高岡・氷見ひとり旅(前編)

 4月14日・15日に、藤子不二雄両先生の故郷、富山県高岡市と氷見市に行って来た。

 どうしてこの時期に行ったかと言うと、これはもう単純に「行きたくなったから」としか言いようがない。関東への旅行から戻って2,3日経った頃、唐突に「高岡・氷見に行きたい」という思いが沸いてきたのだ。強いて理由付けをするなら、先月末に発売された『愛…しりそめし頃に…』第11巻で満賀と才野が里帰りする場面があったので、それを読んで刺激を受けたのかも知れない。
 最初は、ゴールデンウィークにでも行こうかと思ったのだが、どんどん行きたい気持ちが強くなってきて、とても一ヶ月弱も待てないと言う心理状態になってしまったので、最も直近で予定の入っていない14・15日に出かける事に決めた。そんなわけで、急遽自分にとって6回目、約6年半ぶりの高岡・氷見訪問が実現した。


 まずは、4月14日。この日は高岡を訪れた。名古屋から高岡までは、鉄道なら特急列車一本で行く事が出来る。だから、愛知県民にとってそれほど遠くない土地なのだが、心理的には所要時間が3時間を超えると遠く感じてしまう。
 そんなわけで、3時間20分ほど電車に揺られて、高岡に着いた。この地におり立って、まず感じたのは「駅前の寂しさ」だった。JR高岡駅は駅ビルを取り壊しての再開発中で、立派な新ビルの完成予想図も掲げられているが、現在はまだ取り壊している最中で、半分壊れた駅ビルが丸見えになっている。それに加えて、駅前直近の商店街は営業している店が非常に少なくて、見るからに寂れている様子だ。まあ、この商店街も、かなり古ぼけているので、再開発の一端で取り壊しの予定があるのかも知れないが。
 富山県人口第二位の都市の玄関口が、こんな状態になっているは思いもよらず、軽く衝撃を受けてしまった。

 話がそれてしまったが、駅を出た後は、そのような駅前の状態を横目で見つつ、とりあえず高岡古城公園へと向かった。
 間の悪い事にこの日は天気が悪くて、雨が少し、ポツポツと降っている状況だった。数日前から天気予報でわかっていた事ではあったのだが、前後の週は予定が入っていて変えられなかったので、仕方がない。雨に降られながら訪れた古城公園だったが、それはそれで情緒が感じられて、案外悪くはなかった。いったんはここを通りぬけて、藤子両先生の出身校である高岡高校および高岡工芸高校方面へと向かった。
 上記二校の最寄り駅が、JR氷見線の越中中川駅だ。雨宿りのためにこの駅に寄ったのだが、隣接する駐輪場では藤子ファンにはお馴染み(?)の「立山くん」を発見した。警察のマスコットに藤子先生のキャラが使われるのも富山県ならではの事だが、そのがこのように生活に身近な場所で見られるのが、ファンとしては嬉しい。



駐輪場の立て看板


 高岡高校と工芸高校を見て回った後は、以前の高岡訪問時にも食べた「まじまの10段ソフト」を味わった後、古城公園へと引き返した。

 再び古城公園に着いたが、この頃はまだ雨が降っていた。『まんが道』ゆかりの場所である「ふたつ山(=卯辰山)」を訪れたが、以前からやってみたかった「激河大介ごっこ」は、やらずじまい。今回は、最初から雨とわかっていたので『新寶島』を持ってきておらず、また満賀・才野役もいないので、もし晴れていても実行は不可能だったが。また、ふたつ山に隣接している土俵は打ち直しの真っ最中だったので、ここで、残念ながら満賀・才野の真似をする事も出来なかった。
 古城公園では他に、藤子ファンとしては見逃せないスポットに「絵筆塔」がある。これは、コンビ解消後の1989年に作られたものなので、「藤子・F・不二雄」「藤子不二雄A」それぞれとしての「かっぱ絵」レリーフが存在している。絵筆塔自体は、漫画界の巨匠のレリーフがたくさん見られて素晴らしいものだが、両先生のレリーフが隣同士になっていないのは残念だ。



並べてみた


 古城公園を出た頃、ようやく雨も上がり、スッキリした。その後は、高岡大仏・文苑堂・ウイング・ウイング高岡(市立中央図書館・ドラえもんブロンズ像)などを廻った。ドラえもんたちのブロンズ像は、以前は「万陽の森」と言う所に設置されていたものだが、移設されてからは初めて訪れた。このブロンズ像については、当初は移設ではなく無くしてしまう事になっていたが、現在の場所に移った事でウイング・ウイングが図書館(「ドラえもん文庫」がある)&ブロンズ像と「ドラづくし」の場所になったので、結果オーライと言える。



高岡大仏


 色々と市内の藤子先生縁の場所を廻っていると、あっと言う間に暗くなってしまった。二つほど行けなかった場所があったのだが、それは翌日回しとした。
 と、行ったところで高岡・氷見観光の一日目は終了。夕食は海の幸を、と思って寿司店(ただし、予算の都合で廻転するやつ)に行ったが、さすがに氷見からとれたての魚を直送しているだけあって、名古屋の105円寿司とは比べものにならないほどに旨かった。機械ではなく、全て職人が握っているせいもあったのだろう。
 最近はブログで宣伝したりするとステマ呼ばわりされる恐れもあるのでここで店名は書かないが、いい店だった。

後編に続く)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )