先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

社説:アイヌ政策 「象徴空間」に知恵集めて

2011-06-29 | アイヌ民族関連
(北海道新聞 6月28日)

 政府のアイヌ政策推進会議(座長・枝野幸男官房長官)の作業部会が、最終報告をまとめた。
 胆振管内白老町に設置する大規模公園「象徴空間」について、アイヌ文化の振興、国民理解の促進、将来の連携・協働-の拠点となる「ナショナルセンター」として整備するとした。省庁横断で実現するため、新法の必要性にも触れた。
 これまでアイヌ民族側が求めてきた内容をほぼ盛り込んでおり、評価できる。着実に実現したい。
 ただ、アイヌ民族政策の中で象徴空間整備は始めの一歩にすぎない。
 アイヌ民族を先住民族と認めた国会決議(2008年6月)は、先住民族が「名誉と尊厳を保持し、その文化と誇りを次世代に継承していく」ことの重要性をうたった。
 しかし、道外居住者を対象にした初の全国調査では、厳しい生活の実態も明らかになっている。
 あらためて民族の苦難の歴史を思い、共生の環境づくりを進めなければならない。
 象徴空間は、文化施設のほか、体験・交流活動の拠点とも位置づけられた。具体的な内容や工程には触れず今後の課題として、新たな部会を設けて作業に当たる。
 日本では前例のない施設である。国は整備主体として、しっかりと取り組んでほしい。省庁の垣根を越えて一体で推進することが、特に大事だ。
 また、アイヌ件民族側の積極的なかかわりが極めて重要になる。自分たちがしたいこと、知ってもらいたいことを、民族の意見としてまとめ、反映させたい。そのための仕組みを考えてほしい。
 既存の施設や制度との連携も課題だ。
 国土交通省は道内各地で伝統的生活空間「イオル」再生事業を行っており、成果も上がっている。ほかに日高管内平取町の伝統工芸振興、釧路市の阿寒湖温泉アイヌシアター建設といった取り組みもある。
 一方民間では、装飾品や音楽の分野などでさまざまな活動が広がっている。若者や主婦らの間では、アイヌ文化を発信する側にも、それを受け取る側にも、新しい感覚が育ちつつあるようだ。
 拠点とはいっても、一カ所集中では多様なアイヌ文化を守ることにはならない。
 作業部会は共生空間を「扇の要」と位置づけた。それにふさわしいセンター機能のありかたに知恵を絞ってほしい。
 専門知識を持った担い手を育て、職場を提供することも、拠点として果たすべき大きな役割だろう。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/301925.html

【白老】アイヌ民族の知恵学ぶ 「山のイオル 自然観察」

2011-06-28 | アイヌ民族関連
(苫小牧民報 2011年 6/27)
 国が白老町で進めるイオル(アイヌ民族の伝統的生活空間)再生事業の体験企画「山のイオル 自然観察」(一般社団法人白老モシリ主催)が25日、同町ポロト自然休養林などで開かれた。一般参加者約10人が、樹木を生活や信仰の道具に活用したアイヌの人々の知恵を学んだ。
 山、川、海をテーマに開いているイオル体験は、アイヌ民族と自然がどのような関わりを持っているか、伝承者の話や実体験を通じて学ぶのが特徴。ポロト自然休養林では、地元の自然ガイド・鈴木克司さん、しらおいイオル事務所「チキサニ」学芸員・押野里架さんの案内で林内を散策。ハリギリは丸木舟、ホオノキは矢筒として活用、カツラはアイヌ語で「ランコ」と呼び、後志管内蘭越町の地名由来になったことなどを学んだ。
 このほか、昼食にはアイヌの食文化に関連付け、シカ肉カレーやコクワの実ジャムで味わうヨーグルトが振る舞われたほか、「カリプ」と呼ばれる輪投げに似たアイヌの子供たちの遊びにも挑戦。参加者たちはアイヌ文化への関心が一層高まった様子だった。
http://www.tomamin.co.jp/2011s/s11062703.html

