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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

クリミア 先住民、「過激派」に指定 露側裁判所

2016-04-28 | 先住民族関連
毎日新聞2016年4月28日 東京朝刊
【モスクワ真野森作】ロシアのプーチン政権が2014年3月に一方的に編入したウクライナ南部・クリミア半島で26日、露政府支配下の地元裁判所は先住民族クリミア・タタール人の民族組織「メジュリス」を過激派団体に指定し、活動禁止を命じた。インタファクス通信が報じた。
 メジュリス指導部は編入反対の立場を貫き、ロシアにとって「目障りな存在」だった。ウクライナ問題で対立するロシアと米欧の新たな火種となりそうだ。
http://mainichi.jp/articles/20160428/ddm/007/030/122000c


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(社説)ヘイト法案 反差別の姿勢を明確に

2016-04-28 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2016年4月27日05時00分
 乱暴な言葉で特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチを、どうなくしていくか。
 自民、公明の両与党が国会に出した対策法案の審議が、参院法務委員会で続いている。
 野党側はすでに昨年、独自案を出しており、少なくとも与野党は、法整備の必要性では一致したことになる。
 運用次第では「表現の自由」をログイン前の続き脅かしかねないとして、法学者らの間には慎重論も根強い。確かに、何を対象にどう規制するか難しい問題をはらむ。
 だが近年、ヘイトスピーチは収まる気配がない。高松高裁は一昨日、朝鮮学校に寄付をした徳島県教組を攻撃した団体の活動を「人種差別的思想の現れ」と認め、賠償を命じた。
 少数派を標的に「日本から出て行け」といった差別をあおる言説は各地でみられる。人権侵害をもはや放置するわけにはいかない。何らかの立法措置も必要な段階に至ったと考える。
 与野党両案ともに罰則規定はなく、理念法にとどまる。社会の最低限のルールとして差別は許されないことを明記すべきだが、一方で「表現の自由」を侵さないよう最大限の配慮をする姿勢は崩してはなるまい。
 国連は、人種差別撤廃条約を21年前に批准した日本で国内法が整っていないことを問題視している。人種や国籍を問わず、差別に反対する姿勢を明示するのは国際的な要請でもある。
 与野党は、狭い政治的利害を超え、普遍的な人権を守る見地から透明性のある議論を重ね、合意を築いてほしい。
 今後の審議は与党案が軸になるだろうが、問題点がある。
 与党案は差別的言動を受けている対象者を「本邦外出身者とその子孫」としている。だが、これまでアイヌ民族なども標的となってきた。ここは「人種や民族」と対象を広げた野党案を採り入れるべきだ。
 また、与党案が「適法に居住する(本邦外)出身者」と対象を限定しているのも理解に苦しむ。在留資格の有無は本来、差別と無関係であり、難民申請者らに被害がおよびかねない。
 自民党ではこれまで、ヘイトスピーチを本来の趣旨とは異なる形で利用しようとする言動があった。脱原発デモや米軍基地への反対運動への法の適用を示唆するような発言があった。
 懸念されるのは、まさにそうした政治や行政による乱用である。人種や民族に対する差別行為をなくす本来の目的のために、恣意(しい)的でない的確な運用をいかに担保するか。その監視のあり方も十分論議すべきだ。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12330171.html?_requesturl=articles%2FDA3S12330171.html&rm=150

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国連見解「沖縄の人々は先住民族」に自民議員が猛反発「民族分断工作だ」 政府も「撤回働きかける」

2016-04-28 | ウチナー・沖縄

産経新聞 2016年4月27日 16時38分
 国連の人種差別撤廃委員会が2014年9月に沖縄の住民を「先住民族」と承認するよう日本政府に検討を求めた見解に対し、木原誠二外務副大臣は27日の衆院内閣委員会で「事実上の撤回、修正をするよう働きかけたい」と述べ、政府として対応する考えを示した。自民党の宮崎政久氏(比例九州)の質問に答えた。
 国連では人種差別撤廃委や自由権規約委が08年から4回にわたって沖縄に関する見解を表明し、「琉球・沖縄の人々を先住民族として承認しない立場を遺憾に思う」などとしてきた。外務省の飯島俊郎参事官は27日の内閣委で「政府が先住民族と認識している人々はアイヌ以外に存在しない。これらの(国連の)委員会による最終見解や勧告などは法的な拘束力を有するものではない」と強調した。
 沖縄県を地盤とする宮崎氏は質問で「(日本人に)沖縄県民が先住民族だと思っている人はいない。誠に失礼な話だ。民族分断工作と言ってもよい。放置しないでほしい」と、政府に毅(き)然(ぜん)と対応するよう求めた。
 また、自由権規約委は14年8月、「コミュニティーの伝統的な土地や天然資源に対する権利を十分保障するためのさらなる措置をとるべきだ」などと日本政府に法改正まで求めている。この見解についても、宮崎氏は「尖閣諸島(沖縄県石垣市)を含む沖縄の土地や天然資源が、どこに帰属するのかを問題にされかねない。沖縄は尖閣諸島を含めて日本の国土だ」と批判した。
http://www.sankei.com/world/news/160427/wor1604270020-n1.html

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国連見解「沖縄の人々は先住民族」に政府が反論

2016-04-28 | ウチナー・沖縄
産経新聞4月27日(水)13時5分
 木原誠二外務副大臣は27日午前の衆院内閣委員会で、国連の人種差別撤廃委員会などが沖縄の人々を「先住民族」とする見解を示していることに対し「事実上の撤回、修正をするよう働きかけを行っていきたい」と述べた。自民党の宮崎政久氏の質問に答えた。
 また、外務省の飯島俊郎参事官も「政府として、先住民族と認識している人々は、アイヌ以外に存在しない。これらの委員会による最終見解や勧告などは法的な拘束力を有するものではない」と強調した。
 宮崎氏は「(日本人に)沖縄県民は先住民族だと思っている人はいない。誠に失礼な話だ。民族分断工作と言っても良い。放置しないでほしい」と政府に毅然とした対応を求めた。
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0427/san_160427_4112089620.html

