ほなさんの汗かき日記

かくれ肥満の解消に50歳を超えてはじめた健康徒歩ゴルフ。登場する個人名、会社名、内容はフィクションである。

北杜夫さんの株の話(6)

2012年06月08日 | 日記
おしっこの出が悪く、だらだらと時間がかかる
ようになったと友人に言ったら、
「まだ出てるうちはいいよ。」
と返事があった。尿管結石から癌に至るまで、
ドキッとするような話が続く。これが現実なの
だ。

女房と家族に飼いならされ、いつの間にか、男
としての牙は錆びついてしまったと悲しんでい
ると、
「’男’なんて表現、あなたのどこにある?」
と言われそうですが、ほなさんだけが思ってい
る都合の良い男の美学は、いつの間にか歯槽膿
漏でグラグラに。その痕跡さえ危ない状態です。
女房、子供に媚をうり、かわいい爺さんを目指
さないと、平穏な老後はないのですね。

そういえば、独身時代に、父親に会ってくれと
女性に言われ、両親に会いに行ったことがあり
ました。
二人の間で結婚話が具体的に出ていたわけでな
かったが、そのまま進んで行けば、そうなるだ
ろうという予感はあったので、会いにいくこと
にしました。

記憶のかけらを集めて想い出すと、、、、
素のままの自分をみてもらえば良いと考え、た
いした手土産も持たずに行ったように思う。
ただ、自分の進むべき道、商人としてやりたい
ことを述べたが、それも小さい声で話すのがや
っと。
予想だにしていませんでしたが、結果はダメ。
自惚れていたというより、世間をしらなかった
からでした。

ただ、ほなさんは、すべての恋愛が結婚で成就
することはないと、理解できる年齢でありまし
た。
だから相手のご両親の結論をそのまま受け入れ
ることにしました。面接試験はペケ、ただ、そ
の理由を教えてと欲しいと頼みましたら、
「落ち着きがなく、変わることが多い。」
と。

そして注釈がついていました。両親は良いが、
本人評価があまりに悪すぎるからだと、言いに
くそうに告げられました。ほな本人がいけない
というのです。
一方的に解釈されていましたので、ほなさんは
少しだけ弁明し、この方とはもう二度とお会い
しないことにしました。

頭を掻きつつ、自分の甲斐署の無さを両親に報
告しましたら、父が怒って、どこで聞き合わせ
をしたか、誰がいい加減なことを言ったか調べ
てきました。よほど悔しかったのでしょう。

あること無いこと言ったのは、ご近所の方で、
聞き合わせに行った先が悪かったのです。でも
ほな自身がダメだからそういわれたのだと、案
外あっさりと自分に非があると思え、いいかげ
んなことを言った方を責めたいと思いませんで
した。

要は縁がないのです。自分には赤い糸は無いの
かも、、、。
若いほなでも、縁の不思議さ、大事さはわかり
ました。

結婚面接で落とされた者が言うのはなんですが、
この父親の気持ちは十分に理解できましたし、
子を想うあまり間違った判断をしたとも思いま
せん。ただ世間というもは、普通という人、ダ
メだという人、二つの見方があるとき、自分の
目で見ず、偏った見方を採用する方が多いもの
だと知りました。

ほなさんは、過去4度移転して、仕事一途で、
金をもたすと店に全部注込む癖があるのです。
被害は家族にいき、周りは堪りません。
この父親の評価の一部、当たっていたなぁと思い
ます。

こういう困った私を、妻の両親が拾ってくれまし
た。捨てる方あれば、拾って育ててくれる奇特な
人もあるのです。それが縁ですね。こんな私にも
縁があったのかと驚きます。

そして家族とはどういうものかと、長年かかって
ほなさんに教えてくれました。自分に欠けていた
ことなので、心からありがたかったです。
商売のことは自分の両親から受け継げますが、「
家族」を教えられる「商売人」は、ほとんど居な
いことでしょう。それは、生活の中心が「商売」
だからです。まず商売、まずお客様が大事、そう
でないと、いい商いなどできませんから。

でも根本の家族が無ければ商売などうまくいくは
ずありません。妻の母親は早くに亡くなりました
が、両親には、まさしく頭があがりません。
それで家族のために、女房のできないことを代わ
りに、せっせとするようになったのです。サービ
ス券もそのひとつです。

前にも書きましたように、でも、ときおり思いま
す。この光景をほくそ笑んで、喜んでいるのは、
妻ではないか?と。
ほなさんは「男の美学」を想い出すと、時折、
長年かかって躾けられた飼い犬に、なり果てた自
分に気づきます。

飼い犬は、己のご主人様の手を噛むことがあって
はならないのです。拾ってもらえたから飼い犬に
なれたのであって、ご恩を忘れてはいけません。
それが飼い犬の掟であります。

野良犬時代の「男の美学」に封印しなくちゃなり
ませんが、それにしても、女房がしてやったり!
と思うであろう姿を想像すると、穏やかな気持ち
が、今日も揺れるのでありました。

ワン、ワオーン!
野良犬時代の遠吠えをしておきましょうか。