先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

アイヌの英傑の生涯学ぶ【新ひだか】

2018-11-30 | アイヌ民族関連
日高報知新聞2018.11.29

【新ひだか】シャクシャイン顕彰会(土肥伸治会長)主催の講演会「コシャマインからシャクシャインへと続く道」が25日、町公民館で開かれ、約80人が参加してアイヌの英傑シャクシャインの生涯について学んだ。
 講師はアイヌ史やシャクシャインの戦いについて本を出版している小樽市高島小教諭でアイヌ史研究者の平山裕人さん。
 平山さんは最近の北海道命名150年やシャクシャインにまつわること、室町時代後期に起こったアイヌと和人が最初に争ったコシャマインの戦い、江戸時代中期に松前藩に対して全道のアイヌが一斉に蜂起したシャクシャインの戦いについて説明。
 「後世に伝えられているのは松前藩の記録で、アイヌ側の記録は残っていない」としながら、その当時の時代背景やアイヌと和人の暮らしぶりについて、自ら調べてきたことを詳しく解説した。
 最後に「来年はシャクシャインの戦い(1669年)から350年。本当の歴史と先住権を考えてみませんか」と呼び掛けた。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/8912

12月11日に象徴空間500日前イベント 宇梶剛士さん登場

2018-11-30 | アイヌ民族関連
北海道新聞 11/29 18:33
 胆振管内白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間」の開設500日前カウントダウンイベントが12月11日、札幌市内で開かれる。人気投票で選ばれた愛称の発表や、道庁赤れんが庁舎に象徴空間をイメージした映像を投影するプロジェクションマッピングなどを行う。
 午後6時から札幌グランドホテル(中央区北1西4)で式典が始まり、愛称やロゴマークを発表する。開設PRアンバサダー(大使)の俳優の宇梶剛士さんとAKB48坂口渚沙さん(旭川市出身)によるトークセッションや、芥川賞作家新井満さんとアイヌ民族の演出家秋辺日出男さんが作詞作曲した「イランカラプテ―君に逢(あ)えてよかった」の大合唱も予定する。
 プロジェクションマッピングは20日まで。11日は午後7時45分~8時半、12~20日は午後6時半~8時半。問い合わせは道象徴空間開設準備支援室(電)011・206・6473へ。(村田亮)
☆イランカラプテのプは小文字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/253019

東京五輪でのアイヌ舞踊 菅氏「要望伝える」

2018-11-30 | アイヌ民族関連
北海道新聞 11/29 05:00
 菅義偉官房長官は28日の記者会見で、2020年の東京五輪・パラリンピック開会式でのアイヌ民族舞踊の採用に関し「アイヌ民族の方々のお気持ちをしっかり受け止め、関係者の皆さんに伝える」と述べ、開閉会式を企画、演出する総合統括である狂言師の野村萬斎氏のチームに要望を伝える意向を示した。
 菅氏は「最終的には大会組織委員会が判断すること」としつつ「政府として(五輪関係者らと)連携をしっかり取っていきたい」と強調した。開会式での舞踊については、菅氏が8月に釧路市阿寒湖温泉を訪れた際、現地のアイヌ民族から直接要望を受けていた。
 これに関連し、桜田義孝五輪相は28日の衆院内閣委員会で「東京大会を契機にアイヌ文化を国内外に発信していけるよう取り組む」と話した。国民民主党の山岡達丸氏への答弁。(古田夏也)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/252765

道調査で急減 実人数と相違、誤解懸念 協力者減少が要因 /北海道

2018-11-30 | アイヌ民族関連
会員限定有料記事 毎日新聞2018年11月29日 地方版
 北海道の調査で把握できたアイヌ民族の人数が、2006年の約2万4000人から昨年は約1万3000人となり、10年余りで4割以上減った。アイヌを名乗り調査に協力する人が減ったことが主な理由で、実際の人数とは合致しないが、専門家らは「アイヌが減ったと誤解され、支援も先細りになる恐れがある」と懸念する。
 道は「アイヌ生活実態調査」を1972年から数年ごとに実施。同化政策と差別にさらされたアイヌの生活を改善するため、所得や進学率、必要とする施策などを調べている。「アイヌの血を受け継いでいるとみられるか、結婚などでアイヌと同一の生計を営んでいる人」を対象とし、条件に当てはまっても自分をアイヌとするかどうかは本人の判断に委ねられる。
 主に道アイヌ協会の会員を対象に調査を行い、アイヌと自任する人の数を市町村ごとにまとめている。06年…
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残り423文字(全文788文字)
https://mainichi.jp/articles/20181129/ddl/k01/040/402000c

