藤原正彦著 「美しい日本の言霊」を読んでいたら、
芝木のり子氏の「さくら」が載っていた。この歳になってわかる歌である。
ことしも生きて さくらを見ています 人は生涯に 何回ぐらいさくらをみるのかしら
ものごころつくのが十歳ぐらいなら どんなに多くても七十回ぐらい・・・・・
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さくらふぶきの下を ふららと歩けば
一瞬
名僧のごとくに分かるのです 死こそ常態 生はいとしき蜃気楼と
日本人の心を育んできたのは、「桜」なのであろう。この世の物とも思えないあでやかさで咲き、一瞬にして散る。
我が家の近くの川土手に、大きな桜の木が立ち並び、毎年住民を楽しませていたが、
今年桜の花の咲く前に、無残にも切り倒された。水害から住民を守るためとのことである。
数年前には、落ち葉が庭に舞い降りるとか、毛虫が落ちて気味が悪いとの理由で切り取られた。
世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし
と歌ったのは、在原業平であったかなー!!