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4道県の縄文遺跡群、世界遺産推薦候補に 知事ら国に要望

2016-04-28 | アイヌ民族関連
北海道新聞 04/27 07:00
 北海道、青森、岩手、秋田の4道県の知事・副知事と国会議員の議連は26日、文部科学省を訪れ、「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の2018年の世界文化遺産登録に向け、今年の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の推薦候補に決定するよう馳浩文科相に要望した。
 4道県の代表を務める青森県の三村申吾知事は「縄文文化は、協調的な社会が1万年以上発展・成熟した人類史上極めて稀有(けう)な先史文化」とアピール。山谷吉宏道副知事は「北海道の縄文文化はアイヌ文化に脈々とつながっている。自然との共生などの精神性を4道県と世界に発信したい」と訴えた。道内からは工藤寿樹函館市長も出席した。
 馳氏は「結集した取り組みが評価されるので機運を盛り上げてがんばってほしい」と激励。先立って面会した宮田亮平文化庁長官は「縄文文化があることによって現在の日本がある。私も深く興味を持っている」と語った。
 縄文遺跡群は、三内丸山遺跡(青森市)や北黄金貝塚(伊達市)など17遺跡で構成。09年に遺産候補の暫定リスト入りし、13年から審査されてきたが、3年連続で推薦を逃している。
 18年登録を目指す国内候補はほかに「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎県、熊本県)、「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」(新潟県)、「百舌鳥(もず)・古市古墳群」(大阪府)がある。文化審議会は早ければ7月下旬をめどに推薦候補を1件に絞り込む。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/entertainment/culture/culture/1-0264042.html

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武田信広(下)「アイヌの蜂起」がもたらした覇権

2016-04-28 | アイヌ民族関連
2016.4.26 16:00更新
 若狭国(福井県西部)の名門・武田氏の出身か、あるいは下北半島の小土豪か? 出自は謎に包まれているものの今回の主人公、武田信広(1431~94年)は長禄元(1457)年、本州からはるばる蝦夷地(北海道)へと逃れてきた。新天地で再起を期す決心だったのだ。そして、時代は「北海道の戦国時代」へと突き進んでゆく。信広はどう戦い、覇権への道を歩んだのだろう。
 ●コシャマインとの戦い
 北海道で最も古い歴史書とされるのは江戸時代初期の正保3(1646)年、松前景広(まつまえかげひろ、松前藩初代・慶広の六男)が記した「新羅之記録(しんらのきろく)」である。「北海道の日本書紀」ともいわれるこの書物に従い、信広の奮闘ぶりを見ていくこととしたい。
 このころ、渡島半島南部には和人の設けた館が12あった(道南十二館=どうなんじゅうにたて)と書かれている。東端の志濃里館(しのりのたて、函館市)から、時計回りに半島西部、日本海側に面した上之国(かみのくに、檜山郡上ノ国町)花沢館まで並んでいる。12という数が正確かどうかは別として、それぞれの地域に土豪が割拠していたということだろう。
 信広がまだ、本州にいた康正2(1456)年春、彼の運命を変えるできごとが志濃里で発生していた。和人の経営する鍛冶屋にアイヌの青年が訪れ、注文していた小刀を受け取ろうとして、価格をめぐって鍛冶職人と口論となった。そして職人は激高のあまり、青年を小刀で殺害してしまったのだった。
 アイヌと和人はそれまで、基本的には平和裏に付き合っていた。和人はアイヌから毛皮などの特産品を購入するかわりに、工具や武器、コメなどを与えていたのである。
 ところが、この殺人事件をきっかけに、双方の関係が怪しくなった。翌年、アイヌの首長コシャマイン(胡奢魔犬)に率いられた男たちが道南で蜂起する。コシャマインは、道南東部のアイヌを統率していた勇者だったようである。
 当初、アイヌの勢いはすさまじく、志濃里館をはじめ10の城館が次々と落ちてしまったという。信広が蝦夷地に入ったのは、ちょうどこのころだったのだ。新羅之記録によると、信広は上之国花沢館の館主、蠣崎季繁(かきざきすえしげ)の客将だったとある。
 ●軍功により蠣崎家を継ぐ
 函館市志海苔(しのり)町に、国の史跡に指定された「志苔館跡」という中世城館遺跡がある。コシャマイン蜂起のきっかけとなった志濃里館があったところで、約4100平方メートルが発掘調査され、土塁や井戸、掘立柱建物跡などが復元されている。この時代の本州にみられる山城とはタイプが違うが、激しい戦闘の行われたことを想像させる遺跡である。
 アイヌは東側から攻め立てたのだろう、現在の松前町に至るまでの海沿いの城館は、すべて落城してしまった。残るは信広らの籠る上之国の花沢館と、同じ上之国町の比石館(ひいしだて)だけになった。
 新羅之記録によれば、信広は残った軍勢の総力を挙げてアイヌと戦ったとある。そしてついに勝利し、コシャマイン父子を討ち取った。信広はこの軍功によって、蠣崎季繁の養女をめとり、蠣崎家を継ぐことになったとある。
 松前氏の歴史を研究している新藤透・山形県立米沢女子短大准教授(日本近世史)に、このあたりの真偽をただしてみよう。新藤准教授は、誇張も少なくないが信広がコシャマイン父子を討ち取ったことは間違いなく、蠣崎家を継いだのも史実だろうと見る。
 「しかし、これで道南の和人社会を統一できたわけではないでしょう。10の館の城主らも、討ち死にしてしまったのではなく、彼らとの争いは続いたと思います」
 ●子孫が成し遂げた大名化
 信広は上之国に、新たな居城として勝山館(かつやまだて)を築いた。標高約160メートルの夷王山(いおうざん)の中腹の尾根を利用した、防御性に優れた山城である。この城跡も発掘調査され、「上之国館跡」として国の史跡に指定されている。
 信広はこの地で生き、嫡男の光広をもうけた。そして明応3(1494)年、64歳で亡くなった。彼の代では「蝦夷地統一」という悲願は果たせなかったが、子孫は北海道唯一の松前藩主となって、明治まで続いた。信広の非凡さは、北海道の歴史の中で燦然(さんぜん)と輝くといっていいだろう。
 若狭の名門の出身ではなく、下北半島の土豪の出にすぎなかったとしても、彼はやはり奇人中の奇人であった。厳しい自然や荒くれた和人たち、ときとして反乱をいとわぬアイヌたちに交じって、この地を「夢の大地」にしようと粉骨砕身したのだから。
 ちょうど15年前の平成13年夏、勝山館跡を訪ねた。町教委の担当者から、館跡に続く墓地にはアイヌの墓もあると聞かされた。信広は、アイヌとも共存していたのだ。
 夷王山の山麓を流れる天の川の河口には、港湾が設けられていたという。発掘調査によって古銭なども出土し、ここが中世蝦夷地海運の拠点だったことが裏付けられている。
 山頂にある夷王山神社に登ると、はるかに天の川の河口まで見渡せた。北海道の夏の風は、本州のそれとは違ってさわやかだった。約550年前、信広が眺めたのと変わらない光景なのだろう。そう思い至り、深い感動を覚えた。
  =「奇人礼讃」は今回で終了します
渡部裕明(わたなべ・ひろあき)
産経新聞客員論説委員。愛媛県今治市生まれ。昭和49年入社。京都総局や奈良支局、大阪社会部、大阪文化部などで宗教・文化財の取材を長く担当した。東京本社論説副委員長、大阪本社論説委員兼編集委員など歴任。現場主義をモットーにしながら、読者にわかりやすく興味深い日本史像の提供を目指している。産経新聞毎月第一火曜日朝刊に「國史へのまなざし」を連載中。邪馬台国論争では、邪馬台国は大和盆地にあり、初期ヤマト政権につながっていったと考えている。共著に「運慶の挑戦」「親と子の日本史」など。
http://www.sankei.com/west/news/160426/wst1604260008-n1.html