伝統儀式、映像で伝承 千葉の彫刻家・差間さん、仲間らと10年かけ記録へ /北海道

2018-11-30 | アイヌ民族関連
会員限定有料記事 毎日新聞2018年11月29日 地方版
 千葉県木更津市で、アイヌ民族の伝統儀式を10年間かけて、映像に残す取り組みが進められている。古式を知るアイヌが減り続ける中、自然と共に生きた暮らしを後世に伝えようと、同市在住のアイヌ民族の彫刻家、差間(さしま)秀夫さん(70)が今年6月から始めた。【上遠野健一】
 差間さんは白糠町出身。コタンコロクル(村長)の漁師の家に生まれた。固有の言語、服装などの文化を奪った明治政府のアイヌ同化政策の影響が残る中で育った。
 自身もアイヌの文化に無関心だったが、18歳の時に転機が訪れる。「イヨマンテ(熊祭り)」などのアイヌ…
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https://mainichi.jp/articles/20181129/ddl/k01/040/194000c

アイヌ遺骨 二十数年ぶり、6体返還 慶応大が釧路市に /北海道

2018-11-30 | アイヌ民族関連
会員限定有料記事 毎日新聞2018年11月29日 地方版
 釧路市が所有し、慶応大に研究目的で貸与、その後返還を求めていたアイヌの遺骨6体が今年2月までに、二十数年ぶりに返還されていたことが分かった。
 釧路市によると、遺骨は旧阿寒町(現釧路市)と同市内で1963年と92年に発掘され、92年と96年に釧路市が慶応大文学部に分析を依頼した。
 2016年に大学側は市の要請で6体を返…
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https://mainichi.jp/articles/20181129/ddl/k01/040/404000c

20年東京五輪・パラリンピック 開会式で古式舞踊を 政府が関係団体に働きかけ /北海道

2018-11-30 | アイヌ民族関連
会員限定有料記事 毎日新聞2018年11月29日 地方版
 道や北海道アイヌ協会が求めていた2020年東京五輪・パラリンピックの開会式でのアイヌ古式舞踊の披露について、政府が大会組織委員会など関係団体に働きかけることになった。同年4月には白老町に民族共生象徴空間がオープンするだけに、直後の五輪と合わせ、アイヌ文化を世界に発信する狙いがある。
 菅義偉官房長官が28日の記者会見で、「アイヌの方々のお気持ちをしっかり受け止め、政府が関係者に伝えて連携を取りたい」と明かした。昨年2月の札幌冬季アジア大会開会式では、国際スポーツ大会で…
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残り355文字(全文591文字)
https://mainichi.jp/sportsspecial/articles/20181129/ddl/k01/050/184000c

庶民の手仕事、衣類など展示 小山市立博物館、企画展に資料100点

2018-11-30 | アイヌ民族関連
産経新聞 07:01
 かつて庶民の家では衣類を縫って作り、布を縫い合わせて直していた。生活に身近だった衣類をテーマにした企画展「糸と布をめぐる 手しごとの旅」が小山市立博物館(同市乙女)で開かれている。12月16日まで。
 県内だけでなく福島県や青森県、北海道・アイヌの衣類など約100点の資料を展示。同館学芸員、山田淳子さん(51)は「かつて機(はた)織りや裁縫は家事の一部であり、女性の果たす役割は大きかった」と説明する。すり切れれば布を縫い合わせて直し、着られなくなった後も布をぞうきんにして「最後の最後まで布を使いきり、大切にしていた」と山田さん。
 湯西川ダム(日光市西川)の造成で水没した集落に残されていた、つぎはぎだらけの着物は地元で「ジブ」と呼ばれていたが、由来は不明。県外にも、ノラジバン、サシコワンバリなどさまざまな呼び名の庶民の手仕事で布を縫い合わせて作られた衣類がある。無数に糸を通して布を丈夫にし、保温性を高める工夫もあり、糸を通した模様が妻の器用さを示し、着る男たちが自慢しあうという地域もあるという。アイヌでは木綿が手に入らない時代、樹皮を使ったアットウシという衣類が独自に発達した。
 山田さんは「職人の手仕事に比べ、家庭の手仕事で作られた衣類は残っていることが少ないが、地域の風土も伝えてくれる貴重な文化財」と強調する。
 一方、職人の手仕事として、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されている地元の高級絹織物「結城紬(つむぎ)」や、同市の伝統工芸品「間々田ひも」も解説している。
 月曜休館。問い合わせは同館(0285・45・5331)へ。
https://www.sankei.com/region/news/181129/rgn1811290034-n1.html

ジャンプフェスタ2019にて『ゴールデンカムイ』ステージ開催! 

2018-11-30 | アイヌ民族関連
小林親弘さん、白石晴香さんが登壇!「尾形百之助応援フェア」の開催概要が到着
アニメイトタイムス 2018.11.29
2018年12月22日(土)・23日(日・祝)開催のジャンプフェスタ2019にて、『ゴールデンカムイ』ステージイベントの開催が決定しました!
ステージは、会場内ヤングジャンプ×ウルトラジャンプブースにて、12月22日(土)13:00~13:30に実施! メインキャストの小林親弘さん(杉元佐一 役)、白石晴香さん(アシ(リ)パ 役)の出演が予定されています!

