さきの大戦をめぐって政府の見解と異なる内容の論文を発表し、航空幕僚長が更迭された。そして、彼を「定年退職」として防衛省を退職させた事を、野党やマスコミは問題化しようとしています。
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まず、問題の論文を読みました。高級官僚が書いた論文とは思えないほど平易な文章と内容。内容的には、新聞に躍った見出しのような過激な内容ではなく、いわゆる左翼の連中から「右翼系」と呼ばれるブログに書かれているような、日本はこういった善い事もやっているという事実の列挙。
主旨をいうと、「日本の大陸進出は、欧米の植民地支配のやり方とは違うんだ。」ということが言いたかった様だ。
私の意見としては、「戦争は負けたほうが悪」。これはどうしようもない事だとおもう。 ただ、無い事まででっち上げて歴史化するのは問題とは思うので、事実だけについて声を上げ続けるしかないのでは・・・。
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更迭された空幕長は確信犯的にやっているようなので、今後もひと悶着あるだろう。しかし、この問題は「彼が現役空幕長として、この意見を公にしたこと」と「彼がこの意見を持ち続けていること(持っていること)」を混同して論じてはいけないように思います。どうも、マスコミはこのことを混同して問題化しているようにしか思えません。
まず、「彼が現役空幕長として、この意見を公にしたこと」ですが、このデリケートな問題を、防衛省の空幕長が発言したら問題になるとは思わなかったのだろうか。事後の彼の発言を聞けば、確信犯が半分、驚きが半分のよう。どうやら人物的に問題があったようだ。
この公にしたことについて言論の自由を口にする向きもあるが、それは違うと思う。役職によって言論は制限を受けると思うからだ。昭和初期の金融恐慌時に、大蔵大臣の一言で日本中の銀行に取り付け騒ぎが起こり、混乱に拍車をかけたという事例もある。
防衛省の空幕長ならば、さきの大戦という未だにデリケートな問題について、私見を述べることがどれだけ国益を損ねるのかに思いを馳せるのは当然のことだ。それも、政府見解と異なる意見なら尚のことだ。その意見が正しかろうが誤りだろうが、彼がやったことは間違っていると思う。
では、次に「彼がこの意見を持ち続けていること(持っていること)」についてですが、彼が空幕長を更迭され防衛省を退職した今、彼がどのような意見を持とうが発表しようが、それこそ言論の自由・思想信条の自由であり、他人につべこべ言われる筋合いのものではないと思う。
マスコミは記者会見で、今も論文で書いた意見が変わらないかとの質問を執拗にしていたが、そのこと自体が言論の自由・思想信条の自由を侵害しているとは思わないのだろうか。彼が「北朝鮮」を口にしていたがその通り。少なくとも、全文を読んだ感想としては公序良俗に反するような論文とは思えませんでした。
マスコミは、自分の都合のいいときだけ「言論の自由・思想信条の自由」を振り回すのは止めるべきだ。その事が「言論の自由・思想信条の自由」に対する冒涜だと私は思います。
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彼が定年退職となって、退職金が支払われる事を政治問題化しようとする動きがある。しかし、退職金は彼のこれまでの仕事全てに対して支払われる正当な報酬であり、今回の問題によって支払わないことの方が問題ではないだろうか。
そして、政府見解と異なる意見を発表したら懲戒免職等の規定が無い以上、定年退職以外の処分を下しようがないではないか。空幕長は犯罪は犯していないのだから。
マスコミの気に食わない意見を持っていたら犯罪者になるのだろうか。ならば、北朝鮮と何ら変わらないのと違いますか?