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北海道補選で当選した自民党・和田候補の選対幹部に有名"ヘイト"活動家が! アイヌ、韓国差別発言を連発

2016-04-28 | アイヌ民族関連
LITERA4月26日(火)9時0分
 先日4月24日、衆議院補欠選挙が北海道5区と京都3区で行われた。とりわけ注目を集めていたのは、与野党の全面対決の構図となった北海道5区。自民公明が推薦した和田義明氏(自民党)と、民進党や共産党、生活の党と山本太郎となかまたちなどが推薦した池田真紀氏(無所属)の一騎打ちは"野党共闘"が進む夏の参院選の前哨戦と位置付けられていた。
 投票の結果、当選したのは自民党の和田氏だったが、票差はわずか約1万2千票という大接戦。もともと、この北海道5区は町村信孝元官房長官の選挙区で、その娘婿である和田氏の圧倒的有利と目されていたが、選挙が近づくにつれ池田氏が猛追、一時は池田氏逆転のデータも上がっていたのだ。「震え上がった官邸が総力戦に持ち込んで得た薄氷の勝利です」と政治部記者が解説する。
「官邸は菅官房長官らの指揮のもと、閣僚クラスを続々と現地に応援に行かせ、緩んでいた公明党にもハッパをかけて学会員票をフル動員させました。菅官房長官も現地入りしましたが、そのときわざわざ東京から大手ゼネコンの幹部を連れてきてまで動員をかけたとの情報もあります。また、自民不利の風向きが変わったのは、熊本地震の影響もあったでしょう。投票日前日に安倍首相の現地視察を設定するなど、露骨にメディアで"安定感"を演出した戦略はやはり効果があった。一方の野党は、安倍政権との対立軸を打ち出す戦略が地震関連の報道で埋もれましたし、安保関連法の廃止についても官邸がNHKなどに『自衛隊の活躍を積極的に報じよ』と号令をかけ、打ち消しに務めたと言われる。そもそも、よく災害の後は支持率が上がると言われるように、安倍政権としては"勝ちを拾った"選挙。参院選ではどうなるかわかりませんよ」
 また、この北海道5区の大苦戦を見て、党本部と官邸は衆参同日選の見送りを決めたとの一部報道が出ているが、この政治記者曰く「官邸はまだダブル選で不意打ちするプランを捨てていない。マスコミを使った情報戦はこれからも続く」という。いずれにせよ、議席数だけ見れば、京都3区で民進党候補が勝利した補欠選は"引き分け"だが、それ以上の"脅威"を安倍政権に印象付けたのは想像に難くない。
 一方、今回の北海道5区補選には、もうひとつ、注目すべき点があった。それは、自民党の和田義明陣営で、在特会(在日特権を許さない市民の会)らヘイト集団界隈と深いつながりを持つ人物が、選挙を仕切っていたという事実だ。
 その"ヘイト界隈と深いつながりのある人物"とは、前札幌市議のK・T氏。自民党所属で日本会議北海道本部常任理事であるK氏は2010年の札幌市議補選で初当選、15年の統一地方選で落選しているが、その思想は差別と陰謀論にまみれた極右そのものである。
 たとえば、11年2月の市議会では「朝鮮学校への補助金支出について、停止を含めた見直しを検討すべき」と訴え、また自身のFacebookでも〈アイヌ問題は、非常に危険なお話であります。外国人勢力と利権を貪る危険な勢力に利用された国益を脅かす問題です〉〈アイヌは先住民族ではありません〉〈札幌市役所は北朝鮮と中国共産党、韓国をはじめ、日本国内で活動している「反日勢力の支援機関」〉などと人種・民族差別、陰謀論を連発している。
 しかも、K氏が講演会や集会、街宣などに頻繁に参加するなど、深く携わっている「日本のため行動する会」(日行会)は北海道を拠点とする在特会の流れを組んだヘイト市民団体。K氏はFacebookで同会に〈先月の選挙では大変お世話になりました〉と謝辞を述べるなど、積極的に協力を得ていた形跡がある。また、「朝鮮人は常識がなく知能が低い底辺民族!」「韓国を日本から追い出すための新しい憲法をつくるぞー!」など、聞くに堪えないヘイトスピーチを連呼していた「自主憲法を願う道民会議」なる団体主催のデモでもトラメガを持って街宣し、自身のホームページで誇らしげに活動報告するなど、筋金入り極右レイシストなのだ。
 こんな人物に札幌市議として血税が支払われていたこと自体、愕然とするが、しかしもっと恐ろしいのは、前述したとおり、今回の北海道5区補選で、自民党の和田氏がこのK氏を「選対の遊説隊長」に抜擢していたことだ。和田氏は、自身のFacebookで今年3月13日にこんな投稿をしている。
〈3月13日、「K・T(文中は実名)春の集い」にお招きいただきました。
同日・同時刻に民主党の岡田代表はじめ相手陣営の演説会が新さっぽろ駅前でありました。戦う市議会議員、K先生らしく合わせたのかとおもいきや向こうが合わせてきたようです(^^ゞ
K先生には、厚別区の街頭演説や駅立ち、お茶懇など本当にお世話になっております。また、和田よしあき選対の遊説隊長をお引受けいただきました。勇気100倍です!〉
 ようするに和田氏は、アイヌ民族やコリアンに憎悪を振りまいて差別を扇動するような人物に「お世話」になっていて、選挙演説の指揮官就任までお願いしているのだ。しかも、K氏のホームページなどを見ると、これ以前から和田氏とK氏は昵懇の仲だったようだ。繰り返すが、和田氏は町村元官房長官という有力政治家の"後継者"だ。その人物が、極右ヘイト界隈に人脈を持つK氏を頼り選対の中心に据えたのは、ネット右翼や行動保守の動員力に期待しただけでなく、和田氏自身の思想信条も人種・民族差別に染まっていると思わざるをえないだろう。
 だが、考えてみればそれも当然かもしれない。ネット右翼から熱烈な支持を受ける安倍政権だが、実際これまでも、稲田朋美政調会長や高市早苗総務相などの閣僚に、在特会などヘイト勢力との"親密な関係"が報じられてきた。特に稲田政調会長に関しては、本サイトでも既報のとおり、裁判所からも"在特会との蜜月"が事実認定されている。しかも、安倍首相自身、当時在特会関西支部長だった男性と仲良くツーショット写真を撮るような人間だ。あらためて言うまでもなく、こうしたヘイト勢力が安倍政権を支援するのは、連中と安倍政権がグロテスクな差別思想を共有しているからだろう。
 こうした安倍政権とヘイト勢力との関係は、国内外でこの事実が盛んに報じられた一昨年以降、しばらくの間なりを潜めたかのように見えた。実際、自民党ではこれ以上"スキャンダル"が出ないよう、議員に付き合う人間がヘイト市民団体関係者でないかチェックせよとのお達しが出たとも言われる。だが、今回の北海道補選でわかったのは、未だに自民党はヘイトスピーチを連呼する市民団体との関係を断ち切っていないという現実だったのだ。
 現在、国会ではヘイトスピーチを抑止する法案が審議に入っているが、こうして安倍自民党の変わらないヘイト勢力との蜜月をまざまざと見せつけられると、連中に本当に差別を根絶しようという気がないのは明らかだろう。しかも、先日提出された与党案は、ヘイトスピーチの定義をねじ曲げて、表現の自由を規制しようとしているようにしか見えないシロモノだった。事実、昨年例の文化芸術懇話会で「沖縄メディアは左翼勢力に完全に乗っ取られている」との発言で問題視された自民党の長尾敬衆院議員は、このヘイトスピーチ抑止のための与党案についてSNSで、「沖縄の米国人に対するヘイトスピーチにも関連する」「米国軍人に対する排除的発言が対象」などと説明している。
 差別を事実上野放しにし、しかも、ヘイトスピーチの定義を曲解して表現の自由を圧殺しようとする。この安倍政権の暴挙を止めるためには、やはり、来る選挙で自民党議員を落選させるしかない。野党共闘の効果は票数に確実にあらわれることが証明された。北海道5区補選の当落結果だけ見て落胆している場合ではないのだ。
(梶田陽介)
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0426/ltr_160426_4309307401.html

