【今日の まっすぐ】
相田先生はもう一つ、人生の歩き方をワシらに教えてくれた。
ある日海岸で釣りをしていた相田先生は、ふと思いついて海岸をまっすぐに歩いてみようと思ったのだそうだ。
足元を見てまっすぐに歩いたが、振り向いて自分の足跡を確かめると、ふらふらと蛇行していたのだそうだ。
なんでまっすぐに歩けないのかなあ。
そうだ!今度は遠くにある灯台を目標にしてそれを目がけて歩いてみよう。
今度は足跡がまっすぐになっていた。
たったそれだけの話を、卒業近くのある日の学級会で話してくれた。
なんと含蓄のある話ではないか。立派な先生であった。
それ以来ワシは、そこがたとえ渋谷のスクランブル交差点でも、人に突き当たっても、まっすぐを貫き通している。
えっ、なに?そういうことではない?・・・・・・・・・そうかなあ?