
スリランカ中央部のアヌラーダプラ、ポロンナルワ、キャンディの三都市を結んだ三角形の内側は、歴代の仏教王朝が造った遺跡群が残されていることから文化三角地点と呼ばれています。
アヌラーダプラは、2500年前に最古の都があった地で、まずはスリー・マハー菩提樹から観光を始めました。これは入口のゲート。

ゲートの上の飾りに目がとまりました。この像は、この後に訪れたスリランカの寺院でも見かけることになりました。
これは、ヒンドゥー教の神話に出てくるカーラのように思えます。カーラは、シヴァ神の部下でしたが、底なしの大喰らいで、自分の体を食べてしまって頭だけになってしまいました。魔除けの像として使われているようです。このカーラ像は、中国から日本に伝わった鬼瓦と同じ起源を持っているように思えます。
カンボジア・プリア・コー遺跡のカーラ像
ミャンマー・バガン遺跡のカーラ像

スリランカでは、お寺の境内に入る際には靴を脱ぐ必要があります。入口には、靴の預かり場所が設けてありました。チップが必要なようですが、これもツアー会社の方でまとめて払ってくれました。境内には小石も転がっていて足裏を炒める必要があるので、履き捨てることのできる靴下と、汚れた状態でも移動できるサンダルが必要になります。クロックスのサンダルを持っていきましたが、気温も高い中の散策やプールサイドへの移動などに重宝しました。
境内に入るには、靴の他にも、帽子をやスカーフを脱ぐとか、傘はささない、肩や膝を露出する服装は禁止など、制約も多いので事前にガイドブックを読んでおく必要があります。

境内に進みましたが、土の上を歩くため小石が当たって痛く、見学よりも足裏の方が気になりました。ミャンマーでも寺院の中では素足になる必要がありましたが、床がタイル敷きになっていたので、熱さはともかく痛みは感じませんでした。

スリー・マハー菩提樹の正面入口にやってきました。回廊が取り巻いている中に菩提樹の大木があります。
紀元前3世紀に、インドのアショーカ王の王女サンガミッター尼が、11人の比丘尼と共にスリランカに布教のためにやってきました。その際、その下で仏陀が悟りを開いたという菩提樹の分け木を、インド・のブッダガヤからここに運び、当時のデーワーナンピヤ・テイッサ王が植樹し、仏教を保護しました。
人間の手により植樹された樹木では最古のものとされ、現在は野生動物からの保護のために石台や鉄柵によって取り囲まれています。なお、ブッダガヤにあった本家の菩提樹は、5世紀頃のインドにおける仏教の弾圧により切られてしまい、現在ではこのスリー・マハー菩提樹からの分け木が植えられているようです。

木の根元部分は見られないのですが、幹が分かれているようで、金色の支柱で支えられている部分が最も古い部分のようです。

回廊へは階段で上がるようになっています。

階段の入口の両脇には、聖域を守護するガードストンが置かれています。
この彫刻が誰か気になります。ほとんどのガードストンの像は、足元に二人の子供を従えていることから、あくまで推測ですが、インド神話の財宝神クベーラ(仏教ではヴァイシュラヴァナ、音読みして毘沙門天)ではないかと思います。 クベーラの子には、ナラクーバラとマニグリーヴァがおり、ナラクーバラは中国に伝わって道教に取り入れられて西遊記や封神演義でおなじみのナタに変わっています。

階段の上り口には、輪廻を現すムーンストーンが置かれています。正面のものは踏まれてかなりすり減っていたので、別の階段のものを載せてあります。
象は「誕生」、牛は「老齢」、ライオンは「病気」、馬は「死」を現すといいます。クイーンズ・パビリオンに一番保存状態が良く美しいムーンストーンが残され、これらの動物が刻まれているといいますが、残念ながら訪れませんでした。
このスリー・マハー菩提樹のムーンストーンを見ると、摩耗が進んでいてはっきりしないのですが、象が一頭おきに並んでおり、二頭の動物しかいないように見えます。象「誕生」と馬「死」が並んでいると見ていいのでしょうか。

階段脇には動物が描かれていますが、これはヒンドゥー神話の怪魚マカラに似ているように思えます。
カンボジア・アンコールトム遺跡のマカラ像

回廊の各所に設けられた祭壇では、人々が熱心に祈りを捧げていました。


内陣には一般の人は立ち入ることはできません。中にも建物があるようで、壁に象の彫刻が並んでいました。

願い事をする一つの方法としては、お金を布にくるんで結びつけます。

もう一つは、布に願い事を書いて取り付けるという方法です。
なお、ここに取り付けられている旗は、仏教を象徴し、仏旗(ぶっき)と呼ばれています。「六色仏旗」とも呼ばれ、色にはにはそれぞれ意味が込められています。六番目の色は輝きを現し、独自の色は配されず、他の5色を上から順に並べた縞模様で表現されます。これは、スリランカで定められた国際仏旗と呼ばれるものですが、日本では別な色の旗も用いられています。

寺院の関係者が、おまじないの白糸を配っていました。謝礼は必要なようです。三日間外さないで願い事をするようです。

回廊から菩提樹を見上げたところ。

お供えの花が祭壇に並んでいました。お供えの花は、自分で嗅いではいけないとか地面に置いてはいけないとかの決まりごとがあるようです。

回廊を歩いていくと、菩提樹を取りまいていた古い壁の一部が保存されていました。

一旦境内から出てルワンウェリ・サーヤ大塔に向かうと、スリー・マハー菩提樹の北門の前に出ました。入場に使った西門よりも、北門の方が立派です。

門の上には、カーラとマカラと思われる像が飾られていますが、中央に置かれているのは、菩提樹の苗木を持ったサンガミッター尼のようです。脇には剣を持った武人の像が置かれており、これはヒンドゥー教ではロカパーラと呼ばれる四天王でしょうか。
日本の仏教では、ヒンドゥー教の影響が見られますが、スリランカでも同じことのようです。
アヌラーダプラは、2500年前に最古の都があった地で、まずはスリー・マハー菩提樹から観光を始めました。これは入口のゲート。

ゲートの上の飾りに目がとまりました。この像は、この後に訪れたスリランカの寺院でも見かけることになりました。
これは、ヒンドゥー教の神話に出てくるカーラのように思えます。カーラは、シヴァ神の部下でしたが、底なしの大喰らいで、自分の体を食べてしまって頭だけになってしまいました。魔除けの像として使われているようです。このカーラ像は、中国から日本に伝わった鬼瓦と同じ起源を持っているように思えます。
カンボジア・プリア・コー遺跡のカーラ像
ミャンマー・バガン遺跡のカーラ像

スリランカでは、お寺の境内に入る際には靴を脱ぐ必要があります。入口には、靴の預かり場所が設けてありました。チップが必要なようですが、これもツアー会社の方でまとめて払ってくれました。境内には小石も転がっていて足裏を炒める必要があるので、履き捨てることのできる靴下と、汚れた状態でも移動できるサンダルが必要になります。クロックスのサンダルを持っていきましたが、気温も高い中の散策やプールサイドへの移動などに重宝しました。
境内に入るには、靴の他にも、帽子をやスカーフを脱ぐとか、傘はささない、肩や膝を露出する服装は禁止など、制約も多いので事前にガイドブックを読んでおく必要があります。

境内に進みましたが、土の上を歩くため小石が当たって痛く、見学よりも足裏の方が気になりました。ミャンマーでも寺院の中では素足になる必要がありましたが、床がタイル敷きになっていたので、熱さはともかく痛みは感じませんでした。

スリー・マハー菩提樹の正面入口にやってきました。回廊が取り巻いている中に菩提樹の大木があります。
紀元前3世紀に、インドのアショーカ王の王女サンガミッター尼が、11人の比丘尼と共にスリランカに布教のためにやってきました。その際、その下で仏陀が悟りを開いたという菩提樹の分け木を、インド・のブッダガヤからここに運び、当時のデーワーナンピヤ・テイッサ王が植樹し、仏教を保護しました。
人間の手により植樹された樹木では最古のものとされ、現在は野生動物からの保護のために石台や鉄柵によって取り囲まれています。なお、ブッダガヤにあった本家の菩提樹は、5世紀頃のインドにおける仏教の弾圧により切られてしまい、現在ではこのスリー・マハー菩提樹からの分け木が植えられているようです。

木の根元部分は見られないのですが、幹が分かれているようで、金色の支柱で支えられている部分が最も古い部分のようです。

回廊へは階段で上がるようになっています。

階段の入口の両脇には、聖域を守護するガードストンが置かれています。
この彫刻が誰か気になります。ほとんどのガードストンの像は、足元に二人の子供を従えていることから、あくまで推測ですが、インド神話の財宝神クベーラ(仏教ではヴァイシュラヴァナ、音読みして毘沙門天)ではないかと思います。 クベーラの子には、ナラクーバラとマニグリーヴァがおり、ナラクーバラは中国に伝わって道教に取り入れられて西遊記や封神演義でおなじみのナタに変わっています。

階段の上り口には、輪廻を現すムーンストーンが置かれています。正面のものは踏まれてかなりすり減っていたので、別の階段のものを載せてあります。
象は「誕生」、牛は「老齢」、ライオンは「病気」、馬は「死」を現すといいます。クイーンズ・パビリオンに一番保存状態が良く美しいムーンストーンが残され、これらの動物が刻まれているといいますが、残念ながら訪れませんでした。
このスリー・マハー菩提樹のムーンストーンを見ると、摩耗が進んでいてはっきりしないのですが、象が一頭おきに並んでおり、二頭の動物しかいないように見えます。象「誕生」と馬「死」が並んでいると見ていいのでしょうか。

階段脇には動物が描かれていますが、これはヒンドゥー神話の怪魚マカラに似ているように思えます。
カンボジア・アンコールトム遺跡のマカラ像

回廊の各所に設けられた祭壇では、人々が熱心に祈りを捧げていました。


内陣には一般の人は立ち入ることはできません。中にも建物があるようで、壁に象の彫刻が並んでいました。

願い事をする一つの方法としては、お金を布にくるんで結びつけます。

もう一つは、布に願い事を書いて取り付けるという方法です。
なお、ここに取り付けられている旗は、仏教を象徴し、仏旗(ぶっき)と呼ばれています。「六色仏旗」とも呼ばれ、色にはにはそれぞれ意味が込められています。六番目の色は輝きを現し、独自の色は配されず、他の5色を上から順に並べた縞模様で表現されます。これは、スリランカで定められた国際仏旗と呼ばれるものですが、日本では別な色の旗も用いられています。

寺院の関係者が、おまじないの白糸を配っていました。謝礼は必要なようです。三日間外さないで願い事をするようです。

回廊から菩提樹を見上げたところ。

お供えの花が祭壇に並んでいました。お供えの花は、自分で嗅いではいけないとか地面に置いてはいけないとかの決まりごとがあるようです。

回廊を歩いていくと、菩提樹を取りまいていた古い壁の一部が保存されていました。

一旦境内から出てルワンウェリ・サーヤ大塔に向かうと、スリー・マハー菩提樹の北門の前に出ました。入場に使った西門よりも、北門の方が立派です。

門の上には、カーラとマカラと思われる像が飾られていますが、中央に置かれているのは、菩提樹の苗木を持ったサンガミッター尼のようです。脇には剣を持った武人の像が置かれており、これはヒンドゥー教ではロカパーラと呼ばれる四天王でしょうか。
日本の仏教では、ヒンドゥー教の影響が見られますが、スリランカでも同じことのようです。