ほなさんの汗かき日記

かくれ肥満の解消に50歳を超えてはじめた健康徒歩ゴルフ。登場する個人名、会社名、内容はフィクションである。

恐るべき企み(11)

2008年12月09日 | 日記
芝にヘッドがいやにひっかかるのは、前日が雨
だったことを思い出した。湿った土に打ち込む
と、アイアンのヘッドが土中にめり込み、抜け
なくなったことがある。

誰の手も借りず、アイアンがピンと天にむかっ
て立っている様は「誰の墓だ?」と思えた。
ああ、ここでも行き倒れがあったのか!
可愛そうに名もなきゴルファーよ!
「南無阿弥陀仏、安らかに眠れよ」と手を合わ
せ、その後、両手で引き抜こうとしたが、アイ
アンはびくともしなかった。

一度にやると折れそうなので、グリグリ左右に
しながら穴を大きくしてゆく。やがて湿った土
をいっぱいまとったヘッドが出てきたが、それ
と同じ大きさの穴ポコをつくってしまった。
先をゆくメンバーから、
「ほなさん、なにしてるの?」
と早く打つよう催促される。木の根っこと化し
たヘッドを、別のアイアンに替え打った。その
木の根っこと化した重いクラブは、大きすぎて
キャリーバッグに入れられないから手に持ち、
途中の茶店で洗浄した記憶がある。

アイアンでフェアウエイに大きな穴をあけてし
まった想い出だ。今日もそういうことになって
はいけない、と思った。身よりもない岐阜の山
中に、自らの墓があるなどということを知った
ら、女房はなんというであろうか。
「あなたという人は、、、、」からはじまり、
夜中に食った饅頭の半かけらに至るまで話すこ
とだろう。それに耐えるシェルターは、貧乏マ
ンションにはないのだ。とにかく気をつけたい。

そんなこんなで、2番ホールを迎えた。先の組
がグリーン上でワイワイやっている。もう間もな
くだ。このホール、ほなさんは苦い思い出があっ
た。

2番ホールの特徴は、やや打ち上げのパー3、グ
リーン手前の大きなバンカーに落とすと、もうこ
れは横に出す以外に手はない。前回はこのアゴに
ボールをめり込ませ、やっと出したボールを今度
はホームランし、悪いことにそれがNARASETUさん
の直前をかすめたのだ。

NARASETUさんはグリーン上で、パター片手に獲物
を叩き落とそうと身構えたのだった。
戦国時代の絵巻のような乱舞をやり、二桁スコア
を出したのが、この2番ホールだった。