また、アニメイト新宿にて、「尾形百之助応援フェア」の開催が決定。こちらの情報もあわせてご紹介します!
ジャンプフェスタ2019にて『ゴールデンカムイ』ステージ開催
◆ステージイベント概要
日時:2017年12月22日(土)13:00~13:30
場所:ジャンプフェスタ2019 ヤングジャンプ×ウルトラジャンプブース(http://www.jumpfesta.com/shueisha/yjuj/)
出演:小林親弘(杉元佐一 役)、白石晴香(アシ(リ)パ 役)
◆ジャンプフェスタ2019 概要
日程:2018年12月22日(土)・12月23日(日・祝) 9:00?17:00(最終入場は16:30まで)
会場:幕張メッセ 国際展示場 展示ホール1?8
入場方法:〔ファストチケット〕有料(一部、本誌招待) 〔一般〕入場無料
公式HP:http://www.jumpfesta.com/
アニメイト新宿にて「尾形百之助応援フェア」開催
期間中、TVアニメ『ゴールデンカムイ』Blu-ray&DVD第一巻~第六巻をご予約(内金全額)・ご購入1本毎に、その場で「尾形百之助 複製原画ブロマイドセット(全3種)」がプレゼントされます!
期間:2018年11月30日(金)~2018年12月31日(月)
開催場所:アニメイト新宿
特典:尾形百之助 複製原画ブロマイドセット(全3種)
※数量限定の為、無くなり次第終了となります。
※既にご予約頂いているお客様もお渡しの対象となります。
※期間中であっても特典は無くなり次第終了となります。
※フェアの内容は諸般の事情により、変更・延期・中止となる場合がございます。(続きあり)
https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1543464691