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京都・岡崎エリアを回遊する音楽祭〈OKAZAKI LOOPS〉の詳細が明らかに

2016-04-28 | アイヌ民族関連
コロカルニュース posted:2016.4.24  from:京都府 / 左京区
9月3日(土)・4日(日)、京都市左京区岡崎にて音楽、アート、パフォーマンス、伝統工芸、食など、さまざまな文化が融合する音楽祭〈OKAZAKI LOOPS〉が開催されます。
先日、京都にて記者会見が開かれ、この音楽祭の内容が発表されました。
ディレクター陣は広上淳一さん(クラシック音楽)、高木正勝さん(音楽)、名和晃平さん(美術)、首藤康之さん(ダンス)、細尾真孝さん(伝統工芸)の5名。メイン会場となるのは平安神宮や劇場、美術館、動物園などを有する文化ゾーン、岡崎にあるロームシアター京都。
主催のOKAZAKI LOOPS実行委員会の委員長、藤井宏一郎さんによると、キーワードは「クロスジャンル」。さまざまな分野の融合から未来の音楽や文化を生み出していくことを目指しています。
5人のディレクター陣による演目は次の通り。初日、ロームシアター京都のメインホールでは、 映像作家/音楽家の高木正勝さんがアイヌ歌唱、パーカッション、ジプシーヴァイオリン、インド楽器など、さまざまなジャンルのアーティストとともにコンサートを開催。現代の「村祭り」のような舞台が実現しそうです。
同じく初日のメインホールにて、バレエダンサーの首藤康之さんは西陣織の老舗「細尾」の細尾真孝さんとコラボレーション。 「細尾」が衣装を手がけ、新作を披露します。
京都を拠点とする彫刻家、名和晃平さんはベルギーのダンサー/振付家、ダミアン・ジャレさんとコラボレーション。ダンサーとして森山未來さん、音楽には原 摩利彦さんなどが参加します。 3日・4日、ロームシアター京都のサウスホールにて開催。
指揮者の広上淳一さんの演目は、後日発表されるそう。サイトウ・キネン・オーケストラや水戸室内管弦楽団などを指揮し、 各方面から絶賛された広上さん。ファンの注目度が高まります。
OKAZAKI LOOPS〉はロームシアター京都のほか、みやこめっせ、京都国立近代美術館など、 岡崎市内の施設とそれらをつなぐエリアも会場となります。
みやこめっせでは〈ALMA MUSIC BOX:死にゆく星の旋律〉コンサートを開催。〈ALMA MUSIC BOX〉とは、蓮沼執太さん、クラムボンのmitoさん、高木正勝さん、伊藤ゴローさん、スティーヴ・ジャンセンさん、クリスチャン・フェネスさんらがアルマ望遠鏡のデータから生まれたメロディをもとに、楽曲を制作したプロジェクト。
コンサートでは、同プロジェクトに参加したアーティストと京都市交響楽団とコラボレーションします。(出演者は後日発表)
京都国立近代美術館では、先駆的なアーティストとして世界的に活躍するアーティスト/プログラマー、真鍋大度さんとプログラマー/工学博士/アーティストの徳井直生さんが〈2045〉を開催。
これまでに3回開催された〈2045〉では、観客の位置情報やiPhoneに入っているプレイリスト+会場のセンサーデータを使い、自動ミックスのアルゴリズムによって楽曲を生成し、人工知能がDJプレイをしたのだとか。 京都国立近代美術館では、何が起きるのでしょうか。これは楽しみですね!
さらに3日・4日は、平安神宮の夜の拝観が可能に。平安神宮などを舞台に毎日放送、KBS京都、αステーションのアナウンサーとゲストによる朗読劇が行われます。夜の平安神宮、ぜひ訪れてみたい!
このほか〈OKAZAKI LOOPS〉では、マーケットの開催なども予定しています。今年の9月は京都・岡崎がにぎわいそうですね。
information
OKAZAKI LOOPS 
開催日:2016年9月3日(土)・4日(日)
会場:ロームシアター京都 ほか
OKAZAKI LOOPSディレクターズ:広上淳一(京都市交響楽団常任指揮者)/高木正勝(映像作家/音楽家)/名和晃平(彫刻家)/首藤康之(バレエダンサー)/細尾真孝(西陣織「細尾」取締役)
主催:OKAZAKI LOOPS実行委員会(京都市/公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団/京都新聞社/株式会社エフエム京都/株式会社京都放送/有限会社エピファニーワークス/公益社団法人京都市観光協会/京都市立芸術大学)
Web:OKAZAKI LOOPS ロームシアター京都
http://colocal.jp/news/71494.html

