おやじ特別便

ひまじんおやじの日常

暗黙の共謀

2016-05-31 19:02:30 | 日記

【今日の ぎりぎり】

家電量販店へ行くと「他店よりも1円でも高かったらその場で値下げします」と宣言文が書いてあることがある。

ワシらはそれを見て値下げ競争もここまで来たか、物を売るにも大変な時代だなあ、と感心もするし、儲けた感じもする。

ところが、ところが、この仕組みは全くの逆である。

 

例えば、あなたが市場の八百屋だとする、今日はこのリンゴを100円で売ろうとする。市場のほかの店を見るとやっぱり100円で売っている。

ある日、あなたはもう少したくさん売りたいという気持ちになった。同じリンゴを80円で売ることにした。80円なら売れる売れる、すぐに売り切れになった。

次の日市場の仲間は、あいつだけ儲けやがったとそれぞれ腹の中では怒っていた。だから70円の値をつけたり、65円の値をつけたりした。

あなたの店は80円では売れなくなった。

つまりこれが価格競争というもの。

 

これがエスカレートするとすべての店が原価ぎりぎりで売ることになる。

 

ところが「こんな競争をしていたのではお互い店がつぶれちまう」と思う。でも公正取引委員会が価格カルテルに目を光らせているので談合はできない。

どうするか。

知恵者がいるもので「ほかの店より高い場合は値引きします」の看板を出した。それを見たほかの店も同じように「値引きします」の看板を出した。

これでリンゴは100円で安心して売ることができるようになった。

こういったことを「暗黙の共謀」と経済学では言う。

お互いに密かに話し合ったりして談合をするわけでもなく高価格を維持出来るのである。犯罪ではないがぎりぎりのところだろう。

 

先日の***という家電量販店のチラシをとっておいたので見ると。

 スーパー価格保証券

『万が一、他店より高い場合には (中略) 本チラシとレシートを持参のうえ、差額分をポイント還元にて他店より必ずお買い得にいたします。』

重ねて言うがこれは犯罪ではないぞえ。

 

2001年にあの経済学者としては表面的にはちゃらちゃらしているやうに見える「森永卓郎」が「日本経済「暗黙」の共謀者」(講談社新書)を書いている。

 

よい子のみんなに聞く。「ほかの店でオタクより安く売ってたから同じ値段にしてくりょう」の交渉をしているシーンを見たことがあるかい?

ワシは一度もないぞ。

 

ワシは値引き交渉なぞ恥ずかしくて出来ない。   (コラッ、嘘も休み休み言え)

 

 

 


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