伊達・有珠善光寺自然公園でカムイノミ・イチャルパ祭

2011-06-28 | アイヌ民族関連
【室蘭民報 011年6月27日(月)朝刊】

 アイヌ民族の伝統儀式「第17回カムイノミ・イチャルパ祭」が26日、伊達市の有珠善光寺自然公園内に立つアイヌ慰霊碑前で行われ、見学者を前に神や先祖へ祈りがささげられた。
 北海道アイヌ協会伊達支部(小野祐照支部長)と伊達市、市教育委員会が主催。神々の守護に感謝し平和な暮らしを願うカムイノミと、女性たちが先祖の霊を供養するイチャルパが執り行われた。
 この日は同支部会員はじめ室蘭や白老、登別などのアイヌ協会員、菊谷秀吉市長らが参列し、市民や観光客らが厳かに進められる儀式を見学。終了後は、昔から伝わる料理・チェプオハウ(サケの汁物)などの試食、古式舞踊やムックリ演奏を体験し、アイヌ文化を肌で感じていた。
(西村昌幸)
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2011/06/27/20110627m_06.html

国立のアイヌ博物館、白老町に建設へ

2011-06-28 | アイヌ民族関連
Interenet Museum 2011年06月27日

2011年6月24日(金)、政府は「アイヌ政策推進会議」の報告書をまとめた。
今後のアイヌ政策推進の中心拠点となる国立の複合施設「民族共生の象徴となる空間」を、白老町のポロト湖畔に整備。アイヌ文化の復興と国民へのPRを目的に、アイヌの歴史・文化を展示する博物館、アイヌ文化の伝承・体験施設などが設けられる
今後、国が主体的に整備を進め、アイヌ政策推進会議が引き続きフォローアップしていく。
白老町には現在も、地元のアイヌ自らが運営するアイヌ民族博物館がある。
 発信:毎日jp
http://www.museum.or.jp/modules/topNews/index.php?page=article&storyid=1060

アイヌ政策推進会議:道外居住アイヌ、困窮--初の実態調査

2011-06-27 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2011年6月25日 北海道朝刊

 ◇年収300万未満半数、大学進学率31%
 政府のアイヌ政策推進会議(座長・枝野幸男官房長官)が24日開かれ、国が初めて実施した北海道外に居住するアイヌの生活実態調査結果が報告された。年収300万円未満の世帯が半数近くに上ったほか、若い世代の大学進学率は約3割にとどまり、全国平均に比べて生活、教育面で格差があることが分かった。
 調査結果報告書によると、世帯の年収は200万円台が最多の20・5%。次いで100万円台が15・2%だった。300万円未満が全体の44・8%を占め、全国平均(33・2%)を上回った。生活保護受給率は7・6%で、全国平均の3倍以上だった。29歳以下の大学進学率は31・1%。道内アイヌ(20・2%)を上回ったが、同じ世代の全国平均より10ポイント以上も低い。高校中退率は11・2%と、全国平均(1・7%)を大きく上回り、経済的な理由が4割以上を占めた。
 道外アイヌへの行政の支援がないことから、報告書では「全国でアイヌへの就労、進学支援を検討する必要がある」と指摘した。
 道内のアイヌは北海道の調査で約2万3800人(06年)。ただし、道外の実態はつかめていない。今回の調査は、北海道アイヌ協会会員の親類や知人を紹介してもらい、昨年12月~今年1月、15歳以上の241世帯318人を対象に実施。回収率は世帯63・5%、個人66・0%だった。【千々部一好】
http://mainichi.jp/hokkaido/seikei/news/20110625ddr041010005000c.html

【白老】アイヌ文化復興拠点に 白老町に民族共生の象徴空間 アイヌ政策推進会議の専門部会が報告書提出

2011-06-27 | アイヌ民族関連
(苫小牧民報 2011年 6/25)

 政府のアイヌ政策推進会議(座長・枝野幸男官房長官、14人)が24日、首相官邸で開かれ、「民族共生の象徴となる空間」の整備地を白老町に正式決定する方針などを盛り込んだ報告書を、同会議の部会(部会長=佐々木利和北大アイヌ・先住民研究センター教授)が座長に提出した。報告書では、象徴空間を「アイヌ文化復興の拠点(ナショナルセンター)」と位置付け、国民理解の促進、文化伝承、慰霊など多様な機能を集約させることを明記。具体像が示されたことで、今後は整備に向けた動きが本格化しそうだ。
 報告書では▽アイヌの歴史・文化に対する国民の十分な理解が得られていない▽アイヌとしてのアイデンティティー(帰属意識)を持つ先住民族が国内に存在し、文化復興への意志を持ち続けていることの意志・価値が十分認識されていない▽アイヌ文化の伝承者などが少なくなるとともに、アイヌ語、伝統工芸その他存立の危機にある分野が存在する―という背景を前提に、象徴空間の基本的考え方や具体的機能を明記した。
 具体的機能はアイヌの歴史や文化、精神観や自然観を総合的・一体的に紹介する展示、教育施設(学校)の設置も視野に入れた文化伝承者育成、自然体験型の野外ミュージアムにおけるアウトドア活動をはじめとする体験・交流などを盛り込んだ。
 白老町・アイヌ民族博物館が作業部会へ要望していた同館の国立化については、直接的な表現は無かったものの、「国立を含め、国が主体的に文化施設(博物館等)を整備」と記述。飴谷長蔵町長は「(国立化へ向け)1歩や2歩ではなく、かなり前進したと思う」と感想を述べた。
 今後の検討体制については、早期整備に向け現地の地方公共団体を含めた関係主体による実務的な検討体制を創設する必要性に言及。このほか、国土交通省は今年度予算に、象徴空間の整備に向けた調査費1500万円を計上している。
 作業部会のメンバーを務めた、道アイヌ協会の加藤忠理事長は「アイヌ文化の伝承者は高齢化、担い手不足が深刻。長官からは〝一分でも早く進めたい〟との認識も示していただき、われわれアイヌにとって歴史的一歩となった」と、早期整備への期待をにじませていた。
http://www.tomamin.co.jp/2011s/s11062502.html

【北海道ガーデンショーにむけて】(7)招待作家 長澤伸穂(のぶほ)さん

2011-06-27 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞2011年06月25日 15時30分

アイヌ民族に目を向けたい
 十勝千年の森(清水町)で庭をデザインしたダン・ピアソンさん(英国在住)には先見性があったと思う。豊かな自然の中に英国の歴史を感じさせる花の庭がある一方で、宮殿で貴族が遊んだような造られた庭園の感じがしない。森は造られてはいるが、造られ過ぎていないのが印象的。北海道の地形をきちんと把握され、まるで大地を彫刻したみたいで素晴らしい。
 道ガーデンショーに参加、北海道では初めての現代美術作品となるので大変意欲を持っている。2年前、オランダでも森の中に現代美術を造った。そのときのようなビオトープ(生物生息空間)を造ってみたい。日々の生活ではスイッチボタン一つで何でもできる時代。自然をもう一度見直すことは大事と考える。
 先日、ランドスケープアーキテクトの高野文彰さん(道ガーデンショー・ディレクター)に作品の趣旨を説明。候補地の選定でも意見が一致できた。大きなフキがたくさん伸び、歩けないほどあった。作品タイトルはこれからだが、北海道の歴史を考えたい。厳しい自然と共生し文化を作り上げたアイヌ民族に目を向けたい。アイヌ民族の伝承でフキの下に生きた小人のコロポックルが戻ってくるような場所造りをしたいと感じた。
 普通の彫刻といえばオブジェが浮かぶが、私の作品は決してそうではない。作品が出来上がり、ぱっと見たときはまだ育っていないかもしれない。時間とともに自然が形を作ってくれる自然とのコラボレーション(共演)が基本にある。
 自然や森の中でアートを作るというのはある意味で、自分の思い通りの形にならないところが面白い。太陽の光や、風の流れなども影響する。生きた空間で時間が彫刻をするイメージで、何年か過ぎて作品が自然に返っていくようにもしたい。
 現代美術と科学者や植物学者との協働は世界で進んでいる。千年の森、道ガーデンショーでしかできないものを作っていきたい。単にきれいな庭を造るとか、絵を描くようなものでなく、アーティストがきちんとした概念を持って自然や社会で意見を出していく時代。「アートとはこれだ」と押し付けるのではなく、自然環境にこれもアートなのかと感じる作品がいい。多くの人々に見てもらい社会に貢献していきたい。
(おわり、児玉匡史)
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【北海道ガーデンショー】
 実行委会長は高薄渡清水町長で、十勝・上川管内7庭園が連携する北海道ガーデン街道協議会の林克彦会長が委員長。開催期間は来年6月2日〜10月8日。前売り券は1枚1000円で、勝毎サロン(藤丸7階)、ガーデン街道参加庭園(真鍋庭園、紫竹ガーデン、十勝ヒルズ、十勝千年の森)などで扱っている。問い合わせは、十勝千年の森(0156-63-3000)へ。
http://www.tokachi.co.jp/feature/201106/20110625-0009606.php

人模様:人類学者が開くギャラリー--杉山是清さん

2011-06-27 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2011年6月25日 東京夕刊

 「民俗学者の宮本常一、文化人類学者の川喜田二郎氏の薫陶、指導を受けて、若い時からへき地ばかり歩き回っていました。そんな中で、北海道でアイヌ文化を守ろうと一生懸命だった萱野茂さん(元参院議員、06年死去)と出会い、二風谷(にぶたに)アイヌ文化博物館を作るお手伝いをさせていただいたのがきっかけです」
 東京駅に近い京橋1丁目に、地元育ちの縁もあり、昨年5月オープンした「ギャラリー・モーツァルト」(03・6228・6848)の主人は、生態人類学者でもある杉山是清さん(56)。「遠い昔から自然を大切にしてきたアイヌの人たちは今でいうエコロジスト。家族、地域、みんなの幸せを願って作った道具を多くの人に見ていただきたい」とアイヌ民芸展を年に10回開催。「観光客の土産用の熊の木彫りが少なくなり、写実的なトンボやクモなど題材や造形も現代にマッチしたものが多くなっています」
 30日まで、吉川英治文化賞を受賞した古布絵作家、宇梶静江さんと娘良子さんの作品展を開催中。【網谷隆司郎】
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110625dde041070029000c.html

記念映像デジタル化まずDVD86枚完成

2011-06-27 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞 2011年06月25日 14時49分

 【幕別】町が進めている各種記念映像のデジタル化事業で、第1弾として取り組んだDVD86枚が完成した。町が制作し、8ミリや16ミリフィルム、ビデオテープに残していた映像の他、町民が撮影した1970年前後の幕別本町の街並みや、合併前の旧忠類村が撮った忠類の行事なども収録されている。町図書館本館と各分館で7月1日から鑑賞できるよう、準備を進めている。
 デジタル化は、各種映像がフィルムやビデオテープで残され、劣化が心配されていたことから、2010年度の国の地域活性化交付金(住民生活に光をそそぐ交付金)を活用し、専門業者に委託して取り組んだ。7月には第2弾として、町ふるさと館で保存している映像をデジタル化する予定。費用は全体で596万円で、うち9割程度は同交付金を見込んでいる。
 今回完成したDVDのうち、旧幕別町分では、開町90年記念事業として行われ、約800人の町民が本町から札内地区まで国道沿いに並んで手をつないだ「つながったデー」(86年)や、同100年記念式(96年)の映像などがある。
 また、町内に住んでいた故吉田栄逸さんが個人で制作した8ミリフィルムもデジタル化。町民が忠臣蔵の仮装でパレードした「商工会まつり」(69年)や、アイヌ民族の風習を15年かけて記録した「カムイノミ 祈り」(83年制作)など、古い町並みやイベントを収めた貴重な映像が含まれている。
 旧忠類村関係では、小学校の入学式、中学校の体育祭や高齢者スポーツ大会など、1年を通した村内の行事を映像にまとめた「広報ちゅうるい」(94年、97〜2003年)、お年寄りを映した「お元気なおじいちゃん、おばあちゃん」ほか、96〜01年の成人式などもある。
 各DVDは複数枚、制作され、図書館3館などでそれぞれ保存する。図書館側は「映像資料は時間がたつにつれて貴重さが増す。デジタル化でき、一安心」としている。今後は上映会など、町民に映像を見てもらう機会をつくりたいという。
http://www.tokachi.co.jp/news/201106/20110625-0009603.php

ニュースプラス:アイヌ政策会議報告書 「象徴空間」整備に期待 /北海道

2011-06-27 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2011年6月25日 地方版

 ◇遺骨返還など課題も
 24日に取りまとめられた政府の「アイヌ政策推進会議」の報告書。今後のアイヌ政策推進の中心拠点となる国立の複合施設「民族共生の象徴となる空間」は、白老町のポロト湖畔に整備する方針が打ち出された。関係者からは「一日も早く整備してほしい」と早期実現を望む声が上がる。【千々部一好】
 象徴空間の設立構想は、08年の国会決議に伴って設置された「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」にさかのぼる。アイヌ文化の復興と国民へのPRを目的に(1)アイヌの歴史・文化を展示する博物館(2)アイヌ文化の伝承・体験施設(3)豊かな自然の中で、アイヌの自然観を学ぶ大規模公園(4)大学が研究用に収集したアイヌ人骨の遺族への返還や慰霊の施設--の機能を持つナショナルセンターと位置づけられた。
 平取町、釧路市、旭川市など道内8カ所の候補地を対象に、現地調査や地元でのヒアリングをした結果、地元のアイヌ自らが運営するアイヌ民族博物館があり、文化伝承活動や担い手の育成で実績のある白老町が選ばれた。今後、国が主体的に整備を進めていくが、アイヌ政策推進会議が引き続きフォローアップしていく。
 道アイヌ協会の加藤忠理事長は「有識者懇の報告書でアイヌ政策の『扇の要』とされた象徴空間の整備が決まり、感謝している。国民のアイヌに対する理解や民族共生につながる施設となるように一日も早く整備してほしい」と期待する。道議会開会中で欠席した高橋はるみ知事は「道アイヌ協会や地元の意見を集約し、国と連携して、象徴空間の内容の充実を図りたい」との意見を寄せた。
 今後の課題は「慰霊施設」としてのアイヌ人骨の遺族への返還だ。遺骨は明治時代から北海道大を中心に、研究目的でアイヌの了承も得ずに収集され、全国で1500体にも及ぶとみられている。象徴空間の作業部会長を務めた佐々木利和・北大教授は「昔のことなので、遺族を探し出すだけでも難しい。見つからなかった場合、国がどのように慰霊していくかも大きな課題」と指摘している。
 ◇「計画が前進」地元も歓迎
 民族共生の「象徴空間」を白老町のポロト湖畔に整備する方針を、地元も「計画が前進した」と歓迎している。飴谷長蔵町長は「誤解や偏見を受けてきたアイヌの人々の思いを受け止め、差別する側の意識改革を進める空間になってほしい」と期待を寄せる。
 町には財団法人・アイヌ民族博物館があり、関連資料も豊富にそろえている。博物館の国立化を求めてきた飴谷町長は「アイヌの文化や歴史を国立博物館から世界に発信する意味は大きい」と話した。【斎藤誠】
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 ■解説
 ◇格差是正へ新法制定急げ
 「民族共生の象徴となる空間」など、アイヌ政策実現の第一歩が踏み出された。だが道外アイヌの生活実態調査で明らかなように、生活や教育の面で一般国民との間には厳然とした格差がある。その厳しい現実が、アイヌがアイヌとして生きる選択を妨げる壁でもある。国際的に認知された先住民族の権利を踏まえ、総合的な施策の推進を立法で進めることが急務だろう。
 国連総会で07年9月に採択された「先住民族の権利宣言」は、全46条で▽政治▽経済▽独自の文化振興▽土地や資源--など多岐にわたる先住民族の権利をうたった。それが08年6月の「アイヌは先住民族」とする国会決議につながり、内閣官房に設置されたアイヌ政策推進会議が具体化の方策を議論してきた。
 委員の一人の阿部一司・道アイヌ協会副理事長は「私たちの望みは、国連宣言の内容を日本国内に生かし、生活水準を向上させ、民族の誇りを持って生きられる社会の実現にある」としたうえで「この報告書だけでお茶を濁すのは許されない」と指摘する。
 97年5月に成立したアイヌ文化振興法が対象とするのは、言語や舞踊、工芸など文化面のみで、格差是正はもっぱら道が福祉施策として実施している。推進会議に先立って組織された「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」は09年7月の報告書で既に、国の姿勢と覚悟を示す方策として、立法の意義を挙げている。それをかみしめ、格差是正実現のための新法制定の議論を急がねばならない。【千々部一好】
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 ■アイヌ政策を巡る最近の動き■
07年 9月 国連総会で「先住民族の権利宣言」を採択
08年 6月 政府にアイヌ民族を先住民族と認定することを求めた国会決議を衆参両院で採択
    8月 政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」が初会合
09年 4月 北海道ウタリ協会が北海道アイヌ協会に改称
09年 7月 有識者懇が内閣官房長官に報告書を提出
    8月 政府が内閣官房にアイヌ政策を企画・立案する「アイヌ総合政策室」を設置
   12月 政府がアイヌ政策を検討する「アイヌ政策推進会議」を設置
10年 1月 アイヌ政策推進会議が初会合
    3月 政策推進会議の作業部会「民族共生の象徴となる空間」と「道外のアイヌ生活実態調査」が初会合
   11月 アイヌ総合政策室北海道分室を札幌に開設
11年 5月 政策推進会議の両部会が報告をとりまとめ
http://mainichi.jp/hokkaido/seikei/news/20110625ddlk01010266000c.html

登別で「アイヌ文化を伝えた人たち展」がきょう開幕

2011-06-27 | アイヌ民族関連
【室蘭民報 2011年6月25日(土)朝刊】

 NPO法人知里森舎(横山むつみ理事長)主催の「アイヌ文化を伝えた人たち展」がきょう25日から、登別市緑町の市民活動センター・のぼりんで開かれる。アイヌ神謡集を著した知里幸恵はじめ、今年没後50年となった育ての親として知られる金成マツ、言語学者の真志保など登別が育んだ6人を紹介。「アイヌ文化を知ってほしい」と大勢の来場を期待している。
 郷土のアイヌ文化を伝える目的で初開催する。幸恵(1903~22年)、真志保(1907~61年)姉弟のほか、父高吉(1884~1961年)と母ナミ(1879~1964年)、祖母のモナシノウク、金成マツ(1875~1961年)にスポットを当てた。
 会場には6人の貴重な写真資料7枚のほか、知里・金成系図、アイヌ神謡集関連のパネル3枚が並べられ、写真の下には解説文を付け工夫も。また昨年9月オープンした「知里幸恵銀のしずく記念館」(登別本町)の紹介パンフレットや周辺の植物紹介パネル、同館所蔵の書籍4冊を一般公開する。
 開催前日の24日午前から、知里森舎と市職員ら6人が最終準備を実施。破損がないか展示作品の状態を点検。入念に照明の調整や会場レイアウトなどを決めていた。横山理事長は「展示を見て記念館に足を運んでいただければうれしいですね」と期待を込めていた。
 期間は7月7日まで。入場無料。同センターの開館時間は平日午前9時~午後10時、土・日曜日は午前9時~午後6時。
(粟田純樹)
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2011/06/25/20110625m_05.html

道外アイヌ民族 困窮如実 政策推進会議

2011-06-27 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2011年06月25日

■生活実態調査を報告
 アイヌ民族の政策を検討する政府の「アイヌ政策推進会議」(座長=枝野幸男官房長官)が24日、東京・永田町の首相官邸であり、道外アイヌ民族の生活実態調査の結果と、「民族共生の象徴空間」に関する基本構想が報告された。実態調査では、道外に居住するアイヌ民族も収入や教育面などで全国平均と比べて格差があり、道内のアイヌ民族と同様に困窮している実態が明らかになった。
 この日の会議では、実態調査と象徴空間に関する二つの部会が報告し、すべて了承された。座長代理の三井辨雄(わき・お)・国土交通副大臣によると、枝野官房長官は「部会報告を最大限尊重し、政治主導でスピーディーにアイヌ政策を推進して参りたい」と述べた。
 この日報告された実態調査は、241世帯318人の道外で暮らすアイヌの人たちに調査票を配り、153世帯210人から回答を得た。対象は明治以降、北海道外に転居したアイヌの人とその子孫で15歳以上。北海道を除く全国規模での調査は初めてだ。
 調査結果によると、世帯年収が300万円未満と回答した割合は44・8%。道内のアイヌ民族(50・9%)より低いが、33・2%の全国平均を大きく上回った。生活保護率は7・6%で7・0%の道内と同水準だったが、都道府県で最も高い大阪府(4・6%)よりも高かった。
 大学進学率は31・1%で道内(20・2%)より高いが、全国平均(44・1%)には及ばなかった。さらに高校の中退率(11・2%)は全国比の6倍を超え、このうち約40%が経済的な理由を挙げた。
 また、20・5%の人がアイヌ民族であることを理由に差別を受けたことがあると回答した。
 政府は今後、内閣府と複数の省でつくる連絡調整の場での検討を踏まえ、道外で暮らすアイヌ民族の安定した就労支援や高等教育機関への進学支援などを検討する方針だ。
 一方、基本構想が取りまとめられた象徴空間について、枝野官房長官はこの日の会議で「(整備を)早急に進める」と発言。全国の大学などに保管されているアイヌ民族の人骨の保管状況について速やかに調べる意向も示したという。
 象徴空間は白老町のポロト湖畔周辺を候補地としている。白老町の飴谷長蔵町長は「アイヌの人たちの思いが具現化される。まずはアイヌ民族への誤解や偏見を取り除くため、学校で子どもたちにきちんと文化や歴史を教えてもらいたい」と話した。
(神元敦司、白勢洋一郎)
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001106250003

経済苦、高校中退11% 初の道外アイヌ民族生活調査で判明

2011-06-27 | アイヌ民族関連
(北海道新聞 06/25 08:25)

 政府のアイヌ政策推進会議の作業部会は24日の同会議の会合で、道外のアイヌ民族の生活実態調査の結果を報告した。経済的な苦境などから高校を中退した人は11・2%に上り、全国平均の1・7%(2009年度)より6倍も高いことなどが明らかになり、生活や進学支援策の検討が必要と提言した。道内を除く全国規模の調査は初めて。
 報告書は「居住地に左右されず、自立的に生を営み、文化振興や伝承を担えるための支援が必要」とし、政策や継続した調査を求めた。この日の会合で設置が決まった新たな作業部会で、政策内容が検討される。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/301326.html

北海道・網走市、北見市 幻の流氷の民を探して

2011-06-27 | アイヌ民族関連
日本経済新聞 2011/6/22付

 5世紀から10世紀にかけ、北海道のオホーツク海沿岸に、日本人の祖先の一つとみられるオホーツク人が暮らしていたことをご存じだろうか。遺跡が発掘されている網走市、北見市を中心にいまだ謎の多いオホーツク人の足跡をたどる旅に出た。
 オホーツク人によるオホーツク文化の発見は1913年。後に網走に定住した考古学好きの理髪店主、米村喜男衛さんが網走川河口の断崖で、貝殻の中に縄文文化ともアイヌ民族の文化とも異なる特徴の石器や土器、人骨などを発掘した。これがモヨロ貝塚。竪穴式住居群の遺跡も一部復元、海を見下ろす台地にたたずむと、「流氷の民」と呼ばれたオホーツク人がシベリアから流氷とともに渡来した千数百年前をほうふつとさせる。
◇            ◇
 米村さんの発見については、作家の司馬遼太郎が「街道をゆく」シリーズの「オホーツク街道」(93年刊)の中で「日本のシュリーマン」と、功績をたたえている。
 出土品の一部は市内の北海道立北方民族博物館に展示されている。中でも「オホーツクのヴィーナス」の愛称を持つ数センチ大の婦人像には歴史ロマンをかき立てられる。クジラの牙で作られており、上品で美しいオホーツク人女性の物語を想像した。
 市内の網走市立郷土博物館にもオホーツク式土器などの発掘品が展示されていた。喜男衛さんの孫に当たる米村衛さん(55)が館長を務めており、「オホーツク文化は縄文、続縄文さらにはオホーツク文化と同時代だった、アイヌ民族の祖先が築いた擦文(さつもん)文化とも全く異なっている」と強調した。
 サロマ湖に近い北見市常呂町にもオホーツク文化の遺跡があると聞いて、翌朝、現地に向かった。常呂遺跡。縄文、続縄文、擦文、オホーツクの各文化に属する約3000の竪穴式住居跡が発掘されており、文化の変遷をたどることができる。遺跡の中心地にある「ところ遺跡の森」には、うっそうとした森の中に、復元された竪穴式住居が点在していた。ここには3つの資料館があり、出土品から各文化の特徴を見ることができた。
 なぜ、常呂町に古代から中世までのいくつもの文化が発達したのか。遺跡の森を管理する北見市教育委員会の武田修主幹(57)は「海、湖、川、森がすべて近くにあり、食料資源が豊富にあることで古代人が暮らしやすかったから」と説明する。なるほど常呂町は自然豊かな土地だった。貴重な遺跡の存在から北見市は近い将来、世界文化遺産への登録を狙っている。
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 オホーツク人の足跡は道北の稚内市や利尻、礼文島にまで広がっていると聞き、さらに紋別市まで北上の旅を続けることにした。紋別市にあるオムサロ遺跡公園。海岸近くで発掘された竪穴式住居跡約200軒の中に、オホーツク人のものもあった。付近にはオムサロ原生花園もあって、古代人にとっても暮らしやすい土地柄だったのだろうと感じた。
 出土品は市内の紋別市立博物館に保管されており、出迎えてくれた佐藤和利館長(59)は92年、取材で訪れた司馬を案内したことを懐かしく語った。「装身具や刀などシベリアや本州とも交易していたことを示す出土品も見つかっており、オホーツク人は交易が活発だったようだ」と説明。
 しかし、なぜオホーツク人がこつぜんと消えてしまったのか。「おそらく内陸を中心に発展した擦文文化が拡大、沿岸にとどまったオホーツク文化を吸収していったのではないか」と佐藤さん。謎の北方民族をたどる歴史ロマンをあなたも堪能してみては。
http://www.nikkei.com/life/gourmet/article/g=96958A96889DE1E2E5EBEBE6EBE2E0E3E2E4E0E2E3E3979EE382E2E3;p=9694E0E4E3E0E0E2E2EBE1E3E3E7

教育機会などで格差 アイヌ民族生活実態調査

2011-06-27 | アイヌ民族関連
日本経済新聞 2011/6/24 22:30

 政府は24日、アイヌ政策推進会議(座長・枝野幸男官房長官)を首相官邸で開き、北海道外に住むアイヌ民族の生活実態調査の結果を報告した。世帯年収が300万円未満の割合は44.8%と全国割合の33.2%よりも高く、収入格差が確認された。高校や大学に通った比率も全国割合よりも低く、教育機会が少ない実情が明らかになった。
 会議では、アイヌ民族文化の伝承や人材の育成などを担う「民族共生の象徴空間」を北海道白老町に整備する方向性も了承した。
 生活実態調査は、道外のアイヌ民族の241世帯、15歳以上の318人に調査票を郵送した。回収数は153世帯210人だった。道外の調査は初。
 調査によると、生活保護を受けている道外のアイヌ民族の割合は7.6%で、全国平均の2.3%を上回った。
 一方、教育の面では大学に通った人の割合は31.1%で全国の44.1%と比べ差があった。道外のアイヌ民族のうち高校中退者の比率は全国の6倍近くで、「経済的な理由」を理由に挙げる割合が40.7%と全国の2.9%を大きく上回った。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E0E6E2E6988DE0E6E2E4E0E2E3E39191E3E2E2E2;at=ALL