり今後の対応が必要ではないかということも提言されていたのですけれども、知事としても、北海道として今後、アイヌ民族の方々への差別を止めるためにどのような政策が必要か、独自で何かやっていくようなお考えはあるのでしょうか。

(知事)
 これは、まさに総務省、法務省ともわれわれ連携いたしまして、世論調査などにおきますと、誹謗中傷を感じられている方が増加している状況もあるわけでありまして、そこはしっかり連携をしてですね、そういった誹謗中傷といったものに対しては、毅然として道としても対応していく、このことが必要だというふうに考えています。SNSなどといった形で発信されることも散見されますので、そういったものについては、しっかり法務省とも連携をとりながら対応していきたいというふうに思います。

https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tkk/hodo/pressconference/r5/175587.html


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする