おやじ特別便

ひまじんおやじの日常

限界集落の橋

2016-02-16 19:20:19 | 日記

【今日の 土木の現場】

あまり仕事の関係は書かないようにしているのだが

こんなワシでも考えるところあってここに記すことにする。

 

ワシの前の席のシュンちゃんが担当する橋梁補修の現場について行った。

まあ先輩としてか同僚の別の目か単なる野次馬としてかそれは「不問」

職場のオフィスから車で約1時間、距離にしてざっと27km、駅まで8分の便利な住まいのワシにはおよそ考えられない人里離れた山中にその橋はある。

 中央に白幕で囲ってある物が橋である。橋の下10mは渓流になっていて覗き込むと怖い。

1975年3月竣工の銘板が付いているから今年で41歳の鉄の橋だ。

その間一度ぐらいは再塗装をしたかもしれないが、今塗装の補修をするとまた20年ほどはそのまま立派に使える橋である。

この橋の右側に1件の住家がある。そして道をさらに上って行くとドン突きに数件の集落があるが現在は1軒だけ人が住んでいるという。

つまり、この橋を利用している世帯は2軒。

ここで数百万円の費用をかけて橋の長寿命化を図っても、今後どれほどの年月その人たちの役に立つのであろう。

しかし今一人でも川の向こうに生活者がいるのなら工事をし、安全が当たり前の橋にしていかなければならない。

公共とはそういうものである。

その人たちにお金を払って、もっと便利なところに住んでもらったら税金も使わなくても済むのに

という人々もいる。

ここで産まれ生活し、子供を育て、そして死んでいく。そんな市民の気持ちを大事にしたい、お金がかかっても良いじゃないか、社会とはそういうものだ。

ここの人たちが中山間という名の国土を守って来たし、出来る限りこれからも国土を守って行って欲しい。

でも、その後はどうなるのであろう。無人の住家はいずれ朽ち果て山に帰って行く。

山はそれからどうなるのであろうか。