かぶれの世界(新)

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木綿のハンカチーフ

2020-04-21 12:13:55 | 音楽
昨日はいつもより早く散歩から帰り、NHKBSプレミアムの副題が「木綿のハンカチーフ誕生の秘密」という音楽番組を見た。この曲を聞くと、何故か田舎から東京に出て来てエンジニアとして一生懸命働いていた自分の姿が浮かんでくる。自分の若い頃を思い出させてくれる歌謡曲なのだ。

その頃の私は20代半ばでコンピューター技術者として経験を積んだ開発担当者として毎日遅くまで働いていた。ある意味若者同士で業績を競う競争で、やる気満々で遥か先頭を走る米国を追いかけ必死で働いた。私は会社の寮住いで仕事を終えて帰って来てそのまま食堂に行き、遅い夕食をテレビを見ながら見た。その時よく見かけたのが太田裕美の「木綿のハンカチーフ」だった。

歌の出だしの「恋人よ僕は旅立つ、東へと向かう列車で」を聞くと、それだけで四国から東京に出て来て必死で働く自分の姿に重ね合わせられる曲だった。太田裕美の甘い声が妙に引っかかった。今でも、夜遅く寮の食堂で音楽番組を見ながら夕食を食べた自分の姿が浮かんでくる特別な歌だ。

だが、当時から一度も「木綿のハンカチーフ」が好きだとかいった記憶が無い(はずだ)。その頃は戦争反対とか主張するメッセージソングが最先端を飛んでる若者の間で人気だった。BディランとかJバエズとか、日本では岡林だとか。日本の反戦ソングには音楽性を感じずファンになれなかった。だが、世の中は豊かになり徐々に受け入れられる音楽が変化した様に素人の私にも感じた。

このあと若者に受け入れられたニューミュージックもメッセージ性がない、私は音楽をそんな風に理屈だけで決めつけていた。世界的にもこういうトレンドはあったと思う。美しい声で愛を歌うカーペンターズなどはバカにされていた。第一線で頑張る技術者として(そう見られたい)私はそんな気持ちだったと思う。白状すると、洋物に憧れる私は後にカーペンターズのファンになったのだが。

50年近く経っていまだ若い頃の自分の姿が思い浮かぶ曲は太田裕美の「木綿のハンカチーフ」なのだ。その頃からずっと好きだったのだが拘りがあって言えなかったのだと思う。番組で音楽的な解説を聞いて何故キューンとなるのか少し分かった気がしたが、私には音楽の言葉で語ることなどとてもできない。でも未だに心に響く。■
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