4月25日に、藤子・F・不二雄大全集の第3期第8回配本が発売になった。
今回出た三冊の中で、私が一番楽しみにしていたのは、何と言っても『ドラえもん』第18巻だった。「分かいドライバー」と「ターザンパンツ」(F全集での題は「分解ドライバー」「ターザンパンツで大活躍!?」)が、初めて単行本に収録されたのだ。これは、興奮せずにはいられない。この2編をご存じないという方は、「分かいドライバー ターザンパンツ」で検索すれば、詳しく紹介しているサイトが見つかる(とある事情により、直リンクはしない)。
2編とも、「てれびくん」別冊付録の「てれびくんコミックス」が初出だが、その後は「コロコロコミック」初期の号に再録されたっきりで、一度も単行本に収録される事はなかった。
すでに藤本先生が亡くなられている以上、単行本に収録されなかった本当の理由は誰にもわからないが、個人的な見解として推測するなら、「分かいドライバー」は人体バラバラネタと狂いすぎたストーリー展開が、そして「ターザンパンツ」は人食い土人の描写が、それぞれ問題視されたのではないかと思う。
そのような曰く付き(?)な2編が今回無事に収録されたのは、F全集が『ドラえもん』完全収録を謳っていたからこそだろう。『ドラえもん』に限らず、F全集は全話完全収録が売りだから他の作品でも収録漏れはないのだが、全話数が1300話以上に及び、個人で全話を集めるには困難の伴う『ドラえもん』だからこそ、「全話完全収録」に大きな意味がある。
前述のように、この2編は「コロコロコミック」に再録された事があるので、今までもコロコロのバックナンバーで読む事は出来たのだが、今はともかく昔のコロコロは印刷が悪い上に裏うつりがひどくて、状態がよくなかった。しかし、2編とも無事に原稿が残っていたようで、全集刊行により鮮明で綺麗な状態で読めるようになった。「きれいな「分かいドライバー」」なんてそれ自体がギャグのようで、F全集を読んでいて笑いが止まらない。
ちなみに、「分かいドライバー」はコロコロ再録版、「ターザンパンツ」は初出版と今回の全集版を比較してみたが、前者は改変は無く、後者は初出では二箇所「土人」の単語があったのが全集では削除されている。ただ、絵だけでしずちゃん達が「人食い土人」に捕まったのはわかるし、「人食い」は消されていないので、まだ自主規制としてはましな方だろう。もちろん、出来れば自主規制はして欲しくないのだが。
本巻でひとつだけ残念(と言うほどでもないが)な点を挙げるとすれば、「分かいドライバー」の表記が「分解ドライバー」に改められた事だ。今まで長い間「分かいドライバー」で読んでいたので、どうしても違和感がある。
とは言え、これで誰もが「分かいドライバー」「ターザンパンツ」を読んで楽しめるようになった。実にめでたい事だ。
ところで、今回は「分かいドライバー」「ターザンパンツ」だけでなく、「もしもボックスで昼ふかし!?」も単行本初収録(雑誌「ぼく、ドラえもん」付録に再録あり)なのに、「分かいドライバー」「ターザンパンツ」ばかりが話題になって、「もしもボックスで昼ふかし!?」に触れている人が少ない。どちらかというと地味な話なので注目されていないのかもしれないが、昼と夜が逆転した世界での人々の行動はとぼけた味わいがあり、これはこれで面白い。未読の方には、ご一読をお薦めしたい。
また、本巻は前半が「幼稚園」「よいこ」掲載の幼年向け作品、後半が「てれびくんコミックス」掲載作品が収録されている。前半のエピソードも多くが単行本初収録なので、カラー収録されている点を含めて、非常に豪華な内容の一冊だ。
最後は、「てれびくんコミックス」とF全集版第18巻とで一緒に記念撮影。「てれびくんコミックス」は『ドラえもん』新作が掲載された全7冊中、まだ4冊しか持っていない。あと3冊の中で、一番入手困難なのは「分かいドライバー」掲載号だろうか。今回のF全集収録で、古書価が下がってお求めやすい価格になってくれるといいのだが。