ネットを徘徊する怪物「差別的デマ」は、いま誰を餌食にしているのか ネット右翼十五年史〈番外編〉

2018-11-30 | アイヌ民族関連
現代ビジネス 2018.11.29 古谷 経衡
金魚、チューリップ、朝顔、フラフープ、カメレオン、シベリアンハスキー・・・。古今東西を問わず、人間社会には「ふっと出現し、ふっと消えゆく」ブームがある。それと同じように、ネット右翼の社会にも同じような「ブーム」が存在する。本稿は、2002年に出現したネット右翼が、「呪詛の対象」として前衛に置いてきたブームの変遷を振り返るものである。
(図は過去15年に於けるネット右翼「ブームの変遷」を示したもの、筆者作成)
(1)「在日特権」という虚構の誕生
2002年の日韓共催ワールドカップをその分水嶺として発生したネット右翼は、当初、ワールドカップ熱に煽られるマスメディアと列島の熱狂をみて、「既成のマスメディアと広告代理店(主に電通)が、在日韓国人・朝鮮人の悪事や悪イメージを糊塗する大々的キャンペーンに乗り出した」という妄想を仕立て、それと並行して「在日特権」という概念を「創作」した。
「在日特権」とは、読んで字のごとく、「特別永住者として日本に居住している在日コリアンが、国家から何らかの恩典を受けているに違いない」という妄想である。
この時期喧伝されたのは、具体的には「住宅費の減免または免除」「上下水道料金の減免または免除」「公務員就職への優遇や斡旋」「自治体からの冠婚葬祭費の補助」「そのほか税制面での優遇」など、広範に亘るものであった。
実のところ、この時期にネット上で自明のごとく言われた「在日特権」なるものは、シリーズ化され大ヒットした書籍『同和利権の真相』(宝島社、寺園敦史 (編), 一ノ宮 美成 (編), グループ・K21 (編) 2002年3月~)の中に登場する、近畿一帯で告発されたとされる所謂「同和利権」をそのまま「在日コリアン(在日コリアン)」に置き換えたもので、何の根拠も無いタダの妄想である(なお、本稿は「同和利権」言説の妥当性については関知しない)。
差別問題にリテラシーの無い、言い換えれば何の知識も免疫も無い首都圏のネット右翼は、この「同和利権」=「在日特権」のすり替えをそのまま信用し、根拠無き「在日特権」の妄想へと発展させた。
筆者の独自調査(2013年)によると、ネット右翼の実に70%弱が首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)に集中・偏重している。西日本の多くの地域では教育されている同和問題への無知が故に、それをネット上で換骨奪胎した「在日特権」言説に対しても、彼らネット右翼は免疫が一切無く鵜呑みにしたものと筆者は推量する。
結論から言えば、「在日特権」なるモノは、ただの妄想であった。その証拠に、この期間(2002年~概ね2014年)にかけて、「自身が在日コリアンであり、それが故に国から特権を受けている」と名乗り出る当事者は、ただの一人もいないのであった。
そして「嫌韓ヘイト本」を粗製濫造する出版界を中心にして、「在日特権」は在日コリアンの問題であったにもかかわらず、なぜか韓国本国への呪詛へと触手を伸ばし、所謂「嫌韓本」が隆盛する基礎をつくった。
とりわけ2009年に麻生太郎内閣が退陣して鳩山由紀夫内閣(民主党)に交代すると、この「在日特権」幻想はますます燃え上がる格好となった。鳩山・菅・野田の民主党三総理は「韓国の手先」と指弾され、なかでも菅直人は「カン・チョクト」と韓国風の名前で呼ばれるのが通例となった。菅直人の「帰化人説」が、公然と大手を振ってネット空間にまかり通った。
そして「朝鮮飲み」という、湯飲みの底に片手を当てて飲料を飲む仕草が「朝鮮半島由来の風習」として喧伝され、この仕草を行なった鳩山・菅・野田は、なんらか「朝鮮半島にルーツを持つ者」として、徹底的に糾弾されたのである。
無論、「朝鮮飲み」という風習は朝鮮半島にも存在しない。湯飲みの底に片手を当てて「ずずっ・・・」と飲み物をすするのは人類共通の普遍的な仕草であるが、ネット右翼は国会中継や予算委員会での民主党議員たちの所作に注目し、彼らを「帰化人」とか「朝鮮半島ルーツ」であるなどと決めつけ、呪詛の対象とした。今日では完全に否定されているネット右翼的陰謀論の典型であり、まったく病的な妄想である。
それにしてもなぜ、彼らネット右翼はこのような病的な妄想を以て、民主党議員を「在日認定」せねばならなかったのか。答えは簡単だ。彼らの信ずる「在日特権」なるものの存在が、いつまで経ってもまったく証明できなかったからである。
ネット右翼的な世界観によれば、韓国の手先たる民主党政権の成立は「在日特権」の確立と拡大を意味するものであったはずなのだが、そのような事態は待てど暮らせど出来せず、それどころか存在すら立証できなかったために、短絡的な妄想に飛びつくほかなかった。
しかし転換点は間もなくやってくる。2012年末の第二次安倍政権誕生である。
