かぶれの世界(新)

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ならず者が世界を跋扈する

2014-06-17 16:29:41 | 国際・政治

 世界でならず者国家と言われるのは小国だけだ。大国となるとどんな理不尽なことをしてもならず者呼ばわりされることは無い。しかし、ロシアや中国のやっていることはどう見てもならず者だ。ロシア国営ガスプロム社は16日ウクライナ向け天然ガスの供給を停止した。親分子分の関係の間は特別価格を提供するが、言うことを聞かないと倍の値段を吹っ掛け拒否すると今度は供給を止めた。まるでやり方がヤクザだ。いや、ヤクザもこんなアコギはしない。

 中国も南シナ海で一方的な領土主張をして東南アジア諸国の反中感情を引き起こした。西沙諸島で石油掘削活動を開始してベトナムの反発を買い、南沙諸島ではフィリピンが埋め立てに抗議した。両国とも中国との深い経済関係があり、対立が悪化すると経済成長途上にある両国は致命的なダメージを受ける。エネルギー供給におけるロシアとウクライナの一方的な関係と同じだ。

 平和な間に魅力的な条件で支援し交易を拡大し、抜き差しならない関係になったところで経済を脅しに使い言うことを聞かせる、これが中ロの常とう手段だ。経済規模を比べると中国のゴリ押しに対してベトナムやフィリピンはどうやっても勝ち目のない喧嘩だが、東南アジア諸国や日米が支援の手を差し伸べると中国は当事国同士の問題だ余計な口出しをするなと主張する。

 中ロは米国の力が衰えるまでは大人しくしていた。リーマンショックを境に米国の影響力は目に見えて低下し始めた。特にオバマ大統領がシリア紛争の対処を誤って以来、中ロははばかることなく自国の身勝手な主張をし始めた。親分が弱って来たのを見越して、今前は手を出せなかったシマを自分のものにしようという。下手なヤクザ映画かマフィアの世界だ。

 従来なら親分(米国)の配下にいた幹部(英独仏)が結束して立ち上がったのだが、彼等もならず者がぶら下げたニンジンに目が眩んで勝手な行動を止められない。以前からドイツ経済の対ロ依存とフランスのロシアへの武器輸出が、ウクライナ問題解決のネックになってロシアに対して強い態度に出られないと指摘されていた。我慢比べ出来ないのだ。

 英国はもっと毅然とした対応をするかと思っていたが、12日のタイムズ紙は中国が李克強首相の16日からの英国訪問に際し、エリザベス女王との面会を要求し、応じないなら訪問を撤回すると脅していたと報じた(日本経済新聞)。300億ドルと言う巨額の商取引を目の前にぶら下げられキャメロン首相は同意した。「おや、まあ」、どっかで聞いた話だ。もはや英独仏もならず者の横行を止められないのだ。

 オバマ大統領の外交迷走は随分前から一部で批判されていた。ここに来て米国メディアや議会から大っぴらに批判され始めた。2年の任期を残して死に体云々と言われる大統領は何としようともがいている。きれい事を言う欧州はそのレベルにも達していない、何とか誇りを取り戻して欲しい。ほっておくとならず者を見習ってチンピラが世界を跋扈することになる。私は悲観的だ。■

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