おやじ特別便

ひまじんおやじの日常

危機管理の成功例

2014-07-16 13:29:28 | 日記・エッセイ・コラム
【今日の 古い映画】

◆話の前に

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これはワシが高校生の時に使っていた計算尺というものである。
当時は、今のようなコンピュータはおろか電卓もない時代であった。
それなら大きな数字同士の掛割算はどうしていたの?科学技術計算はどうしていたの?
と言う疑問が生じるかと思うが、そんな時にはこの「計算尺」で答えをだしていたのであった。

仕組みは、この目盛が対数目盛になっていて、掛け算は対数の足し算に、割り算は対数の引き算で計算できることを応用したものである。


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今のようなラップトップのPCなど脳の一部にもなかった時代の話だ。


◆映画「アポロ13」

『アポロ13』(アポロサーティーン、Apollo 13)は、1995年のアメリカ映画。上映時間約140分。アポロ13号爆発事故の実話に基づく作品である。第68回アカデミー賞において編集賞、音響賞の2部門で受賞した。


Photo

1995年の映画で先日TVで放送されたので懐かしくなって録画した。

見た後でウィキで検索すると
この映画は勿論フィクションの部分はあるが
かなりの部分実話に基づいているのだということが分ったので、ここに紹介。

◆アポロ13号は1970年4月の打ち上げであり、月着陸を目指していたが、往路でエンジン故障や月着陸船の重大な事故が発生し、地球への帰還が不可能と言われた中、乗り組み員、地上の関係者の総員の知恵と努力で地球に帰還した物語である。

ある程度の年齢の良い子なら強烈な印象として記憶していると思う。

ちなみにウィキを抜粋すると
1970年4月11日、米中部時間13時13分、ジェームズ・A・ラヴェル船長、ジョン・L・スワイガート司令船操縦士、フレッド・W・ヘイズ月着陸船操縦士を乗せたサターンV 型ロケットは、第3番目の有人月面飛行を目指して、ケネディ宇宙センター第39複合発射施設から発射された。
2日後、電線が短絡し火花が散ったことにより機械船の酸素タンクが爆発し、飛行士たちは深刻な電力と水の不足に見舞われることになった。司令船には独自のバッテリーと酸素が搭載されているが、それらは大気圏再突入の際に必要になるもので、使用することはできない。そのため、彼らは着陸船を救命ボートに見立て乗り移り、電力を限界まで抑え、よって生成量が激減した飲料水の消費を極力控える負荷に耐え、無事地球に生還した。
この危機への対応の鮮やかさにより、13号は「成功した失敗 ("successful failure")」[3]、「栄光ある失敗」などと称されている。

◆先年の東日本大震災の時の原発電源喪失時の政府や東電の狼狽を思い出しながら、この映画のNASA職員の対応との比較がとても興味深かった。
1970年と2011年と40年もの違いなのだが、全く2011年の状況はくそみたいだ。

◆アポロ13が事故を起こし、帰還についてあれこれ検討した中で、月までとりあえず行ってその裏側を回り、月の引力を利用して地球まで帰還する方法に結論付けた時にアポロ船内で計算をしたツールが

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これ計算尺であった。
これにはワシもびっくりした。
映画はワシもリアルタイムで見ていたと思うのだが
当時は「別に普通」だから記憶に残っていなかった。のだと思う。


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この写真は映画の場面の無断コピー

計算尺は、竹の物差しに対数目盛を付けただけなので、その有効数字は4桁か5桁か、知れたもん。
今の980円の計算機でも、もっと有効数字は大きい。

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これで地球と月の距離384400kmを飛んで帰ってきたのだから驚きである。(もちろんNASAヒューストンには大型コンピュータがあって、計算の支援はそこでしていたのではあるが)

ちなみに、その当時のTVは、木製枠のガチャガチャ回すチャンネル切り替え式で、その下にはUHFコンバータのダイヤルも付いているヤツ。

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この画面は当時の事故の模様を流しているニュースである。
このオッサンは有名なウォルター・クロンカイトではないかいな。
・・・・・・・・・・・・・・・違ったかも

◆もう一度言うが
この時のNASAの危機管理対応はすばらしいぞ。原発事故の対応はなんと情けないことよ。

是非貸ヴィデオで見てみて。