かぶれの世界(新)

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我々は一体何をやっているのか

2009-06-23 22:15:14 | 日記・エッセイ・コラム

黙の初夏では環境を守るはずの農業が、無農薬農業とか何とか言いながらを、生物の生存環境を壊している実態があることを紹介した。今回は、一つ一つ取り上げると合理的な判断のように見える行為が、総合すると何と馬鹿馬鹿しいことをしているかという例を紹介したい。

最寄のスーパーに行く途中に、かつては稲作をしていたはずのかなり広い空き地がある。今夏、田舎に戻って来ると工事が始まっていた。これだけ広い土地だと、最初スーパーとかパチンコ屋と広大な駐車場の組み合わせかと思ったが、ビルを建てる時の基礎工事と様子が違っていた。

昼休み中の現場工事の労働者に聞いてみると、貯水場と公園にするらしい。この辺一体はかつて地域の穀倉地帯だったが、近年郊外型のショッピング街に激変した。だが、この変化と並行して大雨が降ると全国ニュースで報じられる規模の水害に遭うようになった。

数年前のブログで、近年田舎で水害が増えた理由として、里の小川とか支流が土砂崩れとか護岸工事のためセメントで固められた結果、雨が降ると極めて効率的に雨水を川に流すシステムになったと書いた。以前なら雨が降った山林・農地や小川にも十分保水力があって、一気に雨水が川に流れ込まない自然の仕組みになっていたと。

在起こっていることは、大雨が降ると本流の水位を上げないよう支流からの流れを堰止めし、合流近辺で堰止めされた雨水が一気に溢れ水害を誘発している。上記の工事は、この合流地点に巨大な貯水池を作りバッファーにして水害を防ごうという狙いのようだ。

基本的には東京都の地下奥深くに作った巨大な貯水タンクと同じ発想だ。こんな田舎町に大手電気販売のフランチャイズが、この数ヶ月の間に、又一つ新装開店していた。セメント化された面積増に比例した量の雨水が、ほぼ時間差無しに小川に流れ込むから、同じ降雨量でも年々水害が増えることになる。昔、全て農地だった頃の小川ではとても流しきれないのだ。

ということで、専門家が真面目に水害対策を考え、限られた予算の中で巨額の建設費を捻り出し、やっと工事を開始したということだろう。もっともらしいが、よく考えると我々は一体何をやっているのだろうか、何と馬鹿なマネをしているのではと思う。この手の話はどこにでもありがちと思うが、人はもう少し賢くなれないものか。■

コメント (3)
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