それまで親の仇のごとく呪詛してきた民主党政権が瓦解し、自民党・公明党連立の本格的保守政権が誕生したことで、風向きは大きく変わった。むしろ皮肉なことに、古典的な(そして素朴な)「ネット右翼」の最盛期は民主党政権下の3年間であり、自民党の政権奪回はそのカルト化の始まりでもあったと言える。
いくら検証しても、いくら追求しても証明する事の出来ない「在日特権」をめぐる言説は、第二次安倍内閣誕生後、しばらくして雲散霧消した。なぜなら、ネット右翼の本望である「左翼政権の打倒」と「本格保守政権の誕生」が実現してしまえば、ことさら「在日特権」を声高に述べて政権を攻撃する必要も無くなったから、この一点に尽きる。
しかし、そこで代わりに登場したのが「アイヌ特権」という新たなデマである。「民主党政権=在日政権」という巨大な敵を喪失したネット右翼が、次なる標的として苦し紛れに創作した、「在日」に代わる仮想敵――この動きは、おおよそ2014年~2015年にネット右翼界で最盛期を迎えた。
「アイヌ特権」とは何か? それは、北海道の先住民であるアイヌ民族が、和人(日本人)に陵虐された、という被害者としての立場を利用して、様々なアファーマティブアクション(弱者集団への優遇措置)を享受している――という内容であった。
この運動の最前衛に立ったのは、漫画家の小林よしのりであった。小林は「アイヌ民族など存在しない」というトンデモな主張を繰り返し、「アイヌは北海道の先住民ではない」という妄想を漫画やブログで発表した。
特に「アイヌ民族は存在しない」という持論については、学術的な根拠を何ら示さないばかりか、「殖産の時代、アイヌ民族は自らを『アイヌ』と自称していなかったから」という屁理屈を展開し続けた。
「ある民族が〜〜と自称していないから、その民族は存在しない」という理屈が通るのなら、「アメリカにネイティブ・アメリカン(インディアン)は存在しない」と言うことすらできよう。なぜなら彼らは、イロコイ、アパッチ、ホピ、スー、などの部族名を自称して、決して自らインディアンとかネイティブ・アメリカンと名乗ることは無かったからだ。
ならば、「アメリカに先住民族は居ないのか?」というと、それはウソになる。当時の先住民が後年名付けられた「他称」を用いなかったからといって、その民族自体が存在しないなどと言う理屈は、あまりに馬鹿馬鹿しい。
民主党政権から第二次安倍政権へ――。本格的な保守政権への交代を経験し、「敵」を見失ったネット右翼界隈にとって、この「アイヌ特権論」はさしずめ「恵みの雨」であった。
結論からすれば、アイヌが北海道の先住民であることは近世以降のあらゆる歴史書からも自明で、ネット右翼界隈で繰り広げられた主張は近世史家、アイヌ研究者らによって一笑に付されている。よりによって、彼らに特権など存在しないことは当然、わかりきったことである(私も北海道出身だが、アイヌ特権など聞いたことがない)。
が、「敵」に飢えていたネット右翼は、刹那この小林の「アイヌは存在しない」「アイヌは北海道の先住民ではない」というでっち上げに寄生し、俄かにアイヌへの呪詛を開始した。
北海道には官主導の開拓の歴史があり炭鉱の歴史もある。したがって伝統的に社会党が強い地盤を有するが、そうしたことと強引浮薄に結びつけて「北海道は反日」などと言う向きさえでた。
しかし、所謂「アイヌ問題」は、2014・15年の一瞬だけネット右翼界隈を騒がせたものの、燎原の火となることはなかった。
それはおそらく、アイヌ民族の規模によるだろう。北海道アイヌ協会によれば、北海道に現住するアイヌ民族の総数は、全道を含めて約17,000人に満たない。多くが内地(本州)に住むネット右翼にはあまりに皮膚感覚から遊離しており、広汎な反アイヌ運動には至らなかった。要するに、首都圏在住者の多いネット右翼にとって「遠くて良く分からない」事象であり、「在日特権」の代替にはなり得なかったのである。
(3)手強い「沖縄デマ」「沖縄ヘイト」
「在日特権」の終焉から端境期としての「アイヌ特権」を経て、概ね2015年頃から頭をもたげ、現在ではすっかりネット右翼言説の主流となったのが、いわゆる「沖縄デマ」「沖縄ヘイト」に代表される、沖縄に於ける反在日米軍基地活動家や、前沖縄県知事・翁長雄志氏(故人)とその支持者に対する無根拠な中傷・デマである。
蛇足だが、ネット右翼がこのように資源を探して右往左往する様は、北進を断念し、代わって南進へと大きく転換した戦前の日本軍部にうり二つだ。
この「沖縄デマ」は、「在日特権」「アイヌ特権」というホップ・ステップを経て結実したネット右翼のブームの最前衛として花開き、一部に堅固な信奉者を生むに至っている。その主な要旨は次の通りである。
(1)翁長雄志氏は中国の工作員であり、その家族は中国で暮らしている
(2)沖縄には既に中国の工作員が多数潜伏している(中国による沖縄侵略)
(3)沖縄の高江ヘリパッド問題に関する反対派は中国人や韓国・朝鮮人である
(4)沖縄の辺野古移設問題に関する反対派は中国人や韓国・朝鮮人である
(5)前記(3)(4)の人員は日本共産党などから日当を受け取っている
(6)沖縄の在日米軍駐留に反対する者は全てパヨク(左翼)である
(7)玉城デニー氏は中国の工作員である(2018年県知事選後)
私は所謂「高江ヘリパッド問題」では、現地に何度も足を運び己の目で抗議運動の様子を見聞した。無論、「辺野古移設問題」に関しても、同様に現地での視察を行っている。その経験をもって言えば、沖縄に於ける在沖縄米軍反対派のなかに、中国人や韓国・朝鮮人を、ただの一度も見たことはない。ネット右翼のデマは、現地を訪問したり当事者に取材すれば虚偽であることが一目瞭然で分かるのが特徴だが、本件もその例に漏れない。
しかしこの「沖縄デマ」は、「在日特権」に代わって、いまやネット右翼界隈での「常識」とさえ言えるほどに定着した。それはネット右翼が思想的「宿主」とする「自称・保守系言論人」が、ネット番組やSNS、自称・保守系論壇誌で拡散する沖縄への差別的言説が要因として大であるが、そればかりではない。
2002年から概ね2013~2014年にかけて跳梁跋扈した「在日特権」は、「いくら探しても証拠も根拠も見つからない」のに比べて、「沖縄デマ」には、
(1)現実に沖縄に「米軍基地」という実態が存在する
(2)現実に沖縄県民の間では反米軍基地感情が旺盛である
(3)現実に沖縄県内に反米軍基地運動家が存在し活動している
という三点に於いて、「在日特権」よりも遙かに「攻撃対象」に実体が伴っているからである。
であるからこそ、妄想に過ぎなかったかつての「在日特権」が、第二次安倍内閣という本格保守政権の誕生によって希釈化されたのとひきかえに、ネット右翼の呪詛の標的として沖縄が浮上してきているのだ。
これに加えて、ネット右翼が「沖縄デマ」を強固に信ずるようになった要因として、
・沖縄出身・在住のネット右翼活動家が、在沖縄米軍へ親和的な立場を採る
・沖縄出身・在住のネット右翼活動家が、反基地活動家らに対する中傷・デマを恒常的に配信している
という点が挙げられる。「私は在日コリアンですが、在日特権を享受しており、これは不当だと思う」と名乗り出る者が一人も出てこず、当事者性に欠けていた「在日特権」に比べて、「沖縄デマ」には「私は沖縄生まれで沖縄育ちですが、在沖縄米軍は良き隣人であり、反対派はすべて反日勢力です」と吹聴する「当事者としての活動家」が続々と跳梁跋扈しているのである。
たとえその主張がいかに妄想と虚偽を含んでいたとしても、「沖縄デマ」にはそれを補強する沖縄の当事者が複数存在するということは、デマやフェイクニュースの成り立ちと流布の仕組みを考える上で特筆すべきことであろう。
長期戦を覚悟する必要がある
こうした言説をそのままトレースしたのが、(株)DHCが製作するテレビ番組『ニュース女子』(TOKYO MX)であった。2017年1月6日放送の同番組で、「現地取材に基づく」としたうえで「沖縄の基地反対派は日当をもらって現地で反対運動をしている」「基地反対運動の中に中国人・韓国人が混じっている」などの、まさに「沖縄デマ」が垂れ流されたのだ。
結局、同番組はBPO(放送倫理審査会)から重大な放送倫理違反を指摘され、上記の報道は虚偽として否定された。現在『ニュース女子』は地上波テレビからは追放され、ネットでの放送のみとなっている。取材や事実を尊重せず、差別的言説を流布した同番組の愚挙は、今後も放送界の汚点として記憶され続けるであろう。
しかし、大気循環のごとく人員の出入りが激しいネット右翼界隈では、「在日特権」などがほとんど忘れ去られるとともに、「沖縄デマ」が圧倒的主流を占めつつあるのも事実だ。
先の沖縄県知事選挙に於て、玉城デニー氏が過去最大の得票で選出されたことなど、彼らにとっては余り関係が無い。彼らの中では、「玉城氏は中国の手先であり、選挙戦には反日勢力が関与していた」との妄想を以て、厳正な民意であろうといくらでも黙殺できるからである。
「沖縄デマ」は、沖縄本島とそれを支える本土の自称保守系言論人や自称保守系雑誌、自称保守系ネットメディアのなかで循環しながら再構築・再拡散を繰り返し、徐々にではあるが、一部の言説空間の中で「揺るぎない真実」として定着しようとしている。これを看過することは、我が国にやがて大きな禍根を招きかねないと筆者は考える。
「沖縄デマ」の発端はつい2、3年ほど前だが、当事者の存在しない「在日特権」デマですら、前掲の図表の通り、2002年から実に10年強も続いた。「沖縄デマ」の寿命は、それよりも相当長いかもしれない、と覚悟しなければならない。
現在では「沖縄デマ」への抵抗こそネット右翼との戦いの最前線であり、またフェイクニュースに日本社会が勝つか負けるかを占う天王山とも言えるのである。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58643

