ほなさんの汗かき日記

かくれ肥満の解消に50歳を超えてはじめた健康徒歩ゴルフ。登場する個人名、会社名、内容はフィクションである。

K師匠のコンペ(6)

2008年07月03日 | 日記
K師匠の球は山裾の上を通過していった。
このホール攻略の手本だ。
ほなさんはクラブを正面で構え、そのまま
ボールの横へ降ろしアドレスした。こうや
ると脇がしまり、手が悪さをしなくなるの
で、ボールが大きく曲がることが少ないの
だ。このホールは曲げてはならない。

止んでいた向い風が強くなる。
すぐ目の前の谷の、ここから2-3m上で、
二羽の鳥が上昇気流と向い風をうけ、空中
で停止していた。手が届くほど近いところ
だ。
ほなさんは思い切り良くクラブを振った。

「あっ!」
うまく当たったと思ったボールは、超低空
飛行だ。これじゃ谷を越えられるのか。
危険があぶない。
「越えろ!」
みなが同時に叫ぶ。

ボールは谷を越え、向こうのヘリに猛烈な
勢いで当たり、ラフの方向へ大きく跳ねた。
それを見たみながいっせいに、
「おー」
跳ねる方向が良かったみたいだ。とにかく
ホールの中へ入り込んでいったようだ。
安堵の空気が流れた。

初顔氏は、力いっぱい高い球を上げ、そのま
ま風にもっていかれた。大風と谷越えが重な
ると、つい力が入ってしまうのだ。
初顔氏にとって、年に一度か二度のコンペな
んだそうだ。体が慣れるまでしばらくかかる
だろう。でも振りは良かった。
ナームー、合掌。