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先住民族の村を訪ねた気分になれるボルネオ島の本格的な文化村

2016-04-26 | 先住民族関連
CREA WEB 4月25日(月)12時1分配信
Magnificent View #937
サラワク・カルチュラルビレッジ(マレーシア)
 マレー系や中華系が入り混じる、多民族国家のマレーシア。なかでも、マレー半島の東にあるボルネオ島には、本土以上にさまざまな民族が暮らしている。
 そんな多様な民族に触れられるのが、この施設。ボルネオのサラワク州に暮らす27の民族のうち、7つの先住民族の伝統的家屋を再現している。
 各住居で迎えてくれるのは、民族衣装をまとった先住民族の人々。ある家では吹き矢の名人に出会い、ある家では弦楽器を弾き、ある家では地酒をご馳走になったりと、テーマパークといえども、実際に民族が暮らす村を旅しているかのような気分が味わえる。
 赤道間近に位置するサラワク州は、一年を通して暑い地域。だが、どの家も外観は質素ながら、湿気を防ぎ涼しさを取り入れるための工夫がされているので、屋内はひんやりとして快適。居心地がいいうえに文化も学べるとあって、サラワク州では定番の観光地となっている。
http://crea.bunshun.jp/articles/-/10309

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ピアソン夫妻の足跡写真集に 北見のNPO法人発刊 「スキー場発祥地」裏付け

2016-04-26 | アイヌ民族関連
北海道新聞 04/26 07:00

 米国人宣教師ピアソン夫妻がかつて暮らした邸宅、ピアソン記念館(北見市幸町)を管理運営するNPO法人ピアソン会は、夫妻の北見などでの暮らしぶりを紹介する写真集「ピアソン夫妻の足跡」を発刊した。2014年の築100年を記念した事業の一環で、初公開となる写真や、編さん過程で新たに判明した事実も収録。国籍の枠を超え、布教や地域発展に奔走した夫妻の熱意に触れることができる。
 ピアソンは1888年(明治21年)に来日。札幌や旭川など道内各地で布教活動をした後、アイダ夫人と15年間、北見で布教とともに遊郭反対運動やアイヌ民族支援に尽力した。
 写真集には、同館所蔵のものを中心に77枚を解説付きで収録。小説家の有島武郎や、野付牛村(現・北見市)に入植し北光社農場を開いた坂本直寛(坂本龍馬のおい)、自ら私財を投じて建てたピアソン寮で暮らす野付牛中(現・北見北斗高)の生徒たちとの記念写真など、夫妻の交流の広さがわかる。
 編さんにあたり、同会では夫妻と縁があった学校法人や協会、婦人団体など道内外十数カ所への聞き取り調査を実施した。
 このうち、異なる年代や場所で複数枚収録されている、アイダ夫人と着物姿の日本人女性らが胸におそろいのリボンを付けて並ぶ写真は「今までどういったつながりの集まりかわからなかった」(同会)というが、今回の調査でリボンが遊郭廃止などに取り組んでいた日本基督教婦人矯風会のものと判明。同会は宗派を超えた集まりとされており、ピアソン会の伊藤悟事務局長は「アイダ夫人が女性の地位向上に率先して取り組んだことを改めて証明する一枚」と話す。
 ピアソン邸の建つ丘で2人の宣教師がスキーを楽しむ写真は、1921年(大正10年)に撮影。ピアソンが以前、教員を務めていた北星学園(札幌)が今回新たに提供した。市の記念誌「歴史の散歩道」では、この丘が大正時代に「北見のスキー場発祥地になった」と紹介しており、それを裏付ける希少な一枚となりそうだ。
 A5判92ページ。700円。ピアソン記念館でのみ販売している。問い合わせはピアソン会(電)0157・31・1215へ。(中橋邦仁)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doto/1-0263473.html


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映画『神聖なる一族24人の娘たち』劇場公開決定

2016-04-26 | 先住民族関連
CINEMA TOPICS ONLINE-(2016/04/26 00:56)

『神聖なる一族 24 人の娘たち』(配給:ノーム)が、シアター・イメージフォーラム他にて9月下旬よりロードショー公開されることが決定いたしました
ロシア西部のヴォルガ川流域に広がる魔法の国のような世界。そこはマリ・エル共和国。
自然崇拝と大らかな性で人生を謳歌する人々の摩訶不思議な物語がベールをぬぐ―。
500 年もの間、ヴォルガ河畔で独自の言語と文化を保ってきた Mari(マリ)人たち。ロシア連邦の中で際立って特異な民族で、どこにもない宗教や世界観を持ち、今も様々な伝承が息づいている。本作は、マリの女性たちにまつわる説話を映画化。ロシア版「遠野物語」や「アイヌ民話」のような、優しくて哀しい不思議な世界が広がる。
理想的な夫を選ぶ目を養うためにバケツいっぱいのキノコの形を丹念に調べるオシュチレーチェ。小枝のようにか細い体を豊満な体にするため、裸の体を布で拭くまじないを施されるオシャニク。友だちにそそのかされ、夫の股間の匂いを嗅ぐことで浮気の確証を得ようとするオーニャ。夫に想いを寄せる醜い森の精霊に呪いをかけられてしまうオロプチーなど、名前が「O」から始まる24 人の娘たちの”生“と”性“についての物語が幕をあける。嘘か誠か、真実は風の中。
A.タルコフスキー、A.ソクーロフ、A.ゲルマンに続く、ロシアの新たな鬼才アレクセイ・フェドルチェンコ監督作、遂に日本公開。
長編デビュー作「ファースト・オン・ザ・ムーン」(05)で、ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・ドキュメンタリー賞を受賞、「サイレント・ソウルズ」(10)で、同映画祭の撮影賞と国際批評家連盟賞を受賞するなど、ロシア映画の第三世代として高い評価を得ているフェドルチェンコ。ドキュメンタリーやフィクションなど作品ごとに手法を変え、独特の世界観で各国の映画人を魅了し続けている。
本作は、マリ出身の脚本家であり作家のデニス・オソーキンと組み、消えゆくマリ文化の中の女性たちに光をあてた。四季を通して撮影された本作は、大自然の豊かな色彩の広がりと、透き通る肌の女性たち(プロとアマチュアを起用)の瑞々しさに溢れている。そして世俗的な現代社会に染まらない、活き活きとした人々の暮しを、時にグロテスクに、時に印象派の絵画のように美しく映し出す。
□作品詳細『神聖なる一族24人の娘たち』https://www.youtube.com/watch?v=tT5J120JYIM
http://www.cinematopics.com/cinema/news/output.php?news_seq=30238