ソ連の非情なやり口に翻弄された北方領土の歴史 スターリンは北海道北部の占領も計画していた

2018-11-30 | アイヌ民族関連
日経ビジネス 2018年11月29日(木)茂木 誠
ある日の国後島(写真:ロイター/アフロ)
 ウラジオストクでの安倍・プーチン会談で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は日ロ平和条約の締結を促した。これに応える形で安倍晋三首相は、「戦後70年以上残されてきた課題を次世代に先送りせず、私とプーチン大統領との間で終止符を打つ」と発言。また、引き渡し後の歯舞・色丹(はぼまい・しこたん)には米軍基地を置かないことをプーチン大統領に伝えていたと朝日新聞が報じた。この報道が正しければ、北方領土問題で米軍基地との関係に日本の首相がはじめて言及したことになる。
「北方四島は固有の領土」という魔法の言葉
 そもそも「固有の領土」とは何だろうか?
 モンゴル帝国の属領だったロシアが独立を宣言したのは15世紀末、日本では応仁の乱で室町幕府が事実上崩壊した頃である。当時のロシアは「モスクワ大公(たいこう)国」と称し、モスクワの周囲を治めるだけの小国だった。モンゴルの騎馬戦法に学んだコサック騎兵を採用したロシアは、逆にモンゴル帝国を蚕食して領土を拡大し、無数の少数民族を併呑して日本海に到達した。アメリカ合衆国が先住民を「討伐」しながら西部開拓を進めたように、ロシアのコサック騎兵も「東部開拓」を進めた結果、巨大帝国が出現したのだ。
 国力が充実すれば拡大し、衰退すれば縮小する。ロシア人にとって領土とはそのようなものであり、「固有の領土」などという概念はない。
 日本(ヤマト)国家の成立は遅くとも5世紀であり、その領土は九州から朝鮮半島南部、関東平野にまで及んでいたことが、中国の史書に残る「倭王武(雄略天皇)の上奏文」から推測できる。南九州は「隼人(ハヤト)」、東北地方は「蝦夷(エミシ)」と呼ばれる異民族の世界であった。
 日本も「北部開拓」を進めてきた。古くは平安時代のはじめ、坂上田村麻呂の蝦夷遠征に始まり、中世には十三湊(とさみなと)を拠点とする安東氏が蝦夷地開拓を行い、江戸時代には松前藩がこれを引き継いだ。
 蝦夷地と呼ばれた北海道、樺太、千島列島の先住民はロシア人でも日本人でもなく、アイヌやツングース系の諸民族(ギリヤーク、ウィルタ)である。そこに西からロシア人、南から日本人が入植し、ロシアと日本が領土を争うようになったというのが歴史の真実だ。
 北方四島どころか北海道までも「日本固有の領土」なのかどうか疑わしい。琉球王国として中国皇帝から冊封(さくほう)を受けていた沖縄は一体どうなるのか。
 「北方四島は固有の領土」という魔法の言葉、歴史的根拠に乏しいファンタジーが、日本人の合理的判断力を鈍らせていると私は考える。領土問題は純粋に国益を利するかどうかで論じられるべきだ。
 名君として知られるローマ皇帝ハドリアヌスは、イラン人との係争地であった東方の広大な領土を手放すという英断を下した。そこから得られる税収より、ローマ軍の駐屯に要する軍事費のほうが割高になっていたからだ。
北海道まで狙っていたスターリン
 江戸幕府と帝政ロシアとの間で国境線が確定したのはペリー来航後の1858年、日露和親条約である。択捉(エトロフ)・国後(クナシリ)のアイヌは江戸時代から松前藩に臣従していたので、ロシアも彼らを「日本人」とみなした。得撫(ウルップ島)以北の18島はいったんロシア領とされたが、樺太に触手を伸ばしたロシアは、樺太全島を併合する代わりに北千島を日本に割譲する樺太・千島交換条約(1875)を明治政府と結んだ。面積では圧倒的にロシアが有利だったが、北海道開拓で手一杯の明治政府は樺太防衛にまで手が回らず、開拓使長官・黒田清隆の英断により、樺太の領有権を放棄した。
 この間、ロシアは英仏の中国侵略(1853~56年、アロー戦争)に乗じてウスリー江以東の沿海州を清朝から奪って併合し、日本海沿岸に軍港ウラジオストクを建設している。
 日露戦争でも両国は樺太領有権を争い、ポーツマス会議で南樺太が日本領となった。
 第二次世界大戦で日本は対米戦争に専念するため、ソ連(共産主義ロシア)のスターリンと日ソ中立条約を結んだ。大戦末期、米軍による本土空襲に苦しむ日本は、ソ連に米国との和平の仲介を依頼した。
 この時スターリンは、日ソ中立条約を破って対日参戦し、ソ連軍が満州と南樺太・千島全島・北方四島を占領した。日露戦争で争った南樺太はともかく、千島列島は帝政ロシアとの交換条約で日本が獲得した領土である。それどころかスターリンは北海道北部の占領も計画していたが、米国の反対に遭い断念した。
 ロシア軍はモンゴル時代からの「作法」に従い、占領地では徹底的な略奪を行い、婦女子を暴行した。生き残った男子は極寒のシベリアへ抑留され、強制労働を課されて10%が死んだ。この明白な戦争犯罪について東京裁判は黙殺し、スターリンとその手下は裁かれなかった。「戦勝国無罪」である。
欧州にも残った国境問題
 1991年にソ連を継承したロシア政府も「現在の国境線は第二次世界大戦の結果であるから、変更できない」という立場を堅持している。この場合の「国境線」とは日本との国境だけにとどまらない。スターリンはポーランド東部やバルト3国をも併合しているからだ。
 ソ連(ロシア)は、第二次世界大戦で領土を拡張した唯一の国である。獲得した領土は、南樺太・千島列島にとどまらない。
 ポーランドは中世以来、東部国境をめぐって長くロシアと争ってきた。第二次世界大戦の直前、スターリンは宿敵ヒトラーと協議し、ポーランドを東西に分割し、その東半分とバルト3国はソ連が併合するという密約(独ソ不可侵条約の秘密議定書)を結んだ。ドイツ軍の侵攻を受けて防戦に苦しむポーランド軍に対し、ソ連軍が背後から襲いかかってポーランドを滅ぼし、分割占領した。このように、苦境に立つ隣国に対し、後ろから殴りかかるというのが、ロシアの伝統芸だ。だからロシアに対しては、決して背中を見せてはならない。
 大戦末期には逆にソ連軍がポーランド全土を占領し、共産党政権を樹立した。スターリンはポーランド共産党政権に対し、「戦後の国境線を認めろ」と命令した。この場合の国境線とは、独ソ不可侵条約でスターリンとヒトラーが決めた国境線のことである。
 ポーランドの反発をやわらげるため、スターリンは策を弄した。敗戦国ドイツの東部を削り取り、ポーランドに与えたのだ。このドイツ版「東方領土」は東プロイセン、ポンメルン、シュレジエンの3カ所で、なかでも東プロイセンはドイツの母体となったプロイセン公国発祥の地である。
 これらの地域に住んでいた千数百万人のドイツ人は、祖先から受け継いだ全財産をソ連軍によって没収され、新たな国境とされたオーデル・ナイセ線の西へ放逐された。ソ連軍は占領下のドイツ東部にも共産党政権を樹立し、国境の変更を認めさせた。
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https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/102900251/112700003/

