夜のスイッチ

「夜のスイッチ」(レイ・ブラッドベリ 晶文社 2008)

絵は、マデリン・ゲキエア。
訳は、北山克彦。

この本は絵本。
むかし、夜の嫌いな男の子がいた。
男の子は明かりがないといられない。
夏の夜、ほかの子たちはそとで遊んでいるのに、その子は遊びにでられない。
そんな男の子のもとに、ある日ダークという名前の女の子があらわれる。
ダークは男の子に、夜のスイッチの存在を教える。
「夜のスイッチをいれると、星にスイッチが入るわ!」


じつをいうとレイ・ブラツドベリは苦手な作家で、一冊読めたためしがない。
ブラッドベリの詩情をうけつけるチャンネルが、こちらにないのだろう。
でも、この絵本は楽しめた。
楽しめたのは、マデリン・ゲキエアの絵と、この本のつくりかたが大きい。
少ない線で、しっかり形をとらえた絵はスマートだし、その構成は大胆。
配色もセンスがいい。
散文詩のようなブラッドベリの文章を、じつによく絵本というかたちに昇華している。

子どもよりも、絵本好きの大人が喜びそうな絵本だ。


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