【今日の イケメン】
◆通勤の電車に、毎朝会うイケメンの高校生がいる。どのくらいのイケメンかというと、ほかの高校の女子とどうもよい仲であるらしく、しかも、これが大事だが、そのカノジョ(ここはひとつ、カにアクセントを置く彼女という発音ではなく、平板な発音のカノジョと読んでほしい)がいろいろと変わる。つまり、メッチャもてるのだ。
髪型は今風の俳優だし、時計もなんやらチャラチャラした感じのだし、スニーカーもおしゃれなもの。しかも市内の進学校と言われる高校である。
これじゃあ他校の女子がほっとくはずはねえ。
でも、そんなイケメンにも、自分では気づいていないかも知れぬが欠点がある。それはガニマタであることだ。まあ、ワシぐらいの選球眼の良い人物ならば気づくだろうが、女子高校生あたりでは顔でだまされちまうので、ガニマタは目に入らないのだろう。
◆小学6年生の担任は相田(あいだ)先生という年配の男の先生であった。ワシらを最後に教職から離れて実家の幼稚園を継ぐこととなった温厚な人物であった。
その先生がワシら生徒に伝えた言葉を今でも覚えている。
「好きになった人と別れなければならない場面に遭遇し、君がどうしてもその人と別れたくない場合は彼女のお母さんに会いに行きなさい。彼女の年取った姿をそのお母さんで想像すればきっとあきらめることができる」
おくてのワシはそれを聞いて「なんのこっちゃ」と思ったが、早熟な級友は理解したことだろう。
◆かのイケメン高校生も、還暦過ぎれば頭は白くなるか、はたまた頭の後ろ側まで顔になるか、腹は周長が95CM、離さないと中くらいの大きさの文字までが読めない。そんなジジイになったら、ただの汚いガニマタ爺さんである。
へっへっ、ざまあ味噌漬け。
◆相田先生の55年ほど前の言葉であるが、今、連れ合いをしげしげと拝すると「相田先生は本質を見抜いていた、偉大な教師であった」と感心する。
おっと、うちの連れ合いは例外でありまするぞ。連れ合いに限ってそんなことはありませぬ。キッパリ