雪だるま倶楽部

日々を離れ
日常から脱却した世界
そんな風景を切り取っています

街の垢

2011年12月12日 | 大阪散策
人の皮膚と同じように
都会にも同じようなものがある



それは
薄皮一枚隔てた姿の事
都会の表の表情



皮膚は
やがて老化して
垢となってゆく



同じように都会の表情も
老化と再生
新陳代謝を繰り返し
その過程で
多くの垢を落とす



油にまみれた飲食店
壁と言わず
アスファルトにすら長年にわたりしみ込んだ人や獣の脂



かつてはモダンと評され
しかしやがて
周囲の風景に溶け込めなくなった建物の外観
時の流れを
眼で以て知ることが出来る



露店も
繁華街に連なる店も
所狭しと並ぶ自販機も
その全てが欲望を吸い込み
歪な何かへと変貌を遂げているような錯覚に襲われる



やがて
帳が下りる頃になると
魔界の住人たちが
営みを始める



昼と夜の隙間の時間帯
街をふらりと歩き
その姿を写真に留めた



時間が近づき
そそくさと電車で退散

コメント (16)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする