伴野昭人 会員限定記事
北海道新聞 2025年4月20日 10:22
沖縄本島中部に極東最大の米空軍嘉手納(かでな)基地がある。そのゲート前に位置する旧コザ市(現沖縄市)の十字路は、かつて夜になれば米兵や売春婦であふれかえった。
沖縄の日本復帰直前にコザ市で映画を撮影した今郁義さん
当時コザで暮らし、職場もあった北谷(ちゃたん)町に住む映像ディレクターの今郁義(こん・いくよし)さん(78)と「黒人街」を歩いた。バーや米兵向けの性風俗の建物が今も残っていた。
「嘉手納からベトナム爆撃に飛び立ち、米兵の心も荒れていた。歓楽街は白人と黒人は別々で酔って暴力事件を起こすのは日常茶飯事だった」
今さんは夕張で生まれ、歌志内、三笠、留萌と炭鉱地帯で育った。東京の美大卒業後、映画を撮影するために仲間らと黒人街に住み込んだ。
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