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アイヌ新施設 「体感」を重視へ 白老 /北海道

2016-04-26 | アイヌ民族関連
毎日新聞2016年4月25日 地方版
 北海道開発局は、アイヌ文化を紹介するために白老町に整備予定の「国立の民族共生公園(仮称)」について、基本計画を発表した。伝統的な集落「コタン」を再現し、古式舞踊を体験する広場や、生活や信仰と関わりの深い植物で景観を整備するなど、アイヌの自然観や暮らしを体感できる施設配置を盛り込んだ。
 アイヌ文化の研究者ら有識者9人で構成する検討会(委員長・浅川昭一郎北海道大名誉教授)が昨年から議論。公園の予定地は白老町のポロト湖畔で、国立のアイヌ文化博物館(仮称)も新設される
 コタンは山々を背景にアイヌの伝統技術による木造建築「チセ」群や畑で構成し、儀礼や儀式も体験できるようにする。アイヌ語や音楽、口承文芸を通じた交流を行う500〜600人を収容するホールのほか、木彫りや刺しゅう、織物などの体験、見学が可能な施設も整備する予定。
http://mainichi.jp/articles/20160425/ddl/k01/040/199000c

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ブラジル先住民族世界競技会 サンタクルス-カブラリアで開催

2016-04-25 | アイヌ民族関連
Sputnik 日本-2016年04月22日 22:34

競技会での徒競走。その際必ず丸太を運ばなければならない。
今月17-18の両日、ブラジル北東部バイーア州サンタクルス-カブラリアで開かれた、ブラジル先住民族の若者達による競技会は、世界中に、ブラジル先住民族の間で受け継がれ残っている伝統を知らせる貴重なイベントになった。
http://jp.sputniknews.com/photo/20160422/2006604.html

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ヘイトスピーチ対策法「与党案」について考える――「適法居住」要件はなぜおかしいのか

