かぶれの世界(新)

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歯科医と患者のハイブリッドな仲間

2022-11-16 21:13:21 | 日記・エッセイ・コラム
帰京した二日目の昨日の夕食直前に入れ歯が真っ二つに割れた。とても食事できる状況ではなく、直ぐに診てくれ修理してくれる近場の歯科医にお願いする必要があった。同居する息子が直ぐ近くのAクリニックに診て貰っていると家内に聞き、予約の電話を入れた。

息子の名前を言うと記憶があるようで明日はどうかと聞かれ、是非とも今日のうちに見て頂き夕食をとりたいと粘ると、それでは7時半に来てくれと譲ってくれた。ネットで調べるとAの診療時間は夕方7時までとあり感謝した。実際予約の10分前に行き受付後直ぐに診察が始まった。

受付と診察が同時に始まりクリニック全てを一人で運営していると分かり、大丈夫なのか若干不安になった。直前に息子に評判を聞くと悪くないとの事、何れにしろ選択の余地はなかった。話し合いで当座は入れ歯の修理に専念することで、その後は状況に応じ田舎で診てくれた歯科医を紹介し相談して貰うことにした。

一人なので全ての修理作業はシリアルになり1時間もかかったが、先生と私の会話は弾みあっという間に治療が終わった。東日本で歯科のある国立大学は3つしかない、歯科医が多いのは歯科医のある私立大学が多いからという。彼女によると経済的に国立大しか行けなかったという。

話は変わって彼女は千葉県の農家で生まれ、今でも週に一二回千葉に戻り農業をやっている。農地内に小屋を建てて本格的にやっているという。私が農地を相続しても農業が出来ず四苦八苦しているのと大違いだ。彼女は20代半ばの息子3人がいて休日には手伝ってくれるという。

私の田舎生活の若者とは違うが、彼女と私はよく似た環境だと思った。だが私の様に他人に頼むだけで自分は何も出来ないことを、彼女は歯科医を続けながらやっていると感心した。心からそう思って彼女に伝えた。多分今年94歳で亡くなったばかりの父親の助けもあったと想像する。

その後、彼女と父親がパリに旅行した思いでを聞き、私も一度フランスに仕事に行った経験を話した。米国に数年住んだ経験も紹介し、米国の歯科医に診て貰った時は技師工が下手糞だった経験とか、看護婦が美人ばかりだったと言うと、彼女はとても大事な事と返して笑いあった。

てなことで、あっという間に治療(修理)が終った。最後に後期高齢者の保険証で「3割支払い」を見て何をやっているのか疑われた。二人は東京に住み年を取って共に田舎に農地を持ち、楽しむか苦しむかの違いはあるが田舎で農業に関わり、海外を経験していた。ある種のハイブリッドな仲間だと思った。

今日昼食前に田舎で買った昆布飴を舐めていると、一瞬入れ歯が浮いてヒヤッとした。これでは又直ぐに彼女と長話する機会が来そうだ。■ 
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