今回出た三冊の中で、私が一番楽しみにしていたのは、何と言っても『ドラえもん』第18巻だった。「分かいドライバー」と「ターザンパンツ」(F全集での題は「分解ドライバー」「ターザンパンツで大活躍!?」)が、初めて単行本に収録されたのだ。これは、興奮せずにはいられない。この2編をご存じないという方は、「分かいドライバー ターザンパンツ」で検索すれば、詳しく紹介しているサイトが見つかる(とある事情により、直リンクはしない)。
2編とも、「てれびくん」別冊付録の「てれびくんコミックス」が初出だが、その後は「コロコロコミック」初期の号に再録されたっきりで、一度も単行本に収録される事はなかった。
すでに藤本先生が亡くなられている以上、単行本に収録されなかった本当の理由は誰にもわからないが、個人的な見解として推測するなら、「分かいドライバー」は人体バラバラネタと狂いすぎたストーリー展開が、そして「ターザンパンツ」は人食い土人の描写が、それぞれ問題視されたのではないかと思う。
そのような曰く付き(?)な2編が今回無事に収録されたのは、F全集が『ドラえもん』完全収録を謳っていたからこそだろう。『ドラえもん』に限らず、F全集は全話完全収録が売りだから他の作品でも収録漏れはないのだが、全話数が1300話以上に及び、個人で全話を集めるには困難の伴う『ドラえもん』だからこそ、「全話完全収録」に大きな意味がある。
前述のように、この2編は「コロコロコミック」に再録された事があるので、今までもコロコロのバックナンバーで読む事は出来たのだが、今はともかく昔のコロコロは印刷が悪い上に裏うつりがひどくて、状態がよくなかった。しかし、2編とも無事に原稿が残っていたようで、全集刊行により鮮明で綺麗な状態で読めるようになった。「きれいな「分かいドライバー」」なんてそれ自体がギャグのようで、F全集を読んでいて笑いが止まらない。
ちなみに、「分かいドライバー」はコロコロ再録版、「ターザンパンツ」は初出版と今回の全集版を比較してみたが、前者は改変は無く、後者は初出では二箇所「土人」の単語があったのが全集では削除されている。ただ、絵だけでしずちゃん達が「人食い土人」に捕まったのはわかるし、「人食い」は消されていないので、まだ自主規制としてはましな方だろう。もちろん、出来れば自主規制はして欲しくないのだが。
本巻でひとつだけ残念(と言うほどでもないが)な点を挙げるとすれば、「分かいドライバー」の表記が「分解ドライバー」に改められた事だ。今まで長い間「分かいドライバー」で読んでいたので、どうしても違和感がある。
とは言え、これで誰もが「分かいドライバー」「ターザンパンツ」を読んで楽しめるようになった。実にめでたい事だ。
ところで、今回は「分かいドライバー」「ターザンパンツ」だけでなく、「もしもボックスで昼ふかし!?」も単行本初収録(雑誌「ぼく、ドラえもん」付録に再録あり)なのに、「分かいドライバー」「ターザンパンツ」ばかりが話題になって、「もしもボックスで昼ふかし!?」に触れている人が少ない。どちらかというと地味な話なので注目されていないのかもしれないが、昼と夜が逆転した世界での人々の行動はとぼけた味わいがあり、これはこれで面白い。未読の方には、ご一読をお薦めしたい。
また、本巻は前半が「幼稚園」「よいこ」掲載の幼年向け作品、後半が「てれびくんコミックス」掲載作品が収録されている。前半のエピソードも多くが単行本初収録なので、カラー収録されている点を含めて、非常に豪華な内容の一冊だ。
最後は、「てれびくんコミックス」とF全集版第18巻とで一緒に記念撮影。「てれびくんコミックス」は『ドラえもん』新作が掲載された全7冊中、まだ4冊しか持っていない。あと3冊の中で、一番入手困難なのは「分かいドライバー」掲載号だろうか。今回のF全集収録で、古書価が下がってお求めやすい価格になってくれるといいのだが。