W杯の真っ最中で、ジャパンが戦っている時に何故？と聞かれそうだ。第一の理由は私が天邪鬼でひねくれ者だから。私は長年のサッカーファンだ。学生時代はサッカー部に所属し、Jリーグ以前の日本サッカーリーグ時代に国立競技場でゲームを観戦した。「ダイヤモンドサッカー時代」から欧州サッカーを見てきた。その長年のサッカーファンにとっては、大会前から無駄に楽観的な予想は気分良くなかった。白状すると、何よりも初戦に負けたのがつまらないと思う理由かもしれない。
今迄、サッカー観戦と言えば世界に挑戦する日本を見てきた。だが、W杯直前の俄（にわか）サッカーファンが、超楽観的なサッカー解説者のノリノリの予想に乗せられてはしゃぐ番組を見ると違和感があった。何でこんなやつを解説者にしてつまらん予想を振り撒くのかと。こういう連中が根拠の薄い期待に膨らんだバブルの中で日本チームの戦いを中継するのを見ると、そんな甘くないと不安一杯で中継を観るようになり楽しくなくなった。やっぱ、ひねくれている。
初戦のコートジボワール戦では、確かに日本チームの動きは最後までキレが無かった。大会前のテストマッチでは、後半のスタミナは日本が上回ったが本番でそう感じなかった。不思議なくらいパスミスが多かった。最初から動きが硬く感じたのは、試合前から疲れていたのか、或いは欧州で活躍する相手チームの有名選手に用心して慎重になり過ぎたのだろうか。片や欧州リーグのスター、こちらはレギュラーにもならない選手が主力、冷静に比較すると当然の結果かもしれない。
いいじゃないか、もっと楽しめば、と言われればその通りだ。反論できない。お正月の恒例の大胆占いで私自身「最大の注目はW杯で日本サッカーは何処まで勝ち残るかだ。予選リーグ突破しベスト８まで進んでほしいと祈るが現実は厳しい。条件は本田・香川が調子を上げ遠藤が体力を維持すること、新人の活躍はもう無理だろう。結果はどうあれワクワクハラハラ楽しませてくれれば良しとしよう」と予想した。結果に拘らず楽しめと。
もう一つ、本田に対する評価が私には不当だと感じる。大会前に中々調子が上がらないと評価され、本番で唯一の得点を挙げても、本田のそれ以外の動きが良くなかったというコメントを目にした。だが、私は理解できない。本田の得点は凄いシュートだった。もうこれだけで十分だ。本田に対する期待が過剰なほど大きいからかも知れない。確かにいつもよりパスミスが多く、動きにキレが無かったが、それは相手のあることだしチーム全体の傾向でもあった。次のギリシャ戦に期待しよう。しかし謙虚に、挑戦する積りで、ギリシャのFIFA順位は遥かに上だ。■