漫画がつなぐアイヌ文化 「ゴールデンカムイ」詳細描写 若者を魅了、料理も人気

2018-11-29 | アイヌ民族関連
会員限定有料記事 毎日新聞2018年11月28日 東京夕刊
 アイヌ民族に興味を持つ若者が増えている。背景には、人気漫画「ゴールデンカムイ」(野田サトルさん作)で、アイヌの文化や風習が丁寧に描写されていることがありそうだ。【庄司哲也】
 「『食料の背骨』と言うくらいウバユリは大事な食べ物だ」。漫画で、アイヌ民族の少女が、アイヌ語で「トゥレプ」と呼ぶ植物(オオウバユリ)の調理法を説明する。でんぷんを含んだ「ユリ根」を団子にして食べるという食文化を詳細に紹介しているシーンだ。
 「ゴールデンカムイ」は「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で2014年から連載。現在、アニメがテレビ放…
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https://mainichi.jp/articles/20181128/dde/001/040/049000c

五輪でのアイヌ発信に意欲 開会式演出で桜田義孝五輪相

2018-11-29 | アイヌ民族関連
iza 2018.11.28 11:35
 桜田義孝五輪相は28日の衆院内閣委員会で、2020年東京五輪開会式でのアイヌ文化の発信に意欲を示した。開会式の演出は大会組織委員会が検討中だとした上で、「大会を契機に、アイヌ文化の発信を図ることが重要だ。組織委にしっかりと伝える」と述べた。国民民主党の山岡達丸氏に対する答弁。
https://www.iza.ne.jp/kiji/sports/news/181128/spo18112811350035-n1.html

琉球人遺骨返還求め提訴へ 子孫ら「「京大が保管」

2018-11-29 | アイヌ民族関連
北海道新聞 11/28 17:47
 昭和初期に沖縄県今帰仁村にある墓所「百按司墓」から持ち出された琉球人遺骨の返還を求め、被葬者の子孫らが京都大を相手取り、来月にも京都地裁に提訴することが28日、代理人弁護士への取材で分かった。
 アイヌ民族の遺骨については、大学が研究目的で保管する骨の返還を求める訴訟が起こされているが、琉球人遺骨を巡る返還訴訟は初めてという。
 代理人弁護士によると、返還を求めるのは、1929年に京都帝国大(現京大)医学部助教授だった金関丈夫氏(1897~1983年)が、墓所から人骨標本の研究材料として持ち出した少なくとも男女26体の骨。墓所を管理する親族らの許可を得ないまま持ち去り、京大が現在も遺骨を保管していると主張している。
 今帰仁村教育委員会などによると、墓所は16世紀以前につくられたとみられる。同教委は文献や墓所の調査などから、遺骨が京大総合博物館で保管されていることを確認した。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/252589

琉球人遺骨収集「盗掘」提訴へ 専門家「京大の責任重い」

2018-11-29 | 先住民族関連
京都新聞 【 2018年11月28日 16時19分 】
 昭和初期、京都帝国大の人類学者が沖縄県今帰仁(なきじん)村の「百按司(ももじゃな)墓」から琉球人の遺骨を持ち去ったとして、子孫らが返還を求めて京都大を訴えることになった。遺骨の一部が持ち込まれた台湾大は昨年、返還の意向を示し、アイヌ民族の遺骨返還訴訟でも北海道大が和解に応じるなど、各地で遺骨返還の動きが出ている。一方、京都大は、子孫らの問い合わせに、誠意のある返答をしていない。先住権に詳しい専門家は「違法に収集された遺骨の扱いを曖昧にしてきた大学の責任は重い」としている。
 京都帝国大医学部解剖学教室助教授だった金関(かなせき)丈夫氏は、1929(昭和4)年に同墓での遺骨採取後、当時日本領だった台湾の台北帝国大(現台湾大)医学部教授に就任。同墓や沖縄県内で採取したとみられる頭蓋骨が持ち込まれたという。
 台湾大は昨年、沖縄県内で採取された計63個の頭蓋骨を、県に返還する申し出を行った。今帰仁村教育委員会は、今年3月に台湾大で頭蓋骨を確認。現在、村教委と沖縄県立埋蔵文化財センターが受け入れに向けた準備を進めている。
 こうした動きを受け、龍谷大の松島泰勝教授が代表を務める琉球民族遺骨返還研究会やアイヌ民族の支援団体が京都大に、遺骨の返還や遺骨の保管状況に関する文書開示を求めてきたが、京都大は「個別の収蔵状況の問い合わせには応じない」として遺骨の保管の有無などを明らかにしていない。
 北海道では、明治時代から1970年代まで研究目的で墓から持ち去られたアイヌ民族の遺骨の返還を求めて2012年以降、アイヌ団体が遺骨を保管する北海道大などに対して返還訴訟を相次いで起こした。当初返還を拒否していた北大側は和解に応じている。
 同訴訟でアイヌ団体の代理人を務め、先住民族の権利に詳しい市川守弘弁護士(札幌弁護士会)は、国内の大学が研究目的で行った遺骨の掘り出しは当時の刑法でも違法だったとし、「遺骨返還は大学や政府が長年放置してきた問題」と指摘する。大学や博物館が保管する先住民の遺骨や埋葬品を巡っては、先住民に返還される動きが世界的潮流だとした上で、「本来は裁判を起こされるのではなく、遺骨を違法に収集した大学側が自らの責任で再埋葬すべきだ」としている。
https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20181128000087