2016-04-25 | アイヌ民族関連
シノドス-2016.04.25 Mon
明戸隆浩 / 多文化社会論
マスメディアで「ヘイトスピーチ」という言葉が広く使われるようになってから、およそ3年。今国会では、ヘイトスピーチ対策法「与党案」が、審議の佳境を迎えている。
と言っても、とくに今年3月以降の展開はあまりにも急だったので、この間ヘイトスピーチについて関心をもって見てきた人の中でも、今何がどのように議論されているのか正確に把握できている人は必ずしも多くないかもしれない。また、そもそも自民・公明両党が出してきた「与党案」であるという時点で、「何の期待もできない」「むしろ政権に都合のいいように利用されるのでは」という見方をする人もいるのではないかと思う。
そして実際、この後具体的に示すように、今回の与党案には問題が多い。しかし同時に言えることは、自民・公明が現在国会で占める議席数を考えれば、この与党案はほぼ確実に成立し、効力をもった法律になるということだ。その一方で、少なくとも現時点ではまだ与党案は「案」であり、与野党の修正協議の余地を残している。つまりこの段階で考えるべきことは、問題の多い与党案の中でもとくにどこを問題にし、それをいかにして修正協議に反映させるかということである。
ヘイトスピーチにかかわるこれまでの国会の動き(1) 
具体的に与党案の検討に入る前に、ヘイトスピーチにかかわるこれまでの国会での動きを簡単に振り返っておこう。ヘイトスピーチにかかわる初めての国会集会が開かれたのは、2013年3月のこと。主催したのは後に議員立法で野党案を提出する際に中心となる民主党(当時)の有田芳生参議院議員らだが、この段階では法制化に対する慎重論もまだ根強かった。
しかし、2013年10月に京都朝鮮学校襲撃事件に対する京都地裁の判決(被告である在特会らに約1200万円の賠償請求ほか)が出され(翌2014年7月の大阪高裁の判決を経て12月に最高裁で確定)、また2014年夏に国連自由権規約委員会からの勧告(7月)、同人種差別撤廃委員会からの勧告(8月)、と立て続けにヘイトスピーチ対策の不在を指摘される中で、ヘイトスピーチへの法的対策の必要性は、政治家やメディアの間でも次第に共有されるようになっていく。
そうした中で、(やや時間は前後するが)2014年4月に有田議員、同じく民主党の小川敏夫参議院議員らにより「人種差別撤廃基本法を求める議員連盟」が結成される。また与党側でも、まず自民党が2014年8月にヘイトスピーチに関するプロジェクトチームを設置(座長・平沢勝栄衆議院議員)、10月には公明党のプロジェクトチーム(座長・遠山清彦衆議院議員)も初会合を開いた。そして翌2015年5月、有田・小川両議員などを中心に超党派の議員が「人種差別撤廃施策推進法案」(以下、「野党案」)を提出。8月には参議院法務委員会での審議にかけられたが、これは日本で初めて人種差別にかかわる法案が審議された重要な場面となった。
ヘイトスピーチにかかわるこれまでの国会の動き(2) 
しかし、2015年の第189回国会は安保法案強行採決の混乱の中で閉会、その中で「野党案」は何とか廃案を回避し継続審議となった。年が改まって今年(2016年)3月22日には「野党案」の参考人質疑が行われ、さらに3月31日には参議院法務委員会の委員ら10人の与野党議員が、ヘイトスピーチを唱道するデモが頻発している川崎市の在日コリアン集住地区を視察した。こうした過程を通して、ヘイトスピーチへの法的対策が必要だという認識は、与野党の枠を超えて共有されていった。
さて、冒頭で言及したヘイトスピーチ対策法「与党案」提出の動きが出てきたのは、ちょうどこの「野党案」審議再開の前後である。まず3月25日に、自民・公明両党が法案作成のための作業部会設置を発表。29日には作業部会初会合、31日に第2回会合と急ピッチで作業が進められ、その後両党の党内手続きを経て4月8日に提出の運びとなった。
先に触れたように自民・公明両党とも2014年からプロジェクトチームを設置して準備を進めてきたとはいえ、発表から提出までわずか2週間。この間4月5日には「野党案」の2回目の審議も行われているが、4月19日には1回目の「与党案」審議が参議院法務委員会で行われ、26日午後に第2回の審議の開催が決定している。
ヘイトスピーチ対策法「与党案」の問題点(1) 
その「与党案」の内容であるが、たった3年前の状況を想起するだけでも、ヘイトスピーチにかかわる法案が実際に成立する前提で審議されるということは、それ自体としては一つの前進だと言える。またこの法案の前文末尾には「このような不当な差別的言動は許されない」とはっきり書かれており、少なくとも冒頭に書いた「何の期待もできない」「むしろ政権に都合のいいように利用されるのでは」というような疑念については、ある程度払拭できるものになっていると思う。
しかし冒頭でも述べたように、「与党案」には問題も多い。実際もっとも早くに声明を出した外国人人権法連絡会をはじめ、当事者団体や弁護士団体、NGOなどすでに10以上の団体から批判的な声明が発表されている(リンク先文末)。これらの声明で広く共有されているのは、(1)明確な禁止規定がないことにより実効性が弱いこと、(2)法律が対象とする言動の範囲が狭いこと、の2点である。
とくに(2)については、「本邦外出身者」という限定によってアイヌや沖縄、被差別出身者などが除外されるおそれがあること、さらに「適法に居住するもの」という要件によって超過滞在者などが除外されるおそれがあること、が繰り返し指摘されている。
なおこれら2つは、いずれも先に提出された野党案にはなかった問題である。まず(1)実効性についてだが、野党案では罰則こそ設けなかったものの「何人も~してはならない」という形で禁止規定を盛り込んでいた。また(2)対象とする言動の範囲についても、「人種等を理由とする差別」という形で先に触れた国連人種差別撤廃条約に則った定義がなされている。つまり与党案は、(1)実効性を弱めただけでなく、(2)対象とする範囲も狭めることで、野党案に比べて「弱く、狭い」法案となっている。
ヘイトスピーチ対策法「与党案」の問題点(2) 
とはいえ「与党案」がもつ問題は、「弱く、狭い」点だけにあるわけではない。問題がそれだけであれば、「ゼロよりはまし」ということで、とりあえず今の段階でことさらに何か強い修正要求をしなくてもよいという判断はありうるだろう。しかし、とくに(2)法律が対象とする言動の範囲については、そうしたことを超えた問題がある。
その一つは、すでに触れたように「本邦外出身者」という限定によってアイヌや沖縄、被差別出身者などが除外されるおそれがある点だ。とくにアイヌについては、この間全国各地で行われてきたヘイトスピーチ・デモの中で少なくない数のものがアイヌを標的としており、これが与党案の対象に含まれないということは、「アイヌに対するヘイトスピーチについて国は問題視していない」という誤ったメッセージを送ることになりうる(ただしこれについては、4月19日の審議の中で与党案の発議者から付帯決議含めきちんと対応する旨の答弁があり、最低限の改善が見込まれる状況にある)。
また範囲にかかわるもう一つの点、「適法に居住するもの」という要件によって超過滞在者などが除外されるおそれがあるということについても、同様の問題がある。先に挙げた多くの声明でも指摘されているように、ある言動が差別に当たるかどうかということと、そこで標的とされている人(々)が法的にどういう状態にあるかということは、本来何の関係もない。このことは、2004年の人種差別撤廃委員会一般的勧告30でも「人種差別に対する立法上の保障が、出入国管理法令上の地位にかかわりなく市民でない者に適用されることを確保すること」という形で確認されているとおりである。【次ページにつづく】
「適法居住」要件はなぜおかしいのか(1) 
しかし、このうち2つ目の「適法居住」要件には、たんに対象となる言動の範囲を狭めるということにとどまらない、ヘイトスピーチの核心にかかわるきわめて重大な難点が含まれている。少し込み入った議論になるが、順に検討していこう。
ヘイトスピーチにおいては、「○○人を叩き出せ」のように個人を特定しない形で人種や民族にかかわる集団について言及されることが多い。特定個人を対象としたヘイトスピーチというのはもちろんありうるが、そうしたものについては現行法の侮辱や名誉毀損の適用が可能である一方、同じことを一般的な「○○人」に対して行った場合には現行法では対処できない。したがって、こうした特定個人を対象としないヘイトスピーチをどうするかということは、ヘイトスピーチ対策法を考える場合の基本的な前提の一つになる。
さて、与党案ではこの「○○人」に当たる部分を「本邦外出身者」という言葉で定義しているのだが、「適法居住」要件が付されているのはまさにこの部分である。しかし、少し冷静に考えてみればわかると思うのだが、「適法に居住しているかどうか」を判断できるのは、あくまでもそれが具体的な特定個人である場合に限られる。実際、ある言動の中で言及される一般的な意味での「○○人」について適法か否かを問うなどということは、常識的に考えて不可能だろう。
法律における定義規定というのはあるものが法律の適用対象かどうかを判断するために置かれるものだが、問題となる言動のほとんどが不特定の集団に言及するものである以上、何がこの法案の対象であるかを判断する上でこの規定はほぼ役に立たない。
「適法居住」要件はなぜおかしいのか(2) 
しかしたんに役に立たないだけならば、「別にあってもいいではないか」という応答をすることも可能だろう(意味のある応答だとは思わないが)。より大きな問題は、それが役に立たないだけでなく有害だということである。たとえば与党案では、本来対象になるべき言動が頭に「不法滞在の」を付けるだけで(理屈の上では)すべて除外されてしまう。「不法滞在の○○人を叩き出せ」、これは言葉通りにとれば「適法に居住していない」○○人に向けられたものであり、与党案の対象とはならない(このことは、「不法滞在」を「不法入国」に変えても、「叩き出せ」の部分を「殺せ」に変えても変わらない)。
そしてこうした言動で示される「○○人」が一般的なそれである以上、たとえ「適法に居住する」○○人がいくら反論しても何の効果もない。レイシストはこう言うだろう。「あなたが適法に居住しているかどうかなど知ったことではない。私は「不法入国の○○人」を叩き出せと言っただけだ」。この点で与党案は、こうした一見論理的に筋の通った言い訳を最初から用意してしまう。
しかもこうした言い回しは、街頭で叫んだ場合の一般的な効果としてはむしろ(「限定」ではなく)「○○人全体が不法入国である」であるというイメージを拡散するから、レイシストからすれば「一石二鳥」だとさえ言える(実際この法案を「適法居住」要件を理由に「歓迎」する意見はすでに出ている)。
なおこの間の国会での審議では、こうした指摘に対しては「定義に明示的に含まれないからと言って許されるわけではない」と答えるのが通例となっているようだ。確かに、どんな法律であっても定義を行えば必ずそこに含まれない部分が生じるから、そうしたものについては運用で柔軟に対応する、といったことはもちろんありうる。しかし「適法居住」要件は、定義に伴って必然的にそこに含まれないものが出てくるという話ではなく、「意図的に」対象を限定するものだ。自分で「適法居住」要件を付けておいて「実際には適法居住でない場合も含まれうる」とかいうのでは、何のための条文なのか本当にわからない。
このように与党案の「適法居住」要件は、ヘイトスピーチという問題の核心、つまりその多くが特定個人に還元できない集団全体に対してなされる、という「基本」がわかっていれば、そもそも発想として出てこないはずのものである。ヘイトスピーチにかかわる法律の制定に際して抜け穴抜け道を探すことで対応するというのは古今東西レイシストの常套手段だが、最初からこんなふうに使い勝手のいい抜け道を用意するような法案が、レイシストに対抗できるとは思えない。与党案作成者もまさかそんなことのために「適法居住」要件を付けたわけではないだろうから、少なくともこの点については、今後の審議の中できちんと修正する必要があるだろう。
「人種差別禁止法」への展開に向けて 
以上、ヘイトスピーチ対策「与党案」の問題点について、とくに「適法居住」要件に重点を置いて見てきた。すでに述べたように、今回の与党案の問題点は「実効性の弱さ」と「対象とする範囲の狭さ」の2点に集約される。ただしそれはあくまでも与党案に即して見た場合の話であり、先に提出された野党案と比較した場合には、より重要な変更がもう一つあることを最後に言い添えておきたい。それは、「人種差別禁止法」から「ヘイトスピーチ対策法」への「縮小」である。
もちろん、ヘイトスピーチの問題に対する法的対策が急務であることは多くの関係者の一致した見解であり、今回の法案の対象をヘイトスピーチに絞るということそれ自体は、十分ありうる選択肢である。しかし同時に確認しておく必要があるのは、ヘイトスピーチの核心は「差別煽動」であり、不特定の「○○人」に対する侮辱や脅迫を行うことは、結果として「○○人」に属する特定個人への差別を引き起こすという点だ。そしてこの「特定個人への差別」――住居差別や就職差別、あるいは学校での差別など――に対応できる法律(「人種差別禁止法」)は、今の日本には存在しない。
いずれにしても、法律の制定はゴールではない。これはヘイトスピーチ関連の法制度の歴史について一般的によく言われることではあるが、今回の与党案については、この点はさらに何倍増しかで強調しておく必要があるだろう。その一方で、一つの法律の制定は、とはいえ一つの区切りである。その点で言えば、与党案が「案」であるあいだにできる限りの議論を尽くすことの重要性もまた、強調しすぎてもしすぎることはない。法律の制定をゴールにしないことと、法律の制定に際して議論を尽くすこと。この2つは、決して矛盾する態度ではないはずである。
http://synodos.jp/politics/16944

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IZU PHOTO MUSEUM研究員・小原真史が読む『失われた世界の記憶 幻灯機がいざなう世界旅行』

2016-04-25 | アイヌ民族関連
産経ニュース-2016.4.24 13:06更新

「ここではないどこか」へ
 写真が発明された19世紀の半ばから20世紀初頭にかけて、「ここではないどこか」を夢想した人々の欲望に応えたビジュアル・メディアのひとつが、幻灯機だった。最初の幻灯機は1650年代に誕生したというが、写真技術の発達にともなって産業化し、多くのカメラマンが世界中に派遣された。大講堂や劇場などで上映された幻灯機ショーは、ナレーションや音楽とともにガラススライドを通して拡大した光をスクリーンの裏側から投影するというもので、西洋諸国や北米を中心に娯楽や教材、アトラクションとして人気を博し、映画への道筋を準備した。
 本書にはバラエティーに富んだモチーフ-風景、風俗、建築物、工場、遺跡、乗り物、先住民族、動物など-を写した図版が600点以上掲載されている。ロンドンやパリなどの都市生活者の目には、こうした風景や風俗が近代化の進展とともに「失われつつある世界」として映ったことだろう。古き良き西洋へのノスタルジーと非西洋へのエキゾチシズムというフィルターが、暗闇に映し出される光景をよりいっそう鮮やかにしたはずだ。無論、スクリーンに投影された幻灯機ショーと紙媒体とでは印象が異なるだろうが、繊細なデジタル処理と印刷は、手彩色のスライドが持つ微妙な色合いを損なうことなく、その幻想的な魅力を伝えている。
 図版の構成は、北欧からアフリカ、中東、極東、オセアニア、南極、南米、北米と、西から東へと仮想旅行をするように編集されており、西洋発祥のツーリズムの展開や植民地支配の拡大をなぞるようになっている。
 学校や教会でも上映されたという幻灯機ショーは、「未開の地」の人々にキリスト教や近代国家としての西洋諸国の姿を伝え、植民地の風景や先住民の様子を西洋諸国の国民に伝えたという。スライドの制作から経過した100年以上の時間が、本書にタイムトラベル的な要素も加えるが、これらが大衆の欲望を投影した「帝国のメディア」だったことは、忘れてはならないだろう。(シャーロット・フィール、ジェームス・R・ライアン著/光村推古書院・5000円+税)
http://www.sankei.com/life/news/160424/lif1604240022-n1.html

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